《H.A.L.'s 訪問記》
No.0014 - 2008/9/12
千葉県市川市 T.I 様-H.A.L.'s 訪問記
Vol.14「私が太鼓判を押す世界最強のSignature 805がここにあった!!」 今回の訪問では前例のないポイントがいくつかありました。T.I 様が何と30歳 の時にお付き合いが始まったわけですが、以来7年目のお付き合いとなります。 その遍歴を先ずは簡単にまとめてみましたので、ぜひご覧ください。 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0019.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0020.html ■ちょうどこの頃↑にパワーアンプMarklevinson No.33HL を導入されました。 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0046.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0086.html ■そして、この頃↑にESOTERIC P-0s を導入されました。 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0127.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0132.html ■更に、この年↑にスピーカーをB&W Signature 805に変更されました。 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0154.html ■また、この↑後にプリアンプ Marklevinson No.32L を導入されました!! http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0235.html ■このモニター以前に実はDACがMarklevinson No.30.6Lにアップグレード!! http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0260.html ■まだまだ終わりません!! 電源環境に目覚めましたねー!! このような遍歴から私と知り合って五年間をかけて構築されたシステムを ご紹介しましょう。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- ◆ H.A.L.'s 訪問記-Vol.14 千葉県市川市 T.I 様システム構成 ◆ ……………………………………………………………………………… ESOTERIC P-0s+VUK-P0(税別\1,950,000.) http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/216.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/108.html with ESOTERIC 6N-DC/P01(税別\120,000.) http://www.teac.co.jp/audio/esoteric/p01/index.html □Power equipments□ TRANSPARENT PLMM(税別\240,000.) http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER and zoethecus z.3/R (税別\384,000.) http://www.axiss.co.jp/fzeoth.html ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ PAD DIGITAL DOMINUS Rev.B Signature XLR/1.0m ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… MARKLEVINSON No.30.6L (税別 \3,450,000.) http://www.marklevinson.com/downloads/index.asp □Power equipments□ TRANSPARENT PLMM(税別\240,000.) http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER and zoethecus z.3/R (税別\384,000.) http://www.axiss.co.jp/fzeoth.html ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ PAD HDI Rev.B Signature XLR/1.0m ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… MARKLEVINSON No.32L (税別 \3,200,000.) http://www.harman-japan.co.jp/product/marklev/no32l.html □Power equipments□ PAD AC DOMINUS 15A/1.0m (税別\386,000.) ↓ CSE RX-201A(100Hz) ↓ PAD AC DOMINUS 15A/1.0m (税別\386,000.) and zoethecus z.3/R (税別\384,000.) http://www.axiss.co.jp/fzeoth.html ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ PAD DOMINUS Rev.B Signature XLR/2.0m ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… MarkLevinson No.33HL (税別 \4,000,000.) □Power equipments□ TRANSPARENT PIXL<生産完了>(税別\300,000.) http://www.phileweb.com/ec/index.php?p=6274 ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ PAD VENUSTARS Rev.C Bi-Wire /1.5m ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… B&W Signature 805 (税別\560,000.) http://www.phileweb.com/news/d-av/200207/22/5258.html and H.A.L.'s Original Products BRASS SHELL(税込み\98,000.) http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/b_shell/b_shell.html and ★特注 1ポイントサポート専用スピーカースタンド http://www.dynamicaudio.jp/file/080907/stand02_s1500.jpg ……………………………………………………………………………… -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 私より一回りお若いT.I 様とは気さくにお話しができるフランクなお付き合い をさせて頂いていますが、今回のアポイントを申し入れたのは三か月前のこと。 T.I 様とは事前に次のようなやり取りがありました。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 川又 様 ご無沙汰しております。昨年くらいから国内で開催している「D1グランプリ」 というモータースポーツの公式パンフレットのまとめ役のようなことをやって おりまして、バタバタしている今日この頃です。今日もこの開催日で岡山におります。 ■D1グランプリのHP http://www.d1gp.co.jp/ なかなかお店の方へもお伺いできませんで、申し訳御座いません。 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_visi.html 私も毎回読んであります。 「おもしろそうですねぇ」と思いつつも、 「スゴイ方がいっぱいらっしゃるなぁ…」と感じていたところでもあります。 ウチの地下も、あれからはそれほど大きな変化はありませんが、逆に変化を もたらす上でも、一度、川又さんに聞いて頂いてクリニックしていただく方が 良いかもしれませんね。 バタバタはしつつも、自宅でデスクワークをしている時間もかなりありますので、 うまく都合が付くようでしたらお願いしたいと思います。 火曜日以外であれば、「鰻」を食べに行きましょう。 好みに合うと良いのですが、近くにやわらかくてふっくらした鰻を出すお店が あります。ぜひ食べていって下さい。 よろしければ、JR松戸駅まで車でお迎えにあがります。 そのほうが、鰻屋さんでビールも飲めるでしょうし…。(笑) わざわざ来て頂くのですから、そうしていって下さい。 「川又より…何だか、食いしん坊万歳みたいな感じで行く先々で食べてる ような気がして申し訳ないです(笑)」とご返事すると…。 いやいや、食べ物のネタが入るからこそ、オーディオ&オーディオしていない 文章になってどんな方にでも楽しく読める文章になっているのだと思います。 あまり気にせず「オーティオ&食べ物の、食いしん坊万歳」でいいのではない でしょうか。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- とまあ、こんな感じで気さくな打ち合わせを行い、やっとその日が来ました。 しかし、ここで一つのエピソードを披露させて頂くと、訪問予定の四日前の事、 「時間があればフラッと寄ってみようかな…。」とメールを頂いていましたが 「どうもお久しぶりです〜」と来店されたT.I 様にはチャーミングな同伴の 女性がお一人…、どうも〜とご挨拶をしているとT.I 様から爆弾発言が!! 「僕たち結婚したんです、ちょうど今入籍を済ませてきたところで〜!!」 おー!! それはそれはおめでとうございます!! 良くあることなのですが、独身時代からお付き合いしているお得意様がご結婚 されますと、奥様より私の方がお付き合いが長いということがしばしば。 今回もそんな感じで奥様よりもT.I 様を良く知っている私かも(^^ゞ & (笑) ということで、今回は新婚さんのお宅へ訪問と相成りました!!(^^) そして、当日は常磐線快速の下り電車に揺られていますと、金町あたりで電車 の窓を激しく叩く雨が降り始めました。参ったな〜と思っていたら、少したつ と納まってきて待ち合わせの松戸駅に降りると雨は降っていませんでした。 ご夫妻でお出迎え頂いて大変恐縮です。ありがとうございました。 柴又帝釈天を向こう岸に見る矢切りの渡しで有名な江戸川の川沿いのマニアの 抜け道をすいすい走り、あっという間にご自宅の門前へと到着しました。 先ず、玄関を入ると地下のオーディオルームに下る階段がある仕事場でした。 私も実物は初めて見ましたが、こんなモニターディスプレーを駆使して日頃の お仕事をこなしているという。↓記念にと撮影させて頂きました。 http://www.dynamicaudio.jp/file/080907/workstation.jpg さて、これまで訪問でもかわいいワンちゃんが出迎えてくれた事が何回もあり ましたが、いや〜今回も走ってきました!! この子です、名前は Indy 君!! http://www.dynamicaudio.jp/file/080907/indy01.jpg おちゃめさんで7歳になる男の子。もう人懐っこくて私の足にとびかかり座れ ば顔までペロペロされるし、私もワンちゃん好きなのがわかったのかしら(笑) お邪魔します〜と地下室への階段を降りて、どうぞ〜とご案内頂いたお部屋は 10畳くらいのスペースということで早速システムを正面から眺めると… http://www.dynamicaudio.jp/file/080907/system01.jpg 左チャンネル側をちょっとクローズアップしてみると… http://www.dynamicaudio.jp/file/080907/system02.jpg もしも、同じB&Wの歴代805シリーズを使用しておられる皆様ははっと注目され ると思うのがこれですね〜↓ http://www.dynamicaudio.jp/file/080907/sig80503.jpg “いったい、この怪物みたいなスタンドは何なんだ!!