No.0654 2013年10月14日
 【新企画⇒H.A.L.'s Documentary】Vol.1「国内初!! Sonusfaber Olympica III導入記!!」

「新企画⇒H.A.L.'s Documentary」

Vol.1「国内初!! Sonusfaber Olympica III導入記!!」

毎日とは言いませんが、毎月のようにH.A.L.ではオーディオに関わる巡り合い
とドラマが起こっています。全国津々浦々にいらっしゃるハルズサークル会員
の皆様にH.A.L.を通じてどのようなオーディオ遍歴をたどって来られたのか、
そのエピソードを紹介致します。その第一弾として、この方をご紹介します。

北海道小樽市 K.U様より「国内初!! Sonusfaber Olympica III導入記!!」

■記念すべき投稿は全国初のこれでした!!
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0586.html
「全国初のESOTERIC K-01導入レポート!!」

■前回の投稿をご紹介します。

「この臨場感こそがオーディオの醍醐味ではなかろうか!!」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0555.html

■歴史を感じさせるインプレッションの数々はこちら。

「思わずおおお〜と叫ぶ始末。これがガラスCDの音なのか!快感の極み!!」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0549.html

H.A.L.'s Owner's impression!!-AiTEC Λ3.16 The premium & Λ5.35
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0629.html

「H.A.L.'s Monitor Report-Black Ravioli!!」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0535.html

■GLASS CD企画での前回の投稿はこれ。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0545.html

■以前の投稿の一部をご紹介します。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0608.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0534.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0403.html

そして、今回は下記の私の試聴インプレッションから始まりました!!

「H.A.L.'s One point impression!!-Sonusfaber Olympica III」 
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1066.html

■9月13日

ダイナミックオーディオ  川又殿
お世話になっております、小樽のK.Uです。

実は、昨日のメルマガ(No.3134)を読んで、気持ちが大きく揺らいでいます。
Olympica III のことです。

現在、メインSPとしてHB-1、サブSPとしてTHIELのCS7を使っていますが、
99%はHB-1を聴いています。
CS7は音質よりも、その威圧的な風格が気に入っていて手放せないのが本音です。
★現在のシステム概要
http://www.dynamicaudio.jp/file/100925/System109.JPG

今回のメルマガを拝見して、思い切ってCS7を手放して、代わりにOlympica III 
を入れてみたら…、と考えました。

☆川又より返信

> この99%はHB-1を聴いているという事に対して、残り1%にかける情熱と
> 言いましょうか、期待感と申しましょうか、それを語りご説明するには
> 現状での比率が大きく離れ過ぎています。

>> CS7は音質よりも、その威圧的な風格が気に入っていて手放せないのが本音です。

> でも、答えはK.U様がここで述べておられました。
> 「威圧的な風格が気に入っていて」ということで、K.U様の本心と言いますか
> 胸のうちにある深いところでの潜在的な要望としては、さすがに今現在で
> CS7の音質に対する魅力が色褪せてしまっているのではないかと察するものです。
>
> もちろん、それはHB-1の音質に対してという事かと思いますので、18年前に
> お求め頂いたCS7の価値観を私から低下させるような事は申し上げるつもりはありません。
> つまり、過去にお買い上げ頂いたスピーカーは相応に役割を果たし、お楽しみ
> 頂いた歴史としてK.U様の選択に間違いはなかったと申し上げたいものです。

試聴する機会があれば、是非とも聴きに行きたいのですが、無理な状況なので、
メールをした次第です。

☆川又より返信

> 了解しました。
> 今までの経緯から私が推薦したものを試聴せずにご注文頂いた事が多数あり、
> その意味では私も感謝していると共に責任重大で慎重になっておりました。
>
> ですから、本日受信した多数のメールに返信を送り終わり、頂きました
> メールを何回も読み直しまして、ご信頼にお応え出来るように慎重に
> 返信をしなければと、ご返事が遅くなってしまいました。

・ 音質的傾向はHB-1と比較してどうなのでしょうか?
(私はSonusfaberの音を認識しておりません。)

