《HAL's Monitor Report》


No.0303 - 2006/5/2

神奈川県横須賀市  T.S 様より

モニター製品:テクニカルブレーン TBC-Zero

川又様 御世話になります。

年末年始にテクニカルブレーンのTBC-Zeroを試聴させていただき
ありがとうございました。
非常に遅筆で申し訳ありませんでした。

試聴した環境は、
CDトランスポート ESOTERIC P0s
UNIVERSALPlayer Luxman DU10
D/Aコンバーター Luxman DU10のDAC部分
プリアンプ テクニカルブレーン TBC-Zero
パワーアンプ Aria WT350XM
スピーカー B&W N802
です。

テクニカルブレーンの黒沢社長がわざわざ自宅まで持ってきてくれました。

接続に関してですが、DU10からTBC-Zero間はバランス接続、TBC-ZeroからWT350XM
間は、バランス接続。

最初にかけた曲は、
上松美香 「mika AGEMATSU」 UCCS-1071
4曲目 「生まれゆく時の中で」

音が出た瞬間、ノイズレベルの低さに驚きました。

また、現在使っているアッテネーターをそのまま何段階もレベルアップしたような
音。このCDのポイントは、音楽が楽しく聞けるかどうか。

このポイントは、楽々クリアー。

ラックの上にただ、ポンと置いた状態でかなり高いレベルの再生。
音の粒立ちが非常に良く、ストレートでリアルな再生。

次に、DU10からTBC-Zero間をバランス接続からアンバランス接続に変更。
音像がシャープになり、立体感が増し、空間的表現がUPした感じになりました。
ただし、音の厚みが無くなり、音楽的な意味合いではやや後退した感じでした。

以後の試聴に関しては、すべてバランス接続で実施しました。

2.Lisa Ekdahl 「Sings Salvadore Poe」74321796812
1曲目 「Daybreak」

このCDは、ボーカルに色気があるかどうか。
このポイントは、クリアーできませんでした。
ボーカルに甘ったるさと言うか、色気が欲しい。
全体をとおして飾らない演奏でした。


3.岡村孝子 「Andantino a tempo」
5曲目 「潮の香りの中で」

今まで、彼女のCDは歌はすばらしいが、音がこもっている印象がありました。
が、TBC-Zeroで聞く彼女の歌は、透き通っており今までの印象が一変しました。
正直、今まで聴いていた彼女の歌声はなんだったんだろう?と言うふうに思って
しまいました。

歌声が開放されどこまでも伸びやかに歌っている感じ。
今まで聴いた彼女の歌では、このTBC-Zeroがベスト。


4.村治佳織 「アランフェス協奏曲」 VIAC-60001

ギターの弦が少し硬い印象。
バイオリンも若干きつめに感じられました。
出てくる音はストレートで力強く、音の粒立ちが良い、そして開放された感じの
音でした。


5.ベートーベン 交響曲第5番「運命」 K30Y 1521

伸び伸びとした演奏で、音に力があります。
楽器の音は、どこまでも気持ちよく伸びていく。
このCDがここまで、伸びやかに演奏するのは初めてのような気がします。
聞いていて楽しかったです。


6.Count Basie And His Orchestra 「April In Paris」 POCJ-2471

ストレートで、録音した年代がそのまま出ているような音。
録音された時期はいつかなと思い、録音された年を確認すると1955年。
なるほど、感じたとおりの年代でした。
管楽器に荒れを感じられました。
このCDに関しては、正直、聞いていて楽しくなかったです。


総括として、入力信号をストレートに出している感じがします。
悪い録音をストレートで出すアンプと、悪い録音もそれなりに綺麗な音で出す
アンプとがありますが、このアンプは、前者の方。
悪い録音は、悪い音で出すタイプですね。

色づけが無く、S/Nが高く、そして音が透明と言う印象がしました。
目の前で演奏しているのがわかります。

高域を担当する楽器に関しては、多少きつめの音がし耳につきます。
女性ボーカルがどこまでも綺麗に伸びる反面、楽器の高音が、きつめに
再生されてしまうのかなと言う感じでした。

低音域に関しては、引き締まって、塊のような感じの音がします。
ソースに入っている録音状態をそのままさらけ出す感じで、古い録音はその時代の
雰囲気そのままで古い音で出てきます。

女性ボーカル再生に関してはすばらしいものがあり、いつまでも聞いていたい感じ
です。ただし、海外のアンプにある独特の色気は皆無。

CDにある情報をストレートに出してくるので女性ボーカルに関し色気を求める人に
は向かないですね。

そうは言っても、女性ボーカル系のCDを聴いている時、「もう、これは買うしかな
いかな・・・」と心の中でつぶやいていました。

返却後、一週間くらい女性ボーカル系はあまりの落差に聴けませんでした。女性
ボーカルに関しては、自分の想定の範囲を超えたすばらしい再生をしてくれました。

最後に、このような機会を与えてくださいまして、川又さん、
テクニカルブレーンの黒沢社長には非常に感謝しております。

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川又より

T.S 様ありがとうございました。四ヶ月前のモニターに対して律儀にレポートを
送って頂き本当にうれしく思います。これからもどうぞよろしくお願い致します。


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