《Z-Board-H.A.L.'s Monitor Report》


No.0397 - 2007/9/10

埼玉県蓮田市 T.Y 様より

Vol.2「結論から言えば、D-03の組み合わせがベストでした!!」

□今回はお客様のご要望により本企画のP-05+D-05+G-03Xに加えてD-03も同時に
 試聴したいという熱意にお答えして実施されました。

埼玉県蓮田市 T.Y 様より

川又様

今回は試聴の機会を頂き、ありがとうございました。

拙い文章で申し訳ありませんが、レポートとさせていただきます。
拙さは文章量でカバーということでご容赦下さい。
また、上位機であるD-03が比較対象として存在してしまうので、P-05&D-05に
ついては若干辛い評価であることはご理解下さい。

☆貸し出し機器
ESOTERIC P-05,D-05,G-03X,D-03

☆保有機器
SACD ESOTERIC UX-3SE(AC WIREWORLD SER)
    ↓(XLR WIREWORLD ECLIPSE)
および

CDTP CHORD Blu(200V駆動 AC NBS MONITOR 0) 
    ↓(AES/EBU NBS BLACK LABEL)
DAC   CHORD DAC64MK2(200V駆動 ACWIREWORLD SER)
    ↓(XLR WIREWORLD GOLD ECLIPSE)

SACD CDTPはARDSYNC2という業務用クロックにて44.1K同期


PRE  JEFF ROWLAND  SYNERGY(AC PAD DOMINUS REV.C)
    ↓(XLR WIREWORLD GOLD ECLIPSE 中高域)
    ↓(XLR WIREWORLD ECLIPSE 低域)

POWER JEFF ROWLAND MODEL8 Ti × 2(LR独立 AC自作)
    ↓(SP WIREWORLD ECLIPSE 中高域)
    ↓(SP WIREWORLD ECLIPSE 低域)

SP TANNOY KINGDOM 15


☆今回のモニターの目的

DVD-PLAYER兼SACD入門機としてUX-3SEを利用しているが、ひととおりの追い込み
も完了したので、次期グレードアップ候補として単体DAC追加の可能性と、SACDTP
としてのUX-3SEの実力を図る。

同時にあまり予算を掛けられないクロックについてもG−03X注入による向上
具合も知りたかった。

☆注釈

・CHORDのシステムは、JAZZ&ROCK専用として追い込んでおり
 ESOTERICについては、ボーカル物と最近聞き始めたクラシック用として調整してあ
ります。
・UX-3SEは映像回路をすべてオフにすることが絶対条件になります。
・各機器の設置
 D-03 J1のラックに直置き
 P-05 クワドラスパイヤのラックに直おき
 D-05 J1のラックにボード等を介して設置されたUX-3SEの上に紙1枚を介して直おき

 G-03Xクワドラスパイヤのラックに直おき
 電源ケーブルは全て純正を使用しました。

・KINGDOM15について
 あまりちゃんと鳴っている状態を聞く機会のないSPなので簡単に説明を。
 ウェストミンスターなどとは全く別の鳴り方です。
 イメージとしてはJBL K2の高域方向を延ばして中域をすこし張り出した感じのサウ
 ンドバランスです
 また、ご察しの通り、川又ルームでよく聞かれる音場展開のすばらしい鳴り方では
 ありません。

・試聴曲
 イーグルス HELL FREEZES OVER(XRCD)より
         HOTEL CALIFORNIA
 ヨーヨーマ  プレイズ ピアソラ(SACD)より
        リベルタンゴ
 STEREOSOUND REFERENCE CD(CD)より
         一曲目マクベス序曲 4曲目女性ソプラノ
         ・・・・・・
以上4曲とした。


☆レポート

1日目
仕事から帰ると、リビングに4つの大箱が・・・
3つと思っていたのだが、P-05の箱もあるではないか!
P-05は購入対象ではないのだが、標準組み合わせとの比較も面白そうなので
有難く拝聴しよう。
設置は土日にしようと思っていたのだが、妻の邪魔くさそうな目が痛かったので
箱から出して2階のAVルームにせっせと運び込む。
箱の片づけを終わったらすかさずセッティング。(ここまでで汗2リットル)

まずは外観検査
P-05とD-05は上位機を踏襲するデザインと質感で高級感が漂う。
これについては国産では間違いなくトップ、エソテリックは世界に誇ってよいと思
う。


おしむらくはP-05のトレー正面パネルで、同社他機種が薄型のパネルに対して
明らかにPCドライブのそれである。
薄型がVRDSのイメージであったため、そう思うのだろうか。

普及機?だからトレーがプラスチックなのはしょうがないにしても、せめて薄型に
して欲しかったというのが正直なところ。

でも上からメカ動作が覗けるのはちょっとうらやましい。
造りはどうだろうか?

