2008
毒入りギョーザ 「ロス疑惑」再燃 東芝HD DVD撤退 通り魔事件多発 洞爺湖サミット ゲリラ豪雨 偽装米 福田首相辞任
聖火リレー大荒れ 大型サイクロンミャンマーを直撃 中国四川省大地震 北京オリンピック 世界金融危機
 
Jakob Dylan
Seeing Things
今年ソロ2枚目の新譜を出していましたが、これがファースト・ソロ・アルバムになります。
全編アコースティックなサウンドで"ザ・ウォールフラワーズ"での活動とは一線を画した見事なフォーク・アルバムとなっています。
地味と言えば思いっ切り地味ですが、生音が際立ち声質と楽曲の素の良さが絡み合って大物感すら感じます。
ディランの息子・・云々はもう要らない、という感じです。
今年の新譜はT-Bone Burnetのプロデュースということで期待もし、タワレコで聴けるモノは全部「立ち聴き」したのですが、すぐには手が出ませんでした。
このアルバムがシンプル極まりなく良くできているので、新譜には少しやり過ぎ感が感じられたのですが、まぁ時間がたてば印象も変わるのでその内にやはり買うことになると思います。
(10.6.13)
 
Henry Mccullough
Poor Man's Moon
去年出たらしいのですが、昨日やっと入手できました。
映画「ウッドストック」でのジョー・コッカーはインパクトがありましたが、そのバックをつとめていたのが"グリース・バンド"。
で、そこのギタリストがこの"ヘンリー・マックロー"氏です。
その後、グリース・バンドとしてアルバムデビュー(名作!)、そしてちょっとだけウィングスに在籍、さらにロニー・レイン、フランキー・ミラーとの競演や数々のセッションで「ブリティッシュ・スワンプ」の王道を歩んだ大物(?)ギタリストです。
75年にダークホース・レーベルからソロアルバム(名作!)を出した後もインディーズ系からポチポチとアルバムは出していますが、しばらくの間ポーランドで活動していたそうで、この旧東欧というところも一般的でなくて「らしい」感じです。
そうこうするうちに、故郷のアイルランドに戻ったらしく今回のアルバムはその地元で作られたようです。
一昨年だったと思いますが、 日本でも公開されたロニー・レインの映画「ロニー〜MODSとROCKが恋した男〜」の中でヘンリー・マックローもインタビューで少し登場していましたが、その時の「魔法使いのようなおどろおどろしい風貌」にギョッとしたものですが、今回のアルバムは、へばりつくようなイナタいギターと味のあるヘタウマ・ヴォーカルは健在で期待以上のできでした。
タイトルナンバーの"Poor Man's Moon"は"グリース・バンド"を思わせる独特のリフを持つスワンプ・ナンバーですが"グリース・バンド"時代のようにあそこまではドロドロはしていません。
また、濃いめのブルース・ロック・ナンバーも控えめでこれも好印象・・年とともに全体に少し枯れた感じはありますが、自身のアイデンティティーだけは少しも薄まっていないところはさすがです。
ちなみに、ジャケットに写っている赤いギターは"グリース・バンド"時代から愛用しているギブソンのES335ですが、最近盗まれたらしく本人もツテを頼って捜しているらしいです。
(09.1.25)
 
Phoebe Snow
Live
フィービー・スノーと言えば、シェルターからのデビュー・アルバムがやはり飛び抜けて秀逸じゃないかと思いますが、このアルバムが日本でもリリースされた後に来日公演の話があり当時友人たちと期待で盛り上がったものでした。
ところが、ツァーそのものが無くなりその理由としてデビュー後に生まれた娘さんが難病であるとか障害を持っているとかの為と聞いた記憶があります。
その後のコロムビアに移籍してからのアルバムや89年の"Something Real"などもよく聴いていましたがその後はあまり聴かなくなり、たまに70年代のアルバムを取り出して聴くくらいでした。
この"LIVE"アルバムは先日ショップで見かけて手に取ると、プロデュースが重鎮ジョン・ボイランということと何となく意味深なジャケットに惹かれて購入したのですが、1回目より2回目、2回目より3回目・・これまで5回は聴いたでしょうか、聴くほどに感動が深まります。
フィービーの娘さんヴァレリーは昨年亡くなっていたんですね。
フィービーの公式サイトにアクセスするとトップにヴァレリーへの哀悼文が載っています。
このアルバム、フィービーの実力なら歌はこんなもの、バックバンドはまぁまぁ、録音もまぁまぁというところで全体としては淡々としていると言ってもいいかも知れませんが、聞き込むほどに良くなるのは何故かと思うに、ライブ会場の雰囲気、観客の暖かさがフィービーの個性的な歌声と一緒に伝わってくることに気が付きました。
今年の7月の行われたライブで会場はウッドストックのベアーズヴィル・シアターです。
商業主義とは距離を置いて、真の名作、アーティストを多く輩出した土地柄がそういったオーディエンスを呼び込むのでしょうか。
偉いぞ、頑張れフィービー!
(08.12.5)
 
