《HAL's Hearing Report》


No.0261 - 2006/1/5

神奈川県藤沢市  K.S 様より

Vol.53「思わず拍手してしまいました!!」

川又様

藤沢市のK.Sです。

12/23のエフコンに厚かましく2週連続で参加させて頂きありがとうございました。

以下拙い感想です。

エフコン当日は、天皇誕生日ながら小生は出勤日だったため、通常の金曜日通の
夕刻通りの感覚で参加。

前日に大雪の中部地方に出張して体が冷えたせいか胃痛をおこし、どうなることか
思っておりましたが、幸い良い音楽、良い音の御利益か、エフコンの最中だけは
痛みも忘れておりました。

先週はエソテリックのCD Player揃い踏み比較試聴という、コンサートというより
は空前絶後の実験的なイベントでしたが(大変おもしろく刺激的でしたが)、日頃
B&Wを使っている身としては、端正でまじめな音と思っているB&Wに対するソナスの
音というのが気になっておりました。

これは絶好の機会だということで、2週連続での参加となってしまいました。

結果として、ソナスファベールの最新のスピーカーの奏でる豊かな”音楽”を堪能
させて頂く素晴らしい機会となりました。

今回は比較試聴ではなくて、存分に音楽を聴くイベントということで、製品の細か
い技術説明は最小限にとどめ(まだ新製品自体の情報も少ないようですが)、音楽
を聴くことに重きを置いたエフコンでした。

川又さんもソナスは各論で聴くSPでは無いとおっしゃっていました。

試聴は、MementoとAnniversarioを交互に、それそれ基本的に別の曲で行うという
スタイルで、かつ珍しくもアナログソース(すべて川又さんのコレクション)が
主体で進行。

アナログのラインナップはPlayerがAVID ACUTASでアームがグラハム・エンジニア
リングのアーム(Phantom) +カートリッジがライラのタイタンという豪華な組み
合わせ。Phonoはブルメスターの808Mk5Preを使っていらっしゃったようです。

まず、このアナログの音に驚きました。

小生は通常SME3012R+SPU-GEやEMT XSD-15にマッキンのC29とういう古い組み合わ
せでしかアナログを聴いておりませんので、それとは一線を画す近代的なワイド
レンジ、HighSpeedでかつ厚い音はとても新鮮でした。

CDとはまた違った音ですが、最高のCDに匹敵するすばらしさ。
認識を新たにしました。

メモをとっておりませんでしたので、当夜かかったLPはうろ覚えですが、

ドナルド・フェイゲン:Memento
リンダ・ロンシュタット(Waht's Newから):Anniversario
グリミュオーのバッハ・ヴァイオリン協奏曲:これだけはMemento対Anniversario
比較

鈴木勲のTBM盤:BlueCity(懐かしい):Anniversario
チェットベイカー&デュークジョーダン ”No Problem”:Memento
ホルストの惑星 ショルティ指揮シカゴ響/メータ指揮 ロサンゼルス・フィル
ケニードリュー 月の砂漠 :Anniversarioで
サラボーン(オスカーピーターソン、レイブラウン、ジョーパス競演盤)から
ドラムスとのDuo:Mementoで

チャック・マンジョーネ(幻のサントラ(映画は作られず音楽だけが世に出たとの
こと):最後にMemento?>Anniversarioで

LPに気を取られてCDは余り覚えていませんが

マイケル・ブーブレ:ポールアンカのカバー曲 :Anniversario
メゾ・ソプラノ バッハの声楽:Memento
モーツアルト 40番:Anniversario
ラフマニノフ ピアノ協奏曲2番:Memento
・・・・だったか?

後から思い出してみると、約2時間でこんなに一杯聴いたんですね。

さて、本題のMemento、Anniversarioですが、

Guarneri Memento

(16cmウーハー+ツィーターの本体+立派なスタンド)まだ前夜に(!)
着いたばかりでエージング不足とはいいながら、聴いているうちにどんどん良く
なっていったようです。

まずはじめがドナルド・フェイゲンということでいきなりの変化球。

当然Classicの弦で始まるものと思っていましたが、予想外の選択。

ちょっとまだ高域が硬いのかなあという感じが残りますが、このようなパンチの
必要な音楽も十分に良く鳴ることが分かりました。

大きさの割には低域もしっかり出るし、バランスも良さそう。

肝心の弦は同じヴァイオリンの曲で比較すると、大きい方のAnniversarioよりも
音の出方がタイトで、 少し分析的に、求心的に聴くように求められる所があるよ
うに感じました。

