《H.A.L.'s 訪問記》
No.0001 - 2008/4/17 東京都新宿区TELOS(てろす)様 -H.A.L.'s 訪問記 Vol.1「摩天楼に浮かぶ世界中で唯一のオリジナルシステムにこの私が舌を巻いた!!」 2008年4月某日、春の嵐が吹き荒れた東京に束の間の日差しがありがたい一日。 かねてよりアポイントをお願いし、快く私の訪問を受け入れてくださったVIP のお一人、新宿区TELOS(てろす)様のお宅にうかがうべく日が落ちると肌寒い 坂道をJR御茶ノ水駅へと向かっていく。 事前に地図を調べるとターミナル駅とその隣の駅からほぼ等距離に位置する TELOS様のお宅だが、込み合うターミナル駅を避けて隣の駅に初めて降りた。 ひと駅違うとこんなにも雰囲気は変わるものか。 駅前から南通りに抜ける路地を歩き始めると立ち飲み居酒屋、韓国料理、台湾 料理などのこじんまりした店が軒を連ね、サラリーマン風の人々で賑わう店内 を横目に目的地を目指す。路地から見上げる空はすでに暗いが、首都東京の空 は漆黒の闇とはほど遠く、低気圧の通過がもたらした湿気をはらんだ大気に 地上の明かりが反射しているのか、薄く橙色に染められた空は左右に密集する 家屋に小さく切り取られている。しかし、その狭い夜空を見上げると迷うこと なく目的地の高層マンションのライトアップされた屋上が浮かび上がってくる。 最高部で100m超という高層マンションの上層回にあるお宅へ伺うにはオート ロックを二回通らなければならない。エントランスへ、そして、共有部分の 豪華な応接空間を足早に通り抜けて二回目の部屋番号を打ち込んだ。 フロアーごとの高速エレベーターが私の胃に下向きのGを加えながら音もなく 目的のフロアーに運びあげ、ドアが開くと先ずは廊下の静寂さにたじろぐ。 四桁の部屋番号の降順を探しいったん逆に向かってから反転し目的地のドアの 前に立つ。三回目のインターホンに応答して下さった奥様に出迎えて頂き、 TELOS様に早くも玄関から挨拶を送りリビングルームへと…。 先ず、足を踏み入れた私の目を奪ったものがこれ。 http://www.dynamicaudio.jp/file/080409/02.jpg ガラス越しの撮影で、ちょっとピントがあやふやだが東京の摩天楼を北から 望む壮大な夜景に音を聴く前から心を奪われてしまった。大よその高さが80m というお住まいのリビングルームから望む東京の夜景をバックにして、セット アップされたシステムがこれ。 http://www.dynamicaudio.jp/file/080409/01.jpg http://www.dynamicaudio.jp/file/080409/04.jpg これだけ贅沢な背景をしょってセットされたオーディオシステムというものを 私も初めて拝見した。写真ではすべてが写っていないが、システム構成は図ら ずも下記のブリーフニュースでご紹介しているコンポーネントが中心となっている。 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/446.html ◆H.A.L.'s 訪問記-Vol.1 新宿区TELOS様システム構成◆ GOLDMUND EIDOS REFERENCE(税別\8,500,000.) http://www.stellavox-japan.co.jp/products/goldmund/ultimate/eidos_ref.html ↓ GOLDMUND MIMESIS 24ME(税別\5,800,000.) http://www.stellavox-japan.co.jp/products/goldmund/ultimate/mimesis24.html ↓ GOLDMUND TELOS 2500+Alize 6 (税別\13,500,000.+税別\800,000.) http://www.stellavox-japan.co.jp/products/goldmund/ultimate/telos2500.html ↓ Avalon Acoustics“Isis”(税別 \9,220,000.) http://www.ohbashoji.co.jp/products/avalon/isis/ http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/440.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/441.html ※ TELOS様のblogはこちらをご覧下さい。この配信に合わせて更新されました。 【Isis blog - GOLDMUNDとAvalon Isis で音楽を楽しむTELOSのblog】 ▼ ▼ ▼ http://isis.sc/2008/04/post_17.html 凄い写真をぜひご覧下さい!! -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 「若い頃はとても苦労しましたよ」と、酒席をともにした時に昔話をお聞かせ 頂いたが、屈託のない人柄と親しみやすい笑顔、今では相当気さくなお付き 合いをさせて頂いているTELOS様だが、学生時代からのオーディオ好きはビジ ネスの成功と少なからず成長曲線をともにしてきた。 