サウンドアンカーなんか じゃないし、こんな重厚なスタンドを作っているメーカーあるのか〜!? ” と、思われることでしょう。当然、今回の訪問で聴いたSignature 805は前代 未聞の音質だったわけですが、これらの背景をちょっとご説明しなければなら ないでしょう。その前にこの↓写真もご覧ください。 http://www.dynamicaudio.jp/file/080907/sig805.jpg Signature 805のウーファーに取り付けられた燦然と輝くフェーズプラグとは 当時一大ブームを巻き起こしたBRASS SHELLです!! http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/b_shell/b_shell.html そして、このBRASS SHELLを日本マランツからB&Wに送ってもらい、同社が検証 試聴して新製品開発に影響を与えたという報告↓まで頂いたものでした。 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/b_shell/b2_shell.html このBRASS SHELLの音質決定とプロデュースは私が行いましたが、企画・製造 管理・など生みの親とも言える存在が実はT.I 様だったのです。そして、この BRASS SHELLは相当数の販売を行い当初の生産計画を完了したものでした。 さて、その次にT.I 様から持ちかけられた企画が史上最強のスタンドを作り Signature 805を鳴らし切ることに挑戦したいというものでした。 そこで私が基本原理を提案しましたが、その根底にある構造的特徴というのは この↓スピーカーから得たノウハウでした。 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto41.html このGOLDMUND EPILOGUE 1 における究極のメカニカルグランディング手法とし て一点支持構造を徹底的に追求してはどうかとお勧めしたものでした。 http://www.stellavox-japan.co.jp/products/goldmund/ultimate/epilogue.html このスタンドに関してもBRASS SHELL同様にこの試聴室と環境と、そして常設 のコンポーネントを使用しての試聴を何回も繰り返した記憶があります。 しかし、妥協を排して理想追求していくたびに製造原価との戦いがあり、最終的 には市販価格としてはセールスベースに乗らないような高価なものになって しまい商品化を断念したというものでした。この際ですから、当時の開発過程 と遂に日の目をみなかった幻の超弩級ハイエンド・スピーカースタンドの概要 をこの機会にご紹介しておきましょう。 なぜならば、このパフォーマンスがT.I 様のシステムの音質に計り知れない 影響をもたらしているからです。先ずはこれ↓ http://www.dynamicaudio.jp/file/080907/stand08_s1500.jpg ワンポイントサポートの基点ともなるスパイクシャフトの先端部です。相当な 荷重がかかることを承知の上で妥協なくこのように鋭角な先端部です。次に… http://www.dynamicaudio.jp/file/080907/stand07_s1500.jpg このスパイクシャフトにスピーカーの底部を受けるベースを取り付けたところ です。このスパイクシャフトの太さは約5センチ程ありますから、それ自身の 質量も相当なものであり、同時にスピーカーと接するベースも無垢のアルミ から削り出したもので素晴らしい剛性であることは一目でお分かりでしょう。 http://www.dynamicaudio.jp/file/080907/stand10_s1500.jpg 次の写真はこのスパイクシャフトをサポートするシリンダー部の挿入口です。 中にはダンピング材が充填されており、三方向からビスが貫通しています。 このビスを回すことによって挿入されたスパイクシャフトが中央に位置する ように調整するものです。従って、ビスは荷重を受けることなくあくまでも スパイクシャフトそのものが一点支持で荷重を床面にアースできるものです。 http://www.dynamicaudio.jp/file/080907/stand11_s1500.jpg 外観から見てスタンドの主な機能性としてスピーカーを支えているように見え る支柱・シリンダー部にスパイクシャフトを挿入し実際にSignature 805を 乗せるとこの↑ようになります。 スピーカー底部と接するアッパーベースの肉厚感をご覧ください。こんな誰も 考え付かないようなクレージーなことを当時水面下で進めていたのです。 そして、このアッパーベースの下側で前後二点に小さなビス穴があるのがお分 かりでしょうか? Signature 805の底部にはスタンドとの連結用・転倒防止用 としてビスをねじ込むことができるようになっており、ノウハウとしては Signature 805とアッパーベースの中間にフェルトなどをはさんでネジ締めす るということで音質調整もできるように配慮したものです。 http://www.dynamicaudio.jp/file/080907/stand09_s1500.jpg さて、これらの超ヘビー級の支柱を支えるロアーベースがこれです。同じく アルミから削り出したものであり、恐らくは9.5KgというSignature 805の二倍 以上の質量があるはずです。この肉厚感を見れば想像に難しくないと思います。 http://www.dynamicaudio.jp/file/080907/stand06_s1500.jpg このロアーベースに支柱・シリンダー部を乗せるとこの↑ようになります。 ここで床面と接するところに大きなスパイクが見えますが、これも支柱に格納 することになるスパイクシャフトの先端部と同様という重厚なもの。 そして、スパイクを受けるベースもオリジナルに削り出したものであり、支柱 下のスピーカー荷重を一点で受ける部分にも同じ受け皿を使用しています。 