《Z-Board-H.A.L.'s Monitor Report》


No.0396 - 2007/9/6

千葉県松戸市 H K 様より

Vol.21「Z-Boardはオーディオ機器本来のもつ潜在能力を存分に発揮させた!!」

前回の投稿をご紹介します。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0373.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0362.html

まず、Z-Boardが届いて、梱包を解いたときの、初めての感想は、「意外に小さい
な」というものでした。

Avalon Isisには丁度良い大きさとのことですが、現在使用中のスピーカーTAD-M1
(130kg)には小さすぎました。

現在のスピーカーには、TAOC社のオーディオボードの最大のもの、Z-Boardよりも
大きく、厚みもあるものを使っています。

ちょうど、Z-Boardが届く前に、川又店長から「スピーカーにはB-Boardをお薦めし
ます」とのメールがありましたので、以下の結果を踏まえて、今後スピーカーに関
してはB-Boardを改めて検討したいと思っています。

さて、現在、ラックには、J-1 projectのラック(3段)を長く使っています。
その最上段にdCS Verdi Encore を設置しています。

川又店長がdCS Scarlattiの導入、設置の際にスパイクを使用されたことを受け、
dCS Verdi Encoreについても同様の設置対策、足下対策が必要だろうと推測しな
がらも、特に手を打っていませんでしたので、まず、ここにZ-Boardを置いてみる
ことにしました。

ただ、Z-Board をJ-1 projectのラックの最上段に横長に置くと、4本の支えの鉄柱
の最上部が棚板よりも上にやや出っ張っているのですが、ちょうどそこにかかるよ
うになってしまいました。

かといって、Z-Board を縦におくと、棚板から前に大きくはみ出てしまいますので、
見栄えがよくありません。

また、Z-Boardの上に、dCS Verdi Encoreを置いた際には、dCS Verdi Encoreの
底面の前後のゴム状の足がZ-Boardの上にぎりぎり乗る形となりました。

以上のように、Z-Boardは大きさの点で現在使用中のJ-1 projectのラックの最上段
上で、dCS Verdi Encoreに使うには、やや不安はありましたが、音を出してみて、
すぐに、以下のように音質が改善されたことが容易に確認されました。

即ち、まず、情報量が増えました。
低音はタイトになり、かつ、量感が増えました。

中域から高域かけても綺麗に音量が増えて、今まで聞こえにくかった音も聞こえる
ようになり、聞き慣れたディスクにも、今回、新たな発見と少なからぬ驚きがあり
ました。

しかも、曖昧な音が増えた訳ではありません。

エンヤの音楽の細やかで多種多様な音が、以前よりも明瞭に分離して聴かれるよう
になり、「透明感」を感じました。
この点では、解像度が高くなり、S/N比が高くなったと言えます。

また、余韻が増えました。

余韻について、よく聴いてみると、流麗な余韻と響きであり、そのエコーの様子
から、演奏ステージのホールの様子までがありありと手に取るようにわかる音楽が
ありました。また弦楽器の響きがいきいきと聴かれるようになりました。

さらに、音場が広がりました。

演奏ステージの楽器の場所が明確にわかる音楽がありました。
スピーカーの存在感が消える音楽がありました。

気をよくして、dCS Verdi EncoreのZ-Boardはそのままに、今度はZ-Boardの2枚目
を、SAPリラクサ2に乗っているdCS Elgar plusに使ってみました。

最初は、SAPリラクサ2を外して、その代わりにZ-Boardを使用しました。
dCS Elgar plus をZ-Boardに乗せると、前述したdCS Verdi Encoreに使用したのと
同じ方向の良い変化がさらに強く出ました。

次に、Z-Board の上に、SAPリラクサ2を置いて、dCS Elgar plusに使用すると、
これまた、dCS Verdi Encoreに使用したのと同じ方向の効果が増強されましたが、
SAPリラクサ2なしと比べて、それほど大きな変化ではありませんでした。

Z-BoardとSAPリラクサ2はその方向性が違うにしても同様に物理的振動を取り除いて
音質の向上に効いているはずですが、特に、私の部屋でdCS Elgar plus に使用した
Z-BoardとSAPリラクサ2の効果の違いについては、dCS Elgar plusの下にdCS 992/2、
Timelord Chronos があることから、Z-Board が、物理的振動だけでなく、不要輻射
等もその電磁シールド効果によって抑えていることが、より音質上の良好な結果をも
たらしているのかも知れません。

実は、以前に、TimelordがdCS社の製品を扱っているときのカタログにMMWのラック
のことが書かれていて、確か、その電磁シールド効果についても触れられていた
ような記憶があります。

そのときに、私の部屋でも然るべき対策をしないといけないと思いながら、その
効果を甘く考えて、今日まで後回しにしてきました。
実は、これほどの違いがあったとは。これは、反省すべき点です。

次に、Z-Boardをプリアンプに試してみようと思いつきました。
プリアンプはMimesis 22 sig. ですが、先のJ-1 projectのラックの2段目にプリ
アンプ本体が、3段目にプリアンプの電源部分が設置してあります。

