発行元 株式会社ダイナミックオーディオ 〒101-0021 東京都千代田区外神田3-1-18 ダイナ5555 TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556 H.A.L.担当 川又利明 |
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2006年2月3日、この日は恒例のイベントも休止してX-2の搬入とセッティングとい うことで、前日までスペースを空けたりと準備を行いいよいよ“Alex”を迎える ことになった。 http://www.ohbashoji.co.jp/products/wilson/x2/ 総重量317Kgの巨体だが、実際には一台のX-2は七つの構成パーツによって構成され ており、もっとも大きなウーファーキャビネットにはキャスターが装備され、一般 住宅への搬入とセッティングにも考慮されている。 先ず目を引くのが、そのウーファーキャビネットの後ろに搭載されているネット ワークの重厚さだ。 http://www.dynamicaudio.jp/file/060204/network.jpg この赤いモジュールふたつがウーファー用ネットワークなのだが、実はこれと同じ 規模のネットワークがミッドレンジとトゥイーターにも使用されている。 この視点からカメラを遠ざけるとX-2の背中の全景が見える。 http://www.dynamicaudio.jp/file/060204/rearview.jpg 今度は、カメラの位置を高くして接近しミッドレンジ及びトゥイーターモジュール の後方をクローズアップするとこのようになっている。 http://www.dynamicaudio.jp/file/060204/module-set.jpg この写真で下に赤いモジュールが垣間見えるが、これが中・高域用のネットワーク なのである。 http://www.wilsonaudio.com/details/ 同社のサイトでもこのようにネットワークの特徴を述べているが、プラスマイナス 0.1%という厳密なスペックの素子をセレクトし、それらを格納するケースも相当に 重厚なWilson独自のX材の塊から整形するという徹底ぶりだ。 更に、そのネットワークのケースにはフェラーリ・レッドの美しい塗装を施してい るのだから恐れ入った!! さて、もう一度X-2の背中にご注目頂きたい。 http://www.dynamicaudio.jp/file/060204/rearview.jpg このようなネットワークの上になにやらパーツが取り付けられている基板のような ものがあるのがお分かりだろうか? 先ほどのウーファー用ネットワークのすぐ上 を拡大したのが次の写真だが… http://www.dynamicaudio.jp/file/060204/woofer-dump.jpg このごつい抵抗が取り付けられているセクションは見ての通り“Woofer Damping” と表記されているが、ここには標準装備としてMedium Dampingとして28.6オーム Light Dampingとして32.3オームの抵抗を選択して取り付けることによって低域の ダンピングを使用するアンプとの関連性を持って選択できるというのだ。 これは凄い!!この選択による音質変化は後日の試聴レポートにてお知らせ致します。 さて、このようにネットワークの最短距離に設置されたバインディングポストに 数種類の素子を取り付けることで更に細かいチューニングを可能としたものだ。 これはX-1にはなかったもので、更にかつての同社フラッグシップであるWAMMに 一歩近づいたことになるものだ。 このウーファーセクションの上には次のようなミッドレンジとトゥイーターの セクションがある。 ・Midrenge Phase ただし、これは…Do not Ajust ということで26.7ohms固定 ・Midrenge Level Adjustment Values -2.0db/-1.0db/0db/+0.5db resister Value 2.1ohms/1.0ohms/0.25ohms/0ohms ・Front tweeter Adjustment Values -2.5db/-1.5db/-1.0db/0db/+1.0db/+2.0db resister Value 6.9ohms/5.8ohms/4.7ohms/3.73ohms/2.1ohms/1.0ohms このように緻密な調整が可能になったということも大きな進歩であり、逆に使い手 の感性と技術力のレベルの高さを求められるものだ。しかし、ご安心あれ(^^ゞ このような調整も私がここでしっかりとリファレンスを習得し、納品の際には音質 を確認しながらの調整をさせて頂くのが私の仕事でもある。<m(__)m> -*-*-*-*-*-*-*-*-*- さて、次にチッェクしておきたいのがこれ!! http://www.dynamicaudio.jp/file/060204/module-set.jpg この背後の写真を部分的に拡大したのがこれだ。