http://www.dynamicaudio.jp/file/080907/stand05_s1500.jpg そして、アッパーベースを挿入しての外観がこの↑ようになります。 http://www.dynamicaudio.jp/file/080907/stand04_s1500.jpg http://www.dynamicaudio.jp/file/080907/stand02_s1500.jpg 実際にSignature 805を搭載した時の外観はこのようになります。結構イケル デザインだとは思いませんか? (^^ゞ http://www.dynamicaudio.jp/file/080907/11_s1500.jpg http://www.dynamicaudio.jp/file/080907/12_s1500.jpg そして、最後にメカニカルグランディングのメカニズムがどのように機能して いるのか、という荷重の接地点をイメージしやすいのが↑この合成写真です。 正確に測定はしていませんが推測では総重量は50Kg近くになっているはずです。 これほどの情熱と技術力を傾け妥協なく開発を続けてきましたが、Signature 805 と同じくらい、いや現在ではそれ以上の価格になってしまうということで所謂 お蔵入りの製品開発となってしまったものを、この機会に日のあたる場所で 初公開させて頂いたというものです!! -*-*-*-*-*-*-*-*-*- さて、いよいよ試聴開始です。センターポジションに腰かけてシステム方向を 見ると↓このような風景です。テレビの画面に私が反射して写っているのは ご愛敬ということでお許しください。(^^ゞ & (笑) http://www.dynamicaudio.jp/file/080907/system05.jpg 向かって右側のソファーにT.I 様ご夫妻がかけられており、私が持参した課題 曲のディスクをP-0sに入れ替えて頂きました。そして、手渡されたリモコンを ふと見ると、はて? どこかで見たことがあるリモコンだな〜と思ったらこれ!! Logicool Harmony 882です。あのTELOS様の訪問記を読んで購入されたとか。 http://www.logitech.com/index.cfm/remotes/universal_remotes/devices/372&cl=jp,ja このリモコンの特徴として次のような記載がある。「オンラインアップデート Harmonyリモコンのデバイスデータベースには、5000社以上のメーカーと、 液晶テレビやレコーダー、ビデオデッキから照明機器に至るまでの17万5000種 類以上の機器が登録されています。データベースでは新しいデバイスや細かい 設定に関する情報が常に更新されているため、リモコンが「古くなる」ことは ありません。また、データベースに機器が見つからなくても、簡単なガイドに 沿ってリモコンの赤外線信号を学習させることができます。新しく機器を追加 したり、設定を変更する場合は、USBインターフェイスでPCに接続し、リモコ ンをアップデートしてください。」というものだ。 そして、Logicoolのデータベースにはユーザーが使用するリモコンのコードを アップロードすることができるので、他のユーザーがアップしたリモコンの コードを他のユーザーがダウンロードして使用することができるようになる。 ■TELOS様はGOLDMUNDのMIMESIS 24MEとEIDOS REFERENCEのリモコンコードを このデータベースに登録して下さったので、世界中のGOLDMUNDユーザーは 無料でダウンロードして使用することができるそうです。 stellavox-japanにも知らせてあげなくては…。 T.I 様も早速購入してご自分のシステムのコントロールをすべてこのリモコン に集約してプログラムされているという。ESOTERIC P-0のリモコンコードも 誰かが既にアップロードしてあったとか。ホント便利ですね〜(^^ゞさて… T.I 様のシステムの各々は既に私も聴きなれたものばかり。しかし、環境と セッティングが違うわけであり、そこにオーナーの意図と志向性が表れてくる というものです。最初の一曲は迷わずこれです。 ■マーラー交響曲第一番「巨人」第二楽章 小澤征爾/ボストン交響楽団 リモコンの10キーで2を押すと…!? 「おー!! これは素晴らしい!! 美味なオーケストラと弦楽器とはこれだ!!」 私の数多くの経験からしても、この時のオーケストラは最高レベルでした。 たった2Wayなのに、このヴァイオリンのほぐれ方と滑らかな質感は驚異です!! しなやかでたおやかな弦楽器の重奏は正にシルクの質感で肌と耳に心地よい 触感で、す〜と滑っていくようであり、この↓Signature 805の光沢感が音に 沁み込んでいるようなのです。 http://www.dynamicaudio.jp/file/080907/sig80502.jpg そして、BRASS SHELLの開発中に何度も体験した余韻感のほとばしりが何とも 魅力的です。発売当初に購入されたSignature 805ですから既に6年は使い込ん でいるという油の乗り切った音質と言えるでしょう。新品を開封して展示して いた当時とは比較にならないほどの艶やかな弦楽器に私は惚れぼれとしてしま いました。しかし、その場ではコメントせずに試聴を続けます(^^ゞ 弦楽器が快感をもたらす質感であったらば管楽器も同様に素晴らしく、点と しての音源位置は正確な定位感で私の眼前2メートル程の空間に浮かび、その 余韻感たるやため息が出るほど美しく、しかも情報量としてホールエコーを ここまで含んでいたのかという驚きは私の試聴室の上を行くレベルだった!! ここで私はちょっとだけ気になることを発見しました。オーケストラの低弦部 の残響がわずかに尾を引くように、あるいは音源とは違う方向から響いてくる ように感じられる定在波の影響が少しあるようです。これはT.I 様からも事前 にうかがっていたことでした。しかし、結果良ければすべて良しと言えるほど の滑り出しで、ちょっぴり興奮気味の自分を悟られないようにと思っていました。 こんなに気持ちいいマーラーを聴いたことがあるだろうか? 緊張感や刺激成分は皆無であり、ひと肌に優しいオーケストラが忠実な縮尺率 で私の前に音のジオラマを構築していく!! 