
《ESOTERIC “PS-1500”H.A.L.'s Monitor Report》
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No.0326 - 2006/10/19
都内武蔵野市 N O 様より
Vol.2「骨格の構造を充分に理解したデッサンの土台の上に描かれた輪郭のはっきり
した人物画のようです!!」
前号でご紹介したN O 様でしたが、大変うれしいレポートを頂戴致しました!!
モニター製品 ESOTERIC PS-1500+7N-PC9100
川又さんの筆にかなり心を動かされていますが、いずれにしても高額なので試聴
させていただいてからその後の事を検討したいと思います。
PS-1500と7N-PC9100 1本 合計の見積りもお願い致します。
↓↓↓
川又さま
試聴品10/7に届けていただき有難うございました。
川又さんのレポートの通り(あるいはそれ以上)の実力と日に日に凄みを増して
くるシステムに驚いています。
レポートは後日送信させていただきますが、PS-1500と7N-PC9100 一本をできれば
購入したいと考えています。
またボーナス時分割等についてはどういったパターンが利用可能ですか?
以上連絡いただけますよう宜しくお願いします。
↓↓↓
川又さま
7N-PC9100、PS-1500の試聴レポートを送付いたします。
10月7日(土)の朝 武蔵野市に住んでいる私は、いつものように「語らいの小路」と
いわれる道沿いにあるTEAC社の前を通って武蔵野市の体育館のジムに行き2時間程
汗を流し、またTEAC社の前を通って11時半位に家に帰りつきました。
すると玄関先には段ボール箱が2つ届いていました。
一つはダイナミックオーディオから届いた7N-PC9100が2本入っていて、あとの
一箱は先程前を通ってきた同じ町内のTEAC社から送られてきたPS-1500でした。
まずは現行の電源環境を説明しますと、FIM880[壁コンセント]→PSaudio Plus→
Acoustic revive RTP-6 をベースにパワーケーブルはプリ用がS/A Lab HH、パワー
用がWire World ELPVで機器は Accuphaseで DP-70V→C-2400→A-60 からB&W 802
というものです。
ケーブルについても機器についてもアンバランスな面があり、ステップアップの
順序としては、少しづつ増えてきたハイブリッドCDのSACD層を聞くためにSACD
プレーヤーの導入を第一にと考えていました。
7N-PC9100をPSaudioに換えてRTP-6につないでみました。
ジェーン・モンハイトのハニーサックル・ローズ:ベース音がかなりラフな感じな
がら音圧、音像が大きくなって元気な音楽が聞こえてきました。
バーンインに結構時間がかかるとのことと試聴時間も限られた時間なので、早速
RTP-6をPS-1500に換えてあと一本の7N-PC9100をPS-1500とC2400に接続しました。
朝電源を入れると安定するまでに1時間程度かかることが多く、その様子はDP-70V
の表示のLEDがか弱く強弱をつけて点灯し1時間位たってからようやく安定すること
から明らかでした。
PS-1500をつないだ最初の変化は、DP-70VのLEDが元気良く安定した点灯状態になり、
PS-1500につないだ日立のプラズマTVの輝度がアップして色が鮮やかに、緑色の
バリエーションが増えました。
電源をいれたまま3日程たつとサックスやトロンボーン等の管楽器では骨太の音像
にトロミが加わり個々のディテールがより際立った印象になってきました。
骨格の構造を充分に理解したデッサンの土台の上に描かれた輪郭のはっきりした
人物画のようです。
BASTIST・TROTIGNON・TRIO(FLUIDE)バーニーズ・チュ-ン:シンバルのソリッド感が
アップして中心部の厚みが感じられ、回りに向かって薄くなってゆく円盤が共振し
ながら空気を振るわせて響きそして徐々に消えゆく様子が鮮やかに。
ピアノも打楽器の仲間であることを主張するように一音一音の骨格が太くなり、
指先の強さ加減とスピード感と個々の音のブレンドによって感情を表現している
引き手の存在感が際立っています。