重量が上位機と比べて半分弱。(値段が半分だから?(笑
手で叩いてみると天板と左右は結構カンカン鳴る。

曲げ板ではなくアルミ一枚板ではあるが特にダンプはされていないようだ。
エソテリックのアイデンティティはVRDSと高剛性ハイマスであると思っているが
この高剛性ハイマスがエソテリックの音のキャラクターに大いに関係していて
やりすぎたと思う時には大体私の苦手な音になってしまう。

具体的にいえば、P-01D-01やP-70D-70がそれである。
だから、逆にいえば重量・剛性を落としたP-05D-05にはとても期待しているのだ。
VRDSの良いところだけをおいしくいただければ感謝この上ない。


手元にあるディスクを適当にかけていったのだがここで問題が発生。
UX-3SEとD-03をiLINK接続して聞いたのだがSACDでは普通に再生できたものの
CDの44.1では、盛大なノイズが入って再生できない。

アナログ段での付加ノイズではなく、デジタル信号そのものが正しく連携されていな
いようだ。
UX-3SEとD-05のiLINK接続では全く問題なかったので、D-03の問題か?
D-03の設定を一通り変えてみても改善なし。

SACDからCDに変える際にD-03がクロックエラーを表示するので
今度はUX-3SEとD-03のクロック周波数をそろえてみたがこれもだめ。

この組合せはあきらめようとも思ったが、一番期待している組み合わせなのでさらに
試行錯誤。

結局UX-3SEのフローレートコントロールをONにすることによって正しく再生できるよ
うになった。

ここまででおよそ電源オンから5時間ほど経ったので試聴を開始する。

まずは、クロックの評価。

一般的にクロオク周波数は高いほうが繊細な音が出るのでまずはDAC,TPともに176.4K
でスタート。

すでにクロックを導入済みで聞いていたが、やはり精度も時代も古いのであろう。
一聴してさらに見通しがよくなる。

少なくとも悪くなる点は無かったので、これは導入必須と考えてよいだろう。
できるものならG01RBと行きたい所だが、クロックに140万は厳しい。

幸か不幸か、一体型プレーヤのクロック精度はいまひとつなので、G-03Xでも十分な
効果が確認できた。

その後、周波数について色々試してみたが、DACは176.4K
UX-3SEについては、ユニバーサルの100Kのクロックが腰の据わったサウンドに
好印象だったのでこれに決定。
P-05については176.4がベストであるとして、以後クロックはこれに固定して試聴。

(1)イーグルス

UX-3SE+ILINK+D-03
UX-3単体に比べて、音の細やかさと低域の弾力感が出てくる。
P-03との組み合わせを以前聞いたが、ほぼ同印象な感じだ。
なんとなくイメージとして、ILINKでは音が痩せてしまいそうなイメージがあったの
だが
そんなこともなく、正統的グレードアップを感じさせる。

この曲は超低域のチェックにも使うのだが、うまく再生すると40HZ以下のバスドラの
空気感が地を這うように出てくる。

UX-3SE単体だとバスドラの音像はしっかりでるのだが超低域は空気を一変するほどに
は出てこない。

D-03はミッドバスを膨らますことなく下までしっかり出ているようで、高域から超低
域までマスクされることなく淀みなく出てくる。

この分であれば、D-03はさほどヒートアップに時間を要することはないのだろう。


UX-3SE+ILINK+D-05

一聴してD-03とはまったく質感が違う。
まだ眠たい音にも思えるので、エージング&ヒートアップ不足もあるだろう。
いい悪いはおいておいて、D-03がシルクとしたらD-05はコットンと言ってよいような
肌触りの音だ。
これ以上の評価は明日以降に持ち越しとする。

P-05+ILINK+D-05

さらに眠たい音になったので明らかにエージング&ヒートアップ不足と判断。
P-05は特に目覚めるのに時間がかかるようだ。
これまた明日以降に持ち越し。


(2)ヨーヨーマ
UX-3SE+ILINK+D-03
あ、明らかにいいですね。
チェロの倍音が美しく伸び、必要以上にボディの鳴りが増長されることなく深い
響きを表現しています。
この分なら、うちのシステムでもっとも厳しい室内楽もいけそうです。

ここまでで、UX-3SEのトランスポートとしてのポテンシャルとILINKの音に安心した
ので初日試聴は終了。
全機に信号が流れるよう接続して、CDを永久リピートにして明日以降に期待を。

これでレポート第一報を終了します。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

川又より

T.Y 様ありがとうございました。克明かつポイントを押さえたレポートに感謝して
おります。そして、これが第一部ということですから続報にも期待しております。
このように製品の存在感がハルズサークル会員の自宅で確認されていくということ
は大変にうれしいものであり、ありがたいものです。第一目的をはっきりされての
自宅試聴ということでは私もやりがいを感じるところですね。

もっともっとハルズモニターを他の皆様にもご利用頂ければと思います。
そして、ありがとうございました。<m(__)m>


HAL's Monitor Report