見事の一言に尽きます!! すると… http://www.dynamicaudio.jp/file/080907/indy03.jpg あら〜(^^) Indy 君も同感の様子で私の足元のテーブルの下から可愛いお顔 を見せてくれました。よしよし、君もわかるんだね〜(^^ゞ ■セミヨン・ビシュコフ指揮/パリ管弦楽団 ビゼー「アルルの女」「カル メン」の両組曲から1.前奏曲 8.ファランドール あんな小型スピーカーからスケール感豊かなオーケストラが聴けるとは想定外 のインパクトであり、主題を演奏する弦楽器の美しさに惚れ惚れする中で私は コントラバスのバランス感覚をチェックしていました。マーラーでは室内の エアボリュームに絶妙にマッチして、同時に聴き手との距離感を巧妙に意識 してのチューニングがなされているようです。大編成のマーラーで聴いた低音 楽器の響きは程良く重量感を発揮し、また低周波のホールエコーを瑞々しく 再現していました。 であれば次もオーケストラでしょう!! 対処療法として最初の一発目の試聴で問題点が浮上することなく、逆に使い込 んだエージングの熟成感を見事に音質で表わしているこのシステムに私は第一 ラウンドからノックアウトされてしまったようですから。(^^ゞ この1.前奏曲の弦楽器群すべてがアルコで繰り返す合奏部はオーケストラの 醍醐味でもあり、また未熟なシステムでは空間表現という採点ポイントで減点 をくらってしまう難所のひとつ。わざわざT.I 様がディスクを交換して下さり、 私は再びリモコンを手にしてスタートすると…!? 「なに!? この空間の大きさ。それに左右音源の各々が発した音がこんなに 空中できれいにクロスし合う余韻感なんて今まで聴いたことないぞ!!」 そうなんです。空間表現のスケール感というものはスピーカー本体の大きさと 音量の大きさだけに支配されるわけではありません。それでなくとも、右側の スピーカーの近くに奥様がいらっしゃるので私としてもほどほどのボリューム を心がけていましたが、それにしても絶妙な余韻感と、それが示すホールサイズ の大きさという情報提示がこれほど克明に感じられたことはない!! 驚きです!!しなやかさと滑らかさ、それに空間提示の見事さ。こんな2Wayの 表現力を私は体験したことがありません!! 8.ファランドールでは強烈なフォルテの合奏がオーケストラ全体で打楽器の 土台の上に出現します。この大太鼓の連打がステージの奥から響き渡るわけ ですが、その音像が程良く締まりだぶつくことはありません。コンパクトな スピーカーにダイナミックな再現性は可能か? これは低域の量感に頼るもので はなく、情報量としての余韻感の充実が勝敗を決するものです。 上述したスタンドの威力とは縁の下の力持ちということで、小さなウーファー がガツンと叩き出す打楽器の出はじめと終焉部を克明に描かせるという貢献が 間違いなく発揮されています。 ただし、ここでもちょっと定在波の影響が感じられ、低音部の残響が微妙に 誇張されるようなところがあります。しかし、その要らざる演出が時として 再生音のうま味につながるところもあり慎重に聴き続けることにしました。 カスタネットなどの小物打楽器の響きは苦心して開発したBRASS SHELLの効果 をさりげなく音質に表している美点であり、真ん中に画面があるにも関わらず その背後に遠近法を確立しているのだから言うことありません!!見事の一言!! 木管楽器のフォーカスが引き立ち、それらが周辺の弦楽器の余韻と混在せず、 くっきりと立ちのぼるエコー感を鮮明に聴かせるというのはスタンドの威力で しょうか!? ここまで仕上げた努力に敬意を表します。素晴らしいです!! ■チャイコフスキー:バレエ音楽《くるみ割り人形》op.71 全曲 サンクトペテルブルク・キーロフ管弦楽団、合唱団 指揮: ワレリー・ゲルギエフ CD PHCP-11132 http://www.universal-music.co.jp/classics/gergiev/discography.htm 第一幕の序曲では弦楽器の抑えた演奏が右側のスピーカーにまでエコー感を リレーするのでサウンドステージが見事に描かれ、私が日頃述べている中間 定位という楽音の存在感を美しく私の手が届きそうな空間に描いていきます。 これは気持ちいいですね〜!! 15トラックの中国の踊りではファゴットの低音階がこんなボディーサイズの Signature 805から出せるんだ!! という新たな発見もあり、ここでもスタンド の剛性と質量とメカニカルグランディングの特徴が素晴らしく発揮されます。 そして、圧巻なのは弦楽器のピッチカート。振動面積が小さい2Wayなのに どうしてこんなに出るかな〜というゆとりが感じられる。いいや、そういえば パワーアンプも錚々たるものなのだから、それもありか〜!! でもない袖は振れないの例えのように、パワーアンプがいくら頑張っても スピーカーにこそ能力がなければ低音弦楽器の余韻感は出ないもの。だから 私の想像を上回るということでしょう。 16トラックのトレパークなどは、大太鼓の連打で重量感をしっかりと握り、 また音像も肥大化せずに引き締まっているという絶妙のバランス感覚が私を 思わず唸らせる!! いいですね〜!! 出足良ければすべてよしのオーケストラに脱帽してしまいました。 これはハルズサークルの皆様にとっても大変参考になる音質です!! さて、感心してばかりではなく私も何かしらクリニック的な仕事をしなければ と更に厳しいチェックポイントのスタジオ録音の課題曲をいよいよかけます!! ■“Basia”「 The Best Remixes 」CRUSING FOR BRUSING(EXTENDED MIX) http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Arch/ES/Basia/ http://www.basiaweb.com/ http://members.tripod.com/~Basiafan/moreimages.html#remixes1 165mmウォーブン・ケブラコーン・ミッド/ウーファーという可愛いユニットが いつものドラムとベースをどう鳴らすのか!? これは今まで私が馴染んできたフロアー型スピーカーの常識を持ち込んでは いけないところであり、かと言って小型なんだから仕方ないという妥協した 発想で聴くのは失礼と事前に期待感の予想図を描いていたものでした。 手になじむリモコンで、さあ!!スタートです。 「いやいや驚いた!!