2010
妨害船 アディ・ギル号沈没 ハイチ大地震 バンクーバー冬季オリンピック開催 チリ・コピアポ鉱山落盤事故〜奇跡の救出
尖閣諸島中国漁船衝突事件 北朝鮮が韓国に砲撃 情報漏洩
19
Peter Anders
So Far
アンダース&ポンシアとしてソフト・ロック系では有名なソングライターの方ですが、どちらかというとあまりそっちの方は聴かないのでこれまでご縁はそれほどありませんでした。
ディオンやフィービー・スノーがカバーした曲"If I Can Just Get Through Tonight"が好きだったこともあり、その作者の38年ぶりのソロ・アルバムとうことで手に入れました。
2010年発売ですが、実際に流通しだしたのは今年に入ってからじゃないでしょうか。
当初CD Babyでしか買えませんでしたが、最近はユニオンさんの店頭でも見るようになりました。
楽曲は新作というよりも以前の持ち歌や他のアーティストに提供した曲のセルフ・カバー集といったところですが、甘酸っぱいメローなメロディーはまさにソフトロックそのものです。
どの曲も完成度が極めて高く、おまけに予想以上に味のあるブルー・アイド・ソウル的な本人のヴォーカルが素晴らしい・・と言うことでお気に入りの一枚になりました。
「胸キュン・涙腺ユルユル」路線の激渋盤といったところでしょうか。
(11.9.4)
19
Tete
Le Premier Clair De L'aube
セネガル生まれのアフリカ系フランス人テテの4枚目のアルバムはロス・ロボスのサックス奏者スティーブ・バーリンのプロデュースでアメリカ録音でした。
国内盤も出ていてその邦題が「夜明けの最初の輝き」
良いタイトルです。
ルーツ系ミュージックに寄り添ったアコースティック主体のタイトなバンド・サウンドですが、 ポップな香りもありそこそこ売れたのも分かります。
フランス語なので何を言っているのかさっぱり分かりませんが、それでもテテの個性がダイレクトに伝わってくるところはさすが世界を旅しながら歌ってる人の底力でしょうか。
今年の4月の来日は震災の影響で流れてしまいましたが、この10月に大阪、名古屋、東京でのライブが決まったみたいです。
(11.9.3)
19
John Mellencamp
No Better Than This
アーロン・ネヴィルの新作はJoe Henryのプロデュースですが、今回はT-Bone Burnettのプロデュース作品です。
こっち系ではほんと双璧の二人です。
John Mellencampも芸名の「クーガー」を使わなくなってけっこうたつんでしょうか・・あまり詳しくありませんが。
John Cougar Mellencampでデビューの頃、私は何となく印象がブライアン・アダムスとかぶっていたのですが「Scarecrow」くらいからでしょうかはっきり区別できるようになったのは。
さて、今回の25作目のアルバムはJohn Mellencampのルーツ回帰指向とT-Bone Burnettのアナログ好みががっぷり四つになってできた傑作・・なんでしょうかね、気持ちのいい音であることには間違いないです。
RCAのヴィンテージ・マイクロフォン一発でこれまたヴィンテージのアンペックス1/4インチ・テープ・レコーダーでのモノラル録音。
収録も一発録りなんでしょうかね・・確かにドラムスとかは思いっ切りミュートした音ですね。
で、今回の新作オリジナル13曲の録音場所がこだわりの極み。
プレスリーでおなじみのメンフィスのサン・スタジオで9曲。
ロックン・ロールの聖地みたいなところです。
ジョージア州サバンナのファースト・アフリカン・バプティスト教会で3曲。
ここはよく知りませんが、ゴスペルで有名なんでしょうね。
そして極めつけが、テキサスはサン・アントンのギュンター・ホテル414号室での1曲。
1936年ロバート・ジョンソンが3日間で16曲の初レコーディングをした部屋ですが、ブルース・ファンには70年頃に出た"The King of Delta Blues Singers, Vol. 2"のジャケット・イラストが鮮烈で感慨深いものがあります。

傑作と言えるかどうかは別にして、こだわりまくってできたこのアルバムはコクのある音質感とラウドでリアルな音場と相まって時々は引っ張り出して聴きたくなるアルバムになるでしょう。
(10.12.31)
19
Aaron Neville
I Know I've Been Changed
アーロン・ネヴィルはこれまでにもクリスマス・アルバム"Soulful Christmas"やゴスペル・アルバム"Gospel Roots"といったアルバムを出していますが、今回のアルバムはプロデュースが今やT-Bone Burnettと並ぶアメリカーナ・サウンドのプロデューサーJoe Henryということで、これまで以上に濃くて滋味溢れる内容になっています。
2008年のネヴィル・ブラザースの来日時に感じたゴールデン・ヴォイスの衰えはここでも少し感じますが、その辺も含めてトラッド・ゴスペル集としての味わいとなっているのはJoe Henryのサウンド・プロダクションの貢献大なのだと思います。
また、アーロンとは50年来、Joe Henryとは近年縁のあるAllan Toussaintのピアノが相変わらず良い感じです。
そう言えば、今年Joe Henryが来日して京都とか日比谷の野音とかでライブをやっていましたね。
以前のライブ映像を見たことがありますが、バックがウッド・ベースとキーボードで売れっ子プロデューサーのステージとは思えない激渋ぶりでした。
(10.12.23)
19
Bobby Charles
Timeless
ボビー・チャールズの作品はどれも今回のアルバム・タイトル通りまさに「タイムレス」です。
期待以上のものを最後に残していってくれました。
ニューアルバムでは毎回何曲かは使い回しがあったのですが、今回は全13曲の内1曲のみであとは全部新録のようです。
ドクター・ジョン、ソニー・ランドレス、ジェリー・マギーといったベテラン達の味のあるサポートでいつもと同じ空気をかもし出しています。
彼の音楽はアメリカ南部でスタートしウッドストックでいったん結実します。
そして南部にもどり土に還ったわけですが、その間場所も時代も変わるなか、常に同じ波長を出し続けることのできた類い希なアーティストでした。
(10.3.15)

← 2009
My Favorite Disc TOP
2011 →