《HAL's Monitor Report》
No.0241 - 2005/4/1 兵庫県西宮市 K N 様より モニター商品 TACET SACD S922 「 The Best of TACET on SACD2004/2005 」 H.A.L.'s Present-TACET SACDにご応募頂いた皆様にサンプラーをお送りいたしまし たが、早速感想が寄せられてきましたのでご紹介いたします。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- プレゼントして頂いたTACETサンプラーディスクの試聴レポートお送りします。 川又さんにElgar plusを貸し出し試聴して、そのまま購入して2年が経ちました。 現在のシステムは以下の通りです。 SPEAKER SYSTEM : Rockport Technologies ANTARES POWER AMPLIFIER: FM Acoustics FM 411 PRE AMPLIFIER : Einstein The Tube D/A CONVERTER : dCS Elgar Plus CD TRANSPORT : dCS Verdi PHONO EQUALIZER: Shelter 216 RECORD PLAYER : Goldmund Studietto PICUP-CARTRIDGE: BenzMicro Ruby SACD PLAYER : dCS Verdi + dCS Elgar Plus この他に川又さんにお世話頂いたTimeload ChronosとdCS 992/2の外部クロック サポートになります。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 例年同様、川又さんからの誕生祝いの洒落たメッセージにその日である事を朝に 気付いたのも束の間、何とまるで誕生プレゼントのようにTACETサンプラーディスク SACDの当選を知らせるメールが届いたのです。 ディスクの到着後、早速川又さんの試聴レポートをプリントアウトしたものを そばに置いて一気に全トラック試聴しました。 現在、私のシステムは2Ch.ですので以下、ステレオ再生での感想です。 「真空管を多用した録音機材」「穏やかであり甘美な音色」「柔軟性というか暖か い肌合いが感じられる」など、川又さんの表現用語から試聴前、勝手に軟調傾向の 音作り、録音を想像していたのですが、実際は全く異なりました。 SACDの再生システムを得て以来、私自身、クラッシックで言えば"Fone"や"Channel Classics"、"Pentatone"、"Praga"、"Chandos"などなどDSD録音に積極的なレーベル のSACDタイトルを好んで購入して来ましたが、これらで聞かれる音調よりもむしろ 鮮鋭度が高く、空間再現性も優れているというのがTACET SACDに対する第一の印象 です。(蛇足ですがSACDはその器の大きさから作成者の音作り意図が再生メディア に反映されやすく、国内レーベルであるExtonなどはSACDに対して録音現場の空気感 をいかに多く封入出来るかに熱心で、事実、成功している様に思います。) 前述の川又さんの表現はTACET録音の持つ美点、鮮明だけど厳しくはない、その類い 希なる心地良い音調を伝えているのではないでしょうか。 実際、爽やかで瑞々しさに富むその音調は聞いていて本当に気持ち良いものです。 S10.Bach Partitasなど2chステレオでも再生される空間は非常に広大で感激しまし た。情報量も豊かでしかも解像度が高いため、例えばS101 Bach Goldbergにおいて 各楽器の音像は明確で音色も多彩ですが、少々、情報が横溢気味で流石に2chの限界 を感じてしまいます。 マルチチャンネルに対して私が期待するのは、まさにこの音情報の適正配分であり、 結果として生まれる飛躍的な再生空間の拡大、精度の向上な訳です。 Jazzの2トラックもとても楽しめる録音です。Jazzでは録音年代や演奏形態などに より、例えば音像の提示一つとってもそれぞれ求められる「らしさ」があります。 私自身、その多彩な録音と再生を楽しみにしているのですが、TACETで聴けたのは明 晰な再生空間と、これに負けない確固たる楽器個々の質感、質量が感じられるもの。 単にきれいだけに終わらない、エモーショナルな録音です。こんな風にJazzの生々 しさを伝える録音手法があるのかと新鮮な驚きを感じたのです。 TACET SACDは現時点で最も効果的にSACDの可能性を具現したレーベルの一つでは ないでしょうか。 私としてはますます、将来の4ch.環境の整備に向けて意欲が増した次第です。 最後にこの様な素晴らしいソフトをご紹介いただいた川又さんに感謝申し上げます。 |