イントロのこれとあれ、そしてドラムとベースも!!」 まずイントロのパーカッションのシャカシャカした印象的な展開ですが、この 質感が何ともクールで心地いい。6年間という時間で熟成されたトゥイーター が透き通るような高域を楽しげに振りまき、ダイヤモンドトゥイーターなんか いらないよー!!と、言わんばかりの透明感は気分爽快!! いいですこれ!! さあ、ドラムだ…!? 16センチウーファーのストロークを目いっぱい振りきり、 前面のバスレフポートから排気の揺れが私の顔に届きそうかな〜という程に 鳴らしてあげてもびくともしません。 T.I 様は私の訪問前にスタンドのアッパーベースとSignature 805の間に フェルトをはさんでビスの締め方も調整していたとおっしゃっていましたが、 その努力はオーケストラの密度感としなやかさで発揮され、ここではタイトな 打音という局面でも総重量50Kgと一体化したSignature 805の究極的な解像度 をものにしていたと言っていいでしょう!! グスッと破綻したドラムにならずテンションを維持しており、後に入ってくる ベース、ギター、ピアノ、そしてチェロという多彩な楽音が折り重なる中でも 分離感がきちんとしており、P-0sというリファレンストランスポートの魅力を このような場面で見せられるとは想像もしていませんでした。いいですこれ!! そして、不思議なことがあります。オーケストラで感じられた定在波がこの 曲では全くと言っていいほど感じられないのです。大変微妙なものですが特定 の周波数でかなり狭い帯域での現象のようです。安心して音量が上げらます。 Basiaのヴォーカル!! いや〜、今回初めて聴いたヴォーカルですが、何とも 素晴らしい!! しなやかであり余韻感をたっぷりと発揮し、Nautilus譲りの クロスセッティングを行っているオーナーの求めるベクトルがはっきりと音に 表れています。これは聴かせたいな〜!! 誰に? はい、ハルズサークルの皆様 にですが…、あ〜、もう一人リスナーがいました!! http://www.dynamicaudio.jp/file/080907/indy02.jpg Indy 君!! そこにいましたかー!! 驚いちゃったかな〜(^^ゞ 16センチウーファーだけで出している音ではありません。そこがポイントです。 さて、どこかにより良い改善ポイントはないものか…?と思いつつ、私は最初 からスピーカーの真ん中にプラズマテレビのガラス面が気になっていました。 T.I 様はご自身でのセットアップの際には、このテレビがあるとないとで比較 されてセッティングしてはいなかったということでした。 しかし、配線もしっかりまとめられているテレビを取り外すのはいささか大変 でもあり、他に実験できる方法はないものかと考え始めました。いい方法を 思いつくまで次の課題曲です。 ■MUSE 1.フィリッパ・ジョルダーノ/ハバネラ http://www.universal-music.co.jp/classics/refresh/muse/muse.html この曲はBRASS SHELLの開発中に耳にタコが出来るほど繰り返し聴いてきた もので、当時はB&W Signature 800で試聴していたものでした。当然800の方が 低域の情報量は素晴らしいものであり、懐かしい随筆もお時間があれば再読 して頂けるようにご紹介しておきましょう。 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto49-01.html 偶然にも、この随筆を執筆した2001年にT.I 様と知り合ったものであり、 そのミニチュア版といえるSignature 805は800と同じ能力のトゥイーターを 搭載しているという巡り合わせもあります。 BRASS SHELLの複数のサンプル、仕上げだけの違い、などなど多数の項目を 試聴してきた曲だけに私もT.I 様も聴きなれたものでした。しかし!! 「あー!! フィリッパのコーラスってこんなに広がっていたっけ!?」 冒頭から展開する多重録音の絶妙なテクニックがこのシステムの本領を更に 引き出すことになりました。いや〜さすがにSignature 800のトゥイーターに 求められたクォリティーは素晴らしく、しかも6年越しのエージングというの は私には職業的に体験できないものであり、その熟成感には感動しました!! 小柄なボディーのSignature 805の左右両翼に広がること広がること!! こんなイントロは初めてです!! いいですね〜 そして、ドラムの二連打が入ってきました。おっ!! かなり下がります、これ!! 連続する低音とは違い区切りあるドラムの打音、しかもホール録音のように 広がっていく低音のエコー感を上手くなじませたドラムの打音。 そして、ここでも不思議なことに定在波は感じられません。 「トントン、タンタン」と終わってしまうのかと思いきや、ズーンッと響く ドラムを正確な縮小できちんと再現します。決して無理はしていません。 そして、低い音階まで何とかトレースして出してくれるのがうれしいです!! このような連続する低音の再現性には実は80KgもあるMarkLevinson No.33HLが しっかり手綱を握っているからこそであり、また重心の下降点を引き下げて いるのはスタンドという複合的な作用が音質に貢献しているのです。Good job!! ■MICHAEL BUBLE/1.「Fever」WPCR-11777 http://wmg.jp/artist/michaelbuble/profile.html この曲も思えばこんな小さなスピーカーで聴いたことはなかったような…!? イントロのペース…OK!! フロアー型スピーカーだと大きく展開するベースですが、さすがに16センチの ウーファーだとそこまではいかないか〜!? いや、これは違うかも!! 室内のエアーボリュームと音量、左右スピーカーの間隔、それらを考慮した上 でベースの音像を観察していると、見事に正確な縮尺で私の記憶している多数 の大型スピーカーとの対比を見せてくれます。そう、このバランスでいいんですね〜(^^ゞ それはヴォーカルが入ってきた時にも確認できます。深いリヴァーヴをかけた ヴォーカルですが、それが拡散していく領域を考えるとベースはこのサイズで 正解ということがわかります。 ベースの質感を薄めて広げるのは賛成ではありません。膨らんだ風船にそっと ピンを近づけていくような緊張感は必要ではないんですね〜。