つまり、素晴らしい音に巡り合うことで、ご自身の感性を磨き自分の求める 方向性を私のフロアーで発見されたお一人というもの。 私は単純に素材とヒントを提供しただけであり、それは当夜聴かせて頂いた 音そのものに、私のレベルから更に高次元な音をまとめ上げた情熱と技術力を 察するものであり、ご自分のセンスでシステムと音をまとめていけるという 本物の目利きと言えるコニサーの姿があった。 まず、地上80mという空中にあることから、都心部とは思えないS/N比の素晴ら しさが感じられた。相当な遮音・防音を施工の際に配慮しておかないと得られ ない極めて低いノイズフロアーが東京にいるという現実を忘れさせてくれる。 左右“Isis”の主軸の間隔は2.5m、リスニングポイントまでは3.1mという距離 でセッティングされており、背後の見事なパノラマを提供してくれるガラス窓 のある壁面から“Isis”のフロントバッフルは1mほど手前に引き出されている。 このセッティングによるスピーカーとリスナーのトライアングルの角度はほぼ 私がここでセットした状態と同じ。もちろん、TELOS様が追い込んでの配置な のは承知しているが、偶然の結果とは言え単純な共通項に多少のうれしさもある。 リビングルームに入室してからも直ちに音を聴こうとせず、圧倒的な夜景に 見入り、きょろきょろと室内を観察して回る私は会話ができる程度の音量で 鳴らさせている確か…Susan Wong のアルバム「I wish you love」の一曲目 Rainy Days And Monday の音質に実は耳をそばだてていた。 スピーカー背面は一面のガラス、音響的には全面反射面というスピーカー後方 の環境が理屈では不適切とわかっているのだが不思議に違和感がない。 つまり、スピーカー後方からの一次反射音による混濁が感じられず、“Isis” のネックの高さに見事に定位するヴォーカルの質感が極めて鮮明であり、また 背後のガラス同様にはるか遠方まで見通せるような透明感を湛えているのだか ら常識破りの第一印象であった。 もっとも、この時点ではTELOS様には一切コメントはしていなかったが…。 写真で見えるのはリビングルームの一角なのだが、このお部屋は左右不均衡な 形状の三角形という間取り。その三角形の底辺にあたる最も壁面積の大きな 一辺にスピーカーと65インチの液晶テレビをセットしておられ、左右“Isis” の外側にパワーアンプを床置きしていらっしゃる。 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0261.html これ↑は三年前のTELOS様からの投稿だが、当時のスピーカーは MOSQUITO NEO、アンプはHALCROでフロントエンドはESOTERICという布陣だった。 前述のシステム構成をご覧頂ければ三年間に起こった変化がお分かり頂けるだろう。 TELOS様はご自身のオーディオライフに関しては独自の理論とこだわりを お持ちであり、本格的な試聴の前に次のような自説を述べられた。 「マンションのリビングでオーディオを楽しんでいる方は沢山いるかと思います。 普通に考えると一軒家の専門オーディオルームと比較してデメリットばかり が多い訳ですが、そこを工夫するのが趣味の楽しみという事で、あれこれ 試行錯誤しています。 このマンションは、生活の中でオーディオを思いっきり楽しみながら、都会 の生活を満喫する為に購入しました。根本的対策の難しい低域のレゾナンス 等への影響を鑑み、オーディオの事を考えて買った部屋でもあります。 私からすればあの川又ルームでさえ、あらゆる制約を受けているのがわかり ます。私の部屋も、まだまだ未処理の問題が山積みですが、謎カーテンを 吊るしたり、ボードだらけにする気は更々ありません。 あくまでもモダンな生活を妥協しない中でのオーディオ趣味を極限まで追求 したいと考えています。得意のデジタル技術も武器ですが。」 最後の意味深な発言はこの後に私に衝撃を与えるのだが、先ずはオーディオの 楽しみ方として専用の部屋に引きこもって音と格闘するという図式ではなく、 リビングルームという空間でこそ音楽を楽しみたいという方針が最優先という。 しかし、私の第一印象として定在波がなくすっきりしている低域ということが 本当に好ましく、変形三角形という部屋の形が大きく貢献しているということ だろう。 そして、都会の喧噪から解放された地上80mという中空に浮かぶような立地 条件が素晴らしいノイズフロアーを実現し、TELOS様の目指す理想の基礎を しっかりと構成しているということだろう。 このような高層マンションは俗にいうRC(Reinforced-Concrete)構造によって 建設される。ありていに言えば鉄筋コンクリート構造ということになり、聞き なれた言葉ではあるが専門的には多様な新技術が用いられているという。 そのひとつが高強度コンクリートだ。高層建築や大スパン建築の実現のために 開発された、普通コンクリートよりも強度の高いコンクリート。高強度コンク リートは設計基準強度は36N/mm2以上が一般的というが、この建物に使用した 超高強度コンクリートでは60N/mm2以上の施工がなされたという。 しかも、スラブ構造(床版・構造床)の厚みは、当店のビルなどのような一般的 な建築ではスラブの厚さは13cm〜18cmが普通だが、この建物では何と40cmもの 厚みだということで極めて高い遮音性を持っているという。 