《H.A.L.'s 訪問記》


No.0022 - 2009/9/5

東京都江東区 M.Y 様-H.A.L.'s 訪問記 Part.2

Vol.22「音を磨く!! 進化したサウンドがここに!!」
 
         ■ Customer's History ■
 
もう早いもので前回伺ったのは昨年の10月でしたから、九ヶ月ぶりの訪問と
いうことになりましょうか。7月下旬のある日、一服したくなった私は地下鉄
に乗り換える前にJR有楽町駅の近くにあるコーヒーショップに立ち寄りました。
 
お約束の時間よりも早めの時間であり、アスファルトの照り返しにむせかえる
ような都心の暑さからも逃れたいと思い、冷たいコーヒーも飲みたかったもの。
 
M.Y 様のお宅にうかがったのが、つい先日のように思われますが、この九ヶ月
間というもの苦労したんですよ〜、とご来店の際にお話しをうかがったものです。
 
その努力の成果を聴いて欲しいというお申し出に私も興味津々で再度の訪問と
なりました。何を目指して苦労されてきたのか、先ずは前回の訪問記をご再読
頂ければと思います。↓こちらです。
 
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_visi0015.html
 
前回の訪問でM.Y 様のシステムの音質をどのように評価したか、そしてM.Y 様
はその後にどのように取り組まれてきたのか。↓M.Y 様からのメールです。
 
「前回のごサウンドチェックでは、まず私は川又さんの試聴での音量の大きさ
 に驚きました。
 
 その時点の状態では、機材も部屋も、とても川又さんの要求のレベルの音量
  には耐えられませんでした。
 
 加えて、師匠から、「部屋が吸音一本槍だから、拡散を研究するように」と
 いうご指導を頂きました。
 
 ということで、前回のご訪問から9カ月間、主に音量対策と音場対策を行っ
 てきました。
 
 その間、Friday Concert、Sunday Concert に伺い、TEROS 5000、dCS Paganini、
 JBL Project K2 S9900、JEFFROWLAND Criterion、KRELL Modulari DUO と
 いった、気の遠くなるようなハイエンド機材を、川又さんの素晴らしい構成
 で聴かせて頂きました。いずれも強い個性がありました。
 
 これらを聴いて、「では、自分は、どういう音が好きなのか」を考えてきました。
 ようやく、ひとまず、まとまったと考えましたので、今回、サウンドチェック
 の再挑戦をお願い致します。」
 
今まで訪問した皆様のお宅で私が聴かせて頂いた音量について、自分としては
それほど過激な音量ではないと思っているのですが、それ以前に皆様が聴いて
おられたボリュームより少しは大きいのかな〜と思います。(^^ゞ
 
しかし、ボリュームのわずかな増大によって新発見があるのも事実であり、
単純な音量の変化ということだけでもオーディオシステムの健康診断には重要
な意味を持っているものと思います。要は「運動不足のオーディオシステム」
は逆に健康によろしくないということでしょうか。(^^ゞ
 
さて、このような熱心な要請を頂きM.Y 様の努力がどのような音になって表れ
ているのか、期待のうちに玄関ドアの前に立ち呼び鈴のスイッチを押していた
のでした。
 
 
            ■ Customer's Room ■
 
今回の訪問はあらかじめ二部構成であることをM.Y 様から予告されていました。
その第一部はホビータイムということで、前回感動ものの体験をしたお部屋へ
と先ず招じ入れられました。
 
参考までに前回の訪問の時の様子を先ずご覧下さい。
http://www.dynamicaudio.jp/file/081010/room01.jpg
http://www.dynamicaudio.jp/file/081010/room02.jpg
 
昨年は夜にお邪魔しましたが、今回は午前中に到着したので時間的なゆとりが
ありましたので、前回なかったもの新発見したものに次々と目を付けて行きました。
 
先ず↓これです。
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/610.JPG
 
<川又>
あー!!この小型ジェット機は007シリーズで出てきたものだと思いますが、
さすがに私も名前は覚えていませんが金属製ですか?
 
<M.Y 様>
こちらは「アクロスター BD5」という機体です。映画「007 オクトパシー」の
冒頭でアクロバット飛行を披露しました。こちらは、南青山のモデルショップ
ウィングクラブ で購入しました。
http://wing-club.co.jp/
 
現在のリストを見ますと、載っていません。すでに完売かもしれません。
こちらの製品は、どれも完全ハンドメイドで台数限定です。
 
なお、こちらの矢野雅幸社長は、なかなかの趣味人でブログも書かれています。
http://toy.hobidas.com/index.html
こちらから、上段の「ブログ」をクリックすると、下の方にリンクがあります。
http://toy.hobidas.com/blog/yano/
 
            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-
 
次は↓これです。
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/606.JPG
アオシマ 海底軍艦 轟天号/写真は、胴体下部のライトを点灯しています。
http://www.aoshima-bk.co.jp/scripts/shouhin/shohin-shosai.aspx?cl_id=14&ot_id=28&si_id=383&code_a=09158

 
<川又>
懐かしい映画ですね〜「海底軍艦」でしょう!!若かりし頃の高島忠夫が主演で
したね〜。そして、この轟天号をデザインしたのが、あの有名な小松崎 茂で
あり、彼の自宅は私と同じ千葉県柏市にあったんですよね〜。95年に火事で
多くの作品と資料も焼失してしまったということでしたが、プラモデルの箱絵
を手掛けた天才画家と言われた人でしたね〜
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/604.JPG
アートストーム マイティジャック
http://artstorm.co.jp/ex_gokin_mightyjack.htm
 
<川又>
まだお借りしたマイティジャックのDVDをお返ししていませんでしたね〜(^^ゞ
若いころの二谷 英明が渋いですね〜。放送していた1968年当時にはこんな
精巧なミニチュアで出来るなんて想像も出来なかったことですね〜。
 
            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-
 
次は↓これです。
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/598.JPG
タカラ サンダーバード2号ですね〜(^^ゞ
http://www.takarahobby.com/new/0503tb2/index.html
 
<川又>
おー!!これはでかい!!というか、私の子供のころにもイマイのプラモデルが
あったのですが、テレビの実物ではジャッキアップするように四本の脚が伸びて
本体を持ち上げ、色々なコンテナからマシンが登場するのですが、当時のプラ
モデルの脚は折りたたみ式になっていて、子供心に違うじゃないか〜という
想いがあったのを覚えています。(笑)ですから↓このようにM.Y 様に実演して
頂き、モーター音がしながら本体が持ち上がっていくのを見て感激してしまい
ました!!
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/595.JPG
 
すると、中からこんな特殊な車両が出てくるわけですね〜
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/593.JPG
 
この六輪の特殊な車両の名前はなんでしたっけ?
 
<M.Y 様>
こちらは、「高速エレベーターカー」です。サンダーバード第一話
「SOS 原子旅客機」で、爆弾をしかけられて主脚を出せないファイアー
フラッシュを救助する時に使われました。
 
<川又>
うんうん、そうでしたね〜。興奮しながらテレビを見た記憶はあるのですが、
名前は思い出せず。さすがですね〜。そして、更に驚くべきものが!!
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/592.JPG
 
どうですか!! ↑これー!! いい感じじゃありませんか〜(^^ゞ
ジェリー・アンダーソンはえらい!!
この中にゴードン・トレーシーが搭乗していたわけですね〜
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/588.JPG
 
少しカメラを引いてみましょうね〜、すると↑こうなります。
垂直尾翼がちょっと曲がっているのはご愛嬌で(笑)
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/585.JPG
 
↑この角度では更にディティールが細かくわかりますね!!
でもこれ、本当はとっても小さいんですよ!
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/583.JPG
 
↑後ろから見ると今にも発進していくようなリアルさですね〜
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/579.JPG
 
↑サンダーバード4号とコンテナの接写は私のお気に入りとなりました。
いいですね〜、こんなモデリングは40年以上前には想像も出来なかったもの
です。いい世の中になりましたね〜。(^^ゞ
 
<M.Y 様>
あと、サンダーバードネタとしましては、
2号の脚がこの位置では、コンテナドックでコンテナが胴体下部を通れない
4号は、どうやってコンテナの中に戻るのか?
さらに、4号が戻ったコンテナを2号はどうやって回収するのか?
ジェットモグラは、任務終了後に果たして台車に戻れるのか?
1号や3号は、帰還時に、発射台にピタっと着陸できるのか?
など、謎がいっぱいなのです。
 
<川又>
そういえばそうですよね〜。子供の目で見ていた時代には考えもしなかった
ことですが、大人になって見直すと色々とありますね〜。まあ、それも楽しみ
のうちだと思います。いや〜、でもこれは良かったー!!(^^ゞ
 
            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-
 
次は↓これです。
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/578.JPG
 
 
<川又>
はい、これは前回も拝見しましたが故障中ということで眺めるだけでしたね。
 
<M.Y 様>
バンダイ 宇宙戦艦ヤマト
http://bandai-hobby.net/yamato/
はい、こちらのヤマトです。
 
このヤマトは、前回お越しの時には故障で動作しませんでした。今年のゴール
デンウィークに、説明書を逆から読みながら分解し、問題点を改修して組み立
て直しました。今回は完全な動作をお目にかけることができます。では…!!
 