破綻せずにぐっ とこらえて重みを程良く付け加える演出は玄人好みにつきます。これはいい!! かける曲かける曲のすべてに私はスピーカーサイズによる偏見を根底から覆さ せられる思いを味わいつつ、訪問前とその後では少しはチューニングのお役に 立つことを残して行かなくてはと実験要素を考え続けていました。そこで… http://www.dynamicaudio.jp/file/080907/system05.jpg 現状のセットアップ http://www.dynamicaudio.jp/file/080907/system04.jpg こんな実験を(^^ゞ 本当はQRDにあるDisplay Coverを使用すればいいのですが、その効果を試して みる仮定としてAbffusorによるセッティングです。これでガラス面の反射音の 影響を想定し比較してみることにしました。このような実験にはこの曲です。 ■DIANA KRALL「LOVE SCENES」11.My Love Is(MVCI-24004) http://www.universal-music.co.jp/jazz/artist/diana/disco.html いつもの指を鳴らす音、このピンポイントでの音波の発生地点が私の眼前で あそこだと指さし確認できるようなフォーカスの絞り込み。これを気にして チェックしていました。 次のチェックポイントであるChristian McBrideのペース。この音像に輪郭が 見えるのかどうか、また質感としてはどうか、ヴォーカルではエコー感が拡散 していく空間の大きさと声の質感にも注目しています。 ■ちあきなおみ/ちあきなおみ全曲集「黄昏のビギン」 http://www.teichiku.co.jp/teichiku/artist/chiaki/disco/ce32335.html 海外のヴォーカル録音は口許の表現がゆったりというか大きめの音像であり、 それにマッチしたバックの楽音の演出効果がありますが、前曲とは対照的な 国内録音のヴォーカル曲です。 イントロのヴァイオリンとギターというシンプルな伴奏で始まり、ちあきなおみ のヴォーカルでは口許として認識できる音像がくっきりと引き締まって聴こえ、 そこから放たれるエコー感が周辺の空間に溶け込むようにして拡散していきます。 サビを迎える手前からバックの伴奏編成が一挙に大きくなり、ベースやチェロ 弦楽器のアンサンブルも重なり合って展開します。前曲同様な視点で観察して いますが、両者ともに不思議なことに定在波は感じられず気持ちよく聴けます。 さて、上記のようにQRD Abffusorを画面の前に立てかけて反射音の影響がどう なのかをチェックしてみました。これは結構デリケートな比較でした(^^ゞ さて、二曲を使っての実験を終えて私が下した判断は!? 「T.I さん、Abffusorない方がいいですよ!!」ありぁ〜(^^ゞ ガクッ!!^_^; なんとなんと(笑)確かにAbffusorを画面の前に置くとセンター定位のヴォーカル の音像は多少小さくなります。同様にヴァイオリンやギターの音像も小ぶりに 変化しましたが、逆に失われてしまうものがあるようです。 それは楽音の余韻感であり、楽音の芯・核という最も濃厚な中心部から周辺に 広がっていくエコー感が減じられてしまうという現象でした。しかし、お部屋 のライブネスによって左右スピーカー全体から発せられる余韻感には変化が ないので不釣り合いになってしまうのです。 つまり、リスニングルーム全体がもっとデッドな環境であり、センター位置の 楽音の解像度を上げる方向でエコー感を抑制するのであればプラスになります。 しかし、部屋全体の残響時間は変わらずに空間表現がせっかく大きく気持ちいい のにスピーカーの真ん中だけが空疎な印象になってしまうのです。 http://www.dynamicaudio.jp/file/080907/system06.jpg この↑写真をご覧ください。実はSignature 805の位置関係は画面とほぼ直線 になるように配置されており、スピーカーが放射した音波は画面に沿って進行 していくという感じなのです。 このスピーカーと画面の前後関係がずれてくると画面のガラスに対する反射も 気になってくるでしょうが、幸いにも今回の実験では心配ないことがわかりま した。Signature 805があと30センチ程でも前後にあったら状況は変わってく ると思われました。なるほどね〜(^^ゞ 何もしない状態の方がスピーカーの中間定位になる楽音のみずみずしさがあり、 その響きの美しさがネグレクトされてしまうというのはマイナスではないかと 私は結論しました。何とも微妙なチューニングの結果がハードウエアと空間の マッチングを絶妙に保っていたということなのでしょう。恐れ入りました -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 最初の一曲を聴き始めた時から特に私が改善すべき問題点はなく、定在波に 関してもオーケストラのごく一部の低域だけということであり、かつオーケス トラの演奏においては巧妙な演出効果として低域の量感をプラスする効果もあり、 その見極めが熟練者でないとできないようなレベルであることから今回はT.I 様 がやってこられたセットアップに全面的に賛同することにしました。 どうぞご安心ください!! 大変良好な健康状態と言えます。 さて、夜分にお邪魔して夕食の時間も大分遅くなってしまい、ご夫妻をお待たせ することになってしまいましたが、オーディオの次はおいしいものということで 再度車でお目当てのお店に向かうことと相成りました。ここ↓です。 http://rp.gnavi.co.jp/ns/5305342/ 「あじろ」という屋号だけでグルナビにも詳細は載っていませんが、個人経営 の小さなお店です。どうやらご夫婦だけで切り盛りしているような感じ。 時間のかかる鰻を先ずT.I 様が「梅みっつね」と注文され、川又さんビールで いいですか〜と問われたので、私は何でもいけますが(笑)最初はやっぱり ビールですね〜と。そして、T.I 様が奥様にどうする? と聞くと、お茶でいい というご返事。私はここでピーンッ!!ときました(笑) 「飲めないんですか〜」と尋ねるとそうではないと…^_^; 何と、おなかの中にはお子さんが!! やっぱりそうでしたか〜(*^_^*) おめでとうございます!! 