《H.A.L.'s Monitor Report Kiso Acoustic HB-1》


No.0506 - 2010/9/14

埼玉県さいたま市 H.S様より

Vol.5「HB−1との一夏の出逢いは、あっという間に終わってしまいました!!」
 
H.S様は下記にご紹介していますので、ぜひご覧ください。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/348.html
 
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ここ数年で発売されたスピーカーの中で、HB-1ほど話題に上るスピーカーは
珍しいのではないかと思います。
 
発売が開始されてからだいぶ月日が経っているのに、ネットではまだたくさん
の意見が交換されているようです。
 
私はHB-1について、次のようなイメージを持っていました。
 
○スピーカーの大きさの割に高額
○とはいえ無理すれば買えないこともない価格
○現代のハイエンドスピーカーとは設計思想が異なっている
○販路が限られていて実物に接する機会が少ない
○超ハイエンドスピーカーからHB-1に買い替えた人がいらっしゃるらしい
 
その噂のHB-1が、いよいよわが家にやってきました。
本体1箱とスタンド2箱の合計3箱で、受け取ったときは、「え?こんなに小さ
いの??」と驚きました。
 
特にスピーカー本体の箱が軽いのです。
高価な借り物ですから、傷をつけないように慎重にセッティングしました。
 
現用機を大きく移動させることができないので、現用機の内側に、やや内振り
でセッティングすることにしました。
 
私の現用機は、H.A.L.'s Brief News No.348でご紹介いただいたいるものです。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/op-pho/tro40.html
 
オーディオに関心がない妻も「小さくてきれいな素敵なスピーカーね」と褒め
てくれました。「お掃除が楽になっていいわねー」
 
はい、やはり現用機はリビングの中で邪魔者になっているようです。
リビングにオーディオ機器を置かれていらっしゃるご同輩と同じですねー。
 
現用機をHB-1に買い替えようと計画されていらっしゃるなら、値段を伏せて
おけば多分うまくいきますよ〜。
 
今回は楽器型スピーカーといわれているHB-1と、ベンディングウェーブ方式の
DDDとを競演させてみようという魂胆です。
 
HB-1でクラシック、POPSを中心に試聴させていただきました。
細かい試聴メモは省略して、すでに評価レポートをされた皆さんと同じような
感想になりました。
 
○小柄なスピーカーなのに、大型スピーカーに負けないくらい低音がよく表現できて
いる
○音離れが良い
○音が飛んでくる
○フォーカスが良い
○音楽を聴いていて楽しい
 
オリンピックなどで小柄な日本人選手が外国人選手の中に混じって大活躍して
いる、というイメージでしょうか。
 
そこから、HB-1の限界というかゆとりがあとどのくらいまであるのか、という
心配も感じます。車のエンジンとかパワーアンプは、総合的な性能のどのあた
りを使っているのかって、気になりますよね。
 
「まだまだ余裕だよ」と汗一つかかずにさらりと言っている大型スピーカーに
対して、「大丈夫です、まだがんばれます」と言って苦しそうながら気合いを
見せる小型スピーカー、というイメージも浮かびました。
多分先入観だと思いますが…。
 
ベンディングウェーブ方式のDDDとの比較ですが、HB-1は「音が飛んでくる」
のですが、DDDは「音に包まれる」という違いがはっきりとわかりました。
 
約5年間DDDの音場に慣れ親しみ、すっかり中毒になってしまったのでしょう。
改めてDDDの特性の良さを見直し、自分の感性に合っているなあ(手放せない
なあ)と思った次第です。
 
次にHB−1とDDDを並列に簡易設置して、両者のマッチングを試してみることに
しました。それぞれのスピーカーをマルチアンプでドライブするわけではない
ので、インピーダンスの違い等でどのような結果が出るかが楽しみです。
 
DDDのネットワークによる補正はフラットに設定して音を出してみました。
結果は…これは良いです!!
 
現有機では試聴位置からDDDを見上げるような格好になってしまい、一種の
ラインソースとして機能しています。
 
そのため、音が降り注ぐようなイメージになります。高さ方向の表現は申し分
ないのですが、スタジオ録音などでは音像が少し大きくなる傾向があります。
 
HB-1とDDDを並列配置にすると、両者と耳の高さがほぼ一致して、フォーカス
も絞まった上に、DDDが得意とする包み込まれるような音場が展開されました!
 
HB-1とDDDを競演させるたくらみは、このようにして両者の共演という形に
発展しました。
 
きちんとしたスピーカースタンドで設置して、本当の実力を試してみたいもの
だと思いました。
 
HB−1との一夏の出逢いは、あっという間に終わってしまいました。
 
再びHB-1を箱に仕舞い、ぽっかりと開いてしまった空間に残暑の中にふと秋の
訪れを垣間見た時のような気がしたのは、やはり気のせいだったのでしょうか…
 
簡単ですが以上試聴レポートでした。HB-1とDDDを共演させたときの写真を
併せてお送りいたします。
 
http://www.dynamicaudio.jp/file/100911/HB-1.jpg
(写真ではDDDがスタンドに乗っていますが、試聴時の状態とは異なります)
 
貴重な試聴用HB-1をお借りする機会をいただけたことを、改めて深く感謝し
お礼申し上げます。
 
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川又より
 
H.S様ありがとうございました。もうですね〜、現在のスピーカーを導入して
頂いてから早いもので五年経ってしまったのですね〜(^^ゞ
 
確かにDDDの思想とは全く違うタイプですから、私もどのようになるのかは
気になっていましたが、まずまずの結果という事で何よりでした。
 
このようなカットアンドトライが可能性を広げていくものであり、ハルズ
モニターがお役に立てるというものです。
 
これからも皆様を刺激し、そして納得させる新企画を実施していきたいと
思いますので、どうぞご期待下さい。ありがとうございました。<m(__)m>


HAL's Monitor Report