《H.A.L.'s 訪問記》
No.0028 - 2010/6/27 東京都練馬区 T.S 様-H.A.L.'s 訪問記 Vol.28「国内唯一のBlue NEOが奏でるBaroque Violinのしらべ!!」 ■ Customer's history ■ T.S 様がハルズサークルに入会されたのは平成15年11月16日のことでした。 昨年よりSound checkのご依頼を頂戴していながら、お忙しい日々を送られて いるT.S 様より「お世話になっております。何かと忙しくしておりまして、 サウンドチェックをお受けできないままでしたが、来週の月曜日は代休日と なり、一日フリーとなりました。この日であれば、いつでも、ご訪問をお受け できますので、よろしくお願致します。また、家に誰もおりませんので、おも てなしなどできませんが、悪しからず。急なお願いで申し訳けありません。」 西武新宿線で向かった練馬区の閑静な住宅地、お出迎えを辞退させて頂き駅から 街並みを眺めながら地図を頼りに表札を確認してインターホンのボタンを押す。 堅苦しい挨拶は抜きでインターホンから「お待ちしてました!!」との声が…。 七年以上のお付き合いでハルズパーティーにもご参加頂き、数々の試聴会にも お越し頂いている。更に私と同年代ということで気さくなお付き合いをさせて 頂いてきました。 この地域でも大きな敷地と思える奥行きのあるお住まい。T.S 様自ら淹れて 下さったコーヒーとケーキなどをご馳走になりながら、しばし世間話の花が咲く。 それだけ長いお付き合いだとT.S 様の音楽の趣味も当然心得ているもので、 T.S 様はクラシック音楽の中でも古楽器の演奏と録音を中心に楽しまれる方。 ちょっとのぞかせて頂いた書斎の書架には物理学の蔵書が沢山ありました。 そのT.S 様がハルズサークルに入会された平成15年に何かが起こっていました。 やがてはご自身のブログを制作したら公開しようと考えておられたという随筆 の原稿を頂戴したのです。 学生の頃に古楽器の生演奏に感動され、それ以来古楽器の再生に心血を注いで きたというこだわりのオーディオ歴がありました。頂いた随筆を何度も拝読し、 それを引用させて頂く事でT.S 様の音楽史を紐解いていきたいと思います。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- T.S 様著 「古楽器演奏の再生について」 通常のオーディオ装置でこの範疇に属する楽器の演奏を再生するにあたって、 私は重要なことが三点あると考えている。 第一点は「響き」であり、第二点は「音量」そして第三点は「音の質」である。 第一点の問題は、古楽器がどのようなところで演奏されることを想定している かという問題と同義である。つまり、古楽器であるバロック・バイオリンは 反響が少ない空間で聴いた場合、楽器そのものの響きは高域に偏り、しかも 倍音成分がのるので「キーン」という音になってしまう。 実に陳腐な響きなのである。そこに、音の響く空間が手助けをすると、得も 言われぬ良い響きとなって我々の耳を楽しませてくれるのである。 特に、このBaroque Violinは特徴的で、この種の録音は必ずという程豊かな 残響特性をもつ「教会」「宮殿」などが利用されている。今は懐かしいドイツ TELDECのDAS ALTE WERKシリーズでは、特に良い残響特性を誇る場所を録音会 場として設定していたようである。 ■DAS ALTE WERKシリーズのジャケット http://www.dynamicaudio.jp/file/100608/IMG_3588.JPG ライナーノーツで確認してみると、オランダのハーレムにあるルーテル教会、 同国のドープスへヅィンデ教会が非常に多く利用されており、後にはSEON レーベル、SONYのVIVARTEシリーズにおいても多用されている。 また、これらの「響き」を生かした録音は楽器、音響空間の理解に卓越した 能力を持つプロデューサーのみが為し得る技である。ここに、一貫してこれら の録音に関わっているプロデューサーであり、唯一古楽器の理想的な録音を 知り尽くした人物がいる。 その人はWOLF ERICSONである。彼の手になる録音では、実に巧みに空間表現 が記録されており、清々しい程までに古楽器の余韻が消え入る様子が聞き取れ るのである。 これは、レコード、CDの別なく共通して聴き取ることができるのが特徴である。 また、彼を支えた録音技師にエッダ ファクラム女史がいる。 バロック・オーボエ奏者として参加した本間 正史氏は日本ポリドールの機関 誌「GRC」にて「奏者自身も気がつかない程度のディヌミエンド時の楽器の雑 音」に敏感に反応する彼女の耳の良さに驚嘆している。 エリクソン氏が録音のモニターとしてどのようなスピーカーを用いていたかを 知る術はないが、響きの表現のチェックに際しては、余程繊細な表現が可能な スピーカーではないだろうかと推測される。 私が、大学生の頃熱中していたことは、このバロックの「響き」の再現を試み ることであった。そして、今も記憶の片隅に残る響きの良い演奏がある。 まさに、声がホール上部に消え入るときの様子から、この演奏がどのようなと ころで行われているかを想像させるリアルさをもっていた。 確か、ディビット・マンロウ指揮によるロンドン古楽コンソートの「Monteverdi`s Contenporaries」(モンテベルディと同時代の作品)であると思われる。 ■ディビット・マンロウのシコードジャケット http://www.dynamicaudio.jp/file/100608/IMG_3597.JPG もうひとつ、ニコラウス・アーノンクールが自らベスト録音のひとつであると 称している「ヴィヴァルディの四季」では、独奏バイオリンがどこに位置して いるかを、はっきりと感知できた。 このように立体的に拡がる音場をありありと再生できること自体が、当時の私 の貧弱な再生装置からすると驚きであった。更に、このアルバムではアリス・ アーノンクールの弾くBaroque Violinは高音部に独特の「艶」がのっていてと りわけ素晴らしい。 そして、アーノンクールの独特のテンポ感と強弱に圧倒される演奏をみごとに 再生できたのである。 以上のことから分かることは「響き」の再現において「再生周波数レンジ」 「出力W数」が必ずしも重要な因子ではないということが言える。 当時のスピーカーはダイヤトーンのP610、アンプはわずか3Wの出力しかない。 しかし、聴感上の迫力不足や表現の脆弱さ等、実用上の問題はまったく感じら れなかった。「空間表現」の本質は、この「響き」の再現なのである。