1989
昭和天皇が崩御 「平成」に改元 手塚治虫死去 美空ひばり死去 リクルート事件 連続幼女誘拐殺人事件宮崎勤逮捕
ソ連アフガニスタンから撤退 カラヤン死去 ベルリンの壁崩壊 チャウシェスク政権崩壊
35
Elvis Costello
Spike
コステロは78年のジ・アトラクションズとの初来日の時、たまたま滞在していた福岡市で見た時の印象が強くて、その時の演奏というのがとにかく「音がでかい!」というものでした。
福岡の「大博多ホール」だったと思いますが、キャパが多分500人くらいの小さいホールで爆音だったものですから、私などはデビューアルバムの印象も吹っ飛びタイトでビートの効いた演奏が強く印象に残りました。
ちなみに、その時のオープニング・アクトは鮎川誠のシーナ&ロケッツの初お目見えだったと思います。
鮎川誠のコステロ風ファッションとラフだけど最高に格好いいギターが、これまた印象的でした。
で、コステロに関してはその時のインパクトが強くて、その後のアルバムは少しずつ違う方に行っているみたいでだんだん聴かなくなっていたのですが、この"Spike"の前のアルバム"King of America"で激渋のアメリカン・ルーツ指向を聴いてつじつまが合ったと言うか「ほぉ〜」と思ってたりしたところ、メジャーのワーナーからこの"Spike"が登場、改めて惚れなおしたというところです。
ポール・マッカートニーとの共作が2曲あるとか、そのポールがベースを弾いているとか、ダーティ・ダズン・バンドとアラン・トゥーサンも参加しているとかそれなりに話題もあり、「返り咲いた」コステロという受け止め方もされていたと思います。
内容としては「ごった煮」と言えなくもないのですが、曲の水準が高いのとコステロの独特のエモーショナルな声と歌い方で、デビュー・アルバムやジ・アトラクションズとの一連のアルバムではもう一つ掴みきれなかったコステロの個性と音楽に対する造詣が凝縮されたアルバムとも言えます。
(08.5.08)

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