限度はあるとはいえ、好きな時間に好きな音量で楽しめるというのは本当に 素晴らしい環境だと言える。 都庁は基礎さえも無いということで有名だが、浅い地下10m程度の所に堅牢な 東京礫層があるのが新宿地区であり、古くから日本の高層建築を牽引してきた 屈指の地盤の良さの上に、基礎を大量に打ち込み、60N/mm2以上の施工をした マンションということで、そのマスの安定感を十分検討して購入に至ったのだ というから恐れ入る。 総戸数300戸以上という集合住宅では電源事情を気にかけることもあるだろう。 当然東京電力との契約による一般的な商用電源かと思いきや、一般庶民の想像 を絶する電源が引き込まれているらしい。電源開発株式会社(愛称J-POWER) は最近外資系投資会社が株式購入という問題で話題になった日本最大の卸電気 事業者であるが、何とこのJ-POWERと直接契約を結び発電所から変電施設を 経由してダイレクトにすべての電源を引き込んでいるという。 仮に新宿一帯が停電になったとしても、この建物だけは影響を受けないが、 逆にこの建物の独立した送電系統に故障が発生すると周辺は異常がなくても ぽっかりとこのマンションだけが夜空に黒いシルエットを描くことになる。 TELOS様も入居の際には知らず、実際に送電施設の故障で停電した時に初めて 知ったというエピソードをうかがった。 もちろん、大本の電力供給が独立したものということが実際の住環境にある 壁コンセントの電源品位とイコールになるものではないが、当然TELOS様は 電源に関してもケーブルをはじめとして上記リンクのような取り組みをしている。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- さて、そろそろ本格的に音を聴かせて頂こうかと思いつつ、TELOS様の先ほど の一言「得意のデジタル技術も武器ですが」という意味をここで質問すると…。 「実は、普段はEIDOS REFERENCEは使っていないんですよ。自分で開発した デジタルミュージックシステムをソースにして、たまに音質をチェックする 時にEIDOS REFERENCEを聴くようにしているだけなんです。」 とTELOS様はおっしゃる。しかし、私は日頃聴きなれている何枚かのCDを持参 してきたので、先ずは私のリファレンス・ディスクを聴かせて頂く事にした。 ■マーラー交響曲第一番「巨人」小澤征爾/ボストン交響楽団第二楽章 先ず最初に聴こうと思っていたのが定番のこれ。日頃のように何回も繰り返し というわけにはいかないし、そもそも何かと比較するわけではない。むしろ、 TELOS様のおっしゃるリビングオーディオを楽しむという視線で聴かせて頂く ことした。 自分でEIDOS REFERENCEを操作して選曲するとそそくさとソファーの真ん中に 座り、センターポジションで耳をすます。ソファーに沈み込む感覚で“Isis” を見上げるようになるので、TELOS様がボードの選択においてもスピーカーの 高さを気にかけておられてことが実感される。さあ、はじまった!! 弦楽器群の質感はまさにクリスタルのような透明感。管楽器の質感にも刺激 成分は皆無。“Isis”の背後にこれだけの反射面があるのに不思議と奥行き 感が広大に感じられ、ガラスに映るオーケストラの背中を見せてくれるかの ように展開する。 「いいね〜!!」 口に出さない第一印象を胸の内でつぶやくと私の頭の中ではある推測が…。 “Isis”の最も近くにある壁面としては後方のガラス窓。 “Isis”の放つ音波は後方のガラスに反射すると私の耳に到達するまで直接音 から遅れること約0.0058秒の時間差がある計算だ。この時間差が遠近感を演出 しているのか、オーケストラのサウンドステージに最初から距離感が感じられる。 そして、コントラバスの量感が控え目に聴こえる。これは後ほど確認するが、 たいていの鉄筋コンクリート製の部屋では低域だけ残響時間が長くなる傾向が あるものだ。簡単にいえばブーミーな音という表現だが、この場合にはそれが まったくと言ってよいほど感じられない。 実に整理され輪郭をくっきりと描く低域がオーケストラの浮かび方をやはり ヴォーカルと同じ“Isis”のネック部分の高さに保っていることがわかる。 つまり、低域の楽音が床を這うように足もとから沸き起こってくるのではなく、 主たる楽器群と同じ高さでステージの一体感をしっかり保有しているという 音質にまずは納得する。 ■チャイコフスキー:バレエ音楽《くるみ割り人形》op.71 全曲 サンクトペテルブルク・キーロフ管弦楽団、合唱団 指揮: ワレリー・ゲルギエフ CD PHCP-11132 http://www.universal-music.co.jp/classics/gergiev/discography.htm ゲルギエフの録音は写実的なオーケストラの再現性が持ち味だと思う。ホール エコーの含ませ方を抑制し、各パートの解像度が高く輪郭の表現もくっきりだ。 それがチューニング不足のシステムでは仇となってピッコロのソロや金管楽器 のフォルテでは鋭角的に耳に入り込んでくるとがった音を時折聴かせる。 弦楽器のパートを鮮明に描きたいという反作用か、鋭いものはそのまま表現し てしまうという場面があるので、私はそこをチェックしていた。