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 第二点は音量の問題である。かつて、SEONレーベルがポリドール・ジャパンの 肝いりで日本に紹介された。遠い昔のことではあるが、私はしっかりと記憶し ている。今は亡き佐々木節夫氏の熱心なラブコールに応えて来日したフランス ・ブリュッヘンは、自らの録音作品の紹介をルーテル市ケ谷センターで実施した。 このとき、使用されたスピーカーは、QUADのESL57を縦にダブルスタックした ものであった。そして、その素晴らしい音は、この後の私のオーディオ生活を 決定するものとなった。 もうひとつ、驚嘆したことは再生音量である。その音量は、予想もしない大き な音量であった。来場したファンからは、古楽を聴くための最適の音量としては、 大きすぎるのではないかという指摘があったが、主催者側からは「我々はこの 会を始める前にリハーサルを実施し音量チェックも行いました。これこそが ブリュッヘンが理想とする音量です。演奏者と聴衆とでは違うのでしょう。」 という回答がアナウンスされたのであった。 もちろん、ブリュッヘンは古楽器に精通した演奏家であり、その古楽器が秘め た魅力を自らの演奏活動を通じて聴衆に提示してきた人物である。 従って、そのときの気分で「音量」を設定したのではないことは明白である。 この時から、私は「響き」の理想的な再現に際しては「音量」の要素を疎かに は出来ないということを実感したのである。 これ以後、私は意識的にアンプのボリュームを高めに設定して、古楽器演奏を 聴くようになった。このことを通して、これまで自分は古楽器の「音質」のみ を楽しんでいたのだということを自分なりに理解した。 また「音量」を大きくすることで、音が飛ぶ方向を知ることが出来るようになった。 また、彼ブリュッヘンの膨大なアルバムをひもとくと次第に分かってくるのだが、 彼による録音に共通して聴き取れるのは、一種の「明晰さ」であり「カチッと したフレーズ感」「強弱」である。 この一方で、彼は「吹き落とし」や「強い吹き込み」による高音部での響きの 割れには無頓着とも受け取れる。とにかく彼の演奏は、感覚的には「はっきり」 「大きく」という表現になるだろう。 若き頃の彼の録音大半を占めているのは、ドイツTELDECレーベルのDAS ALTE WERKシリーズである。このシリーズは有名なARHIEVシリーズを意識しての スタートであったが、決定的に違ったのは、DAS ALTE WERKで用いられた楽器が、 スタート時を除いて「古楽器」だったことである。 「古楽器」はもともとの音量が小さいことから、その録音に際してはバック グラウンドノイズを極力抑え、ミキシングによる録音の質の低下を避けると ともに「楽器の響き」を理想的に採るために、ワンポイント録音が多用されている。 この「良い録音の魅力」を余すことなくユーザーに届けようと、高いカッティ ングレベルでレコードが作られていた。 このことの証しとして、DAS ALTE WERKの銘とともに、「ROYAL SOUND STEREO」 とレーベルに刻印されていた。 確かに当時所持していたプリアンプのボリュームを10時付近に固定し、DAS ALTE WERK以外のレーベルと比較すると、明らかにDAS ALTE WERKで聴かれるブリュッヘン の笛の方が大きく聴こえていた。同時に、「笛の響き方」の魅力にもとりつか れていった。 やがて、DAS ALTE WERKはBACHのカンタータ全集の録音を開始する。 当時、BACHの声楽曲といえば、マタイ受難曲、ヨハネ受難曲、ロ短調ミサ曲など の超有名曲を現代楽器、現代歌唱法で聞けるのが関の山であった。 しかし、その表現は絶大、ドラマティークなもので本来、これらの曲が響いて いたであろう空間の意識をまったく感じさせないものであった。 これとは、まったくの対極にあったのが、アーノンクール率いるウィーン ・コンチェストス ムジクスやグスタフ レオンハルト率いるレオンハルト コンソートの演奏である。 ■グスタフ・レオンハルトが弾くバッハのチェンバロコンチェルト http://www.dynamicaudio.jp/file/100608/IMG_3593.JPG 器楽奏法、歌唱法も含めていままで聞いたことがない「響き」と「表現」の 世界があった。この録音も、実に巧みに空間表現と古楽器の響きをおさめていた。 特に、Vol.3のBWV4の中で聞くことができるのは、若きシギスバルト・カユケン のバロックバイオリンとク・エビンゲのバロック オーボエがユニゾンで奏で る美しいアリアである。 両楽器のソノリティーが揃っているために、まことに魅力的に響いてくる。 更に、この頃の私なりの発見としては「バランス感覚」が挙げられる。 楽器間のバランスはもとより、器楽パートと声楽パートとの間のバランスに ついても深く考えさせられた。特に、独唱者がどこで歌っているのか、合唱陣 と器楽群の響き分けが、曲の表現に大きく関わっていることを知らされたのも、 この一連のカンタータシリーズの録音であった。 さて、このカンタータの録音進行とともに、前述のエリクソンは別のレコード レーベルを立ち上げる。 その名が「スタジオ エリクソン」つまり「SEON」である。 録音の基本理念はDAS ALTE WERKを踏襲しつつも、さらに魅力的な録音を手掛 けていくことになる。 この頃、私が熱中していたアルバムは、バルトルド・カユケンが演奏するトラ ヴェルソであった。数ある彼のアルバムの中でも特に記憶に残っているのが、 F・クープランの王宮のコンセール集である。 SEONレーベルの初期の頃の録音であるが、フラウトトラヴェルソをはじめと して、バロックオーボエ、ヴィオラ ダ ガンバ等々の魅力たっぷりの響きが 収められていた。 DAS ALTE WERKでは水平レベルの響きの広がりをよく感じ取ることができたが、 SEONになってからはバーティカルな響きをも感じ取らせる録音になってきた ように思う。 この間、幾多の名録音を残しつつ、次世代のレーベルSONYのVIVARTEへとその 思想は引き継がれていった。 他方、このエリクソン以外にも響きの表現伝道者として、卓越した手腕を発揮 してきたレーベルがある。それは、フランス ハルモニア ムンディである。 現在でも、時折健在振りを知ることができるが、ルネ・クレマンシックの リコーダー録音である。印象的であったのは、flute a bec luth & guitar (HM427)である。 ■flute a bec luth & guitar(HM427)ルネクレメンシックのレコードジャケット http://www.dynamicaudio.jp/file/100608/IMG_3595.JPG 余程マイクセッティングがよかったのか、もうかれこれ40年以上も以前の録音 とは思えない新鮮さを今でも感じることが出来る。 更に忘れてならないのは、ウィリアム クリスティ率いるレ ザール フロリサン のフランスバロックの声楽曲の録音である。 これらの録音は、声楽陣の充実とともにSEON以上の空間表現をみせている。 やがて、時代の趨勢とともにフランス ハルモニア ムンディレーベルもディジ タル録音を始めるが、このときこのレーベルが自社の録音用に開発したAD、 DAコンバーターは、その出来の良さのために他の録音会社も購入したとの ことである。 更に、続出する古楽録音レーベルは、演奏家の特徴と演奏法の進化を的確に 捉えつつ現在に至っている。 特に印象的なレーベルを挙げるとすれば、オワゾリールのアカデミーエンシェ ントミュージックによるモーツァルト交響曲全集がある。 かつて、SEONで魅力的な演奏をしていたヤープ・シュレーダーがコンサート マスターを勤め、かつてない新鮮な響きを実現させている。 SEONと同時期に発足した「アストレ」レーベルを忘れてはならない。 すでにスペインのイスパボックス レーベルでも超人的なヴィオラ ダ ガンバ 演奏を繰り広げていたのが、ホルディ サバールである。 彼らのマレやサントコロンブのフランスものの演奏は好演奏・高音質録音の 記念碑的意味を持つすばらしいものであった。さらに、レコードジャケットの エスプリ漂う上品な造りは、多少高額な出費をも厭わせない魅力も持ち合わせ ていたのである。 また、スイスのバーゼル スコラカントールルムのハンスマルティン リンデが 主催するREFLEXEシリーズは、機をてらうことのないほのぼのとした演奏が、 また別の意味での魅力になっていた。 このレーベルで聴くことのできる金管の響きがとくに素晴らしい。SEONのブラ ンデンブルクコンチェルトでヴィオラ ダ ガンバ演奏に加わっていたアーデル ハイト グラットが興したレーベルでベルギーの「アクサン」がある。 このレーベルでは、カユケン兄弟が中心となって、SEON、VIVARTEよりも魅力 的な演奏をしている。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 第三点に関する問題は、古楽器の特性上、高倍音を多く含んでいること。 さらに、奏法からみて決定的に違うことは、「ノンヴィブラート奏法」による ことである。 「弦」を擦ることによって「音」の質がはっきりしてくる。 そして、この「擦り音」が放たれる空間の豊かな残響特性と相まって、「音の 輝き」へと変質していく。 よく言われる表現として「いぶし銀」の音へとなるのである。 この魅惑的な音を忠実に再生するにあたっては、非常に神経を使う。 分解能の劣った装置では、この音質は当然表現できない。これは、アンプを 選ぶのみで終始できるものではなく、むしろスピーカーの選択を厳しく迫られ ることになる。いや、スピーカーの選択こそ大きな因子を担っている。 私がかつて推奨したスピーカーシステムは、静電型スピーカーだ。 かつて、ESLの代表格として君臨してきたイギリスのQUAD社のESL63が、まさに、 ぴったりのスピーカーである。 この理由を挙げるとなると、それこそ枚挙に暇はないが、私が実際に使用して きた実感としては、次のことが挙げられるであろう。 1.トランジェント特性の良さ 2.発音原理の単純さから来る、ストレートな音の伝達 3.パネル前後に等しく放たれる音のエネルギー 4.箱鳴きのなさ QUADのESLでは、振動板の面積がかなり広いので、指向特性はあまり良いはず はないが、遅延回路を巧みに取り込んだ振動板の構成から、信じられないほど リアルな音場感を引き出していた。 トランジェント特性の良さは、バックグラウンドノイズの軽減をもたらし、 音像表現や音の多次反射を上手く表現するのに大きな効果をもたらしている。 そして、特定の箱に入れられていないために箱に伴う音の反射や干渉波の処理 に頭を悩ます事がなかった。パネル前後の距離、リスナーへの角度を追込んで いくと、得も言われぬ音場感と響きを8畳間でさえも、再現することができた。 私は、このスピーカーで古楽器演奏をかれこれ20年以上も聞きつづけてきた。 本当に素晴らしいスピーカーだと思う。ただ、気をつけなければならないのは、 湿度管理である。これをしっかりやっておかないと、振動板が一気に劣化して しまうことだ。 私のESL63は、平成15年5月についに振動板がダウンしてしまった。次に私の リスニングルームに迎えいれたのが、SonusfaberのCremonaである。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- T.S 様未公開の原稿を頂戴しまして本当にありがとうございました。そして、 ご精読頂きました皆様、T.S 様の情熱が少しでも伝わったのであれば何よりで ございます。 20年以上も古楽器の再生に愛用したQUADのESL63は私にとっても懐かしい存在 です。私も実は25年前にはQUAD405/2というパワーアンプを愛用していました。 さて、T.S 様がスピーカーを一新された四カ月後にアンプも新しくされました。 その当時のコンポーネントが↓このシステム構成です。 http://www.dynamicaudio.jp/file/100608/P1070765.JPG ラックの上段から順にご紹介します。 1.LUXMANN UNIVERSAL PLAYER DU-7 2.STUDER D730 3.LINN KLIMAX KONTROL 4.LINN KLIMAX TWIN CHAKRA これでSonusfaberのCremonaを鳴らし始めたのですが、その二カ月後にハルズ サークルに入会されたわけです。さあ、この後T.S 様のオーディオシステムは どのように変化していったのでしょうか!! ■ Customer's room ■ 今回は先ず最初に現在のT.S 様のシステムを自らのカメラで撮影された写真を ご紹介します。私の古いカメラよりも当然画質が素晴らしいものですから(^^ゞ http://www.dynamicaudio.jp/file/100608/IMG_3590.JPG http://www.dynamicaudio.jp/file/100608/IMG_3592.JPG それでは、システム構成の詳細をいつものようにご紹介致します。 ◆ H.A.L.'s 訪問記-Vol.28 東京都練馬区 T.S 様システム構成 ◆ ……………………………………………………………………………… H.A.L. & ESOTERIC G-0d(税別\426,666.) http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/plate.html □Power equipments□ ESOTERIC 8N-PC8100(税別\300,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/8ncpc8100/index.html and TRANSPARENT P8MM(税別\298,000.) http://www.axiss.co.jp/ftran.html ■これはPEIP企画によるオリジナル商品なので下記に説明致します。 TRANSPARENT PLMM (PowerLink MM) 税込み定価\226,800.→税込み\170,000. http://www.axiss.co.jp/photo_transparent_PLMM.html + TRANSPARENT P8 (PowerBank 8) 税込み定価\150,150.→税込み\113,000. http://www.axiss.co.jp/photo_transparent_P8.html この合計では 税込み定価\376,950.→税込み\283,000. となりますが… この組み合わせのパフォーマンスを理解して下さった皆様に何らかのアドヴァン テージをご提供できないものかと!! そこで私はTRANSPARENTのラインアップにもないという、こんなモデル名です!! そして価格的にも魅力あるものを実現しました!! TRANSPARENT "P8MM" (PowerBank 8 with PLMM)というパッケージ商品です!! (梱包は単品のものと違い1パッケージです。標準のPLPは付属されません) そして、この企画では税別定価\359,000.となる単品の組み合わせに対して何と! 税別定価 \298,000.を実現しました!! これはアクシスにおいてもカタログ商品とはならず、同社のwebでも公開され ない完全なオリジナル商品です!! ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ ESOTERIC 7N-DA6100 BNC(Wordsync用)(税別\240,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/mexcel/index.html ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… ESOTERIC X-01Limited(税別\1,300,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/x01limited/index.html □Power equipments□ ESOTERIC 8N-PC8100(税別\300,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/8ncpc8100/index.html and TRANSPARENT P8MM(税別\298,000.)→上記解説参照 http://www.axiss.co.jp/ftran.html ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ AET SCR LINE(RCA) Evo 1.2m http://www.audiotech.jp/audio/product/line/scr_line_evo.html ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… HALCRO dm8(税別\2,900,000.) http://www.harman-japan.co.jp/product/halcro/dm8_dm10.html □Power equipments□ aet SCR AC 1.2m (1次側)→ノイズカットトランス→aet SCR AC 1.2m(2次側) トランス:TOPAZ made in USA LINE NOISE-ULTRA ISOLATOR 1.0kAV (米軍放出品) 下記写真で右側のトランス。 http://www.dynamicaudio.jp/file/100608/P1070776.JPG and 中国産黒御影石の上にJ1-projectのアイソレーション・ボード J1B2530 ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ AET SCR LINE(RCA) 1.2m http://www.audiotech.jp/index.html ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… HALCRO dm88 ×2 (税別\8,000,000.) http://www.harman-japan.co.jp/product/halcro/dm88.html □Power equipments□ アクロテック製コード使用自作(1次側)→ノイズカットトランス→古川電気 A-15(2次 側) トランス:TOPAZ made in USA LINE NOISE-ULTRA ISOLATOR 2.5kAV(米軍放出品) dm88(LEFT CH)左側のトランス http://www.dynamicaudio.jp/file/100608/P1070776.JPG dm88(RIGHT CH)下記のトランス http://www.dynamicaudio.jp/file/100608/P1070778.JPG and 中国産黒御影石の上にJ1-projectのアイソレーション・ボード J1B2530 ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ SHARKWIRE MUSICAL LOVE(3.0m) を用いて自作 ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… MOSQUITO NEO (税別\4,800,000.) http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto54.html http://www.dynamicaudio.jp/file/050413/oto-no-hosomichi_neo.pdf and H.A.L.'s original"Z-board"×2(税込み\120,000.)