本当はお酒大好きな奥様らしいのですが、控えていらっしゃるということで ついつい二人の娘の親という先輩風を吹かせて私は色々なことを話してしまい ました(笑)だめですね〜オジサンは^_^; 帰りはタクシーを拾いますから、どうぞ気にしないで行きましょう、と調子の いいことを言って三人で色々と注文してあれこれと美味しく頂いてしまいました。 「あじろ」のマスターも私の講釈を厨房で微笑みながら聞いているようで、 生まれてきたらあれこれと話しが弾む私たちを奥さんと一緒に見ていた様子で 今になったら恥ずかしい私でした。そうこうしているうちにお勧めの鰻重が 出てきました。 使い込んだお重に庶民的な雰囲気を感じつつも、どれどれと口に運んだ私は 思わず唸ってしまいました。いけますこれ!! 鰻の柔らかさ、脂の乗り具合、そしてタレの味付けが昔風で甘すぎずに絶妙!! 東京では名店と言われる鰻屋もありますが、私からするとみなタレのお味は 甘口が多い。別にそれがまずいというわけではなく当たり前のように食して きましたが、この「あじろ」のタレは鰻そのものの旨さを引き出しシャリの 甘みを引き出してくれるもので感動してしまいました。 このお店はお勧めできます!! メインの食材を引き立てる味付けとはどういうものか、そのさじ加減で鰻の うま味が口に広がる感触は職人技でした!! そして、メインのスピーカーを引き立てるためにT.I 様がどのような選択を されてきたかということにぴったりと当てはまる味の体験でした。 ペアで56万円のスピーカーを鳴らすために傾けた情熱は前述の通りです。 誰がアンバランスだと言おうと大きなお世話!! という自信が間違いなく音質 に表れていました。 私が太鼓判を押す世界最強のSignature 805がここにあったのです!! ということで、今回の訪問では今までフロアー型スピーカーとはまったく違う 可能性と素晴らしさを体験することができました。 今回は私も大変勉強になりました。この試聴室の音とは違うハイエンドの世界 があったということです。T.I 様本当にありがとうございました。 川又より そして、T.I 様よりメッセージを頂戴しましたので追記致します。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- ダイナミックオーディオ 5555 川又店長 様 少し恥ずかしいくらいのレポート、ありがとうございます。 正直、最初にメールにてお声を掛けて頂いたときは、 「うーん、蒼々たるメンツの中で、私でいいのだろうか…」 ということが、まず頭を過ぎりました。 今まで訪問された方は、ペアで数百万のスピーカーを使われている方ばかり。 私も何度と川又ROOMで視聴したことのある蒼々たるスピーカーばかりですので、 「1/5とか1/10の価格帯のスピーカーでは…」と少々、気が引けておりました。 今回のSoundCheckで、スピーカーの最低価格記録は更新してしまいましたかね。(^^ゞ ただ、川又様のレポートの冒頭にも書いて頂いたとおり、数年前から川又ROOM に訪れるようになったことで私のシステムも劇的に音質が向上してきました。 それは、営業時間に捕らわれることなく、 「えー、そんなに高価なシステムを、こんなに長い時間聴かせてくれていいの?」 とこちらが思ってしまうほど、ほぼ自由に聴かせて頂いた「貴重な経験」が あったからこそだと思います。 また、お蔵入りになったとはいえ、1点支持のスタンドがもたらす効果や 川又様が追求しているシステムの要点も、いろいろと教えて頂いたように思います。 コンポーネントが持つ素材の良さや、セッティングの有無による音質の変化の 度合い、これらの基礎を川又ROOMで学んだからこそ、今の部屋があるのでは ないかと思います。 だからこそ、お声掛け頂いて少し考えた後「SoundCheckを受けてみよう」と 思いました。 川又様がレポートの途中で仰っているように、「部屋のエアボリュームに マッチしたシステムの追求」ということも、ひとつの趣味ではないかと思って おります。 サークルの中には高価なシステムには手が届かず、現状のシステムの中で、 いかにして音質を向上させようかと、日々、試行錯誤を繰り返されている方も 多くいらっしゃると思います。 無論、私もそのタイプでしたし、川又様に来て頂くと決まったときは、その後 の約3ヶ月間、様々な小細工を重ねて、今回ご訪問頂きました。 コンセントのプラグも、上に指すのか? 下に指すのか? はたまた、例のスピーカースタンドのデッドニングに使う素材と場所は、 フェルトがいいのか? コルクがいいのか? スポンジがいいのか? ゴムがいいのか? さらにご試聴頂く前には、各機器ごとに「適切なアイドリング時間」を持たせるなど…。 パッと見ただけでは判らない様々なセッティングを繰り返すことで、その部屋 と好みに合ったシステムを構築していくことができると思います。 ちなみに今回、川又様にお聞き頂いたシステムも、コンセントの差し込み口を ひとつ上か下かを間違えるだけ、また、どれかひとつの機器のアイドリング 時間を間違えるだけで、同じ音は出なくなってしまいます。(^^ゞ だから、ご訪問頂く直前の雷は本当に恐かった訳ですが…。 このような方は、サークルの中にも少なからずいらっしゃると思いますし、 それをまた川又様にチェックして頂き、自身のシステムに自信を持つことも、 サークルの有効活用だと感じました。 ですので、スピーカーやシステムの価格に捕らわれるのではなく、試行錯誤し た結果、誰かに聴いて頂きたいと思う方は、「SoundCheck」に応募されてみる べきではないかと思います。 例え2Wayスピーカーであれ、経験に基づいたチェックをきちんとして頂ける 方が川又様ですからね。 また、私も、様々な角度から試行錯誤されたシステムを見てみたい(あわよく ば聴いてみたい)ですし、私もシステムを向上させる新たなアイデアが浮かぶ かもしれません。 ですので、これからもSoundCheckの回数がドンドン伸び続けて、「情熱」が 注がれた様々な部屋が紹介されることを期待したいと思います。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- T.I 様…(T_T) もう何も申し上げることはございません<m(__)m> 涙、涙の感謝です!! ありがとうございました。
《HAL's Hearing Report》