最上段にZ-Boardを置いたときに予想された通り、この、2段目、3段目には、
Z-Boardは横長の位置では入りませんでした。

縦長の位置では、前に大きくはみ出してしまいますし、プリアンプ底面に付いて
いる鋭いスパイクでZ-Board表面を傷つけてしまいますので、その位置では今回は
試していません。

そこで、先のdCS Elgar plusの下にはZ-Boardを直接設置し直し、J-1 projectの
ラックの2段目には、SAPリラクサ2を設置し、その上にプリアンプ本体を設置しま
した。(SAPリラクサ2の表面には傷がつきました)

それまでプリアンプ本体は、その底面のスパイクで直接J-1 projectのラックの2段
目の棚板にぐさっと刺さっていたのでした。

果たして、その効果は、先ほどと同じ傾向の音質の改善がさらに顕著に得られまし
た。
あまりにわかりやすくて、思わず、笑ってしまうほどでした。

このSAPリラクサ2の代わりに、Z-Boardを使用したら、同様の、あるいは、もっと
大きな効果が得られるかもしれません。

ともかく、プリアンプについても、物理的振動を取り除いてやることが必要だと
いうことがよくわかりました。

また、ここまでの結果の類推から、さらに、Z-Boardをプリアンプ電源部分に使った
場合にも、さらなる相乗効果があるかもしれません。

また、さらに、本来推奨された設置方法である、Timelord ChronosにZ-Boardを
使用した場合の効果も知りたいところですが、手持ちのZ-Boardが足りないので、
今後の検討課題です。

http://www.dynamicaudio.jp/file/070624/chronos_manual.doc
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/508.html

Z-Boardを設置して数日経ってから試聴し直しても、以上の変化は、同様に明確に
感じとれました。

時間とともに、さらに機器と「馴染んだ」結果かもしれません。

今回の試聴により、Z-Boardはオーディオ機器本来のもつ潜在能力を存分に発揮
させることがわかりました。

同じディスクをかけても、同じ機器から出てくる音にあらためて大きな変化と感動
をおぼえるほどでした。

逆に言うと、今まで、機器本来の性能を充分に発揮させてやることができていな
かったことになります。

「もう元に戻れない!!」

という状態になってしまいましたので、このまま購入させていただきます。

ただ、今後、他の機器に対してどうするかという具体的な方法としては、今回の結果
をそのまま受けて、機器それぞれの下に、Z-Boardか、あるいは、サイズの合うMMW
ボードを入れるだけ入れるというのも一つの方法ですが、そもそも、ラックそのも
のをあらためて見直したほうが早いのかも知れません。

http://www.dynamicaudio.jp/audio/halc/
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/483.html

このラックには、Z-Boardも使えるそうなので、その上で、Z-Boardをどのように
使用するかを改めて検討することになりそうです。

また、冒頭に述べたように、スピーカーには、B-boardを使用してみたいと思って
います。

川又店長、前田製管株式会社さん、今回は、私にとても大事なことに気づかせて
いただいた貴重な体験となりました。

このような機会を与えていただき、誠にありがとうございました。
今後とも、よろしくご指導をお願い致します。

以上です。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

川又より

H K 様ありがとうございました。ポイントを押さえた素晴らしいレポート本当に
ありがとうございました。おっしゃるとおりですね。コンポーネントの設置環境で
目に見えない振動の制御と機械的な接地方法がZ-Boardを敷くだけという簡単な事
で激変し、それを知ってしまうと元に戻れないということになってしまいます。

そして、大切なことは、それを行なってみて初めて知るものであり、それまでは
いったい何を聴いていたのだろうかという過去の再生音に対して投資効果を生かし
きれていなかったという事実が初めてわかるわけです。

もちろん、ご指摘のように根本的にはラックからの改善策をお勧めいたしますし、
Project“H.A.L.C”では先ず床とのアイソレーションを確立してくれます。当然
“H.A.L.C-Shelf”自体で十分な効果を持っていますが、その質量の二倍という
Z-Boardを追加して合計30Kgという土台がコンポーネントに与える影響力には大き
なものがあります。

最後にH K 様がおっしゃるようにスピーカーには“B-board”を私が推薦している
というのは経験者の語る事実が証明し、またここでのNEOの潜在能力の高さを引き
出してくれたという事実が裏打ちしてくれるものでしょう。

ハルズサークルの皆様すべてにお勧めしたい設置環境改善企画です。

そして、この企画は終わったわけではありません。私は電源の環境改善、ラックに
よるセッティングの環境改善、QRDによるルームアコースティックの環境改善、
そして、Cardas Myrtlewood Blockによるケーブルセッティング環境の改善と
本当に細かいところにも注意を向けて一般の皆様が見逃しているようなチェック
ポイントをノウハウとして企画の上に乗せてきました。

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/BZ-bord.html

この「オーディオシステム簡単リフォーム・あなたの音のbefore-afterとは」と
いう企画は現在進行中です!!

先ずはハルズサークルのご入会から。


HAL's Monitor Report