Dan Penn
Junkyard Junky
新宿店に来てまだ三日目ですが、今日やっとお昼休みに付近をふらつくことができました。
せっかく新宿にきたので、覗いておこうかと歩いて10分足らずのレコード・ショップ "U"へ行ったところ1FのCD売り場へ入ったとたんに聴き慣れた声が店内にBGMで流れていました。
お店の人に「これダン・ペンの新譜ですか?」と聞いたところ「そうです、昨日入荷しました。」とのことで、さっそく購入。
出たのは知っていたのですが、アマゾンでも売っていないししょうがないのでダン・ペンのサイトから通販で買おうと思っていたところそれよりも100円安く買えました、ラッキー!
1Fで買った後に5Fにも行ったのですが、そこでもBGMはこれ。
まぁ、別格の大物なので当然と言えば当然ですが内容はけっこう肩の力の抜けた作品になっています。
ドニー・フリッツ、ドン・ニックス、エイモス・ギャレット、ジム・パルト、ダニエル・ムーアの新譜が出て、まだ聴いていませんがトニー・ジョー・ホワイト、クリストファー・キーニー等もあり、今年はスワンプ系シンガー/ソングライター超ベテランの新譜が大豊作です。
(08.10.4)
 
Al Green
Lay It Down
ブルーノート・レーベルでの再始動後、目の覚めるようなソウル・レジェンドぶりを発揮しているアル・グリーンですが、今回のこのアルバムはハイ・レーベル時代の傑作と並べても勝るとも劣らない素晴らしいできじゃないかと思っていますが・・大袈裟ですかね。
深みを増したアルのヴォーカルも素晴らしいのですが、ハイ・サウンドの様でいて、微妙に新しかったりもする絶妙のさじ加減が効いたサウンド・プロダクション。
ハワード・グリムススタイルの「おかず一切なし」ドラムにボトムの効いたベース、メンフィス・ホーンかと思うような厚みと腰のあるホーン・アンサンブル等々、全てがオーソドックスなサザン・ソウル・マナーにのっとった上で古さを感じさせないプロダクションには、本当に感心してしまいました。
21世紀にもなって、こんな上等のサザン・ソウルが聴けるなんて夢のよう、と思っている同胞も多いのではないでしょうか。
ここでもまだ紹介していない今年の新譜もけっこうありますが、このアルバムは「格の違い」を感じさせるほどの出来で、多分今年のベスト5入りは堅いんじゃないでしょうか。
(08.9.01)
 
Marcia Ball
Peace, Love & BBQ
マーシャ・ボールといえば自身のアルバムだけでなくルイジアナ系やニューオーリンズ系のアーティスト、コンピもののアルバムにも多数ゲストで入っているので、てっきりニューオーリンズの人かと思えばテキサスの人みたいです。

ドライブ感のある達者なピアノと歌でバリバリきめてくれますが、特に今年の新譜はルイジアナ・ルーツのリズムとサウンド全開でで暑気払いにピッタリ。
ニューオーリンズものが好きな人はもちろん、R&B、ソウル、ロックン・ロール、ザディコ、ケイジャンなどなどルーツ系大好き人間には必ずや好感を持たれること必至。
(08.7.27)
 
Jackson Browne
Solo Acoustic, Vol. 2
待ってましたの第2弾が出ました。
前作(2005年)は、おなじみの70年代の曲が多くてそれはもちろん素晴らしかったのですが、あまり聴くことのなかった80年代の曲なんかも意外と「けっこういいじゃないか!」と改めて曲の良さを認識したりしました。
ジャクソン・ブラウンは72年のデビュー・アルバムから77年の"孤独のランナー"まではどれも文句なく好きで、80年の"ホールド・アウト"まではギリギリOKという感じで聴いていました。
その後の80年代、90年代は首を捻るようなサウンドや歌の内容も社会性の強いものが多くなったこともあるためか、聴くことがあまりなくなっていました。
それでも"Solo Acoustic, Vol. 1"で分かるように、弾き語りになると浮き上がるように楽曲自身の良さが出てきます。
このVol. 2も同じで、オリジナル・アルバムとしては最新の"ネイキッド・ライド・ホーム"(2002年)からも多く入っているなど大半が90年以降のものですが、70年代の曲ほどの鮮度は無いものの、クォリティーの高さを保っているのはさすがです。
じっくり聴いても良し、ばんやり聴いても良し、ギターあるいはピアノだけの弾き語りなのに全然飽きないという何回聴いても良しのアルバムです。
ところで、国内盤にはボーナストラックで"シャドー・ドリーム・ソング”が入っています。
これは本人では未発表の曲でしたが、ジャクソン・ブラウンのデビュー前にトム・ラッシュが1968年に出した"The Circle Game"でカバーされた曲です。
このトム・ラッシュという人はシンガー・ソング・ライターの青田刈りの名人で、他にも売れる前のジョニ・ミッチェルやジェームス・テイラーの曲をカバーするなど先見の目を持った面白い人です。(結局売れなかった人もいますが、ウェイン・ベリーとか)
(08.3.24)
 
Amanda Shaw
Pretty Runs Out
今年最初の新譜はニューオリンズのケイジャン娘"Amanda Shaw"でした。
たった今(18:30)来たばかり、聴き始めたばかりですが今回はヴォーカルと楽曲にけっこう力を入れているみたいですね。
とは言っても、お約束のフィドルもバリバリ弾いているし楽しそうです。
レーベルもラウンダーなので、それなりにメジャーだし期待しましょう。"Amanda Shaw"ってだれ?という方は是非"YouTube"で検索してみて下さい。
泥臭いオヤジどもに囲まれて、ケイジャン・フィドルを弾きまくる少女がたくさんヒットします。
#あるいはこちらもどうぞ
聴き始めてまだ8曲目ですが、ルーツ・ポップスと言うのかな・・そんな感じのヴォーカルをフューチャーした曲とお馴染みのもろケイジャンがいい感じで入ってますね。
(08.2.1)

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