《Ayre Acoustic"QB-9"
H.A.L.'s Monitor Report!!》
No.0462 - 2009/7/18
神奈川県南足柄市 N.T 様より
これは新製品Ayre Acoustic“QB-9”USB DACによるR&D企画です!! そして、webでは公開していないハルズサークルだけの企画でもあります!! しかし、一般的なR&Dは“research and development”のことですが、私が 考えたのは“research and delivery”というものです(^^ゞ ★私のインプレッションはこちらです。 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/643.html ■アクシス制作の公式ファイルの続報。QB-9使いこなし編(^^ゞ http://www.dynamicaudio.jp/file/090318/use_Ayre_QB-9.pdf ■現在はアクシスのwebサイトにもアップされました。 http://www.axiss.co.jp/Ayre/whatsnew_Ayre_QB-9.htm ■Ayre Acoustic社(USA)の新製品“QB-9”USB DACの公式ファイルを全国一の 最速でハルズサークルの皆様にお知らせ致しました。(2009.3.4現在) http://www.dynamicaudio.jp/file/090304/Ayre_QB-9.pdf ■QB-9がUSB入力専用の理由とは!?どうぞ下記をご覧ください。 http://www.dynamicaudio.jp/file/090307/QB-9_USB.pdf ハルズモニター企画として実現し、新機軸の商品だけにハルズサークルの 皆様に評価して頂こうというものなのです。 待ちに待った入荷から数日、いよいよ本企画の骨子であるハルズサークル会員 による新製品試聴レポートが到着し始めました!! -*-*-*-*-*-*-*-*-*- Vol.15「やっぱり、どんなケーブルでも良いって訳ではないみたいです!!」 ダイナミックオーディオ5555 川又店長 何時もお世話になっております。 ちょっと時間が経ってしまったのですが、御借用させて頂きました Ayre QB-9 の試聴報告をさせて頂きます。 ■プロローグ 会社から帰宅し、玄関のドアを開けるとかなり大きな段ボール箱が置かれていた。 川又さんより発送の通知を頂いていたので、それが何を示すのかは直ぐに想像が 付いたが、ちょっと意外な程のサイズでした。 そして部屋に運び込もうと持ち上げた時、それが意外に軽量であることに更に 驚いた。開梱してみると、それはうまく外部からの衝撃を吸収するパッケージ ングがなされており、感心した物だった。 ■ハードウェアセッティング とりあえず、オーディオシステム(とは言ってもCDプレーヤーとプリメイン だけのシンプルな物であるが)のラックからCDプレーヤーを外し、そこに 設置することにした。 QB-9の筐体は、サイズと外観から想像するより意外に軽量であり、特に問題と なることもなかった。逆に軽すぎて筐体が共鳴するのではないだろうか? という心配も沸いた。また、電源ケーブルだけは(当然かも知れないが)普通 のがっちりした物が添付されており、PCの周辺機器との違いを主張している 感じがした。 PCとの接続であるが、USBケーブル1本という手軽さである。 そして特筆すべきは、本当にケーブルを挿すだけであり、よくあるPCの周辺 機器のようにドライバーと呼ばれる追加ソフトウェアを全く要求されないことである。 QB-9は、非同期の転送を謳っており、専用のドライバーが必要かもしれないと 予想した訳であるが、それは杞憂であり、本当にケーブルを挿すだけで終わっ てしまうのである。 これはPCの苦手な方には非常にメリットが高いと思われる。 今回は、PC(かなり偏った自作)→QB-9→プリメイン(Tera Ltd)→PMC FP-1 という構成である。 ■ソフトウェアセッティング 添付されていたアクシスの日本語マニュアルは、とても親切で必要なソフト ウェアのサイトが記載されていたのでこれに従ってソフトウェアをダウンロード してインストールを行いました。 リッピングソフトはEAC、再生ソフトは設定の簡単なVUPlayerを選択しました。 本当はfoober2000を使おうと思ったのですが、設定を理解するのが大変そうな ので諦めた。 ■試聴1 まずは、EACでリッピングした手持ちCDを何枚か再生してみました。 QB-9のフロントパネルには44と表示され、入力しているデータが44.1kHzで あることが判ります。 最初に音が出た瞬間、「おぉ!」と思わず声が出てしまいました。 実は、いくらAyreでも所詮PC向けのデバイス、しかもうちの環境だから正直 全く期待などしておりませんでした。 クリアだけど固い音が出ることを想像していたのですが、出てきた音はAyre っぽい音(当然なんでしょうけど)。 