+中国産黒御影石 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/BZ-bord.html ……………………………………………………………………………… さて、それでは私のカメラで正面から見たシステム全体を再度ご覧下さい。 http://www.dynamicaudio.jp/file/100608/P1070761.JPG 実は、この写真からはわかりませんが、日本で唯一のスピーカーをT.S 様は 使用されているのですが、どこが珍しいのか? 次の写真をご覧になると解ります!! http://www.dynamicaudio.jp/file/100608/P1070769.JPG http://www.dynamicaudio.jp/file/100608/P1070770.JPG どうですか!!このNEOのボディーカラーは何とブルーなのです!!一般的なNEOは カーボンブラックなのですが、MOSQUITOが当時のオーディオショーに出展する 際に特別な仕様として製造したものを1セットだけ取り寄せたのですが、それを T.S 様がタイムリーに入手されたものでした。 2003年に初めてお求め頂いたのがESOTERIC X-01でしたが、当時はSonusfaber Cremonaを使用されていたわけです。その後二年間というものNEOをずっと ここで聴き続けて2005年遂にBlue NEOを導入されたものでした。 同年にX-01Limitedへとバージョンアップされ、NEOの導入に伴って電源環境の 違いが音質的に確認できるようになり、スピーカーの更新によって音質変化が 手に取るように分かり始めるとマスタークロックも次に導入されていきました。 http://www.dynamicaudio.jp/file/100608/P1070780.JPG その数年間でケーブル関係も上記のように着実にアップグレードがなされ、 スピーカーの両側には↓このようにDIGI WAVEも設置されていったのです。 http://www.dynamicaudio.jp/file/100608/P1070782.JPG そして、導入していたNEOを三年間はLINNのアンプで鳴らしていましたが、 ここで聴くNEOとは当然音質が違う。この試聴室で聴くNEOとの違いは何か? T.S 様が遂に踏み切ったのはアンプのアップグレードでした!! 2008年にはHALCRO dm8を先に導入していますが、そこにもこだわりのセッティ ングを施しています。これです!! http://www.dynamicaudio.jp/file/100608/P1070783.JPG JEFFROWLAND JS-32はこんなところにも威力を発揮するものなのです。 http://www.ohbashoji.co.jp/products/jrdg/accessories/ 2009年には何とHALCROのフラッグシップであるdm88を導入され現在のシステム が完成したものです。ESOTERICのフロントエンドにHALCROのアンプとくれば、 私が長年ここで鳴らしてきたリファレンスシステムです。 20年以上愛用してきたQUAD ESL63からSonusfaber Cremonaへ、そして七年前に お付き合いが始まってから六年間という時間をかけてBlue NEOのシステムへと 進化していったT.S 様の音。 それは古楽器を聴くという根本的な目的を多角的に検討し、ここでの試聴で 納得されてのアップグレードであったわけです。この私が知り過ぎている程の 組み合わせですが、オーナーによって人それぞれの音があります。 古楽器しか聴かないというT.S 様の音は果たしていかがなものなのか!? 私はいつものようにセンターポジションの椅子をお借りしてリモコンを手に、 いよいよ試聴を開始したのでした…!! ■ Customer's Sound ■ あれはもう4年前のことでした。HALCRO dm68からdm88への進化を大変な驚きを もって実感したのが↓これでした!! http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/413.html 旧モデルということで求めやすくなっていたdm68と、価格改定されて現在では セット価格800万円というdm88と、どちらを導入すべきかのご相談をT.S 様から 頂いた時に私は率直に当時の比較試聴の思い出を述べるしかありませんでした。 外見は変わらないのに、なぜここまで高価になってしまったのか? それを音質として実感していた私が推薦したのは当然dm88でした。 納品してから一年間というもの、既にすっかりT.S 様のBlue NEOに馴染んだ ESOTERICとHALCROを真正面に見て、最初の一曲はやはりこれからです!! ■マーラー交響曲第一番「巨人」第二楽章 小澤征爾/ボストン交響楽団 Sound checkとは言わばオーディオシステムの健康診断です。手塩にかけた 皆様のシステムが正常に機能しているか、本来の能力を発揮しているか、また 使用方法やノウハウ面で間違ったセッティングがされていないか、などなど 私が聴かせて頂く事により、耳での診断と更なる音質向上のヒントを提示させ て頂くということで訪問活動をしております。 往診したドクターが先ず聴診器で体内の音を聴くように、果たして異常がある のかないのか、この一曲で大概のことがわかってしまうもの。すると… 「おー!!これはこれはすこぶる健康体であられるようだ!!」 シルクコアのソフトドーム型トゥイーターであるフランスのAUDAX社製TW025A26を 搭載したNEOの高域と質感は、解像度と肌合いの温度感を両立させたサウンドが 特徴です。先ず第一印象として、その魅力がふんだんに発揮されている事が 分かりました。 冒頭の合奏では弦楽五部の各々のパートが実に見事に分離し、ハーモニーを 重合する響きは逆に空間で融合するということでしょうか。 NEOのトゥイーターの高さに表れた弦楽器群は絶妙なほぐれ方で個々の演奏者 の質感を描き分け、楽員の人数を多色のレイヤーとして再現していきます。 コントラバスの重厚さが心地良いホールエコーの中に包含され、今まで数多く のオーナー宅で聴いたNEOとはちょっと傾向を異にする聴かせ方をするのに 気が付きました。この特徴を一言で述べれば引き締まった低域であり、トラン ジェントが極めて素晴らしいということか。