<川又>
おー!! 主砲が!! 光子力エンジンのワープ音が!! パルスレーザー砲が!!
光と音響の両方ともにいけてますね!! 特に音がいいじゃありませんか!!
ひょっとして、標準装備の台座のスピーカーではなく、これを…!?
 
<M.Y 様>
はい、スピーカは、BOSEの M3(MicroMusicMonitor)です。
http://www.bose.co.jp/jp_jp?url=/promotions/entry_pages/entry_page_m3.jsp
 
キットでは、船台にスピーカがついているのですが、残念なことに、特に大音
量時には、オーディオ的には物足りません。バンダイに本当に感謝しているの
はオーディオ・アウトプットをつけてくれたことです。
これによって、動作音を、Nautilusや G1 GIYA で出すことさえ可能なのです!!!
 
<川又>
そっ、そっ、それはちょっとやりすぎかも〜(^^ゞ でも、この音の低音部を
うちのフロアーのスピーカーで鳴らしたら凄いだろうな〜(笑)
 
あっ!! ↓これ!! これは映画のマトリックスに出てきた船ですよね!!
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/572.JPG
 
<M.Y 様>
こちらは、映画マトリックス第一作と二作に登場するモーフィアスのホバー
クラフト「ネブカドネザル」です。
 
ちょっとウンチクを出しますと、ヴェルディのオペラに「ナブッコ」という
作品があります。
 
このバビロニアの王 ナブッコの正しい名前は、イタリア語読みでは「ナブコ
ドノゾル」で、英語では、このホバークラフトの名前の「ネブカドネザル」と
なります。
 
オペラでは、最後にナブッコが迫害されたユダヤ人を解放しますが、ユダヤの
聖地エルサレムの別名シオンは、英語名はザイオンで、これは、マトリックス
の反乱軍の基地の名前です。
 
マトリックスの命名には、このような意味があるのです。
ちょっと長すぎましたか・・・
 
<川又>
いえいえ、大変勉強になりました(^^ゞ マトリックスと言えば私もちょっと
関連性がありましたね〜
 
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto52-04.html
 
ハルズサークル会員の皆様は↑こんなエピソードはご存じでしょうか?
マトリックスから連想したNEOが命名の由来だったわけですね〜(^^ゞ
 
しかし、以前には押入れの中に並べてあったモデルたちが今は一度に壮観に
鑑賞することが出来るようになりましたが、↓このラックはオーディオ用の
あれではないですか?
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/601.JPG
プラモデルラック  Quadraspire Q4D
http://www.quadraspire.jp/products/q4d_01.html
 
<M.Y 様>
はい、クワドラのQ4Dです。これだけの段数ですと相当な価格なのですが、
貴社5階のアウトレットで、口外をはばかるような驚くべき低価格で購入させ
ていただきました。貴社には、本当にいろいろとお世話になっております。
こちらのラックのおかげで、今まで押入れの下に入っていた作品を、全て展示
することができました。
 
<川又>
いえいえ、とんでもないです。
こちらこそお世話になりましてありがとうございます。<m(__)m>
ちらりと時計を見ると浦島太郎状態でけっこうな時間が経ってしまいました。
そろそろ…^_^;
 
<M.Y 様>
川又さん、まだとっておきのものがあるんですよ〜!!こっち、こっち!!
 
            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-
 
そして、いよいよオーディオシステムのあるお部屋へ…。
そこで目にしたものは!!前回は↓こんなものがありましたね〜(^^ゞ
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/081010/zerox.jpg
 
http://www.finemolds.co.jp/www/newstarwars.html
 
今回はラジコンプラモデルのハイエンドがありました!!
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/564.JPG
ストロボありの撮影
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/566.JPG
ストロボなしで画質補正したbefore/afterということで。
 
これは噂のタミヤ タイガーIですね〜
 
http://www.tamiya.com/japan/products/56009tiger/tiger.htm
 
私が子供のころの戦車のプラモデルはキャタピラーがゴム製のものばかりで
車輪にはめると上側がピンと張り詰めてしまいオモチャ然としていましたが、
キャタピラーも一つずつのパーツをピンでとめてリアルに再現していますね。
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/569.JPG
 
特にリアルな動きとしては↑このトーションバー式のサスペンションでした。
いいですね〜。
 
そして、このラジコンの素晴らしいところはプラモデルとオーディオ技術の
合体した作品であるということでしょう。上記のメーカーサイトでも色々な
動画や解説がありますが、実車から収録したエンジン音がまず凄い。
 
クランク式の起動音とセルモーターによる起動音の二種類が設定されていて、
いざエンジンスタートとなるとけっこうな音量でリアルさ抜群です。
そして、走行させるとスピードによってエンジンの回転音が変わるという芸の
細かい再現性に驚かされました。
 
砲塔旋回、砲身上下、88mm戦車砲発射、機関銃掃射などのメカ音もど迫力で
再現され、主砲の発射では車体が反動でビクンと後退したり主砲の砲身がスラ
イドして後退するなど、本物そっくり!!
 
ウイーン、ブーンというモーター音だけしかなかった昔の戦車とはケタ違いの
迫力ではないですか!! お値段9万円ですから、正にハイエンドではないですか!!
 
<M.Y 様>
こちらは、本当に素晴らしい製品で、発売当初から欲しかったのですが、価格
で躊躇しておりました。
 
ネットで「中古」があったので、格安で入手し、破損した部品をタミヤから
取り寄せてレストアしました。
 
塗装が全くしていなかったので、塗装をしなおしました。タイガーIは、アフ
リカ戦線のダークイエローの迷彩塗装がよく知られています。
しかし、組み立て済みの状態では、迷彩塗装が難しかったので、単色塗装としました。
 
説明書によれば、タイガーI 初期型は、ヨーロッパ戦線ではジャーマングレー
の単色塗装でした。
その後の通達で、軍車両の基本色がダークイエローになりました。
 
私の塗装とデカールは、「1943年 ロシア戦線 第506重戦車大隊 第3中隊所属
332号車」です。
 
この製品はメーカのサイトにもありますように「バスレフスピーカ」を搭載し
ています。しかしながら、オーディオ的には、エンクロージャの鳴きが不満で
したので、制振処置をしました。
オリジナルよりも、低音がずっと「締まって」います。
 
            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-
 
やっと…オーディオとの共通項で音質に関するコメントを頂いたところで、
いよいよオーディオの話へと進んで行けそうです^_^;
いや〜、それにしても面白かったー!!
 