アンプがあっさり系なんで重心の下がった音が出てきてちょっとびっくりしま した。バイオリン協奏曲、ピアノソナタ、弦楽四重奏曲、ジャズ(ちょっとし かない)、ポップス(ロック、歌謡曲)をいくつかリッピングして(結構面 倒ですね)聴きましたが、元ちさとさんの歌にはまってしまいました!う〜ん、 良いかも。これとは別に、同じソースを、IKEMIで再生して聞き比べたのです が、勝敗はびみょ〜(笑)。クラッシックはIKEMIのが良かったかも? ■試聴2 次は96kHzのサンプリングデータをアクシスさんが紹介されているサイトから 落として来て再生してみました。この試聴、ものすごく期待感が高いのと同時 にその逆もあり、わくわくしていたのも確かです。 音が出ました。Ayreの表示は96と出ています。 終わりました。あれ?無料のサンプルデータって恐ろしく短いのですね(泣)。 気を取り直して何度か聴いてみると雰囲気がSACD風とでもいいますか、サウン ドステージが2割ほど広がった感じはするし、個々が間延びするようでも無く、 解像度も上がったような気がします。でもそれだけ?私は98kで録音された DATの様なものを期待していたのだけれど、ちょっと違う感じがします。 生さが薄まってしまった?多分ソースが悪いのだろう、きっと。 ■試聴3 時間がなかったのでCDとハイサンプリングデータだけで終わりにしようと 思ったのだけれど、やっぱり気になるのがUSBの規格。 非同期モードでジッターを極力排除、おまけに光アイソレーションで、PC側 とは完璧に分離していることがスペックに書かれていますが、実はUSBは 規格は規格で当然厳密な物なんでしょうけれど、デバイスは別。 Ayre側は良いかも知れないけれど、PC側はとんな品質か選べないですよね。 コネクタの場所によってドライバーチップからの距離は異なりますし、下手を すれば配線の片側だけ長さが違っていることだってあり得ることだと思います。 そんな不安定な環境でどれだけ安定した音であるか、ちょっと興味があって USBケーブルを幾つか交換して聞き比べてみました。 やっぱり、どんなケーブルでも良いって訳ではないみたいです。 差が出る程のものか?と尋ねられると「そうだ」と答えざるを得ません。 PCのフロントパネルにあるコネクタに5m物をつなぐとAyre的な色気が全く 無くなりますね。 ヘッドフォンでモニタしても「シ音」が突き刺さることが減ります。 想像通りとなりました。私的には、あまり変って欲しくない部分なんですけど。 ■エピローグ PCを経由したシステムであっても、最終デバイスが良ければ良い音が楽しめ ることが判ったことが今回の大きな収穫でした。 でもここでもケーブルの呪縛が存在しているのが残念。 そのうち他のケーブルと同様に高額なUSBケーブルがリリースされるように なって、またユーザーは悩まされ、電線屋が潤うのかと思うと…。 それはそれとして、PCオーディオは従来の物理的なパッケージメディアを 購入し再生するという従来のスタイルから、データを蓄積して再生するという スタイルになり、いろいろな面で便利になると思いますが、物理的な物がなく なる面で寂しく感じますね。 振り返れば、私の時代は、LP、Cカセットのアナログ時代から始まり、CD、 MDそしてメモリへデジタル時代でも随分移り変わったものだと思います。 良い悪いは別に、同じ価格で比較するならば、桁違いに音楽再生環境は高音 質化したと思います。 だから最近の若者はオーディオに関心が薄いのかも知れません。それと最後に PCをソースとした再生環境は、再生音に影響を与えるファクターが意外に 多く、それをどうするかという面で新たな趣味としての面白みがありそうです。 そして、ケーブルなどを除けばコストがかからないのも良いところだと思い、 これはこれでありだと思いました 手短でかつ乱文で申し訳ありませんが、以上にて試聴報告とさせて頂きます。 すいません、書きながらどんどん時間が経ってしまって、尻つぼみに内容が 薄くなってしまいました。 このような貴重な体験をさせて頂き大変感謝しております。 また、機会がございましたら参加させて頂きたいと存じます。 よろしくお願い致します。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 川又より N.T 様ありがとうございました。やっぱりケーブルによって違うという事で すね〜。これは有線である以上は未来永劫の課題でもあり、また面白さでも あると思います。 N.T 様は某国内の大手電機メーカーの設計自動化技術開発部において論理設計 技術担当という部署にお勤めでいらっしゃるとのこと。最先端技術と音質と いう人間の感性での評価という相反するようなオーディオの世界ですが、まだ まだ理屈で割り切れない部分があるものですね。 結局はPCオーディオにおいても基本は同じということでしょうか。 でも、お楽しみ頂けた様子で何よりでした。これからもよろしくお願い致します。 |