☆川又より返信

> 実は、最近の配信で何度も述べているHB-X1の試聴レポートを近日中に
> 掲載しようと思っていたところにOlympica IIIが短期間やってきたので
> そちらを先に試聴し評価したものでございます。
>
> ですから、これから数日後にはHB-X1のレビューを掲載するつもりで
> おりますが、結論から申し上げればKiso Acousticとの音質的な共通項は
> 「美しい音」というものであり、両者ともに魅力的ですが設計思想は
> もちろん異質なものであり、結果としてHB-1とは異なるものです。
>
> ただし、HB-1とOlympica IIIを比べてどちらが上か下かという議論には
> 私は答えを持ち合わせておりません。音質はやはり違いますし、皆様に
> 聴き比べてもらっての選択ということが本筋であると思います。ただし…

HB-1に不満を持っているわけではありませんが、HB-1には無い魅力があるのなら…とも考えます。

☆川又より返信

> 大丈夫です。しっかりとあります。

でも、HB-1があるなら、あえてOlympica III を導入する意味があまりない、
とのことであれば 安心して手を引きます。(金銭的余裕があまり無いので…)

☆川又より返信

> しかし、「Olympica III を導入する意味」が問題ですが、言い方を変えれば
> HB-1からOlympica III に切り替えてみて感動できるかどうか、ということでは
> 間違いなく感動できます。そして、肝心なのはCS7との対比であり、
> CS7がセットしてあるスペースにOlympica IIIが入ったとしたら
> HB-1と50%対50%か、もしかするとOlympica IIIが60-70%になるかもしれません。

・ HB-1はある程度以上の音量を出せば、相応の音質になるように感じています。
Olympica III も同様でしょうか?

☆川又より返信

> その第一のポイントを良くぞ質問してくれました。
> http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1066.html
> Olympica IIIを既に公開した私のインプレッションで次のように述べています。
>
> -------------------------------------------------------------------
> オーディオで言うところのスケール感とは決して大音量で迫力を求め、放射
> された音波が室内を駆け回るようなものではない。
>
> 低音楽器の残響の保存性が優れ、弱音の低音階の余韻がふーと空間に拡散して
> 行く時にこそ、演奏会場の空間の大きさを聴き手にイメージさせるのである。
>
> 強風にあおられる旗や吹き流しのイメージではなく、テーブルにそっと置いた
> ティッシュペーパーがわずかな吐息でふわりと流されていくような、演奏者が
> 意識してピアノッシモの低音を奏でたことがわずかな空気の流れと揺れとして
> 私の肌をす〜と撫でて行くような低音再生があってこそのオーケストラの美しさ。
> -------------------------------------------------------------------
>
> この比喩でご理解頂きたい事は、小音量においても、つまりアンプ出力が
> さほど大きくなくてもスケール感を表現しているということ、つまりは
> 小音量でもホールエコーや低音の充実感、響きがいいのです。
>
> HB-1と同等な音量を出した時でも、逆に抑えた音量でも、かすかな(アンプ出力)息遣いで
> ふわ〜と漂うように動かされるティッシュペーパーのイメージなのです。

・ Vitus Audio SS-010でも充分駆動できるでしょうか?
(HB-1より能率は高いので、音量的には問題ないとは思うのですが…)

☆川又より返信

> はい、もちろんです。
> 能率の問題は大きな音量を出すためにアンプ出力がどれだけ必要かという
> 議論になりますが、逆です。
>
> 大きな音量、あるいは一定の音量というのは録音されている楽音の大きな部分、
> フォルテで演奏されたパートを比べてのことになりますが、多数の楽器の
> 最大音量で演奏されているパートの楽音の音量は同じであっても、演奏を
> 時系列でみると弱音による楽音の成分が多数含まれているものです。
>
> 例えば、大人から子供まで身長の違う人々を100人くらい並んでもらって
> カメラをパンして画像を撮ろうとします。
> その時にカメラアングルを大人の背丈に合わせてのバストショットでパンして
> 撮影したら…、というのをHB-1としましょう。
> 録音されている楽音の大きな部分に注目しているとそのようになります。
>
> でも、楽音の大小も様々であり、カメラを少し引いて並んでいる人々の
> 子供の顔もアングルに入るようにして撮影した画像がOlympica IIIのイメージでしょうか?
>
> 身長の高い大人はもちろん画面の上に納まりますが、そればかりでなく
> 今まで映らなかった子供たちも見られるようになります。自然に…。
>
> 一番身長の高い人をどのように正確に撮影するかという議論から、音楽全体を
> アンプの出力を絞っても背の低い人々まで観察することが出来るという例えでしょうか。