しかもガラス を背に負った環境ではよけいにシビアになるのではないかと懸念していたが… 「あれ!? いいですね〜。適度な緊張感こそありますが、余韻感がふんだんに 感じられるので潤いがあり、同時に奥行き方向への遠近法の消失点がガラス があるにも関わらず鮮明に認識できますね〜」 “Isis”の懐深く定位するオーケストラは前曲同様に展開し、この距離感と 低域の個体感、そしてティンパニなどの打楽器を強打しても膨らまないという 音場感の整理整頓がしっかり根付いた好ましい大編成オーケストラではないか。 15トラックではバスクラリネットの響きが誇張されず自身のサイズを抑制し、 16トラックのトレパークでは弦楽器群の色艶を見事に再現しながらも、時折 届き渡るようなグランカッサの響きが膨らまずに制御されているのが印象に 残った。 ■セミヨン・ビシュコフ指揮/パリ管弦楽団 ビゼー「アルルの女」「カル メン」の両組曲から1.前奏曲8.ファランドール10.アラゴネーズ15.ハバネラ この曲は最初の前奏曲で弦楽器群のアルコでの重奏が左右からかけあいとなり、 そのレイヤーの各層が分離しながらも重厚な前方への張り出しが感じられるの だが、主にコントラバスを中心とする低音階の弦楽器をしっかりとホールドす るような音像のコントロールが効いているのがわかる。演奏の盛り上がりとし て音量に比例しての呼吸するような音像の拡大縮小という現象に演出効果を 求めるような低次元の再生音ではない。 やはりステージの遠近感をオーケストラの各パートが共通して再現するから こそのリアルさがあり、楽音の高低によって音像のサイズや距離感が刻々と 変化していくということもない。 それはファランドールでのカスタネットやタンバリンというステージ奥の位置 で叩かれるパーカッションの距離感も、正確にトレースしているようで誇張感 がないので聴きやすい。しかし、ハバネラでオーケストラ全体がパンチの効い た一瞬のフォルテの後に放たれるホールエコーのみを捉えた場面での録音の 見事さが印象に残る。コントラバスが誇張されたサイズにならないという ウーファーのタイトな質感が、低音のホールエコーの存在感を確かに聴かせて くれる。見事だ!! ■DIANA KRALL 「LOVE SCENES」11.My Love Is(MVCI-24004) http://www.universal-music.co.jp/jazz/artist/diana/disco.html 最近になって多用する機会が増えてきた音質判定に重宝する課題曲だ。 冒頭からのDIANA KRALLの指の音は申し分ないエコー感で再現し、“Isis”の セラミックのミッドレンジとダイヤモンドのトゥイーターの共同作業によって 再生されるパルシブな音は、その音像の出来栄えが見事に輪郭を捉え、その後 に拡散していくエコー感が“Isis”の頭上に展開する。これもいい!! 問題はウッドベースという見どころだが、これはあっという間にチェックした。 音像は引き締まり小ぶりに“Isis”のセンターに浮かぶが、その高さはほぼ ふたつのウーファーの少し上、ミッドレンジの高さに近いと言えるところに 展開するが、この部屋の低域のレゾナンスが大変良好なのか、連続する低音の 開放弦の音でも室内に不要な残響を残すことがない。聴く人によってはベース はもっと量感が欲しいという意見も出るかもしれないが、私は引き締まった 下半身が上半身の動きをハイスピード化するということを知っているので、 これ以上のボリューム感は音響的なカロリーが高すぎるのではと思っている。 そして、DIANA KRALLのヴォーカルが始まった。ヴォーカルも小粒でくっきり とした輪郭を現し、ウッドベースとは対照的に付加されたリヴァーブが見事に 拡散していく。ハスキーな声質がスタジオワークの賜物でエコー感という潤い を感じさせるので空間表現が広大に感じられる。 しかし、ルームアコースティックはライブそうに見えて実はけっこうデッドな コンディションになっており、TELOS様のチューニングが私には程良い加減だ と思われてきた。とにかく低域のすっきりした展開と対照的に、スタジオワー クとして意図的に追加されたエコー感が引き立つということは聴いて楽しい!! ■ちあきなおみ/ちあきなおみ全曲集「黄昏のビギン」 http://www.teichiku.co.jp/teichiku/artist/chiaki/disco/ce32335.html この演奏は絶品と言ってよいほどのものだった。イントロのヴァイオリンは くっきりとフォーカスを捉え、ギターの伴奏もヴォーカルとの空間を共有しな がらも混濁がない。そして、ヴォーカルの輝くような質感はまぶしさではなく、 そのエコー感が周辺の空気に淡い色合いを付けるように、余韻感の再現のため に空気があるのだということを微小信号として聴き手に伝えてくれる。見事だ。 ■“Basia”「 The Best Remixes 」からCRUSING FOR BRUSING(EXTENDED MIX) http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Arch/ES/Basia/ http://www.basiaweb.com/ http://members.tripod.com/~Basiafan/moreimages.html#remixes1 さて、この曲では叩く楽器としてサンプリング音源によるドラムの質感がシス テム固有の特徴を聴きとるのに好都合な選曲。