しかし、この観察はその後の分析 でちょっとしたルームアコースティックのいたずらがあるという発見につなが っていくものでした。これは後述します。 管楽器の音源位置はことさら明確に表示され、力強い金管楽器の響きをNEOの 左右両翼にまで残響として拡散していく快感はオーナーの宝物と言えるでしょう。 今までのNEOと違う印象として低域の質感の充実と制動感の物凄さという点で 改めて私はHALCRO dm88を推薦しおいて良かったと思いました。そこで、全く 傾向の違う選曲でNEOのウーファーの活躍ぶりをチェックする事にしました。 ■“Basia”「 The Best Remixes 」CRUSING FOR BRUSING(EXTENDED MIX) http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Arch/ES/Basia/ http://www.basiaweb.com/ http://members.tripod.com/~Basiafan/moreimages.html#remixes1 冒頭のドラムがチェックポイントでもあるが、賑やかに展開される打ち込みに よる多種類のパーカッションの高域成分もシステムによっては個性が出るところ。 比較的音量を上げながらオーケストラとは対極的な選曲で聴き始めた…。 「おー!!この低域はいいですね〜!!」 33Hzのポートチューニングで600Hzまで受け持つ独特のクロスオーバー周波数 に設定されたNEOのウーファー四基が、まるで鋼鉄のレバーで連結されている ように正確無比な同期でドラムを叩き出す。 他社の3Wayスピーカーではウーファーの受け持ち帯域がもっと低い周波数で クロスされているものが多いが、つまりはドラムの低い周波数の打音はミッド レンジとウーファーの共同作業によるケースが大半かと思われるがNEOは違う。 MORELという1ユニットでワイドレンジな再生を行うという特徴を生かした使い方 であり、NEOのウーファーはドラムの倍音までも単独で見事に再現する。 この強靭なテンションと重厚感の両立はどこで聴いても惚れ惚れするほど。 そこにHALCRO dm88のドライバビリティーが加算されるのだから物凄い!! そして、不思議な事にシャカシャカ!!と冒頭に散りばめられるパーカッション の質感も刺激成分が極めて少なく、下手なシステムではギラギラしてしまう 高域の再現性もしっかり制動されているというイメージが驚きを倍加する!! そして、Basiaのクリスタルなイメージで展開するヴォーカルが、何とも爽快な リヴァーヴを左右から後方へ拡散さててセンターにくっきりと表れるから堪らない!! 日頃は古楽器という分野の演奏しか聴かないというT.S 様のシステムだが、 実はこれほど多種多芸に溢れているとはご本人も知ってか知らずか、じっと 私が聴き進む曲をかたわらで興味深そうに耳を傾けておられる。 どちらのお宅にうかがっても…試聴のあと、すなわち診断後の結果を言葉として どのように私が語るのかに非常な関心をもたれるということだろうか。しかし、 私が受けた印象と音質的な分析をその場で語るという事はあまりなく、後日に じっくりと言葉を吟味しての訪問記で診察結果を述べることにしている。 とにかく、ヴォーカルにおいても私が承知しているNEOのパフォーマンスが 十二分に発揮されていることは明らかであった。対照的な二曲を聴くことで、 先ずはT.S 様のシステムが大変良好なコンディションであること、そして室内 の音響的な環境も適度な“抜け”があって好ましいと判断されたものでした。 適度な“抜け”とは何か? 実は上述の「ルームアコースティックのいたずら」 に関するチェックポイントが再度見え始めたものでした。そこで再び選曲を オーケストラに換えて試聴を続けます。 ■セミヨン・ビシュコフ指揮/パリ管弦楽団 ビゼー「アルルの女」「カル メン」の両組曲から1.前奏曲 8.ファランドール 「いや〜、これは見事です!!鮮明な音像をとらえ同時に音場感も素晴らしい」 前奏曲では弦楽器のみで多層構造のアルコが実に芳醇な響きとなって展開し、 NEOの周辺に虹色のハーモニーを丁寧に積み重ねていきます。虹色とは複数の 色彩が隣り合うという意味であり、色と色の境目が微妙に侵食しあって独特な 中間色の境界線を描いているという妙味に心惹かれる。これはいい!! ファランドールでも弦楽器のしなやかさに共通する管楽器の潤いある響きが 素晴らしく、更にステージ後方から響いてくる打楽器との距離感がリアルだ。 弦楽器群との距離感よりも奥まった位置へと遠近法の消失点をNEOの後方に しっかりと描き、前後配置を耳で感じる3D画像のように聴かせてくれる。 ティパニーの乾いた打音が気持よく跳ね、その一瞬の後にふ〜っと打音の余韻 が水面に広がる波紋のように広がっていく響きの時間差がホールという空間を しっかりと聴き手にイメージさせる説得力となって染み通ってくる。 古楽器だけでなく近代のオーケストラも高次元の演奏を行っていることに私は 感心し、適度な“抜け”とは何か?を再度認識する事が出来た。 聞くところではT.S 様のお宅は築30年という木造建築のお住まいである。 特にオーディオルームとしての特別な設計はされていないが、このお部屋の 特徴として良い意味で壁面を透過していく周波数帯域が均一であり、適度な 吸音性が備わっているということだ。 一次反射音の悪さもなく素直に響き渡るオーケストラは安心して聴いていられる。 では、上述の「ルームアコースティックのいたずら」とは何なのか? このオーケストラでも大変低い周波数で一か所だけ残響時間が長く強調される 特定の低周波をふとしたことから耳に感じるのであった。では、それを確認 するためにどうするのか? 次の選曲で試してみることにした。 ■MICHAEL BUBLE/1.「Fever」WPCR-11777 http://wmg.jp/artist/michaelbuble/profile.html この曲の冒頭ではペースが先行し、そしてMICHAEL BUBLEが入り右チャンネル からはハイハットの刻みが続き、ドラムが入ってくるスタートしてから44秒後 からチェックすべきポイントが始まる。 タムとは違う極めて低い周波数でのドラムが録音されている。恐らくはダンプ したキックドラムにイコライザー処理をして低い周波数に向けての倍音を強調 したものだと思われるが、私の推測では50Hzから100Hzくらいの帯域でドスッ! という低音が連続して録音されているのである。 これはアクティブウーファーを装備したスピーカーなどでは顕著に聴き取れる 独特の低音であり、今回はオーケストラの特定低周波で気が付いた定在波を この録音で確認したものだった。 