 
         ■ Customer's Challenge ■
 
オーディオシステムには大幅な変更はなかったということですが、再度確認と
いう意味もあり先にシステム構成をご紹介しましょう。
 
 ◆ H.A.L.'s 訪問記-Vol.22  東京都江東区 M.Y 様システム構成 Vol.2 ◆
 
        □Front Channel System 1□
………………………………………………………………………………
ESOTERIC UX-1Limited/Black(税別\1,300,000.)
http://www.teac.co.jp/audio/esoteric/ux1limited/index.html
 
        □Power equipments□
 
NBS BlackLabel AC Cable
               And
H.A.L.'s  Original Products"Z-board"(税込み販売価格\57,000.)
http://www.dynamicaudio.co.jp/audio/5555/7f/fan/BZ-bord.html
http://www.dynamicaudio.co.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0362.html
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽
 
NBS BlackLabel Interconnect  Cable/RCA
 
                ▽ ▽ ▽
 
        □Front Channel System 2□
………………………………………………………………………………
LINN IKEMI
生産終了です。
        □Power equipments□
Original AC Cable
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽
 
Transparent Reference XL Interconnect Cable/XLR http://www.axiss.co.jp/ftran.html
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html
 
                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
LINN KLIMAX KONTROL SE (税別\1,700,000.)
http://www.linn.jp/products/new/klimax_kontrol_se.html
 
        □Power equipments□
 
NBS BlackLabel AC Cable
               and
H.A.L.'s  Original Products"Z-board"
http://www.dynamicaudio.co.jp/audio/5555/7f/fan/BZ-bord.html
http://www.dynamicaudio.co.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0362.html
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽
 
INTERCONNECT CABLE Transparent Reference /RCA http://www.axiss.co.jp/ftran.html http://www.axiss.co.
jp/transparentlineup.html
 
                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
LINN C4200(税別\700,000.)+ LINN C6100(税別\500,000.)/Front Full AKTIV
■チャンネルデバイダー・モジュールx5 (税別\ 250,000)
 
参考リンクは現行モデルMAJIK5100、MAJIK6100、AKURATE4200のページは↓
http://www.linn.jp/products/new/majik_akurate.html
AKTIVシステムについての説明ページは↓
http://www.linn.jp/life/story/03.html
チャネル間カスケード  AudioQuest Jaguar
 
        □Power equipments□
 
NBS BlackLabel II AC Cable
               and
H.A.L.'s  Original Products"Z-board"
http://www.dynamicaudio.co.jp/audio/5555/7f/fan/BZ-bord.html
http://www.dynamicaudio.co.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0362.html
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽
 
SuperTweeter :SAEC SUPRA Rondo4x4.0 staggered
Tweeter/Mid :Transparent Musicwave Plus UpperBass/LowerBass :SAEC SUPRA Rondo4x4.0 staggered
 
                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
LINN AKURATE242/Front(税別\1,550,000.)
参考リンクは現行モデルAKURATE 242 SEのページは↓
http://www.linn.jp/products/new/akurate_se.html
               and
H.A.L.'s  Original Products"B-board"×4(税込み販売価格\536,000.)
http://www.dynamicaudio.co.jp/audio/5555/7f/fan/BZ-bord.html
 
            □ Surround-Front L/R Channel System □
 
ESOTERIC UX-1Limited/Black(税別\1,300,000.) -> HITACH Wooo W42-7000
http://www.teac.co.jp/audio/esoteric/ux1limited/index.html
 
        □Power equipments□
 
NBS BlackLabel AC Cable
               And
H.A.L.'s  Original Products"Z-board"(税込み販売価格\57,000.)
http://www.dynamicaudio.co.jp/audio/5555/7f/fan/BZ-bord.html
http://www.dynamicaudio.co.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0362.html
               And
CSE noise filter NFW-CD (税込 \39,800.)
SAEC PL-3000D AC (税別\20,000.)
http://www.saec-com.co.jp/product/power/pl3000d.html
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽
 
       Optical Cable
 
                ▽ ▽ ▽
 
YAMAHA DSP-Z9 (税別\525,000)
 
        □Power equipments□
 
NBS BlackLabel AC Cable
               And
foQ AB-755C http://www.foq.jp/about/about_foq.html
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽
(Front L/R ch)Original RCA Cable
                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
LINN KLIMAX KONTROL SE (税別\1,700,000.)/Unity Gain
http://www.linn.jp/products/new/klimax_kontrol_se.html
 
        □Power equipments□
 
NBS BlackLabel AC
               and
H.A.L.'s  Original Products"Z-board"
 
                ▽ ▽ ▽
 
INTERCONNECT CABLE Transparent Reference /RCA http://www.axiss.co.jp/ftran.html http://www.axiss.co.
jp/transparentlineup.html
 
                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
LINN C4200(税別\700,000.) + LINN C6100(税別\500,000.)/Front Full AKTIV
*チャンネルデバイダー・モジュールx5 (税別\ 250,000)
参考リンクは現行モデルMAJIK5100、MAJIK6100、AKURATE4200のページは→
http://www.linn.jp/products/new/majik_akurate.html
AKTIVシステムについての説明ページは→
http://www.linn.jp/life/story/03.html
チャネル間カスケード  AudioQuest Jaguar
 
        □Power equipments□
 
NBS BlackLabel II AC
               and
H.A.L.'s  Original Products"Z-board"(税込み販売価格\57,000.)
http://www.dynamicaudio.co.jp/audio/5555/7f/fan/BZ-bord.html
http://www.dynamicaudio.co.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0362.html
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽
 
SuperTweeter :SAEC SUPRA Rondo4x4.0 staggered
Tweeter/Mid :Transparent Musicwave Plus UpperBass/LowerBass :SAEC SUPRA Rondo4x4.0 staggered
 
                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
LINN AKURATE242/Front(税別\1,550,000.)
参考リンクは現行モデルAKURATE 242 SEのページは→
http://www.linn.jp/products/new/akurate_se.html
               and
H.A.L.'s  Original Products"B-board"×4(税込み販売価格\536,000.)
http://www.dynamicaudio.co.jp/audio/5555/7f/fan/BZ-bord.html
 
(Center) ** removed **
(Subwoofer) ** removed **
(Rear L/R ch)
 
               ▽ ▽ ▽
 
Western Electric 18GA
 
               ▽ ▽ ▽
 
Victor SX-LT55limited/Rear(税別\388,500.)
参考リンクは現行モデル SX-LT55MK2
http://www.jvc.jp/audio_w/hifi/sx-lt55mk2/index.html
              and
KRIPTON AB-3000 (税別¥35,700)
http://www.kripton.co.jp/avc/products02/index.htm#ab-series
………………………………………………………………………………
 
実際の試聴の前にM.Y 様がおっしゃるように九ヶ月間の取り組みと情熱がどの
ようなセッティングの変化となっているのかをご説明頂きました。ちょうど
良い機会なので前回の写真と比較しながら説明をうかがってみました。
 
前回の全景
http://www.dynamicaudio.jp/file/081010/front01.jpg
 
今回の全景
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/500.JPG
 
前回はSONEXという音響パネルを多用されていましたが、QRDを大量に導入され
てれているのがお分かりかと思います。
 
<M.Y 様>
まず床ですが、音量を上げると、マンションの床暖対応の柔らかい床の振動が
大きくなりました。
そこで、ラグを2枚重ね、BAD Floor で対策しました。
 
<川又>
特に縦方向に三連となっているQRD Digiwaveの大きなパネルは強力ですね!!
http://www.ohbashoji.co.jp/products/qrd/digiwave/
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/507.JPG
プラズマディスプレーにはDisplay Cover BADタイプを使用されており、
これは他の会員のお宅でも採用されていたものです。凝りましたね〜(^^ゞ
 
しかし、これだけで驚いてはいけません!!裏側です!!
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/523.JPG
 
<川又>
その裏側貼り付けたものはなんですか?
 
<M.Y 様>
TGメタルの鉛シートに加えまして、黒い四角いのは、厚さ1.5cmのフォーム
ラバーのシートです。このシートにfoQ SH-22を貼りました。
こちら ↓
http://www.foq.jp/products/tuning/sh22.html
ディスプレイのパネルに密着させ、パネルの鳴きを抑えました。
さらに、音の回り込みを防ぐため、縁はソネックスを細く切って貼りました。
 
<川又>
なるほど〜、そのディスプレーの裏側にも細かい配慮が施されています。
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/518.JPG
 
<M.Y 様>
ディスプレイの裏側がソネックス、壁側がディフューザです。
鳴きが感じられたので、ディフューザの隙間をソネックスを切って埋めました。
パネルの前面と後面の処理で、音像の奥行感が大幅に向上しました。
左右のスピーカの間は、非常に重要な対策ポイントであることがわかりました。
 
<川又>
なるほど〜、では足元を見てみましょう。前回のケーブルたちはこうでした。
http://www.dynamicaudio.jp/file/081010/cable01.jpg
http://www.dynamicaudio.jp/file/081010/cable02.jpg
 
そして、今回のケーブルたちはこうなっていました。
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/520.JPG
 
<M.Y 様>
全てのケーブルに電磁波ノイズと静電気対策を行いました。随所に師匠から
教えて頂いた保冷材を使っています。前回は、鉛とfoQを使っていました。
音量を上げたため、床の振動が大きくなりました。床の振動はfoQや鉛では
吸収できませんので保冷材でインシュレートしました。
 
<川又>
前回のラックの中ではパワーアンプのポイントがこれでした。
http://www.dynamicaudio.jp/file/081010/power_amp.jpg
 
この辺も強化されていますね〜今回のパワーアンプのポイントはこれ!!
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/516.JPG
スパイクはJEFFROWLANDのJS-32ですよね?
 