さて、どうなるのかとスタート ボタンを押してセンターポジションに戻ってくると、なんと!? 「このドラムはうちの“Isis”と大分違うぞ!!」 どすっという沈み込むような低域ではなく、タン!!タン!!と聴こえる打音に テンションの猛烈な引き締まり方が表れている。 TELOS 2500に搭載されたAlize 6の威力なのか、ルームアコースティックの 特徴なのか、私も戸惑うような低域のあり方が新たな驚きとなって思わず唸る。 そして、ロングバージョンの長いイントロでのパーカッションの乱舞、次に チェロをセンターに定位させてヴォーカルの登場という展開に更に未経験の 透明度が感じられる。 そして、すべての楽音の輪郭が極めて鮮明であるという現象は“Basia”の クリスタルイメージのヴォーカルを引き立て、ヴォーカルのリヴァーヴは左右 に広がっていくというよりもスピーカーの後方に飛び去っていく残響が何とも 心地よい。 一つの被写体に望遠レンズでピントを合わせれば、クローズアップされた被写 体は極めて鮮明になるが被写界深度の異なるものはフォーカスが甘くなる。 しかし、このときにはすべての楽音にジャストフォーカスが徹底され、どこを 見てもきっちりと描かれる音の微粒子を唖然として眺めているだけだった!! -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 私は試聴しての感想を適切な言葉で端的に表現できないので、感想は後日に 文章にてお知らせしますとTELOS様にお話ししていたが正解だった。少ない 言葉で語れるものではなく、しかも不思議に記憶が薄れることなく強烈な印象 は私の頭の中に用意しておいた印画紙にくっきりと像を結んでいたのである。 私の持参したCDは当然EIDOS REFERENCEをお借りして再生したものだが、 TELOS様のおっしゃる独自システムによるデジタルミュージックシステムの 実演をして下さるというので、私はお話しをうかがうことにした。そして、 「これ実はリモコンなんです」 と言ってTELOS様が手にしたのはこれ!! MacBook Airでした。そして… http://www.apple.com/jp/macbookair/ 「先ず、この部屋にはオーディオに有害なコンピューター、正確にいえばHDDを 使用しているものがないようにしています、ついでにこのMacBook Air は 金属無垢の外装とLEDバックライトであり、オーディオ無害度では他を圧倒 するんです。 当然使用するときは バッテリー駆動で。5時間くらいは使えますよ。」 えっ、HDD(ハードディスク)を使わないコンピューターなんかあるのか!? という私の無知を後日調べてみると、オプションの64GBソリッドステート ドライブ(SSD)にアップグレードすればよいとのこと。 TELOS様はこの仕様にして回転系を使わずにという配慮をしている。 目に見えないソフトウエアのことは私にはチンプンカンプンなので、ハード ウエアとしてはどうなっているのかとお訪ねすると次のようにお教え頂いた。 MacBook Air ( media remote controller ) | WiFi 802.11n | Media Player Server (別の部屋、自宅サーバールームに格納して別電源駆動 ) | |_ HDMI - 光コンバータ - HDMI Router(Aquos) |_ HighSpeedSerialBus - D/D converter(PCM) - GOLDMUND MIMESIS 24ME |-------------- SearchEngine & IndexDB( text / image ) (以下、音楽データの世界) router F/W | |_ Internet (100MBit/sec) - outer iDC NAS( 外部記憶音楽データ1 ) | |_ Internet VPN(100MBit/sec) - outer iDC NAS( 外部記憶音楽データ2 ) | IntraNet(upper 10GBit/sec) | router | ( SAN ) NAS( SAS-RAIDなど : ローカル音楽データ ) 私は思わず、NASってなんですか? と尋ねてしまいましたが、調べてみると Network-Attached Storageのことでコンピューターネットワーク経由で使用 する外部記憶装置のことだという。なるほど〜、と思いつつ、私は上記の 仕組みを理解できる自信、または正確に説明できる知識はほとんどないという ことを今のうちに告白しておかなければならないだろう。 先ずは、上記の配線系統だけはお教え頂いたが、TELOS様がそもそも求めて いるものは何かというコンセプトをお尋ねした。 「所謂PCトランスポータの類いが、「パソコンの割には良い音」や「魂の抜け たような音」になるのには理由があり、物理的、電気的、ソフトウェア工学 的な問題を都市伝説に惑わされずにひとつづつ排除する必要があります。」 この一言が大変重要なもので「理由がある」と言い切っているということは、 それを証明し実際の音質として実現されたということだ。 