このシンバルを聞いてマイルスのSO WHAT(KIND OF BLUE)を聞きたくなりました。
イントロの途中から入って来るシンバルが以前のジャーーーーンという感じから
ズジヤャーーー-ーンゥという感じで敲かれる前の間を感じ、残響時間が長くなり
ダイナミクスが増しています。
何を聴いても残響や余韻が鮮明になってきたことでスピードが遅くなったかの
ようなゆとりを感じます。
イタリア合奏団(バロック名曲集)の弦楽合奏では、同種の楽器の溶け合ったブレ
ンド音を聞いていた印象から、定位や個々の音像がはっきりとしてきたことで
人の数がはっきりしてバイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスという楽器の
違いと更には個々の人の個性が合奏しているといったディテールが極まっています。
ブーレーズ指揮ラベルのマメール・ロア:ブーレーズのラベルものは、録音レベル
が多少低いせいもあるのか、弱音部が多くて極めて繊細な演奏でラベル独自の微妙
なカラーレーションを聴き取る為に耳に意識を集中させる忍耐力を求められる感が
ありました。
全体のノイズレベルが下がり、個々のディテールがはっきりして情報量が格段に
増えたために、こんなに変化に富んだ演奏だったのかとまるで違うディスクを聞い
ている様な印象でした。
フィリッバ・ジョルダーノ:驚異的な高音と透明感のある声、変化に富んだアレ
ンジでオペラのアリア中心といってもかなりダイナミックなディスクですが、
ブーレーズとは対照的にダイナミクスの大幅な増大がここまでやるの!
といった感じもしていつもより2〜30%ボリュームを下げて聴きました。
ラデク・パボラーク{ベルリンフィルのホルン奏者} J.S.バッハ コラールBWV.645
ホルンとオルガンのみのディスクでホールでの間接音も含めて大変美しい音が
収録されていますが、一段と抜けが良く響きわたる印象です。私自身もホルンを
吹いていた時期があるのですが、ある程度練習を重ねた後に抜けの良い生き生き
した音を出せるようになるのはどういう変化なのだろうかと思っていました。
この演奏を聞いていて、全ての音階で、使っている管全体を隅々まで無駄なく
響かせ歪みや雑音の少ない音がストレートに出てきているんだろうなあという
思いがしました。
また50年代のジャルボーカルを聞く楽しみもよみがえってきました。
モニカ・ルイス、スー・レイニー、リー・ワイリー声の鮮度、質感があがりさらに
魅力が増してバックのストリングスとのセパレーションも良くステージの奥行き感
が出てきました。
結果SACDを聞ける日は先延ばしとなりました。
電源部の変更が個々の機器にどの程度の影響を与えているのかの比較試聴はしてい
ませんが、トータルでこれだけのボトムアップを図れるという結果は恐るべし。
DP70Vにももう少し頑張ってもらいます。
20枚前後のSACDよりも全てのソフトをまた新しい鮮度でで楽しむことができるので
すから。
ほとんど7N-PC9100とPS-1500のセットで試聴した為、今後恐れているのは予算の都
合であきらめたC-2400の7N-PC9100がどんなに影響を与えていたかを知ることです。
あっ! やっぱり・・・・・・・
ちょっと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
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川又より
N O 様ありがとうございました。私よりも文章表現がお上手なレポートを頂戴し
大変うれしく思います。そして、N O 様におかれましても過去の投資効果が現在の
コンポーネントで実感されたということで、SACDプレーヤーの導入を延期されたと
いうことでした。しかし、今後はPS-1500と7N-PC9100の電源環境にて導入したい
SACDプレーヤーをハルズモニターで試聴されれば完璧な選択が出来るというもので
すね。そのような土台を築かれたということで大変賢明な判断であったと思います。
本当にありがとうございました。
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