<M.Y 様>
はい、そうです!
パワーアンプはLINN C4200(税別\700,000.)+ LINN C6100(税別\500,000.)で
フロント用のもので両方とも同じチューニングです。
 
<川又>
更にラック前にはQRD Skylineのブラックタイプをしっかりと装着されました。
http://www.ohbashoji.co.jp/products/qrd/skyline/
 
さて、上記の写真には写っていない重要なポイントを次にご紹介しましょう。
前回は床を撮っていましたね〜
http://www.dynamicaudio.jp/file/081010/front02.jpg
 
そして、今回はこの天井を見て下さい!!
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/501.JPG
 
どうですか!!この徹底ぶり。白いSkylineがぎっしり天井をカバーしています。
エアコンのグリルや、折上げ天井の角には、厚手の絹の布を二重にして貼って、
反射を防いでおられます。
 
 
次に前回の右側を再度ご確認ください。
http://www.dynamicaudio.jp/file/081010/right01.jpg
 
そして今回の右側はこのようにアップグレードされています。
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/525.JPG
 
<川又>
ここでもQRD Digiwaveが大活躍していますが、キャスター付きのパイプフレーム
に取り付けて移動できるようにしてあるところがポイントですね。この辺にも
こだわりのノウハウがありますので、次にご紹介していきましょう。
 
では、今回の左側はどのようになっているか?
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/528.JPG
 
このDigiwaveを裏返して見ると何と、このように振動対策が施されていました。
いったい何を貼り付けているんでしょうか?
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/532.JPG
 
パイプフレームとの接触点ではこのような細工がしてあります。細かい!!
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/535.JPG
 
<M.Y 様>
TGメタル社の防振鉛シート FS-04です。 ↓こちら
http://tgmetal.co.jp/tashiro/tg03.html
音量を上げると裏板が振動しているのがはっきりわかりましたので、対策しました。
更にパイプに当たるところにソネックスを貼ってインシュレートしています。
 
<川又>
さて、正面のディスプレーとラックの左側にフロントエンド機器があります。
ここにも九ヶ月間のご苦労の跡がしっかりとお見受け出来ました。
 
前回のフロントエンドはこのようになっていました。
http://www.dynamicaudio.jp/file/081010/frontend.jpg
 
そして、今回のフロントエンドのポイントはこれでしょう!!
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/512.JPG
クライマックスコントロールに使ったスパイクはJEFFROWLAND JS-32ですよね?
 
<M.Y 様>
はい、そうです! JS-32は付属のスパイク受けの他、いくつかテストしたので
すが、プリ、パワーとも、Z-Boardへの直接置きが最も見通し感の向上に効果
がありました。Z-Boardは、さすがだと思いました。
 
あと、UX-1にもJS-32の他にもいろいろ使ってみたのですが、オリジナルの
足が最も良かったです。UX-1の足は、本当に良くできていると思いました。
 
<川又>
なるほど〜、やってますね〜色々と(^^ゞその下はZ-boardで上に載せているの
は鉛ですか?
 
<M.Y 様>
先ほども出た、TGメタル社の鉛インゴットFJ-02です。ちなみに、当初は正面
から見て縦方向に置いていたのですが、さほど効果がありませんでした。
KONTROLの内部の写真を見ますと、回路や電源は上の蓋の部分に、横方向に
ついています。そこで、鉛を横方向に置いたところ、効果がありました。
本当に微妙なものです。
 
<川又>
ふむふむ…、徹底していますね〜。徹底していると言えばこの姿は(^^ゞ
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/514.JPG
このIKEMIのスパイクはなんですか?
載せているのは同じく鉛ですか?
 
<M.Y 様>
スパイクはケーズラボ社のチタンインシュレータと、こちら ↓
http://klab.hp.infoseek.co.jp/KsLab/accesory.htm
サウンドステージ社の SCI-1R です。こちら ↓
http://www.s-stage.com/accessory/sci-1r/sci-1r.htm
チタンインシュレータには、foQのTA-102を巻いています。
はい、載せているのは再三登場しているTGメタル社の鉛インゴットFJ-02です。
 
<川又>
さて、九ヶ月間の取り組みで最も音質に貢献したがスピーカーでしょう。
この辺もつぶさに比較しながらご紹介していきましょう。
先ず前回のスピーカーはこうでしたね〜
http://www.dynamicaudio.jp/file/081010/speaker.jpg
 
それが今は…どうですか、これ!!
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/503.JPG
以前には3Kアレイの上にポチポチと貼り付けていたものは無くなったのですね?
あれは何というものでしたっけ?
 
<M.Y 様>
レクスト社の レゾナンスチップ です。こちら ↓
http://www.resonance-chip.com/products.html
これが、音量を上げると、鳴いてしまいました。
そこで、foQ(フォック)の TA-102 に替えました。こちら ↓
http://www.foq.jp/products/tuning/ta102.html
枚数や大きさをいろいろ変えてテストしました。
弦の中域のディテールの向上に効果がありました
 
<川又>
外観は二の次で全て音のためにですね〜
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/561.JPG
載せているのは鉛ですよね?
 
<M.Y 様>
TGメタル社の鉛インゴットFJ-02 です。こちら ↓
http://tgmetal.co.jp/tashiro/tg02.html
これをMDFボードに乗せています。このスピーカは天板がとてもデリケートで、
直接鉛を乗せると音が荒れました。そこで、側板にだけ加重がかかるように、
側面にソルボセインをはさんでいます。真ん中に見えるのは、師匠から教えて
頂いた保冷材です。これも、大きさ、硬さを替えてテストしました。
大音量の弦の高域のカスレの押さえに効果がありました。
 
<川又>
次にどうしても気になるのが側面と背面でのチューニングです。
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/557.JPG
側面や背面に貼り付けているのは何でしょうか?
 
<M.Y 様>
foQのオーディオボード AB-4045 です。こちら ↓
http://www.foq.jp/products/board/ab4045.html
他の機材に使っていたものを電気ノコギリで切りました。写真では、断面が
よく写っています。大きさや場所をいろいろ変えてテストしました。
 
<川又>
ご自身でのカットアンドトライの後が随所に見られて感動ものです!!
でも、驚きはこれだけではありませんでした!! 前回のスピーカーの足元です。
http://www.dynamicaudio.jp/file/081010/w_B-board.jpg
話題になった“B−board”の二枚使いです!!
http://www.dynamicaudio.jp/file/081010/w_B-board02.jpg
 
そして現在のスピーカーの足元はこうなっています。
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/506.JPG
各コーナーから伸びている四本のアルミ製のフットに各々鉛のキューブを置い
てダンピングしているわけですね。でも、上から多少の質量を追加しても、
このようなダイキャスト製の抜き型だと裏側はがらんとして肉厚が薄いもの。
 
今までのようにスピーカーのボディーのように面積がないので何かを貼り付け
るということも出来ないでしょう。
さすがのM.Y 様もそこまでは追求しなかったのでは…、と思ったら、何と!!
 