Olympica III が川又さんのおっしゃる通り素晴らしいのであるなら、そして、
来週の決算に間に合わせることにより、お安くなるのであれば、チト早計では
ありますが、決断してもいいかな…  と思っています。

☆川又より返信

> ありがとうございます。
> 最後に価格的にお安くなるかという事に関してはHB-1が今でも当時と同じ
> 値引き率で販売しているのと同様に一過性の大きな割引は残念ながら出来ません。
>
> Olympica IIIは将来的にも一定価格で販売いしていくものであり、音質的な
> 魅力で推薦することはあれど、今が安いからという発想で販売することはございません。
>
> 以上のご返事を二回読み直しまして、私の責任重大な回答として押し売り的な
> 要素がなかったかを確認したつもりです。
>
> その上でOlympica IIIを推薦する根拠と気持ちに変化はありませんので、
> 今後時が経過しても、そして当社の営業マン全員が共通して販売していく
> 価格の下限ということで出来るだけ頑張ったお見積りを下記にお知らせ致します。
>
> Olympica III 税込み定価 ¥1,848,000. 送料・税込み特別価格¥1,***,000.
>
> 私はHB-1と対比しての価値観というよりも、CS7との入れ替えで起こるであろう
> K.U様の音楽鑑賞の楽しさと満足感、充実感を考えての回答とさせて頂きます。
>
> HB-1 and CS7で聴いておられた時代からHB-1 and Olympica IIIで聴かれるように
> なる事で、今までになかった音楽の楽しみ、美しさ、録音内容の新発見という感動が
> 得られるであろうという事を推薦の根拠とさせて頂き、納品後にご納得頂けるのでは
> ないかと考えております。
>
> 長いメールになってしまいましたが、試聴せずにお求め頂いたという信頼に
> お応えすべく、私も本音で慎重にお答え致しました。
>
> HB-1は今後も末長くご愛用下さい。Olympica IIIも同様に末永くお使い頂ける
> 魅力があるという事で締めくくりさせて頂きます。
>
> ご検討の程何卒よろしくお願い致します。
> ありがとうございました。
> 先ずはお礼まで。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

■9月14日

ダイナミックオーディオ  川又殿

ご丁寧なご回答、ありがとうございます。
毎度のことながら、私の拙い文書からその真意までお察しくださいまして、
感謝いたします。

CS7の導入当初は、川又さんのお薦めでGryphonのDM100も導入し、しばらくは、
重厚な低音や圧倒する迫力に酔っていました。
しかしながら、次第に物足りなさも感じていました。

4年前に、ご縁があってHB-1を導入しましたが、HB-1はその物足りなさを
補うばかりか、それ以上のものを与えてくれました。

狭い部屋なので、スピーカーはHB-1のみにして、CS7を撤去しようと何度も
考えたことがあります。しかし、CS7にはCS7ならではの捨てがたい魅力もあり
ましたし、大きくて重たく、簡単には持ち出すことも出来ない物理的な要因も
あってHB-1と共存していました。

CS7に代るSPがあれば…と考えていたことも事実で、一時はKtemaを候補に
考えたこともありましたが、全然手が出ませんでした。

昨年、年金生活となったのを機に、アクセサリ類を充実させ、あとは音楽を
楽しむのみ、としてハードウエア構築は終焉としていました。しかし……

Olympica IIIのレビューを拝見して、使用機材や部屋の環境など、当方とは
大きく違うので、拙宅ではその良さがどの程度再現できるのかが気になると
ころではありますが、レビューでの評価内容といい、価格といい、正に私が
久しく求めつつ、諦めていたそのものの感でした。

