《B-Board-H.A.L.'s Monitor Report》


No.0398 - 2007/10/5

埼玉県上尾市 T T 様

Vol.22「B-board導入レポート!!」

これまでの投稿をご紹介致します。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0379.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0390.html

このたびB&W Signature800にB-boardを導入しました。
我が家のリスニングルームの床はフローリングで、タイル・カーペット類は敷いて
いません。

[購入動機]

H.A.L.TでリファレンスであるモスキートNEOにB-boardを導入されたとメール
で知り、川又さんのインプレッションもいいと書いてあったので、実際にこの耳で
聴いてみたいと、H.A.L.Tを何回か貸し切り、合計4時間ほど日をおいて試聴しまし
た。

結果は予想を遥かに上回るものでした。
モスキートNEOにまだこんな実力が隠れていたとは・・・。

音の出だしした瞬間からして今までとは別物。
モスキートNEOはオーラをまとい、一回り大きくなった印象を受けました。

適切では無いかもしれないが、言うならエンクロージャーにMDF材を使った
スピーカーが持つ響きを手に入れたような印象を受けました。

高音〜重低音まで情報量は格段に増え、しかしスピーカーの存在を意識させる事は
ありません。盛大に大音量で鳴っているのにも関わらず、B-boardの上に手を置く
と全く振動していない。

重いスピーカーを設置される事を前提に設計施工されたH.A.L.Tの床及びカーペッ
ト。それでもミクロ的にみるとスピーカーの振動を吸収してうち消してしまうのか?
頑強なB-boardは何もスポイルする事無くありのままの音を伝えてくれる。

H.A.L.Tより遥かに床強度の劣る自宅に導入したら・・・ムフフ・・・。
これはもう買いです。

[自宅にインストール]

待ちに待ったB-boardが届きました。
運送の方はヒョイと持ち上げて玄関先に置いていきますが、一枚42kgは重いのなんの。
これは皆さんのリポートを読んで覚悟はしていましたが、私は一人で廊下を引きず
りながらリスニングルームまで運び、スピーカーを載せセッティングしました。

すべらないように怪我をしないように仕事で使用している皮手袋で作業しましたが、
終えてから腕はパンパン、握力0。夕食の箸を持つのも不自由しました。

この時点ではまだ自作スパイク受けを使用していました。
亡くなった沢村先生が発案した通称沢村式インュレーターで、構造は10mmほど
の肉厚の鉛円盤2枚でブチルゴムをはさみ、振動吸収のため1mm厚くらいの銅の
円盤を鉛円盤の片方に貼り付け、側面・底面をコルクシートで覆ったものです。

つまり横から見ると下からコルク・鉛・ブチルゴム・鉛・銅といったハイブリッド
積層です。
スパイク受けありの状態で聴いた印象では「確かに音はいいが何かもどかしい、
その奥に何かあるような、まだ期待に答えられていない音だ」と感じました。

そして2・3曲聴いただけですぐスパイク受けを外し、直接スパイクがB-boardと
接するようにしました。

正解でした、音が一変しました!!

H.A.L.TでモスキートNEOに起きた時と同じように、情報量が増え、「こんな音
が入っていたのか・・・」とすぐ違いを実感しました。

そして音の立ち上がり、立ち下がりが段違いに早い。
スピーカーが俊敏になったようだ。反応がいい。

課題曲は鬼束ちひろのBESTより「眩暈」。

今まで聴こえなかった(特に感じなかった)バスドラが中空に位置し空気を震わす
のが見えるようになりました。

そうです見えるのです!!

ボーカルは今まで何度もセッティングにより口元のフォーカスを絞りそのまわりに
エコーが広がるようにTRYしてきたのだが、まだまだ甘かったようです。一聴して
「ボーカルのありかた」が美しいのです。

「現行システムでここまで出すのか」という感動を覚えます。
また「流星群」ではその他の音に埋もれて今まで単に小さな音「シャン」でしかな
かった鈴の音が音像を持ってもっと近くで聴こえるようになったのです。

次に「BEYOND THE MISSOURI SKY」(ミズーリの空高く)チャーリー・へイデン&パッ
ト・メセニー。

チャーリー・へイデンのウッドベースの重低音は重みを持って体に直に受けるよう
になりました。
特にプリアンプ(ラックスマン:C−10)のボリュームを一目盛り「カチッ」とあ
げると凄みが増します。

パット・メセニーのギターはまさにつまびくという言葉がぴったりするほど音の反応
が早い。

次の課題曲はお馴染みhttp://www.kkv.no/ kirkelig Kulturverksted
(シルケリグ・クルチュールヴェルクスタ)・Thirty Years'Fidelity より
10. MITT HJERTE ALLTID VANKER / SKRUK and Rim Banna

この曲は余韻成分に注目して聴くが、エコーがさらに長くなった。
解像度がさらに上がり混声コーラスであるが一人一人まで細分化されたようだ。

最後にヨー・ヨー・マの「シンプリーバロック」言うこと無いです。
音色・音像・解像度どれをとっても別物。

バックのストリングスとヨー・ヨー・マのチェロの距離感が出ます。
我が家でのB&W Signature800は大幅にレコード更新しました。

[結論]

全体の印象では「オーラをまとったモスキートNEO」方向ではなく、B&W
Signature800は
「カッチリ・キッチリ・クッキリ聴かせる、よりモニター方向」
にシフトしました。
これはいい意味でスピーカーのキャラクターがより鮮明になったのだと思います。

B&W MATRIX801SERIES3の時は60×60サイズのTAOCサウンドクリエイトボード
の上にTAOCスピーカーベースを置き、その上にスピーカーを置いていました。

B&W Signature800にしてから大きさでサウンドボードに代わるものが無いため、
ベース部分のベアリングをスパイクに交換してから、フローリングが傷つかない
ようにスパイク受けを使っただけでした。

B-board使用時の激変ぶりは大きい。

CDトランスポートから最終段であるスピーカー直前まで色々音をよくするための
対策しても、肝心かなめであるスピーカーが100%のコンディションで決まってい
ないと台無しです。

B-boardはまさにスピーカーのパフォーマンスを100%たたき出してくれるアイテムで
す。

もう後には戻れません!!

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

川又より

T T 様ありがとうございました。期待以上の成果ということで私もうれしく思いま
す。とにかく“B-board”を敷くだけでスピーカーの姿勢が良くなったように音像の
再現性が鮮明になり、同時に音場感を拡大していく変化の有様を皆様にも体験して
頂ければと願っているものです。

しかし、先日の配信でも述べましたように“B-board”の製品としての背景から
ハルズモニターの実施対象からは外れてしまいましたが、ここは皆様の思い切った
ご英断に期待していきたいと思っています。よろしくお願い致します。<m(__)m>


HAL's Monitor Report