《Cardas Myrtlewood Block-H.A.L.'s Monitor Report》


No.0379 - 2007/8/9

埼玉県上尾市 T T 様より

Vol.13「Cardas Myrtlewood Blockの無いオーディオライフなんて考えられない!!」

前回の投稿をご紹介させて頂きます。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0376.html

Cardas Myrtlewood Blockリポート

我が家のリスニングルームは7.5畳の広さのフローリング。

CDトランスポート:エソテリック P-01(PADのTIPに載せている)
DAC:エソテリック D-01

マスタークロックジェネレーター:エソテリック G-0s(ルビジウムに特化した
内部配線。ルビジウム発信器からはヨルマ・デザインBNCケーブルを使用)

プリアンプ:ラックスマン C-10
メインアンプ:ラックスマン B-10
スピーカー:B&W Signature800

インターコネクトケーブルはPADプロテウス・タンタス・シャンゴ・イマエンジャ。
BNCデジタルクロックケーブルには全てESOTERIC 7N-DA6100 MEXCEL BNCを使用。

全ての電源ケーブルはTRANSPARENTのPLMM。
Powerbanks P8をデジタル用・アナログ用と2台使用。

ルームチューニングとしてEIGHTH NERVE(エイス・ナーヴ)社のレスポンス・コン
トローラを使用。
http://www.cs-field.co.jp/eighthnerve/response_controllers.htm

主に聴くのは邦楽ではJ-POPの女性ボーカル全般。
洋楽ではブライアン・アダムズ、リチャード・マークス等の男性ボーカル。

日曜の閉店間際のH.A.L.Tに飛び込み、Cardas Myrtlewood Blockの実演をして
欲しいと川又さんにお願いしたところ…

「当フロアのケーブルはTRANSPARENTのように途中にネットワークがあったりして
ご自宅の方が効果が出やすいですよ」とのお言葉。

実際Blockを手にとってみると思いのほか重い。カルダスの刻印がカッコイイ。

とここで川又さんから悪魔のささやきが…「エージングの必要ありませんからね。
自宅に導入したらすぐに効果が表れますよ」と殺し文句。

半信半疑ながらこれまでのハルズサークル会員のリポートを信じて、モニター価格
の在庫の残数も意識しつつ、結局その場でCardas Myrtlewood Blockを3set購入し
持ち帰る。

翌日、プリ→メインアンプ間のPADのイマエンジャ(XLR)5mに2set。
バイワイヤリングのPADスピーカーケーブルのシャンゴ1.5mに1set使用しました。

ご存知のように特にイマエンジャは大蛇のような太さ。とぐろを巻いています。
セッティングをして音出し・・・う〜ん??? 

あまり使用前使用後の違いが感じられない。

そこで川又さんにメールを送る。

「途中経過ですが・・・
 川又さん、おはようございます。上尾市のTTです。
 さてBlockの途中経過ですがプリ→メインアンプ間のPADのイマエンジャと
 スピーカーケーブルのシャンゴに使ってみました。
 音は・・・皆さんのレポートにあるような劇的な変化は無く微妙なものでした。
 午後再び調整しなおして試聴してみます。」

すると川又さんの返信では・・・

「TT様いつもお世話になります。
 PADの液体あるいはプラズマシールドのジャケットは、それ自体で振動対策を
 してあるものなので、無理のないことかと思います。
 他にも色々と試してみてください。
 よろしくお願い致します。
 ありがとうございました。」

う〜ん。そうですよねPADのぶ厚いプラズマシールド自体が外部からの機械的振動
吸収しているわけだし、条件も他の方とは違っている。

これで劇的に変化したらPAD技術陣のケーブル探究心とこれまで積み重ねた苦労は
何だったのかという事にもなる訳だし・・・と早くも弱気。
目に見えての違いは感じられないのも無理からぬ事か・・・。

午後よりもう一度Blockの配置を見直してみる。機器も十分に温まってきた。

課題曲はhttp://www.kkv.no/ kirkelig Kulturverksted
(シルケリグ・クルチュールヴェルクスタ)・Thirty Years'Fidelity より
10. MITT HJERTE ALLTID VANKER / SKRUK and Rim Banna

まず感じるのはいつも座っているチェアーの肘かけに振動が伝わってくる。
合唱では差異が分からない。ただエコー成分に違いが認められた。中空に拡散して
消えてゆく時間が明らかに伸びている。

コーラスの余韻が消える前にかぶさるように次のボーカルが出てくる感じ。
電源ケーブルをTRANSPARENTのPLMMに交換した時の印象に似ている。

7. SOM EN STORM-O HELLIG AND,MITT HJERTE / Ole Paus and Oslo Chamber Choir

エフコンでも演奏された楽曲。エフコンでのAvalon Acoustics"Isis"との違いを
思い出しながらトレースする。混成合唱では前曲と傾向は同じ。

ギターのカッティング、サックスとベースに集中する。ギターが小気味いい。
立ち上がりが早くなったようだ。
Isisとまではいかないがサックスの音のヒダも感じられる。

記憶に新しい新人ながらグラミーを独占した名盤。Norah Jonesの「Norah Jones」
(SACD/CDハイブリッド)http://www.emimusic.jp/norahjones/discography/より
1.Don't Know Why

ピアノの鍵盤の上を指がコロコロと弾んで転がる様子が手に取るように分かる。
どうもボーカルより楽器の方の変化が大きいようだ。微妙なニュアンスがハッキリ
判断できる。他の曲ではベースやドラムの低音が表情を持ってより一層沈み込む。