「そうか〜、やっぱあったんだ、この低域!!」 音波の周波数から想定される波長を考えるとT.S 様のお部屋ではどうしても 寸法的に発生するはずがない定在波なのだが、前述の適度な“抜け”と称した ようにオーディオシステムをセットしている部屋の隣り合う形で書斎などの 別室があるが、その両方の部屋を合計した寸法であれば波長の長さがほぼ一致 するという推測が成り立つ。 つまり、外壁と外壁の間隔が定在波の周波数と波長に一致するということだ。 そして、更に面白い現象を発見する!! T.S 様がいつもかけておられる椅子に深く腰掛けて背もたれにゆったりと座る 位置で顕著に感じられる定在波なのだが、不思議な事に上体を起こして耳の 位置を前方に50センチから70センチくらい動かすとピタリとこの定在波は聴こ えなくなってしまうのです。 それと、この大変低い周波数の定在波をイコライジングしたドラムというサン プルを使って検証し、上記の実験も実際にT.S 様にも体験して頂き確認して 頂きましたが、この周波数帯域でデフォルメされる音域はオーケストラでの 演奏では心地良い低音のホールエコーとして一種の演出効果として楽しめる 要素でもあるということなのです。 更に、このような大変低い周波数帯域が録音されている曲というのは、まず 古楽器の録音ではありえません。以上のことから現象を確認して頂きましたが、 これを大問題として部屋の改修やシステムのチューニングをやり直す必要は ないだろうということでT.S 様にご説明したものでした。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- さて、こんな基本的な項目での現象の確認を進めつつ、一通りの課題曲を聴い た上で、次の↓ような音質向上のためのアドバイスをし始めたのです。 http://www.dynamicaudio.jp/file/100608/P1070785.JPG さて、この写真をご覧になって気が付く方は熱心なマニア的関心度の方だと 思います。マスタークロックとCDプレーヤーが写っているだけ…ではなく これは演奏中の写真なのです。そうです!! T.S 様は日頃これらのディスプレーをオンにして聴いておられるのですが、 各機器のリモコンと本体スイッチのコマンドでこのように完全消灯することが できるのですが、これがどうしたの? という方はぜひ実験してみて下さい。 ■チャイコフスキー:バレエ音楽《くるみ割り人形》op.71 全曲 サンクト ペテルブルク・キーロフ管弦楽団、合唱団指揮: ワレリー・ゲルギエフ この「序曲」などでもディスプレーのオンオフで音質に表れる変化が良く分か ります。弱音の弦楽器の質感とフォーカスイメージの向上、そして弱音であり ながらもしっかりとホールエコーを拡散していく空間情報のあり方など、オフ にした時には清々しい程の向上を見せるのですから不思議です。 ■MUSE 1.フィリッパ・ジョルダーノ/ハバネラ http://www.universal-music.co.jp/classics/refresh/muse/muse.html ■ちあきなおみ/ちあきなおみ全曲集「黄昏のビギン」 http://www.teichiku.co.jp/teichiku/artist/chiaki/disco/ce32335.html ■DIANA KRALL「LOVE SCENES」11.My Love Is(MVCI-24004) http://www.universal-music.co.jp/jazz/artist/diana/disco.html そして、オーケストラとの対比でこれらのヴォーカルの課題曲でも違いを確認 して、以前と明らかな情報量の違いを各部で聴きとることが出来ました。 たったこれだけのことですが、一銭のお金を使わずに製品が持っている潜在能力 を引き出すことが出来る一例として、T.S 様にもオンオフの違いを体験して 頂きご納得頂いたものでした。 そして、次の写真です。このNEOの足元に注目して下さい。 http://www.dynamicaudio.jp/file/100608/P1070789.JPG 振動対策として"Z-board"と中国産黒御影石を二重にしてセットされています。 カーペットの上に直接NEOをセットするよりも格段に解像度が向上していると いうものなので、私は最初から安心して他のポイントに着目した試聴をして きましたが、実は↓こんな実験もしたみました。 http://www.dynamicaudio.jp/file/100608/P1070793.JPG 近くにあったCardas Myrtlewood Block-Large single notchを拝借して、この ようにNEOのボール下にはさんで仰角を付けたのです。左右のMyrtlewood Block の角度を90度互い違いにしているのは一定方向に滑ってしまわないようにと いう配慮なので格別な他の目的はありません。 また、ステンレスのボールが直接"Z-board"に接地するとまずいのか、という 共振対策でもありません。ただNEOのフロントバッフルに仰角を付けることで トゥイーターとミッドレンジとの相関的な位置関係を変化させたかったものです。 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto54.html これはNEO TAILということで上記の随筆の最後でも紹介している原理なのですが、 大変残念ながらNEO TAILの商品化は諸事情から断念してしまったものです。 さて、このNEOの仰角の変化に関しては私は何度も同様なことを経験しており、 音質向上には自信もあります。そこで、T.S 様に聴きなれた好きなディスクで 比較して頂くことにしました。最初は何もしていない状態で聴いて頂き、その 次にお手伝い頂いてMyrtlewood Blockを挟み、同じ音量にて比較して頂きました。 その選曲とは古楽器を専門に聴かれるというT.S 様ならではの次の曲です。 J.S.Bach バイオリンソナタ BWV1014-1019 レーベル名 ambroisie AM109 演奏:baroque violin / Stefano Montanari Harpsicord Cristophe Russet フォーカスが鮮明になり同時に音場感が拡大するという変化をご確認頂きました。 しかし、いかにも不安定な見栄えということから再度取り外して当日は元の 状態に戻しておいとましたのですが、後日私から今回のお礼の意味も含めて j1-Projectのインシュレーターと秘密のインシュレーターの二つをお送りしました。 