《H.A.L.'s 訪問記》


No.0019 - 2009/3/13

埼玉県幸手市 T.M 様-H.A.L.'s 訪問記Vol.2

Vol.19「Vol.17-私のアドバイスから新展開の報告あり!!」

H.A.L.'s 訪問記に新作が登場するとアクセスカウンターがどんどん上がって
いきますね〜(^^ゞ

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_visi.html

大変ありがたいものです。私が訪問して体験することはオーディオだけでなく
皆様との交流が言わば主軸となっているものです。

どなたも一足飛びに現在のシステムにたどり着いたわけではなく、人様々な
歴史があり現在に至っています。その歴史イコール私とのお付き合いの履歴と
いうことにもなり、私も懐かしさの中に訪問して新しい発見をさせて頂いて
いるものです。ご協力頂きました皆様に改めてお礼申し上げます。

■H.A.L.'s 訪問記Vol.17-私のアドバイスから新展開の報告あり!!

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_visi0017.html

この中で次のような一節がありました。

「でも、これらの試聴からT.M 様には口頭で二つほどのアドバイスをさせて
 頂きました。でも、今回はそれを公開するのは控えておこうと思いました。

 それはなぜか?

 これからの数日間、いや数ヶ月間で私のアドバイスを実験され、T.M 様の
 感性で私が指摘したオプションに賛意を示されセッティングを変更されたと
 いう報告を頂いた時にこそ、私も安心して今回のアドバイスの内容を公開
 させて頂くことにします!!」

ということでした。自分でチューニングを進めて行かれる熱心なユーザーで
あればあるほど、ご自身でのカットアンドトライで納得されることが重要で
あり、その結果を推測し推奨する私のアドバイスもご本人が納得して下さる
ことで価値が認められるというものです。

Sound checkの当日に私が述べたアドバイスをT.M 様は実行に移されました!!
どんなアドバイスをしたのか、その種明かしができるご報告できるうれしい
メールを頂きました。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

>埼玉県幸手市 T.M 様より

>川又 様

> あと、これは別件ですがこの間のパワーアンプのセッティングの途中経過です。
> 
> 先週あたりから床直置き実験をしております。
> 結果は、好ましい部分と好ましくない部分がありました。
> 
> まずは好ましい部分。
> 
> 川又さんが言われたように低音の量が増えました。
> ただ、量感が増えたことよりも低音の質がグッと踏ん張るようなグリップ感
> が増したような、地に根を張った感じになり量よりも、質の変化に好感を
> 持ちました。
> 
> 低域以外の帯域も安定感があり、より鮮明な描写になりました。
> 鮮明になりながらも音像の輪郭描写はより自然です。
> と言うよりも以前のセッティングでは輪郭にわずかなブレがあったようで
> そのブレによって輪郭感が出ていたのではないかと感じます。
> 鮮明でありながら自然な輪郭描写は追い求めているもののひとつでありますので
> この辺は大変好ましいです。
> 
> で、実際に大編成のオーケストラで演奏そのものに集中しますと、
> う〜ん圧倒的に楽しい!!
> 各楽器の構築が以前よりも手に取るように分かり、作者の意図、指揮者の解釈が
> よく伝わってくるようです。


川又より

それです、それが欲しかったものです!!
私のアドバイスのひとつはパワーアンプのセッティングでした。以前は↓この
ようにラックの上に乗せていらっしゃったものでした。これを床に直接接地さ
れることをお勧めしていたものです。

http://www.dynamicaudio.jp/file/090225/m12.jpg

実は、このようなパワーアンプのセッティングで低域の質感が大きく変わると
いうこと、ラックやキャスター台などに乗せる必要性がないという場合には
ぜひお勧めしたかったものです。千葉市稲毛区 Y.S 様の↓事例もそうでした。

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_visi0016.html

メカニカルグランディングということは対象になるコンポーネントの足元が
どのような状態か、メカニカルアースとしてしっかりと受け止めてくれるか
どうかというのは重要なことなのです。さて、問題はここからです(^^ゞ