<M.Y 様>
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/01.JPG
足は、アルミ製で、しかも肉抜きしてありました。本体に止めるねじの穴は、
低いところにあって、樹脂を流すとつぶれてしまいます。
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/02.JPG
そこで、ペットボトルのキャップでマスキングしました。TGメタルの鉛サンド
 FZ-02  ↓こちら
http://tgmetal.co.jp/tashiro/tg02.html
を、レジン樹脂で固めました。設置後に充填部分が落ちないように、足の側面
にドリルで穴をあけ、木ねじを内側に入れています。
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/03.JPG
樹脂が硬化後に、ペットボトルのキャップをはがしました。ネジ穴の部分が、
とてもきれいにできました。B-boardの上にビニール袋に入って乗っていたのは、
この鉛サンドの余りです。
 
このフットの加工は、重量の増加に加えて、フロントバッフルの対策が目的で
した。側面や背面には、いろいろ貼りましたが、フロントバッフルは、何をし
ても悪い方向に変わりました。特に前のフットの加工で、フロントバッフルを
抑える効果がありました。
 
<川又>
いや〜、恐れ入りました。見えないところまで、ここまで徹底しましたか!!
そして、スピーカーのチューニングをここまで徹底できたノウハウとしてこんな
ものも教えて頂きました。
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/563.JPG
 
「強力に固定きれいにはがせる」何だか矛盾しているようなキャッチフレーズ
ですが、こんなアイテムを見つけられたことが数々のカットアンドトライを
可能にしたということですね〜。大変勉強になりました<m(__)m>
 
 
 
         ■ Customer's Sound ■
 
さて、いよいよ九ヶ月ぶりにM.Y 様のシステムとの音での再会ということに
なりました。実は、この日にお伺いするという予定を大分以前から計画してい
たものですが、M.Y 様のお隣がリフォームのために工事中ということで、その
物音が聞こえてくるということで事前に工事業者にM.Y 様が依頼して私が試聴
する時間帯には工事はお休みしてもらったという細かい気配りをして頂いてい
たということをうかがいました。本当に頭が下がる思いでございます<m(__)m>
 
先ずはM.Y 様の標準的なレイアウトで最初の一曲を聴かせて頂こうということ
で、↓可動式の各種パネルをこのような配置で聴き始めることにしました。
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/500.JPG
 
■マーラー交響曲第一番「巨人」第二楽章  小澤征爾/ボストン交響楽団
 
いつものように最初の一曲はこれです。前回同様にリモコンを拝借して指定の
ポジションに置いた椅子をお借りして腰を落ち着けました。この椅子も前回と
は違ってインテリアショップでM.Y 様のフィーリングと座高の高さを配慮して
購入されたものというこだわりでした。さあ、以前の音質を脳裏に描き、記憶
している前回のマーラーとの比較ではどうでしょうか!?
 
「おー!!こりゃーいいわ!!」
 
オーケストラの各論に至る評価の前に、帯域別レスポンスという全体的なバラ
ンス感覚での大きな進歩を最初に感じることが出来ました。
 
私もこのマーラー交響曲第一番を色々なオーケストラの録音で何種類かを聴い
てきましたが、最初に聴き始めた88年録音のこの演奏が今でもベストかと思っ
ているものです。弦楽器群全体での合奏はコントラバスの演奏が右チャンネル
だけでなくセンター近くまで余韻感を広げていく録音のスタイルが大変好ましく、
同じ小澤征爾がサイトーキネンオーケストラと録音した今年の新譜との比較に
おいても、解像度という見方と音楽的センスによるバランス感覚からしても、
小澤&ボストンというこのディスクのオーケストラの描き方が本当に私の好み
でもあり、また各種の試聴においても間違いのない指標の一つとなっています。
 
「前略…それらを総合的に考慮して一般論として述べれば、今回聴かせて
 頂いたM.Y 様のシステムの再生音には低音が不足していると思われます。」
 
と前回の印象を述べていましたが、マルチアンプ駆動でスピーカーの各ユニット
のバランスを自由に調整できるが故に、いざ自分でやってみようという時には
料理の味付けのように程良い調整が必要であり、そこにセンスが光るもの。
 
オーケストラ全体のバランスを整えるには使い手としての美意識が存在しており、
同時に個人の美意識が他者を説得できるレベルのものでなくてはならない。
どうやらM.Y 様は九ヶ月の間に当フロアーで聴き続けてきたバランス感覚を
見事にものにしたようです!!
 
「似てますよ!!オーケストラ全体のプロポーションがそっくりです!!」
 
足首から膝へ、太ももからのヒップラインからくびれたウエストへ、豊満で
ありながら形のよいバストから細い首へ、弦楽器のしなやかさはうなじの滑ら
かなラインを象徴し、トップライトが当たる豊かな表情と艶やかな黒髪へ。
 
そんな女性のプロポーションをコントラバスの重厚でいて切れ味のいい足元を
始まりとして視線を次第に上げて行き、引き締まるべきところと豊かである
ところが実に見事に共存しているバランス感覚に先ず感動しました。
 
無責任に低音が足りないと言ったものの、ではどんな低音にすればいいのかと
言うことを私は口頭では説明しなかったし、また出来なかったと思います。
 
そして、それは言葉で伝授するものではなく、私がこれまで作り出してきた
ここH.A.L.での演奏から学び取って頂くしかないと思っていたものをズバリ
見事にM.Y 様は自分のものとして吸収されていたようです。
 
前回とは打って変わってオーケストラにおける見事な八頭身のプロポーション
が強烈な第一印象として感じ取ることが出来ました。いやはや感動ものです!!
 
重厚であり解像度が素晴らしい低域がしっかりとM.Y 様のシステムに根付いて
いるようであり、ほぼ完ぺきと言える低域のバランス感覚として評価出来ます。
 
前回気になっていた最初の問題が九ヶ月間の情熱的な取り組みで素晴らしい
成長を遂げたということを直ちに実感したものです。恐れ入りました<m(__)m>
 
            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-
 
そして、聴き進むうちに新たな発見が複数ありました。
スピーカーはLINN AKURATE242でありながら、もはやLINNの音ではなくなって
いるという事です。どういうことか?
 
弦楽器全体のバランス感覚がまったく不満のないレベルで達成されたという
第一印象に続き、管楽器、打楽器と他のパートでの観察を続けて行くうちに、
M.Y 様のシステムでしかあり得ないようなパフォーマンスを至るところで
感じることができます!!
 
「いやはや驚きました!!このジャストフォーカスの見事さ、ブレのない音像の
 鮮明さは只者ではありません!!」
 
低域方向での量的なバランス感覚の大きな変化に驚きと納得がありましたが、
オーケストラを聴いていて管楽器の音像とエコー感のセパレーション、打楽器
の立ち上がりと余韻感の広がり方、そしてトライアングルの打音の振る舞いが
いずれをとっても素晴らしい解像度であり、個々の音像が極めて鮮明であると
いうことが実感されてきます!!
 
LINN AKURATE242に何もチューニングを施していない状態で聴いたことはない
ので厳密な比較は出来ない。また、前回は低域のバランスが今一つだったこと
もあり、中・高域の質感にも影響があったことでしょう。
 
ですから、オリジナルのLINN AKURATE242との比較に関して述べる根拠は持ち
合わせていないし、それを論じるよりも私には目の前で鳴っているM.Y 様が
手掛けたスピーカーであるという認識で聴くしかなかった。
 
LINNの特徴でもある3Kアコースティックアレイに関して私は大分以前に同社の
KOMRIで体験したことがありました。
 
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/153.html
 
KOMRIが登場した時には3Kアコースティックアレイという表記はしていなかった
と思いますが、3ウェイのドライバーを一体成型し極めて至近距離にレイアウト
する目的が何だったのか?
 
それはM.Y 様のチューニングを得て更に明確なポイントとして聴く人に自然な
印象を与えることに貢献しているようです。音像がひときわ克明に描かれ、
それら個々の楽音の輪郭表現が嫌みのない鮮明さで私の耳にオーケストラの
中で点として描かれる楽器の存在感を高レベルなものへと進化させています。
 
私が日頃から述べている音像と縮小と音場感の拡大という相反するような命題
が実現されるとこうなるのか!!という見事な再現性が目の前で展開していきます。
 
M.Y 様のチューニングがどの方向性に向かって進められていったものか!?
その目標として当フロアーでの体験があったというお言葉を頂きましたが、
当然試行錯誤の連続であり、カットアンドトライという地道な努力の繰り返し
があってこその音だろうと実感されたものでした。お見事です!!
 