そもそも音楽ソフトの流通形態がパッケージメディアとしてCDか、あるいは 近年ではインターネットからのダウンロードということが主流になっており、 前者は私がここで展開しているようなプレーヤーを使って再生し、後者は一旦 パソコンやHDドライブにデータを保存し各種のプレーヤー機能を果たすソフト ウエアでアナログ信号に変換し、その後は前者同様にアンプからスピーカーへ という流れがシステム構成として一般化している。 CDが世の中に登場して26年経過し、音楽信号をデジタル化して記録保存して 再生するということが一般化し、その保存方法も圧縮技術が大変進化してきた。 時代の寵児として急速に普及したiPodなどは典型的な事例だが、ディスクから ピックアップする段階でサーボシステムの影響やエラー補正などの問題点が 発生しないということで、コンピューターあるいはハードディスクや個体メモ リーにいったん保存しておき、音楽データの出力を回転系プレーヤー以外の ものから得ようとする再生方式も次第に認められつつあり、下記のKLIMAX DS などは典型的な事例だと言える。 http://www.linn.jp/products/new/klimax_ds.html では、そもそもおおもとの音楽CDやインターネットからデジタルデータをパソ コンに取り込むことを指す最近よく耳にする言葉でリッピング(Ripping)と いう用語がある。当然TELOS様もそのような作業をなさっているわけだが、 音質向上のためにはリッピングそのものにもこだわりがあるという。 「リッピングして保存する過程での処理では、音質を劣化させない為の独自の 工夫をして保存を行っています。その中でアップサンプリングを伴う事もあ ります。しかし、いたずらにアップサンプリングを行うとデータ量が増大し てネットワークの帯域を圧迫し、ネットワークの抽象化の自由度を奪います。 なのでここでは最低限とするのが適当です。詳しくはまだ試行錯誤していて 内緒ですがたとえば、周波数解析によるオリジナル音源に含まれるジッタの 補正用のビット拡張程度です。平たく言うと、本来あるべきビットの位置を リッピング時にある程度予測しておくことで、オーバーサンプリング時に 軽い処理でジッタも同時に取り除こうという試みです。 それ以外にフィルタ的にリアルタイムに処理できる事は 再生時にメモリ内で行えば済む事です。 データの保存方法として、"独自のcodec" という実装を行っています。 codec というレベルで抽象化しているため、再生ソフトウェアを比較的 選ばないのが特徴です。 通常、codec というと非可逆圧縮を連想するかもしれませんが、特定の処理 (アップサンプリングを含む)を加えた後、可逆圧縮を行って保存するのが スマートです。 オーディオの世界の方々はしばしば closed な実装を行いますが、UIや プロトコル、API、更には周辺機器は、なるべくopenな世界から調達した方 が陳腐化せずシステム全体が長持ちし、自分の長所を活かした開発スタイル が大きな市場をバックにせずとも(つまり趣味でも)可能になります。」 なるほど〜、うなずきつつも私もすべてを理解していたわけではない。これも 後で調べたことだが、Codecとは、符号化方式を使ってデータのエンコード (符号化)とデコード(復号)を双方向にできる装置やソフトウェアなどの ことだという。 そして、リッピングとは通常はデジタルデータをコピーする形でHDDに取り 込むという概念なのだが、TELOS様の開発されたシステムではこの段階でも 音質向上のためにアップサンプリングなど積極的なアプローチをかけている。 次に私は保存した高次アップサンプリングデータをGOLDMUND MIMESIS 24MEの 直前で24bit/88.2KHzにデシメーションしているとうかがいましたが、一種の D/Dコンバーターになると思いますが、このハードウエアとしてはコンピュー ターではないとうかがいました。これはメーカー製のものですか?と尋ねると。 「再生転送時にもメモリ内でアップサンプリングしています。高速シリアル 転送したデジタルデータを、PCM へコンバートしているD/D コンバータです が、ここではブラックボックスとさせてください。」 そうでしたか、保存したデータを読み出す時にもアップサンプリングしている ということなのですね。リッピングする段階と再生のためにデータを取り出し た段階の両方でTELOS様の開発されたプログラムによって処理がなされ、同時 に再生する楽曲の種類によってデジタルフィルターのアルゴリズムを選択して 使用するということもやっているという。 リッピングしてデータをどこかに保存し、それを転送し再生するときにも音質 のために独自の処理を行っている。それはわかりました。では、MIMESIS 24ME にはPCM信号を送るわけですが、選曲したり検索したりというプレーヤーとし ての機能性はどうしているのでしょうか? そこでご覧頂きたいのがこれ!! http://www.dynamicaudio.jp/file/080409/03.jpg これはリモコンだとおっしゃるMacBook Airのディスプレーと同じ画像を大型 液晶テレビに映し出して頂いたもの。しかし、これは他に意味するところが あった。