> で、好ましくない部分。
> 
> 余韻感がかなりしょぼくなりました。
> 広い空間にふわぁんと広がる感じがなくなりました。これは頂けないです。
> 当然、大編成の勢いのある曲ですと気になりませんが
> 静かな曲や、小編成の古楽なんかだとかなりマイナスです。
> 
> あと、スタジオものや、ジャズのライブハウスものを聴くと
> なぜかベースの音が団子になり音階を感じられなくなります。
> 
> ピアノトリオなどを聴くとベースの踏ん張り感だけが前面に出てきて
> 各楽器との調和が取れていないような鳴り方。
> ベースが走りすぎていると言うか、繊細なタッチが無く、がむしゃらに弾いてい
> るだけで、そのわりに各音階を明瞭に弾けない、空気読めていない演奏で
> 正直、ベースだけがものすごくヘタッピに聴こえます。
> (スコット・ラファロなんてめちゃくちゃ上手いのにショック!!)
> 
> 以上のような状況で、その後、以前「N803」のベースとして使っていた
> タオックのボード(床面に革を敷いています)をプラスするも
> 上記の感じは若干改善しますが根本的には変わりません。
> 
> 更にBDRのボードをプラスすると若干、余韻感が出てきますが
> 満足できるレベルではないですね。
> 
> もう少し色々実験してみようと思います。
> 難しいですね。


川又より

はい、了解しました。下記に対応策をご提案します。

以上の音質変化は良く理解できるものであり、予想の範囲です。

モデル12のフットにJS-32を使用してみてはいかがですか?
まだ、お持ちになっていないですよね?

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/542.html

実物の貸し出しも致しますので、気軽にお申し付け下さい。

ということで、早速一昨日ご来店になったことは配信でも述べていましたが…
そうしたら↓こんな展開になってきました。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

川又 様

お世話になります。幸手のT.M です。

JS-32(上面フラットタイプ)2セットお見積もりよろしくお願いします。

遅くなりましたが、お借りしましたJS-32の結果です。

商談希望しているのでお分かりとは思いますが(笑)
前回お話した不満点が一気に解決です。
いや〜すごいですねこれ!

このようにセッティング変更しました!!
http://www.dynamicaudio.jp/file/090317/3213.jpg

現在、Model12→羊革→JS-32→BDR→TAOCでセットしていますが、低域の不満
点は解決し、余韻は以前よりも伸びているようです。
また、全体的に歪感がかなり減っています。

ボーカルは特に歪の減少を感じ、ストレスフリーで自然な描写です。
正直外せなくなりました。

あと、以前に比べますと自然な描写にもかかわらず、芯といいますか、骨格感
が非常にしっかりとしており、もう一つの問題点が鮮明に判りやすくなったようです。

このため、現在のSPの角度ですと曲によっては音の芯がダイレクトに顔とか
に当たるような感じになり、SPの軸をもう少し内側に振りたくなる欲求に駆られます。

これもクロスセッティングの方向に働く訳ですから、より良い方向に向かって
いるような気がしますね。

川又さんのアドバイス全面的に採用です!!

本来ならもう少し早く連絡すればよかったのですが、しばらくして印象が変わ
るといけませんので試聴にちょっと時間をかけました。
結果は装着直後に出ていたんですけどね(^^ゞ

数日とはいきませんでしたが一ヶ月以内の撃沈でした(^^;
いや、素晴らしい!!

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

川又より

T.M 様ありがとうございました。それは何よりでした。良かったですね〜(^^ゞ

そして、二つ目のアドバイスにも進めそうですね。クロスセッティングの魅力
は訪問記の本文でも述べていますが、それが成功するためには環境が必要なの
です。今回のように機械的なセッティングとルームアコースティックの両方に
問題がなければクロスセッティングは大いにオーナーの満足感を高めてくれます。

クロスセッティングに関しては見た目のセンターはちょっとずれても左右
スピーカー間隔をあと50センチでもいいので広げてから行うようにと当日は
お話ししていたものでした。

オーケストラにおいて弦楽器群が面として聴こえるように、そしてその背後に
管楽器が定位するようになればよいのですが、現状でのセッティングでは
弦楽器の位置関係に対して管楽器が登場すると定位がスピーカーの音源位置に
ずれてしまっているものでした。

また、弦楽器もスピーカーの主軸位置にかたまっているようで中間定位として
空間に並んでいなかったものです。スピーカー間隔とクロスセッティングを
実際にお試し頂くことで解決するはずです。

そして、それはオーケストラだけでなくポップス、ヴォーカル曲などでも
バックバンドの楽音とヴォーカルの分離感を高め、本当にスピーカーという
音源を意識することなく中空に浮かぶ楽音が聴けるようになります。

二つ目のアドバイスであるクロスセッティングをT.M 様がどのようにこなして
いくかのご報告を頂いていないのに先走りのコメントでしたが、挑戦する価値
が十分にありますので、この先が楽しみというものです。

T.M 様今回のご報告ありがとうございました。私も良いしめくくりができました。
もし、できたらいいのでセッティングが決定したら写真など頂けるとうれしい
です〜(^^ゞ他の802dオーナーの皆様の参考になると思いますので<m(__)m>


HAL's Hearing Report