            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-
 
さて、オーケストラの音質において見事な変身を遂げたM.Y 様のシステムですが、
ここでM.Y 様から私にテストして欲しいということで課題が出されました。
 
私が最初に聴いた状態を再度ご覧下さい。↓こんなセッティングでした。
■これをパターン(A)としましょう。
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/500.JPG
 
両サイドの最初のパターンは↓こうなっています。
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/554.JPG
 
この初期状態から左右に配置している四台のQRD Digiwaveを↓このような配置
へと移動しました。リスナーの椅子の位置に対して左右のDigiwaveの角度が
変わり接近して来ています。
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/538.JPG
 
真正面からだとわかりにくいと思いますので、この状態を角度を変えて右側
から見ると↓このようになっています。
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/540.JPG
 
更に左右のDigiwaveの配置として接近して見ると↓このようになります。
床に小さな赤いテープでマーキングしてあるところがM.Y 様の設定位置です。
■これをパターン(B)としましょう。
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/551.JPG
 
このセッティングでの音質を評価して欲しいというご依頼があり、私がテスト
されることになりました(^^ゞ&(笑)
 
このように音場感を変化させることが出来るのもM.Y 様の創意工夫の賜物です。
では、早速課題曲のマーラーで比較してみましょう!!
 
「おや〜!!確かに音場感が変化していますね〜。それと低域も変わりましたよ!!」
 
これは三回くらいパターン(A)と(B)を比べてから述べたコメントでした。
先ず、音場感に関しては(A)の方が広く感じられます。それはリスナーの耳に
Digiwaveが接近してくることで自分の周囲に漂っていた余韻感が多少吸収され
ているという実感を伴い、私は自分の試聴室での環境と比較して解放感のある
方を良しと判断しているからでしょうと説明をしました。
 
<M.Y 様>
ご参考までにパターン(B)をオーケストラのライブをよく聴いている友人に
聴いてみてもらったところ、この位置で、音量を少し落としたところで、
「ホールの二階最前席と同じ!」と言われました。
 
はい、そのポイントは大変良くわかります。間接音の分量として至近距離から
の反射音が整理され、その分フロント側のステージ感を構成する正面の質感に
おいて分離が良くなったように感じるものであり、音量を少し下げると各パート
の楽音に対する視認性が良くなる変化があると思われるからです。なるほど〜
 
しかし、興味深いのは低域の量感がパターン(B)の方では更に充実するという
ことです。不思議な事ですが、この部分はM.Y 様推薦のパターン(B)に軍配を
上げたくなってしまいます。川又さんはどっちがいいですか? と問われて以上
の二つの変化を説明してから、その両方を生かしたいということで私なりに
再度セッティングを変更してみることにしました。
 
先ず、リスナーに近い位置に角度を変えて左右のDigiwaveを寄せてくるという
ことに関しては採用せず、二組四枚のDigiwaveはインライン状に配置しました。
ポイントはその位置関係ですが、M.Y 様の最初の配置は↓この辺でした。
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/554.JPG
 
それを私が↓このように変更してみました。スピーカーに近付けています。
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/549.JPG
 
私が推薦したパターンを正面から見てみましょう。
■これをパターン(C)としましょう。
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/090809/544.JPG
 
ちょうどフロントエンドの機器が隠れてしまうのでリモコンがきかなくなって
しまうのではと思いましたが、床に一度赤外線をパウンドさせるように送信
したら反応しましたので、これで試してみることにしました。すると…!?
 
「ほ〜、いいじゃないですか〜!!音場感と低域の充実感の両方ともに私が
 気に入った感じになってきましたね〜!!」
 
お部屋全体にルームチューンデバイスが使われているので、Digiwaveをスピー
カーに接近させるというわずかな変化がどうして低域に影響するのかは不思議
なところですが、結果オーライということで認めざるを得ない現象でした。
 
<M.Y 様>
ということで、このパイプハンガーを使ったセッティングは色々な方のお好み
に対応できるんです。このような効果は、DIGIWAVEによる「制御された拡散」
という効果が、あってこそのものだと思います。
 
なるほどね〜、九ヶ月間の取り組みとはこのような可変要素をセッティングに
取り入れたということで多方面の選択肢をご自身で見つけられてきたという
ことだと思います。いや〜、感服いたしました<m(__)m>
 
音源としてのスピーカーそのものにあれだけの重厚な装甲を施し、エレクトロ
ニクスコンポーネントの各々にもメカニカルチューニングをこれでもか、とい
う程に追求し、音場感のコントロールにはバリアブルな可変領域を持たせると
いう多方面同時進行のチューニングの成果が見事に結実しています。
 
そして、音場感に関してリスナーの微妙な要求に答えられる可動式の工夫が
なされ、逆に可変要素をリスナーが選ぶのですから選択した私は文句のつけ
ようがありません。参りましたね〜完璧です!!<m(__)m>
 
オーケストラにおける音場感の選択を行い納得した私はパターン(C)にて他の
課題曲も聴かせて頂くことにしました。
 
■セミヨン・ビシュコフ指揮/パリ管弦楽団 ビゼー「アルルの女」「カル
 メン」の両組曲から1.前奏曲 8.ファランドール
 
上記のマーラーと同年代に録音されたフィリップの名盤です。前奏曲の弦楽器
だけの重奏は幾重にも折り重なるレイヤーが見事に展開し、そのレイヤーと
レイヤーの間にうずまっている色彩感の異なる響きを絶妙に引き出しています。
 
この弦楽器の色彩感は優秀なシステムで聴くと一色ではなく多数の色が複雑に
混ざり合っている状態が観察できるようになり、それは下記の私のレポートの
中でも絵筆の例えとして述べているポイントと共通するものです。
 
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/670.html
 
続くファランドールでは距離感をもって響く打楽器の小物、タンバリンやカス
タネット、トライアングルという点音源として発生する楽音の輪郭と余韻感が
爽快に展開するのが堪らないチャームポイントとして得点を稼いでいきます。
 
15.ハバネラまで聴いてしまいました。ゆったりしたリズムの弦楽器から始まり、
次第に盛り上がりながらフォルテの頂点を極める一瞬の緊張感。
 
盛大なオーケストラ全体の楽音が一糸乱れぬ時間軸のトレースを描き、その
一瞬の放出がホールエコーとしてふーっと漂いながら消滅していく美しさ!!
 
楽音の大小による空気中の揺さぶりに対しても揺るがぬ定位感と音像の見事さ
は各種チューニングに成果であることを再度私に実感させてくれました!!
 
「ブラボー!!」内心で拍手喝采するも表情に出せない恥ずかしさを白状します!!
 
■“Basia”「 The Best Remixes 」CRUSING FOR BRUSING(EXTENDED MIX)
http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Arch/ES/Basia/
http://www.basiaweb.com/
http://members.tripod.com/~Basiafan/moreimages.html#remixes1
 
さて、オーケストラはいいです!!ではスタジオ録音では何が発見できるのか?
このBasiaのイントロにあるサンプリングのドラムはM.Y 様のチューニングの
方向性を如実に表現してくれました。
 
「えっ、早い!!この曲のドラムにこんな急激な制動がかかったのは凄いことだ!!」
 
そうなんです。サンプリングのドラムはスピーカー側に低域の演出をすると
いう個性があるとたちどころに馬脚を表すものであり、インパクトの瞬間から
微妙に遅れ膨らんだ響きをスピーカーの残留エネルギーとして放射してしまう
ケースを何回も経験しています。しかし、M.Y 様の場合には心配無用でした!!
 