結論:我が家ではCardas Myrtlewood Blockの効果はボーカルより楽器にありとな
りました。
そしてPADのプラズマシールドの前では効果が薄いという結果になりました。

とここで川又さんに送信したところでレポートは終わるはずでした。
すると・・・

川又さんからすぐに返信が・・・

「TT様いつもお世話になります。
 レポートありがとうございました。
 あの〜、電源ケーブルでトライしてみていただけますか?
 よろしくお願い致します。」

まぁ、コンポのほとんどがラックに載せているため、宙ぶらりんの電源ケーブルが
多く床と接している本数も少ない。

お安い御用だし、あまり期待もせずにBlockの配置換えをする。
イマエンジャ2本を1つのBlockに載せ、主にTRANSPARENT PLMMの中央部にある
ネットワークの両側をBlock2個で支えるようにし、ケーブルが床に接するところ
は1つのBlockを使用。

まず同じくkirkelig Kulturverksted・Thirty Years'Fidelity より
7. SOM EN STORM-O HELLIG AND,MITT HJERTE / Ole Paus and Oslo Chamber Choir

冒頭の混成合唱の出だしでスピーカーの両翼にコーラスがさーっと羽根を広げたよ
うに展開する。次にギターのカッティングやサックスとベースの音量が少し上がり
エネルギー感が向上しハッキリクッキリと聴こえる。

「ありゃ〜、こっちの方が違いが大きいじゃん!」

とここで夜も遅くなったので実験をひとまず終了し、川又さんに電源ケーブルで
試したところ大きな変化があった事を報告し、追加でCardas Myrtlewood Block
2setの発注のメールをする。すると川又さんからすぐに返信が・・・

「TT様いつもお世話になります。
 追加注文ありがとうございました。
 了解しました。
 先に送りますからレポートにチャレンジしてください。
 よろしくお願い致します。」

えっ?レポートにチャレンジ?もうWordで4枚目ですよ・・・
仕方ない電源ケーブルも対策をして総合的なジャッジをしますか。

2日後8:30には Block2setが届く。

正規に1本ずつプリ−メインアンプ間のイマエンジャとスピーカーケーブルの
シャンゴを支えるようにセッティングする。もちろん電源ケーブルにも全て使用。

予想された事とはいえ、インターケーブル・スピーカーケーブルのみにBlockを
使用した時と電源ケーブルにBlockを使用した時の双方のいいとこ取りとなる。

Norah Jonesの「Norah Jones」(SACD/CDハイブリッド)。
バックの楽器の一音一音が明瞭で元気がいい。
ぐっとベースやドラムが沈み込み、体全体に音の粒子が当たる感じ。
少し音量を上げれば、椅子はちょっとしたボディソニック状態である。
スモーキーなボーカル・・・うまい。あらためて名盤であると感じる。

鬼束ちひろ「シングル・コレクション」より「流星群」を聴く。
彼女の口元がきゅっとしまり、音像が小さくなるがそのまわりに付帯するエコーは
富士山の裾野のように広がる。

では弦楽器ではどうか。
川井郁子「オーロラ」よりロドリーゴ作曲の有名な「レッド・バイオリン」を聴く。
悪名高きコピーコントロールCDであるがこのCDは音質がいい。

冒頭のパイプオルガンを足の裏で振動を感じる。諏訪内晶子のドルフィンは深みの
ある音だが、川井郁子のアントニオ・ストラディヴァリウスは中高音の響きととも
に伸びが素晴らしい。他の曲も尺八・ギター・マリンバ・シンセサイザーと冒険的
なコラボレーションだが各々の個性が主役であるバイオリンの邪魔をしない。

チャーリー・ヘイデン&パット・メセニーの「beyond the Missouri Sky(ミズー
リの空高く)」13曲目「Spiritual」。これも重低音が入っている。

まだTBSのホールでマラソン試聴会が行われていたときに川又さんが演奏に選んだ
曲である。パット・メセニーが3本のギターを持ち替えて録音されている。
各楽器が交わらずそれぞれ個性を持って際立っているの。

川井郁子「オーロラ」もチャーリー・ヘイデン&パット・メセニーの「beyond the
 Missouri Sky」も電源ケーブルにCardas Myrtlewood Blockを使用したのが効いて
いるのではないか?

ハッキリ・クッキリ傾向で決してグチャとはならないのである。
容易に各楽器を聴き分けられ耳が疲れない。

昨日のH.A.L.'s Circle ReviewではCardas Myrtlewood Blockが残り5setとの事で、
本当に加速度的に買い求められたのですね。

日曜日に躊躇しないでよかったと胸をなでおろしています。
"聴け!! Golden ratio!!"の企画は大成功でしたね。
結局私は5set使用しフルに活用しました。

私もCardas Myrtlewood Blockの無いオーディオライフなんて考えられません。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

川又より

T T 様ありがとうございました。いや〜、レポートの催促をしてしまったようで
大変恐縮であり申し訳ございませんでした。しかし、何年も前のマラソン試聴会
での選曲を今でも覚えていて下さり光栄の限りです。長いお付き合いには歴史が
ありますね〜。その歴史に感謝するイベントを近々開催致しますので、ぜひお越し
頂ければと思います。これからもよろしくお願い致します。<m(__)m>


HAL's Monitor Report