上記のコメントで「codec というレベルで抽象化しているため、再生 ソフトウェアを比較的選ばないのが特徴です」という一節があったが、この写 真のテレビ画面に映っているプレイヤーは海外製の有名なMP3Playerだという。 しかし、これは注意して理解して下さいと言われたのは、フレームとしてこの プレーヤーのレイアウトを使ってビジュアル化しているが、データ圧縮を前提 としているMP3のような音質ではまったくないということだ。これについては 「可能な部分は出来るだけ標準のフレームワークを理解し、活用して必要な 部分には徹底的に自己技術やノウハウをつぎ込むという手法が大規模な実装 を可能たらしめ、またそれに依る最大の利益を享受できる可能性があるわけ ですが、その辺のポイントが誤解して頂きたくないところなんです。ですか ら、うちのシステムでは、WindowsMediaPlayer などでも同様の音質を楽し む事が可能です。」 とおっしゃるとTELOS様の指が軽く動いてMacBook Airにコマンドを打ち込むと、 確かに同じ曲を私も知っているWindowsMediaPlayerで再生してくださった。 言い換えれば、この再生ソフトがTELOS様の設計、実装でありこの再生ソフト さえあれば音質への解法になるのかというのは大きな誤解であるということだ。 TELOS様が開発されたオーディオ感性を最優先したソフトウエア・ハードウェア は素人の私が察するに次の項目のプログラムなのだろうと思われる。 間違っていなければいいが…^_^; 1.リッピングに関する処理 2.データを保存するための処理 3.データを転送・再生する段階での処理 4.IP技術を駆使した仮想化による電気的・物理的制約の突破 そして、再生するためのプレーヤーのソフトはユーザーの選択によるものであ り、結果的には24bit 192KHzとして一般的なオーディオシステムに戻ってくる。 という流れだろう。 TELOS様の場合には24bit/88.2KHzにてMIMESIS 24MEに戻してボリュームコント ロールを行うが、一般的にはD/Aコンバーターに接続するということになろう。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- そこで一計を案じたのか、TELOS様は私が最後に聴いたBasiaを十数万曲以上も リッピングして保存してある音楽データベースからいとも簡単に検索してくれ、 EIDOS REFERENCEに入ったままのCDと同時比較して聴かせて下さるという!! 切り替えはMIMESIS 24MEの入力セレクターをリモコンで切り替えるだけという 簡単な操作であり、私は神経を集中して二通りのBasiaを比較することにした。 しかし、待てよ!? TELOS様はGOLDMUND純正のMIMESIS 24ME付属リモコンを 使わずこんなリモコンを使っておられました。Logicool Harmony 882です。 http://www.logitech.com/index.cfm/remotes/universal_remotes/devices/372&cl=jp,ja このリモコンの特徴として次のような記載がある。「オンラインアップデート Harmonyリモコンのデバイスデータベースには、5000社以上のメーカーと、 液晶テレビやレコーダー、ビデオデッキから照明機器に至るまでの17万5000種 類以上の機器が登録されています。データベースでは新しいデバイスや細かい 設定に関する情報が常に更新されているため、リモコンが「古くなる」ことは ありません。また、データベースに機器が見つからなくても、簡単なガイドに 沿ってリモコンの赤外線信号を学習させることができます。新しく機器を追加 したり、設定を変更する場合は、USBインターフェイスでPCに接続し、リモコ ンをアップデートしてください。」というものだ。 そして、Logicoolのデータベースにはユーザーが使用するリモコンのコードを アップロードすることができるので、他のユーザーがアップしたリモコンの コードを他のユーザーがダウンロードして使用することができるようになる。 ■TELOS様はGOLDMUNDのMIMESIS 24MEとEIDOS REFERENCEのリモコンコードを このデータベースに登録して下さったので、世界中のGOLDMUNDユーザーは 無料でダウンロードして使用することができるそうです。 stellavox-japanにも知らせてあげなくては…。 さて、話を戻してTELOS様のシステムとEIDOS REFERENCEとを比較試聴した音は 果たしてどうなったかと言いますと!! 私はTELOS様にお願いして、いつもここでやっているようにEIDOS REFERENCE での音質を一通り記憶し、そのあとで同じ音量で繰り返してTELOS様のシス テムの再生音と比較することにした。 以下はTELOS様のシステムを聴いてEIDOS REFERENCEとの相違点をできるだけ 客観的に述べたものだ。 先ずイントロのサンプリングによるパーカッションの派手な乱打からして違う。 アップサンプリングの成果としてつくづく感じるものだが、高い周波数のパル シブな楽音が大変聴きやすくなっている。