早速それを装着しての写真とご感想を頂きましたので、ご紹介しましょう。 http://www.dynamicaudio.jp/file/100623/IMG_3598_1.jpg http://www.dynamicaudio.jp/file/100623/IMG_3603_1.jpg ■T.S 様より 色々とお気遣い頂きありがとうございました。 本日帰宅したところ、インシュレーターが届いていましたので早速試してみました。 マル秘インシュレーターを、G-0dとX-01Lの脚部に挿入しましたところ、響き がうまくコントロールされて音が美しく感じられます。 響きが整理されたため、特に声楽ものには良い改善がみられました。 さらに、j1-ProjectのインシュレーターをNEOの球体にかませたところ、 あのsound checkのときの変化よりも更に磨きがかかったような変化となりました。 特に、あの時かけたJ.S.Bachのバイオリンとチェンバロのソナタではバイオリン の音が実態感を増したように感じました。 今後他のCDでも、検証していきたいと思います。 それから、大きな変化としてNEOの脚部の球体がこのインシュレーターによって、 ホールドされる形になるのでNEO自体が安定するように思います。 NEOのフロントバッフルを手で持つと若干ではありますが、ガタがあったかに 思いますが、このインシュレーターによってガタがなくなりました。 相乗効果で音も良い方向に向いたものと思います。 先日はご多用の中サウンドチェックのため、お越し頂きありがとうございました。 オーディオは、かれこれ35年ほどの長きに渡って続けている趣味のひとつです。 人生の辛い場面でも常にそばにいたという印象があります。 それだけに、これからも大切にしていきたいと思います。 川又様の御診断で特に異常なしとのことで、内心ホッとしています。 と言いますのも、オーディオを趣味とする人に自分の音を聞いて頂いたことは ほとんどないからです。 ありがたく訪問記の原稿を拝読いたしました。また、自分としても感じて頂き たい部分が、ぴったりと表現されていることに今更ながら、川又様の文章力に 感心するとともに、恐ろしさも感じてしまいます。 「オーディオは深い」という思いを新たにしました。 また、自分がいつ頃どのようなものを購入して現在のシステムを構築してきた かについては、川又様の「訪問記」で詳しく再確認できたことも嬉しい限りです。 今後も、オーディオによる自己変革は続くと思いますので、ご助言よろしく お願い致します。 川又様には本当にお世話になりました。 ありがとうございました。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- T.S 様ありがとうございました。こちらこそ、お忙しい中で時間を作って頂き 感謝しております。そして、訪問の際にも、更に後日になってからでも今まで のシステムの音質から変化があったという事で何よりでございました。 お伺いした甲斐があったというものです。 さて、当日はあっという間に二時間経ってしまい、何もお構いできないので 昼食にでも…とお誘い頂き、住宅地の静かな道を昔の風景はこうだったと 思い出話を聴きながらご案内頂いたのがここでした。 http://members.jcom.home.ne.jp/seki-jinsaku/ ちょうど昼過ぎの時間帯で店先の看板にはこんな案内が出ていました。 http://www.dynamicaudio.jp/file/100608/P1070797.JPG 店内に入ると結構な盛況でお昼時ということもあってかお客様で一杯でした。 すべてT.S 様のおまかせでということで「鳥わさ」「だし巻き玉子」「夏野菜 の天ぷらの盛り合わせ」などを頼んで頂き生ビールなどご馳走になりました。 その次は私も初めての「そば焼酎」のそば湯割りというものをお薦め頂きまして これも美味しく頂きました。重ねてお礼申し上げます<m(__)m> T.S 様は私と同年代と冒頭に述べましたが、お仕事は教育関係ということで ご苦労の節々は大変良く理解できるものでした。なぜかと言いますと私の愚妻 もPTA関係の役員やら複数の地域活動を歴任し、地元の学校とのお付き合いは 大変に多く、外部から見た学校関係者の苦労話も良く耳にしたからです。 いみじくもT.S 様はこうおっしゃっていました。「人生の辛い場面でも常に そばにいた…」それが音楽でありオーディオだったわけですが、音楽は本当に 私たちを励まし勇気づけ、また感動させてくれるものです。その音楽を聴くと いう手段にこだわりを持たれるかどうか、そのこだわりによって同じ録音でも 天地程の格差が音質的にあるという事実をもっと若い人たちに知って欲しいも のだとT.S 様はおっしゃっていました。まったく私も同感です!! Sound checkはオーディオシステムの健康診断と述べましたが、音質的健康状 態を診断した上で、更にオーディオ用ビタミン剤を処方・提供出来たという ことで今回の訪問は本当に有意義でした。 今後はT.S 様のシステムは更に変化していくのでしょうか? その答えになるかどうかは分かりませんが、T.S 様がオーディオ同様に愛好 していらっしゃる趣味がもう一つありますのでご紹介しましょう。これです!! http://www13.ocn.ne.jp/~japahonb/ インドアの趣味と全く好対照なアウトドアのご趣味、山岳写真なのです。 何とも素晴らしく壮大なご趣味であられることか!!下記のカレンダーの10月の 写真は何と!!T.S 様の作品なのです!! http://www13.ocn.ne.jp/~japahonb/karenda.html 私もT.S 様から山の話しは良くうかがっていますが、人間の声と音を聴く音楽 とオーディオという趣味。大自然の息吹と山の声を楽しみ、その絶景を記録し て人生の一部として保存されていく趣味には、もしかしたら共通項があるかも しれません。 大変有名な格言が昔からありますね〜。何故山を登るのか? 「そこに山があるからだ…」 では、何故オーディオ(音質)にこだわるのか? と訊かれたらどうでしょう? 「そこに音楽があるからだ…」 山と音楽は不滅であり不変のものであるとすれば、登山家の情熱もオーディオ マニアの情熱も不滅のものでありましょう!! このように、不変のものにこそ情熱を注がれるT.S 様の人生感であれば、まだ まだ続きがあるというものでしょう!! 山岳写真と同様に現在のオーディオシステムが記録されました。数年後に再度 の訪問が実現された時をどうぞ皆様も楽しみになさっていて下さい。 T.S 様今回は本当にありがとうございました。 |