この打撃音の反作用がエンクロージャーに機械的なエネルギーを与えると、
エンクロージャーは少しずつ時間をずらして一瞬後の再生音に加算して聴かせ
るという場合があります。ところが、M.Y 様の場合にはスピーカーユニットが
再生した打撃音は振動板からの放射が完了すると完璧に消滅します。
 
言いかえれば、打撃音のエネルギーを受け取ったエンクロージャーは、それ
自身でエネルギーを消滅させるための質量と剛性を前述の装甲によって与え
られているので、1/1000秒以下という極めて短時間の間に振動エネルギーは
微弱な熱に変換されてしまっているということです。
 
冒頭のドラムでその後が推測できた私はBasiaのヴォーカルが殊の外滑らかに
再現されることを確認し、それでは…、ということでデメリットはないかと
次の課題曲を聴くことにしました。
 
■MUSE 1.フィリッパ・ジョルダーノ/ハバネラ
http://www.universal-music.co.jp/classics/refresh/muse/muse.html
 
ここでもセンターにドラムがズシンと響く演奏です。しかし、Basiaの録音の
ように無機的なドラムの音だったら強力な制動感で余分な響きを否定する方向
での音質でOKなのですが、この曲のようにオーケストラバックという音場感に
マッチさせるように録音されているアコースティックな響きを伴うドラムは
どうなのか!? ここにポイントをおいて聴き始めました。
 
「う〜む、これもありか〜。いや、違和感がないのだから認めるしかないか!!」
 
自由奔放にスピーカーの残留エネルギーを耳に聞こえる信号としてエンクロー
ジャーが第二の音源として音波を発することはあり得ます。それを否定する
チューニングを行うと演出効果とスピーカーの個性とも判断がつかず、電気的
な信号が完了している後の時間軸でも低域を引きずってしまう場合を経験した
ことがありました。
 
正しくはないが聴いて楽しい音、それは確かにあります。しかし、その演出が
過剰であれば私はすぐにわかってしまいますが、M.Y 様の場合には違った意味
でこの曲に新鮮な発見をさせてくれました。
 
ゆったり響き渡るように録音されたドラムは奥行き方向に定位を移し、奥の
方から輪郭を保った打音を発し、それを周辺に響きとして拡散していきます!!
 
つまり、低域の再現性がルーズなスピーカーは、この曲のドラムを手前にズン
ズンと押し出してきて残響を垂れ流してしまうものがあるのですが、録音に
含まれている残響だけを正確に再現し制動感を突き詰めることによって、
スピーカー中央の奥行き方向へと距離感を発揮する聴かせ方で自己主張すると
いうことなのです。
 
実は、この曲のドラムにおいては他のスピーカーでも同様な遠近感によって
スピーカーの不要な振動を制御している効果を聴かせるものがありますが、
それはもっと高価な製品でした。
 
LINN AKURATE242がお安いなどとは決して言いませんが、このスピーカーも
チューニングによってはここまでいくか!!という圧倒的な進化形のサウンドを
突き付けられたものです!! 脱帽です(-_-;)
 
■MICHAEL BUBLE/1.「Fever」WPCR-11777
http://wmg.jp/artist/michaelbuble/profile.html
 
女性ヴォーカル二曲の次には男性ヴォーカルで。そして、この曲にもチェック
ポイントがあるのです。イントロのエレキベースの重量感と引き締まった質感
は前述の各要素から推測もし、また予測したように展開しまったく不安はありません。
 
しかし、この先にプロデューサーが意図的に入れたものか、恐らくは50Hz以下
という非常に低いリズム楽器の低音が録音されているのです。ウーファーだけ
アクティブになっているスピーカーではレベル設定を間違えると盛大な低音が
噴き出してくるものなのですが、いやいや〜見事にこなしてくれます!!
 
「ほほ〜!!この低音は車で言えば10トントラックのようにヘビー級のたぐい。
 軽い車ではブレーキは効きやすいが、大型車では中々止まらないはず。
 それが何とも切れ味のよいブレーキ感であることか!!」
 
そうです!!ズン!!ときたらそれでストップします。そのあとにズシーンという
残響は一切残さないのですから見事という他にありません。
 
M.Y 様の場合にはスピーカーそのものをヘビー級にするだけではなく、スピー
カーのフットをはじめとしてボディーそのものでエネルギーを消滅させる工夫
がこのような再生音に結びついているということでしょう。納得しました!!
 
■DIANA KRALL「LOVE SCENES」11.My Love Is(MVCI-24004)
http://www.universal-music.co.jp/jazz/artist/diana/disco.html
 
さ〜て、叩く低音からウッドベースの弾き響くという低音ではどうか?
冒頭の指を鳴らす音は素直に上品に質感で始まり、ウッドベースでは前述の
八頭身のプロポーションの例えを再度思い出す鳴りっぷりなのです。
 
つまり、ピッチカートの瞬間で立ち上がる弦の音はハイスピードであり、音像も
すこぶるつきの引き締まったウエストのようにきりっとしている。しかし、
いったん弾いて解放された弦の大胆な響きは誰に遠慮するともなく私の眼前に
ベーシストの立ち姿をイメージさせます!!
 
引き締まるところはきゅっと!!豊満な展開は遠慮なくずっしりと響かせる!!
ただし、その両方に置いて音像がぶれないという事実を見逃してはいけません。
 
■ちあきなおみ/ちあきなおみ全曲集「黄昏のビギン」
http://www.teichiku.co.jp/teichiku/artist/chiaki/disco/ce32335.html
 
連続してヴォーカルを聴いてきましたが、低域に関して共通する特徴は大部分
が前述した通りです。しかし、それらの中でも実はヴォーカルの質感が極めて
素晴らしいということにはあまり触れてきませんでした。そこでこの曲です!!
 
今まで聴いてきた各種のヴォーカルでもオーケストラで感じられた要素が多分
に発揮されているということです。
 
ヴォーカルの口許のサイズは見事に凝縮され、その反面ヴォーカルに仕込まれた
余韻感が空間に漂い出していくという妙味を実に見事に再現しているのです!!
 
この曲のイントロでギターとヴァイオリンが先ず入ってきますが、各々の音像
がことさら鮮明に展開するのは既に予想していたこと。
 
そして、全てのヴォーカルに関して言えることは決してシャープなイメージに
からめとられることなく質感が実に潤いを感じさせるという美味があるのです。
 
特に伴奏楽器の数が少ないこのイントロと前曲のDIANA KRALLなどでは大変その
特徴が発揮されており、ヴォーカルのエコー感だけでも広大な音場感を何とも
軽々と発生させるということは何たることか!!
 
これはエンクロージャーが中・高域のエネルギー成分を吸いとってくれ、余分
な響きは出さず整理してしまい、あたかも響きの不純物は機械的なフィルター
によって濾過しているような爽快感が何とも堪らない魅力となっている。
 
低域成分をどのようにコントロールするかという対処法と相反するような私の
解釈だが、そこがM.Y 様の目指したものかと納得するしかないのである!!
 
ずっと以前にLINN KOMRIで私が感動した3Kアコースティックアレイの素晴らし
さとは、実はヴォーカルを聴いた時に感じたものだったのです。
 
3ウェイドライバーに近接設置させた意味合いはヴォーカルのウェットな再現性
を促すものであり、それは他社のスピーカーには見られない麗しい魅力でした。
 
それを思い出して聴くヴォーカルは低域の素晴らしさをちょっと脇に置いて
おいて聴きたくなる充実感があります。
 
オーケストラとヴォーカルによってM.Y 様が作り上げた世界観を堪能させて
頂きましたが、更にもう一歩というアドバイスが何かできれば…!?
 
実は、上記の試聴を続けながら私の頭の中では小さなヒントが次第に形になり
つつあったのです。それは…
 
■チャイコフスキー:バレエ音楽《くるみ割り人形》op.71 全曲 サンクト
 ペテルブルク・キーロフ管弦楽団、合唱団指揮: ワレリー・ゲルギエフ
 
最後にもう一度オーケストラをある目的で聴きたくなり、この曲をかけました。
 
<M.Y 様>
「くるみ割り人形」では、音量を下げられたので私もエアコンを切って、
結構音の大きい時計をキッチンにしまって聴いていただきました。
この曲では「徹底したノイズ低減対策」の効果が相当出ていたと思ったのですが、
いかがでしたでしょうか。
 
はい、ご配慮に感謝致します。お陰様で冒頭の弦楽器のニュアンスを細かく
聴くことが出来ました。管楽器のソロパートが響かせるホールエコーも美しく、
ダイナミックな打楽器のエネルギー感も最後の一滴の余韻まで楽しみました!!
 
