《Kiso Acoustic HB-1 Hearing Report》
No.0520 - 2009/7/27 栃木県足利市 Y.M 様より http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/667.html ←関連記事 異例の三連続開催「響きを作る芸術Kiso Acoustic HB-1の全てを聴く!!」は お陰様で大盛況のうちに終了しました。本当にありがとうございました。 ご来場頂いた皆様に改めてお礼申し上げます。 初めてHB-1を聴いた方、またリピーターとして二回目の参加をして頂いた皆様 など本当に情熱的な方々が集まって下さいました。その熱気が皆様からの投稿 として寄せられてきましたので早速公開させて頂きました。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- Vol.6「そのときは女房を質に入れてでも(?)手に入れます!!」 前回の投稿をご紹介します。 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0511.html HAL川又さま 本日は「HB-1のすべてを聴く!」イベントに参加させて頂き、どうもありがと うございました。 前回Sunday ConcertでHB-1(マホガニー)を聴かせて頂いて以来、この小さな スピーカーのことが頭から離れずにおりましたので、今回の企画も大変楽しみ にしていました。 先に結論を言えば、大いに幸せな時間を過ごさせて頂き、そして大いなる悩み を抱えて帰って参りました。 「どうしてもあの音を手に入れたい!しかし....。」という悩みです。 本当に悪いものを聴いてしまいました。 イベントはまず挨拶代わりに、ビートルズの1曲で幕を開けました。 前回聴いて、そして驚いたあの音です。 このディスクではビートルズの歌声の背景に様々な自然音が収録されているの ですが、PLAYボタンが押された瞬間、HAL.Iの広い部屋の空気が一変し、聴い ている我々が屋外に連れ出されてしまったような感覚に襲われるのです。 単に音場が広いとかいう次元でなく、HB-1は空間の空気感をさっと変えてしまう。 自分はその音楽空間の中に取り込まれ、聴く快感に酔いながら漂っている... そんなマジックを見せてくれます。 やはりすごいスピーカーだ!とここで再確認いたしました。 その後は様々なジャンルの曲をマホガニー(MH)、メイプル(MP)、ハワイアン コア(HC)と順々につなぎ替え、比較試聴するという形で進行しました。 それぞれの感想を述べると...。 1.ジャズピアノ独奏「荒城の月」 MH:やはりHB-1のピアノはいい!とくに中音・低音がきちんと「ピアノの音」 がする。高音はやや金属質だが、それはピアノの特性と強いタッチのせいか。 MP:MHに比べると高音の硬質感が薄れてより楽しめる。むしろ高音はしっかり 出ているが、質感がよく、高音弦の金属が振動する様子が手に取るようにわかる! 響きの収束が他より早く、低音が締まっている。 HC:先ほどより細部は見えてこないが、グランドピアノのスケール感は一番ある? ここではピアノはMPがベスト!と思いました。 2.バイオリン独奏「24のカプリース」 MH:神尾真由子のバイオリンは生でも聴いたことがあるが、彼女の持つ切れ込 みの鋭い表現がよくわかる。弦と弓のこすれあう様がリアル。演奏者の呼吸さ え伝わり、バイオリンの間近で、それこそ演奏者本人が聴いている音はこうい う音なのではないか? と思う。HB-1はバイオリンもいい! MP:MHに比べると弦と弓の擦過音だけでなく、バイオリンの胴の共鳴も加わっ てやわらかさとしなやかさが加わった。 神尾真由子が1.5メートルほど前に立って演奏しているような幻影! バイオリンもMPがベストか?とこの時点では思った。 HC:この音にはビックリした。バイオリンの出す直接音、それがホールに反射 してマイクに帰ってくる音。その2つが美しくブレンドして、爽やかな高原で 神尾がバイオリンを弾いているような空気感の演出がすばらしい! 細部がどうでも良くなる音で、演奏のディテールはよく憶えていない。 自分としてはHB-1のマジックを最も感じられたHCがベスト。 しかしMPの音が最も正確かつ、解像度が高いのかも。 3.チェンバロ独奏「ゴールドベルグ変奏曲」 MH:ふわっとした空気感に包まれる中、演奏がはじまる。 爪で弦を弾く、というチェンバロの発音機構が一番よくわかり、右手と左手の 掛け合い、演奏の妙味がすばらしい。 MP:MHにくらべると右手の「弦を弾く感じ」は薄れ、演奏もやや平坦・冷静に 聞こえる? HC:MHとMPの中間のような音。両手のバランスが一番良い? ここではチェンバロらしさを演出し、部屋をサロンに変えたMHがよいと思いました。 4.女性ボーカル「五木の子守歌〜サマータイム」 MH:ここでも一瞬にして木質の、暖かい空気に部屋が包まれる。 ティファニーの声は包容力にあふれ、母の体内に抱かれるよう。 「口が大きい」といえばそうかも知れないが、気にならない。 途中からバックの演奏がはじまるとナイトクラブの少しけだるい、重みを帯び た空気感が部屋を満たす。ベースの音ももっとも「ジャズっぽい」。 シンバルの音も清冽! MP:MHとはまったく違う涼しげな空気感に驚く。 ティファニーの音像はきゅっとしまり、そこに立っているかのよう。歌い手が 駆使する細やかなテクニックがとてもよくわかる。