1968
金嬉老事件 十勝沖地震 三億円強奪事件 フォーク・クルセダーズ「帰ってきたヨッパライ」
キング牧師暗殺 ロバート・ケネディ暗殺 川端康成ノーベル文学賞受賞 週刊少年ジャンプ創刊
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The Box Tops
Super Hits
あのダン・ペンが売り出したグループとして有名な南部系丸出しのアイドル・グループです。
67年にデビューしてからトップ40に5〜6曲送り込むほどの人気もあったグループですが、ダン・ペンが当時手伝っていたチップス・モーマンの"アメリカン・スタジオ"の制作でスプーナー・オールダムなんかもスタッフに入りアイドルとしてはちょっと土の香りのするブルー・アイド・ソウルに仕上がっています。
アレックス・チルトンはデビュー当時16歳・・ とても10代とは思えない渋系の声ですが、それがダン・ペンのプロデュースしたサウンドと見事にマッチしている上に、レジー・ヤングを中心としたアメリカン・スタジオのハウスバンドの面々がツボを押さえたバックをつけています。
" The Letter""Cry Like A Baby""Choo Choo Train""I Met Her in Church""Soul Deep"といったところが代表曲になりますが、オリジナル・アルバムよりも7インチ・シングルかベスト盤が最適のグループです。
ダン・ペンのファースト・アルバム"Nobody's Fool"もそうなんですが、この頃ダン・ペンは妙に意欲的というかキャッチーなことをしたかったみたいで、ボックス・トップスの作品にもジェット機のSEを入れてみたりエレキ・シタールでソロをとらせたりと色々やっていますが、ボックス・トップスが売れたおかげでチップス・モーマンとも別れ自分のスタジオを持てたんじゃないでしょうか。
アレックス・チルトン本人はアイドルとして売っていたこのボックス・トップス時代はあまり好きではないようですが、ポップス好きの私としてはけっこう好みです。
ちなみにビッグ・スターしか知らない若者に聴かせたところ案外好評でした。
(10.3.21)
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The Band
Music From Big Pink
奇跡のデビュー・アルバムといったところでしょう。
音は一聴すると古臭く、ルックスはジジ臭い・・サイケデリックも円熟を迎えているこの時期に何で?という感じで出てきたザ・バンド。
しかし、しっかり聴いてみると実は誰もやっていなかった全てが新しい音楽。
このバンドのこのアルバムでひとつの方向がしっかりできたということで、70年代へ向かって真に革新的、進歩的な作品です。
それは、この後世界中に星の数ほどの"ザ・バンドのフォロワー"を生んだことでも証明されています。
それにしても、デビューアルバムのA面1曲目がリチャード・マニュエルの歌う"Tears of Rage"というのはあまりにもインパクトがありました。
激渋の極みですが、それにも増しての深みのある歌唱で人生が変わってしまった人もたくさんいたんじゃないかな、などと思ってしまいます。
いつ聴いても満点なのはバンドだけ・・などとついつい思ってしまいます。
リチャード・マニュエルとリック・ダンコに合掌。
(08.3.08)

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