刺激成分を含ませることが迫力と 華やかさを連想させるものだが、このときはパーカッションの一粒一粒の音質 が鮮明になり、同時に個々の打音にさえスタジオワークによるリヴァーヴが 施されているのか、右チャンネルで盛大に掻き鳴らされているリズム個々に エコー感が発生し潤いがある。しなやかに聴こえるこのパートは珍しい。 そして、これもサンプリングによるドラムが一定のリズムで叩かれるのだが、 低い周波数のドラムの音は同じ打楽器でも前述の高い音階の打音とは違い、 めりはりのきいたタイトな引き締まった音像をくっきりと描く。だから潤い感 とは逆にドライに乾燥した印象のテンションの高まりがあって好ましい。 そこにアコースティックなチェロがセンターに表れるが、このチェロの音色と 質感が打楽器の再現性とは逆に今度はしっとりと聴こえるから不思議だ。伴奏 のはずのチェロの質感が先ほどよりもエコー感を増量しているのがわかる!! いよいよBasiaのヴォーカルが入ってきた。そ〜か、そうきたか〜!! CDトランスポートのメカニズムの重厚さと完成度の違いに共通する分析の仕方 だが、ヴォーカルの口許のサイズがキュートに縮小し、それでなくてもクリス タルなビジュアルイメージを想起させる録音のヴォーカルだが、肉厚のバカラ のグラスを思い出すような透明感の躍進があった。肉厚なのに透き通っている という充実感がヴォーカルの存在感を引き立たせ、“Isis”が得意とする広大 な音場感の中にリップグロスで輝くBasiaの唇が浮かび上がるのだから参った。 アップサンプリングのノウハウをいたるところに発揮している音質であり、 CDのデータをただコピーするというリッピングとは全く違う。これは私が体験 した同種のHDDを使ってデータを読み出すという再生方式のプレーヤーと次元 を異にするものであり、ただ44KHz/16bitというCDの基本フォーマットを回転 系のピックアップに比較してデータが正確であるということだけでは物足りな さを感じていた私の直感を大いに刺激するものであった。 だから、このフロアーにあるESOTERICにしてもdCSやBurmesterにしても、私が 比較したデータ読み出し方式のプレーヤーよりも聴感上で魅力的に聴こえると いうことの根拠となり得ているものだ。 言い換えれば、回転系ピックアップを持つプレーヤーの方が、デジタルデータ の正確さという視点ではわずかに劣っているとしても、データ読み出し方式の プレーヤーよりも音楽的オーディオ的魅力があるということだろう。 しかし、TELOS様のシステムはこのようなアップサンプリング技術をリッピン グの段階とデータを転送・再生する段階での処理の両方で私が注目し評価して いるアップサンプリング・テクノロジーを有しているということが素晴らしい。 既存のハイエンドCD/SACDプレーヤーメーカーのアップサンプリング技術を 超える独自の開発と、極めて正確なデータ読み出し方式という両方のメリット を兼ね備えているということを試聴の上で私に納得させたものだった!! 私も未体験のBasiaの歌声を聴きながら、“Isis”の後方に広がる絶景の夜景 に視線を引き付けられたままの私は、自分のフロアーでは聴くことができない 演奏にただただ聴き入ってしまった。 誤解を生んではいけないので追記するが、EIDOS REFERENCEが駄目ということ では決してない。 EIDOS REFERENCEの音を知りつくしている私だからこそ、紙一重の違いを解り やすいようにデフォルメして語っているのである。 よりいいもの、更に上手を行くもの、私は直観で認めたものに素直に従い、 TELOS様に思いつくままの選曲で検索して頂き、貴重な滞在時間に少しでも 自分の好奇心を満腹にしてやろうと貪欲に聴き続けてしまった。 素晴らしいです!! -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 後日、私からお礼のメールを差し上げたところ、TELOS様から次のような返信 を頂戴しました。 「もうそれなりに長いおつきあいになりますが、川又さんがうちの椅子に 座ってオーディオを熱心に聞いている姿が、とても面白かったです。 私もHAL1 に行くときには、リラックスしているというよりも真剣に聴いて いるので、そういう意味ではお互いにとって「相互訪問」になったわけです。 川又さんがGOLDMUNDで鳴らしているIsisとは、音の感じが違って戸惑われた かと思います。試聴記は楽しみです。」 はい、ありがとうございました。<m(__)m> 確かにここでTELOS様に聴いて頂くという時間は私にとっての真剣勝負です。 そして、私もTELOS様のシステムを真剣に聴かせて頂きました。 確かに個性的であり私が鳴らしている“Isis”の印象とは大きく違います。 しかし、それを私は違和感という感じ方は不思議に一切しませんでした。 むしろ、GOLDMUNDとIsisという私にとっての馴染みでありリファレンスの コンポーネントたちが、フロントエンドと環境の違いでこんなにも違う表情を 見せてくれるのかという驚きと感激であり、それは見慣れた子どもたちが留学 している先で急に成長したような印象につながり、大変うれしくなってしまい ました。 TELOS様ありがとうございました。 次回はお土産はお酒にして、もっと早い時間に沈む夕日を見ながら聴かせて 頂ける機会があればうれしく思います(笑) |