MHと比べると大分声が若い。 「目の前に演奏者が見える」という幻影は一番。ただベースがすこし物足りない。 HC:やはりMHとMPの中間の印象。ボーカルは音像がしまりながらも適度な肉付 きがあり、ティファニーのジャケット写真からうける印象に近い。 音のブレンド感もよい。 ここでは「ジャズっぽさ」と言う点でMHが一番気持ちよかった。 5.男性ボーカル「put your hands on my shoulder」 このディスクは初めて聴きました(即注文しました)。マイケル・ブーブレと いう歌手も知らなかったので、その姿を想像しながら聴くことになりました。 MH:シナトラのような暖かく、うっとりするような歌声! 空気もふわりと暖かく、たゆたうような気持ちよさ。HB-1のよさはやはりこれ だなあーと思う。ただベースの音がちょっと張り出し気味というか尾をひくよ うな感じがあって少し気になる。 MP:先ほどと同様、歌い手がずっと若やぎ、音像がぎゅっと締まる。想像した のはスーツをきたクールな二枚目。歌い手のテクニックの描出はやはり一番 あって、モニター的(?)な印象。 ベースもしまっていてよい。 HC:歌がはじまってすぐ、その声のエロチックさにびっくり!若い二枚目が ホストになったよう!?こんな声で耳元でささやかれたら、女性はたまらない だろうなあ...。バックの演奏とのブレンド感も最高で、いい意味でよく演出 された感じでした。 ここでは文句なしにHCが最高でした。後からジャケットを見せてもらいました が、ブーブレは「若い二枚目」でした。 6.オーケストラ「マーラー巨人 第二楽章」 MH:やはり素晴らしい音場の広がり。頬が上気し、わくわくするような華やぎ のあるオーケストラ。管楽器やトライアングルの音もキラキラと輝いて極彩色。 オーケストラの一体感とリズムの良さも最高でした。ただ向かって左奥から 鳴るトランペットの音だけは違和感があった。バイオリンの音は弓が弦をこす る感じがよくわかる。 MP:音空間はやはり少しだけ涼しげだが広大。何よりもバイオリンの音は一番 なめらかでした。各楽器の定位と分離がもっともよいので、スコアが見えるよ うです。その分オーケストラ全体の一体感はすこし薄く感じました。 トランペットの違和感も全くなし。 HC:またまた両者の中間という感じ。MHに比べるとずっと落ち着いて堂々とし た音、MPに比べると分析的過ぎずに適度なブレンド感がある。 華やぎのMH、冷静のMP、練熟のHCという三者三様のオーケストラでしたが、 自分の好みは断然HCでした。 7.オーケストラ「春の祭典」 MH:ここでも印象的なのはきらめきを帯びた管楽器の掛け合いでした。音が乱 舞し、極彩色の印象。迫力という点ではそれなりでしたが、それでもこんなに 小型のスピーカーでこの曲が楽しんで聴けるのは驚異的でした。 MP:やはり解像度・低音の締まりはこれが一番?この曲のもつ始原的な荒々し さは少し丸まった印象でした。 HC:全体に重厚感が出てきて驚きました。グランカッサやティンパニの音は最 も重みと迫力があり、やはりオーケストラはHCが一番! ここでもHCがもっとも気に入りました。 この全7曲で(忘れていた曲があったらすいません)、試聴会は終了しましたが、 終わる頃にはもう強烈にハワイアンコアのHB-1が欲しくなってしまいました。 先週まではマホガニーのHB-1があればもう何もいらないのでは、と考えていた のですが、全く変わってしまいました。 正直ブーブレ惑わされたといってもいい..。 悩みはHCが最も高価だということ。いろいろと物いりな時期なので、やはり 家族の了承は得られませんでした...。 しかしいつかはHB-1を手に入れたいという気持ちは変わりません! 聞けばハワイアンコアのフロントバッフルの仕上げ材は在庫限りということ、 あの美しい仕上げにも魅了されているので、もし生産が終了してしまうようなら... そのときは女房を質に入れてでも(?)手に入れます!...ので、よろしく お願いいたします。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 川又より Y.M 様ありがとうございました。最後の一言…「女房を質に入れてでも」は ぐっときましたね〜(笑)奥様に知れたら怒られてしまいますよ〜(^^ゞ さて、このように限定生産のHawaiian Koa & Goldener Madronaなのですが、 本日Kiso Acoustic 代表の原様と電話で打ち合わせたところによりますと、 なんとあと数セットしか作れそうにないということだったのです。 と、言いますのは原様の読みとは違って(^^ゞ私が既に6セットもオーダーして しまっているので、こんなに売れるとは思っていなかったということなのです。 直ちにGoldener Madronaの材木のストックを調べ、あと何セット作れるかを 調査してくれるということになりましたが、もしかするとあと5セット出来るか どうかという可能性があります。詳細情報がわかったら直ちに配信致します。 本日も1セットのご注文を頂き、更にもうちょっとで決定という予定のお客様 もありまして、このH&Gは月産1セットのために来年の二月生産分まで注文が 入っており、検討中の皆様の分を見込みとしてカウントすると更に少なくなり そうです。 詳細情報がわかったらハルズサークルには直ちに配信致します。 先ずハルズサークルにご入会下さい。 でも、決して奥様を質に入れないで下さいね〜(^^ゞ |