《 GOLDEN WEEK-H.A.L.'s Monitor Report 》
No.0528 - 2011/5/6
埼玉県越谷市 Y.M 様より
■モニター製品 Jeff Rowland Continuum 250 http://www.taiyo-international.com/products/jrdg/continuum/ 川又 様 お世話になっております。この度、GWを利用し、Jeff Rowland Continuum 250 の自宅試聴をさせていただきました。ありがとうございました。 自宅の機器との組み合わせで試聴できる機会は、機器購入の際の判断が的確に できますのでこの良い企画に感謝いたします。 さて、今回お借りした機器の感想は以下の通りです。 以前、シナジー+MODEL10を使用していたことがあり、音の傾向はだいたい 理解しているつもりですが、同社の最新のアンプに期待し愛聴盤で試聴しました。 現在の使用機器 SP:Sonusfaber GUARNERI Memento PRE:Nuforce P-9 PA:LINN Akurate2200 CDP:DENON DCD-SA1 ANALOG:LINN LP12 + LINTO CABLE類:PAD、Cardas、MIT、PS-AUDIO他(試聴機種は附属の電源ケーブルを使用) ■試聴ソース1:ギュンター・ヴァント ブルックナー 交響曲第7番 ブル7は大好きなシンフォニーで、古今東西のブル7はだいたい持っています。 ヴァントの指揮と北ドイツ放送交響楽団の完璧な合奏技術が組み合わさって 素晴らしい演奏、録音も最高、自分の中ではカラヤン・ウィーンフィル盤と 甲乙付け難い名盤です。静寂の中からのオケの立ち上がり、アダージョの弦の しなやかさ、金管の輝かしさ、ホールの空間を感じることができるかをチェック。 ■試聴ソース2:ミハイル・プレトニョフ モーツァルト・ピアノソナタ集 へブラーのソナタ集をいつも聞いていますが、プレトニョフ盤はとにかく面白い。 個人的には、指揮者としても期待しています。録音も最高。最初の一音にまず 注目、引き込まれます。ピアノの音色、特に、左手から右手までバランス良く 音が響くかがポイント。 ■試聴ソース3:チェチーリア・バルトリ ゆかしき月よ/イタリア歌曲集 レブァインがピアノ伴奏をする歌曲集。素晴らしい曲が集められていますが、 冒頭曲終盤の声の張り、抜け<二曲目のバルトリの喉の震えをいかに聞くかが ポイント。普段は指揮者として有名なレブァインですが、大変歌心があるピア ニストだと思います。 ■試聴ソース4:パット・メセニー The Way Up 来日ライブにも数回行っていますが、個人的にはこのアルバムが曲・録音とも 最高と思います。ギターの他、ベースやドラムスのシンバルの質感がどのよう に出るかをチェック。 ■試聴ソース5:アントニオ・ファルシオーネ Touch Wood 最近購入した、OLIVE社のミュージックサーバーに入っていたミュージシャンで、 素晴らしいギタリスト。気に入ったため、チャーリー・ヘイデンとのデュオや この最新作を購入、今、ハマッテます。レーベルは、なんとNaim。 アコースティック・ギターの音色・質感の再生がポイント。 ■試聴ソース6:Gail Pettis Here in the Moment AccuRadioというインターネットラジオで知り、即購入。黒人女性ジャズボー カリスト。選曲・録音・バックの演奏とも最高、とにかく歌が上手い。 声の質感、特に、消え入り際の再生をチェック。また、バックのピアノトリオ の演奏も要チェック。 ■試聴ソース7:ドナルド・フェイゲン Two against nature 機器入れ替えの時に必ず聞くソース。SACD盤が出てくれたらと思います。 冒頭曲のベッカーのギターの単音カッティングがはっきりと聞こえるか、 フェイゲンのザラットした声の質感がチェックポイント。 ■全体的な感想 今回、この機種の試聴を希望した理由は、(1)同価格帯のプリ・パワーの組み合 わせと比較してどうか、(2)5年程度の使用に耐えられる実力(飽きないという 意味も含め)を持っているかと言う点です。 ジェフのアンプの印象は柔らか、しなやかな音色が好印象、一方でスピード感や 解像度がもう少し欲しいというのが過去の印象でしたが、Continuum 250 を 聞いて全ての面で期待通りでした。500は更に良いと思いますが、購入できる 範囲ということでContinuum 250を試聴しました。 ソナスのスピーカーにはGOLDMUNDを合わせている方が多いと思いますが、 私見ですが、ソナスの音色に加えレンジ・解像度を求めるとこの組み合わせに 行き着くのでは想像しています。 具体的にContinuum 250の良い点は、(1)音が滑らか、かつ、下から上までフラット に音が出る、これ見よがしのパワー感はなく、とにかくナチュラル、(2)楽器の 質感が良くわかる、感覚的な言い方では「楽器の音が立つ」といった印象。 これは、SN比が良いことが原因か、(3)音の余韻が長い(心地よく消え入る)、 (4)絵画でいうと、色彩豊かな水彩画のイメージ。コッテリ・ガッツリ派には 少し薄味に感じるかもしれない。 ハードとしての印象は、(1)初代のコンセントラのように熱くならない、長時間 使用してもほんのり暖まる程度、(2)思いのほか大きくなく扱い易い、モノとし ての塊感が素晴らしい、(3)細かなステップの電子ボリュームは使い易い、(4)リ モコンは以前と同様の形態、電源オンオフ機能と、インプット選択を個別ボタン でできるような機能があればより便利。 以上簡単ですが、試聴の印象です。 ジェフのアンプは、音質は勿論のこと、モノとしての満足感も高いので購入意欲 がかき立てられますね。500とは約50万円の価格差ですが、これがどの程度 影響するのかと言った点にも興味がありますし、同価格帯のゴールドムンド テロス390.2との音色の比較にも興味が沸いてきました。 今後の機器購入の参考になりました。連休後半はもう一つお借りしたNuforce のパワーアンプの試聴を楽しみにしています。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 川又より Y.M 様ありがとうございました。お役に立てて何よりでした。皆様の選択肢は 実感してこそ確実なものになる、という思いで長らくハルズモニターを実施して 参りましたが、Y.M 様のように購入可能性の範囲内でじっくりとお試し頂ける ということは私にとっても取り引き先各社にとっても意義深いものです。 連休の後半でもお送りしたアンプで楽しみながらご自分の感性を磨きながら、 更なる音質向上に向けてのお手伝いが出来ればと思っています。 ありがとうございました。 |