↓ http://www.dynamicaudio.jp/file/060204/tension-bar.jpg X-2のミッドレンジとトゥイーターのセクションには各々このような座標を刻んだ レールが取り付けられており、この上にスパイクでピンポイントに位置を決定して 積み上げていくものだ。 この三つのモジュールに前後位置は下側のミッドレンジで20段階、上側のミッド レンジでは30ステップのポイントが設定されており、トゥイーターのモジュール でも前後30段階のポイントが設定されている。これらはリスナーとの距離により 指定のチャートを確認しながら一つずつ設定して積み上げていくのである。 更にこの三つのモジュールには傾斜角度の調整が出来るようになった。これはX-1 ではなかったことだが、各々のモジュールには専用スパイクが数種類用意されて おり、これはリスナーとの距離の他に耳が床面からどのくらいの高さにあるかで 同様なチャートを見ながら五種類の長さのスパイクを選択することで設定する。 この写真で手前に見える大きなスパイクは、これらのモジュールを積み上げてから 更にこのテンションバーで突っ張り、各々のフレームに対して応力をかけて固定す るというものである。そして、個々のモジュールは一つ下のモジュールに対して、 逆にこの写真のスパイクのレールの両側にあるスリットを貫通する形で二本のバー が上下のモジュールを引き付け合うという逆ベクトルの応力もかけているのである。 この固定方法の連鎖を再度この写真で確認して頂きたい。↓ http://www.dynamicaudio.jp/file/060204/module-set.jpg そして、この写真で見えないX-2の後頭部に搭載されているのが、これだ。 http://www.dynamicaudio.jp/file/060204/ambience-tw.jpg このトゥイーターは最近は良く見かける。MAGICO Miniや KRELL LAT-1000、そして SonusfaberのStradivari Homageなどに使用されているスキャンスピーク社のもの だが、何と!! X-2ではアンビエンス用に使用しているという贅沢さである。 http://www.wilsonaudio.com/products/alex/ 私は最初にこのページを見たときに、このトゥイーターの写真を見ていたので、 「ははあ〜、ウィルソンもとうとう使い始めたのかな〜」と思っていたのだが、 何とフロントのメインのトゥイーターではなかったとは驚きである。 さて、このようにセットアップがせ進み、重厚なネットワークとミッド・ハイの モジュールに次のようなカバーが取り付けられて完成となる。 http://www.wilsonaudio.com/products/alex/ さあ、これでX-2本体の組み立てがほぼ終了した。…と、一息ついたのもつかの間、 この時点ではキャスターが付いているので移動できるのだが、317KgのX-2をどう やって持ち上げてスパイクフットに取り替えるというのだろうか!? 以前のX-1では本体の下部に長い棒を二本差し込む穴が空いており、ここに金属製 の棒を差し込んでからテコの原理で左右に傾けて、浮いた側でスパイクフットに 取り替えるという作業を必要としたものだった。 X-1の270Kgでさえ、そんな大掛かりなことをやっていたのに、317KgのX-2をどう やって傾けたり持ち上げたりするというのか!? 何と、答えはこれです!! http://www.dynamicaudio.jp/file/060204/jack.jpg 皆さんの車にも必ずジャッキが付属していると思いますが、何とX-2にもこんな オリジナルなジャッキをWilsonは作ってしまったのです!! 一見してアルミから削り出した完全な自家製であり、ジャッキ付属のスピーカー なんて私でも初めてのことです!! これには驚きました(^^ゞ http://www.dynamicaudio.jp/file/060204/jack-up.jpg それをこのように前後に交互に使用してレンチで回すと、あの巨体が次第に持ち 上がってきたではないですか!! なるほど考えましたね〜^_^; http://www.dynamicaudio.jp/file/060204/setup1.jpg さあ、このようにしてやっとセットアップが完了して最終的なポジションを決定 しました。 http://www.dynamicaudio.jp/file/060204/setup2.jpg 実測してみると、左右のX-2のトゥイーター間はジャスト3.0メートル、そして 指定されたソファーに座った時のトゥイーターとの距離は4.6メートル。 この左右トゥイーター間隔はこのフロアーでNEOや他のスピーカーのごく標準的な セッティングであり、それらの場合にはスピーカーとの距離はおおよそ4メートル ということが、これからの試聴における各項目の再現性につながってくるのである。 さあ、こんなとんでもないスピーカーが果たしてどのような音を聴かせてくれるの か!? この試聴と分析は近日中にレポートさせて頂くとして、何と待ちきれない方 がはるばるご来店頂いた。バッチリのタイミングで、X-1のオーナーから早速感動 のレポートを頂戴したので、今回はこちらをご覧頂ければと思います。 |
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