ほぼ完璧であり、文句のつけようがないという仕上がりに九ヶ月間のご苦労を
察し、同時に追求してきた各パラメーターが見事に再生音に反映されていると
いう状態を認めつつ、今一つ欲張った音質向上のポイントをご提案致します。
 
何度も言いますが、音像の縮小と音場感の拡大が達成された場合、左右の音源
位置を広げることによって可能性が広がるということです。
 
大変重量があるスピーカーに変貌してしまったということで、楽に動かせる
わけではありませんが、あと10センチでも15センチでもいいので、左右の
スピーカーの間隔を広げてみることをお勧め致します。
 
これまでのM.Y 様の取り組みで積み重ねてきた音質向上の各段階でのチェック
ポイントがあったはずです。試聴を繰り返し、変化を与える前と後の比較を
何回も繰り返されてきたことと思います。
 
その度に「こちらがいいだろう」と判断された音質変化の方向性を総合すると、
音像と音場感の両方ともに素晴らしい仕上がりということは映画館のスクリーン
サイズを更に大きくしても大丈夫という解像度の保証でもあるのです。
 
M.Y 様の行ってきたDigiwaveの可動性という利便性を利用すればスピーカーを
壁面に接近させても問題は起こりません。その分、音響的な視野が広がること
で求めてきた音質が更に高いレベルへとステップアップ出来るものと思います。
 
非常に単純な事ですが、スピーカーのリプレースメントであと10センチでも
いいので試してみて下さい。これは他のポイントではアドバイスの必要がない
という私の苦し紛れの一言かもしれませんね〜(笑)
 
私の試聴室で学習して頂いたことが、ユーザーの音質に貢献していたという
大変うれしい体験でした。次に訪問させて頂いたら今度はどうなっているので
しょうか!?楽しみでなりません。本当にありがとうございました。
 
そして…、M.Y 様より大変ありがたいメールを頂戴しました。
 
            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-
 
ダイナミックオーディオ 5555 店長
川又さま
 
先日は拙宅にSound Checkのリターンマッチにご足労頂き、どうもありがとう
ございました。
 
当日は、とても時間をかけて聴いて頂き、私が多々苦心した点をご評価頂いて、
とても嬉しいです。
 
やはり貴社で、本当にたくさんのハイエンド機材の音を聴かせて頂いたことが、
自分の音の評価と改善箇所の明確化につながったことは、感謝に堪えません。
 
加えまして、川又さんの評価のポイントを大変詳しく説明して頂き、今後の
私の試聴の際の参考にさせて頂くことができました。
 
もう、現行の機材には、思いつくことは、全てやったと思っていました。
先日、H.AL.でお知り合いになった方のお宅にお邪魔して、聴かせて頂きました。
 
この方は、大変独創的なアプローチをなさる方で、その猛烈なオリジナリティ
の音に感銘を受けました。
 
そして、まだまだ改善の余地があることがわかりました。
今後も、手を入れていくつもりです。
 
さて、先日、川又さんにお勧めいただき、Kiso HB-1 を聴かせて頂きました。
驚愕しました!!!!
 
私がこの9カ月間やってきたことは、Kisoのコンセプトとは正反対のアプローチでした。
 
不足している筐体の重量を嘆きながら、ひたすら重量を増加し、ひ弱なエンク
ロージャの共振を力づくで押さえつけ、なんとか「砥ぎすまされた音」を出せ
ないかと努力してきました。(まだ達成はできておりませんが...)
 
それはそれで、それなり結果を出すことはできましたが、Kisoは、あっさりと、
全く違う世界を造り出していました。
 
「研ぎすまされた」系の音は、仕事帰りでは、時として聴いていて疲れること
もあります。
 
Kisoの音は、私にとっては「やすらぎ」でした。
造った人の思いのこもった、人間が造った音だと思いました。
 
  後世の歴史家は、スピーカの歴史を
    Before Kiso
    After Kiso
  と評する可能性があります。
 
と言われた方がおいでとのことですが、全く同感です。
 
すでに、いろいろな方がコメントをお書きになっていますが、私はマホガニー
に挑戦することにしました。
 
すでに入手された方も、ずいぶんおいでかと思いますので、ご参考までに
ご一報いたします。到着後しばらくエイジングしました。
 
AKURATE242と比べて、低音をもう少し締めたいと思いました。
そこで、トランスの下に置いていたP-Boardをスタンドの上に乗せ、Kisoを
置いてみました。このような状態です。↓
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/090818/262.jpg
 
これは、激変しました!
 
このスタンドは、LINNのKATAN用で、相当安価です。結構グラグラします。
でも、天板の19kgのP-Boardが完全に制御しています。
 
この方法は、設置の条件が、かなり自由になるはずです。
あと、筐体の下に貼る ゲルシート を、いくつか試してみました。
 
硬さと大きさで、これも音が大きく変わります。
P-Boardがあれば、硬めの制振ゴムが現在の私の好みです。
 
HB-1は非常に高いポテンシャルがある上に、重量を増加したAKURATE242などに
比べれば、はるかに小さくて軽いので、こういったチューニングが、とても
簡単にできます。
 
入手された皆さんが、是非、「自分の音」を作る楽しみを味わって頂ければと
思いまして、とり急ぎご報告いたしました。
 
川又さんもお書きになっていますが、これから、じっくり時間をかけて鳴らし
ていきたいと思います。
 
            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-
 
M.Y 様、何ともタイムリーなメールを頂き重ねてお礼申し上げます。
 
最後のこのメールをご覧になって、お読みになっていた皆様は驚かれたかもし
れませんね。あれだけ剛性を高め無共振思想を徹底してきたM.Y 様がまったく
正反対なKiso Acoustic HB-1を導入されたということに!!
 
そこがM.Y 様の素晴らしいところです。理論とテクノロジーで追求していく
分野はもちろんありますが、その対極にあるのが人間の感性であり感覚による
音質の追求というもので“美しい響き”を作り出すスピーカーの存在をM.Y 様
はご自身の感性で素直に認められたということです。
 
ご自分の感性に素直であるからこそ、今回ご紹介した各種のチューニングが
正しい方向に導かれ失敗しなかったという根拠になるものでしょう。
 
そのようなユーザーの感性を磨いて頂く手本、目標として私はここH.A.L.の
音質を日々追求しているものなのです。
 
Kiso Acoustic HB-1はそれだけの存在感を持っているスピーカーだと思います。
 
私はここでHB-1を聴かれた皆様に次のようなコメントを必ず申し上げています。
 
「このスピーカーは第二のメインスピーカーです。セカンドシステムの安易な
 アンプで鳴らすのではなく、皆様が使用しているメインシステムのアンプで
 鳴らして下さい。
 
 大きなスピーカーが出す音を小さいボディーで出せるから偉いのではありません。
 小さいボディーでは想像もできない低音が出るから凄いのではありません。
 HB-1は大きなスピーカーに出せない音を聴かせてくれるから素晴らしいのです。
 
 響きを伴って聴かせてくれるから今までのスピーカーとは別世界の音楽を
 聴かせてくれます。だから、今まで聴いてきた曲を全て聴き直したくなるし、
 どんな音楽でも本当に楽しく聴かせてくれます。それがKiso Acoustic HB-1
 の最大の魅力なのです!!」
 
理屈ではなく感性で音質を追求すること、これは生半可な事では出来ません。
Kiso Acousticのポリシーを確立するために代表 原氏は正に今回のM.Y 様と
同じように試行錯誤を長年繰り返してきたからこそ実現できたものなのです。
 
最後に一言…。
 
M.Y 様のようにご自身で音を磨かれていくという趣味の楽しさも当然あって
良いものだと思います。でも指標となるサンプルは必要でしょう。
 
そして、私がここでご提案する各製品については大変良質であり、皆様の期待
に十分に応えられるものであると申し上げることが出来ます。
 
ことオーディオに関しては皆様の良きガイドたる自信がありますが、皆様の
お部屋でどのような音で鳴っているのか、それを確認させて頂く事は大変に
重要な事であり、今回のM.Y 様のように進化する音を提供していきたいと
願っているものです。
 
その意味ではM.Y 様の情熱がかなえた音質を全国のオーディオファイルの皆様
にお知らせすることが出来て大変光栄であったと思います。
 
M.Y 様、本当にありがとうございました。そして…
 
Sound checkは今後も継続して参りますので、どうぞよろしくお願い致します。
 
            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-
 
この訪問活動はハルズサークル会員を対象に行っています。
この機会にどうぞご入会下さい。


HAL's Hearing Report