私は、Mementoのときは常に椅子から少し前に体を乗り出して聴いてしまいました。

フルオーケストラの雄大な響きを求めるのは酷でしょうし、そちらはAnniversario
に任せるとして、弦楽四重奏など求心的に聴くには最適ではないでしょうか。

また、チェットベイカーのtpのようなJazzソースも思いの外相性がよく、引き込ま
れました。

更に、驚いたのはサラボーンのVocalとドラムスとのDuo(わざと意地悪Softをかけ
たみたそうですが)、大きさからは想像ができない鳴りのよさ。

思わず拍手してしまいました。

勿論、大きさからして豊かな重低音が出るわけでは有りませんが、これ自体で非常
にバランスがとれているし、川又さんもスーパーウーハーなんかつけるのは無意味
で、そういう低音が欲しい人は、そもそもこれを選んじゃいけないとおっしゃって
ましたが、納得です。

小生の知っている範囲では、本体の大きさが同じぐらいのB&WのS805だと、非常に
精密な感じで鳴りますが、Mementoは(Anniversarioよりはそのような部分も少し
あるのですが)S805よりはずうっと開放的に、音楽的に鳴る感じがします。

マジコMiniとかYGアコースティックのAnatReferenceとか同じくらいの大きさの
(より高価な)SPと比較するとどうなのか興味が有る所です。

Amati Anniversario

これはフロア型ですが、超大型という感じでは有りません、事実スタンドこみの
Mementoより背は低い様です。

ツイーターはMementoと同じらしいとのことでした。
こちらは、鳴りっぷりのよさはMemento以上、更に、大きさから当然ですが、より
豊かな低域が加わりスケールの大きな再生が可能です。

弦の音はよりこってりと豊かで更なる美音というか、魅力的な音。

但し、Mementoとはかなり性格も違うようで、緊張感を強いる所は無く(Memento
よりエージングができていたことも有るのでしょうが)あまり分析的に鳴る感じで
はありません。

勿論、ただ甘い音ではなくて、現代SPらしく出すべき音はすべて出していますが、
あまりにリラックスしておりまして、ひたすらSP自体が甘美な音楽を奏でるという
Type。

当然、前に身を乗り出してとうより、ソファに深々と腰かけてゆったり聴く感じに
なります。弦やオーケストラは勿論、リンダロンシュタットもマイケル・ブーブレ
のVocalも絶品。

BackのBigBandも気持ちよくびしっと鳴ります。JBLなんかだとBackが少しうるさく
感じられることがありますが、これはそういうところが有りません。

しかしB&Wとは違うSPですねえ。

B&Wだとどうしても、ちょっと分析的に、たとえば1cmの定位にこだわって聴いてし
まう所が有りますけど、ソナスの場合SPの音自体が魅力的でそんなことはあまり気
にならなくなります。

もちろん、SS誌に出ておりましたが、ソナスの各SPの測定値は実は1,2を争う
ぐらい優秀なものでしたから、分析的に聴こうと思えば聴けるのでしょうが、
それ以上に音楽を楽しく聴かせるSPですね。

小生ももう少し年をとったら、これが欲しいと思います。
仕上げはMemento同様美しいの一言です。

Stradivari Homage

今回はちょっとだけ聴かせて頂きました。各所で何回か聴いておりますが、いつ
聴いても音の”濃い”SPですね。
これをもてる方は幸せです....

ソナスの音を集中的に聴いたのは初めてといっても良いのですが、期待通り(期待
以上?)の音でした。

Stradivari Homageはともかく、個人的にはMementoが気に入りました。

音楽を聴くためのSP、音楽を奏でるSPという事前のソナスのイメージは崩れません
でしたが、Mementoはそれだけでなく、音楽に対峙すべきSPのように思えました。

余り広くない部屋でも鳴らせそうだし、アンプを余り選ばないのでは無いかという
気もします。

値段も高価ですが他よりは手頃感があります。
もちろん、あの素晴らしい形と色のSPを置くには部屋をの方もそれなりに整えて
あげないと可哀想ですが。

素晴らしい機会を頂いた、川又さんに改めて感謝いたします。

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川又より

K.S 様お礼を申し上げるのは私の方でございます。熱心なご応募を頂き本当に
ありがとうございました。毎回多数の人数で試聴して頂くという状況から、すべて
の皆様にベストポジションでの確認はして頂けないのがイベントの弱点ですが、
逆に二時間をかけて私が用意した選曲をゆっくり楽しんで頂けるというのは通常の
営業スタイルでは出来ないものです。皆、懐かしいレコードばかりですが、時間が
あればまだまだ演奏を続けたいという心境でした。(^^ゞ

きっちりと比較試聴する企画とじっくりと音楽を楽しむ内容と両方あって良いと
思います。来年の“エフコン”にもどうぞご期待下さい!!


HAL's Hearing Report