今回いただいたメールを何回も読み返し、Olympica III の導入を 前向きに
考えることにしました。収入(年金)が減り、支出(税金など)が増える中、
無駄遣いは極力控えなければならない状況なのですが、無駄では無い、それ
以上の何かがあると期待し、Olympica III を注文します。

金額は了解です。少しでもお安くしていただけるのはとても有り難いものです。
早ければ月曜、遅くとも水曜には振込みます。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

■9月17日

ダイナミックオーディオ  川又殿

Olympica IIIの設置に関して、脚部の鋼材の幅が狭く、更にフロントを高く
すると、どうしてもBlack Ravioliに、部分的に2〜3度ではありますが
斜面的に圧力がかかります。これをなんとか解決して、Black Ravioliの上面
全体に水平面的に圧力がかかるようにするよう考えています。

つきましては、Olympica IIIについて、次の寸法を教えていただきたいのです。

1.下に敷くボードの最小寸法は?
  幅はカタログ値のままでしょうが、
  奥行はカタログ値より若干短めになると思われます。

☆川又より返信

> Olympica IIIのスパイク先端の間隔を実測して参りました。
> 横幅 375mm  奥行き 385mm
> この四角形以上のボードであれば問題ないと思います。

2.スパイクを取り付ける脚部の鋼材の厚さは?

☆川又より返信

> 実測して 7mm でした。

3.スパイクのネジの寸法は? or スパイク用の穴の内寸は?
  ( スパイクのネジがミリ規格であれば、M8とかM10とか… )

☆川又より返信

> フット付近の写真を添付致しました。

http://www.dynamicaudio.jp/file/20131012-olympica3.01.jpg
http://www.dynamicaudio.jp/file/20131012-olympica3.02.jpg

> スパイクを取り外した状態で、金属部のネジ穴の直径を測りますと8mmでした。
> しかし、スパイクの上のナット部分のネジ穴は微小にそれよりも小さいようで
> 7.数ミリというもので、メジャーでは精密な測定が出来ませんでした。

☆川又より返信(輸入元ノアより後日下記の正式回答あり)

> ソナスは各モデル共通でミリ規格です。
> OLYMPICA  スパイク部分は「M8」(8mm)です。
> よろしくお願いいたします。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

さて、このようなやり取りで遂に10月2日に国内初Sonusfaber Olympica IIIを
納品させて頂きました。このようなお買い物をして下さったK.U様は果たして
ご満足頂けたのでしょうか!?皆様にも大変参考にもなる導入記をご紹介します。

■10月12日

ダイナミックオーディオ 川又殿
お世話になっております、小樽のK.Uです。

この度は Olympica IIIの導入に際しまして大変お世話になりました。
川又さんに喜びをお伝えしたく、一連のご報告も兼ねて長々と感想を書かせて
頂きました。

このため 先日のご連絡と重複する部分がありますが、ご了承下さい。
川又さんの弁ではありませんが、感動すると文が長くなりますねぇ・・・

■経緯

ここは田舎ゆえ オーディオ専門店など無く、最近は札幌に出る機会も中々
無いため、井の中の蛙となっています。

東京近郊にいれば時々は色々な音を聴かせてもらいにお伺い出来るのですが、
上京さえ難しい状況にあっては、川又さんのメルマガが大きな情報源となっています。

これまで川又さんのご推薦の機器を自宅で比較試聴をさせて頂いて購入した
こともありますが、最近はもっぱらメルマガでのレビューだけで現物を知らず
に購入しております。

それでもハズレはなく、更新など新しい機器を導入する度に音が良くなって
いくのを実感しております。

今では、ほぼ全てのオーディオ機器を川又さんから購入してきたことになり、
田舎にいながらにして良いものを入手できることに、川又さんにはいつも感謝
するばかりです。

さて、2009年暮れからHB-1(Hawaiian Koa & Goldener Madrona)を愛用して
いるのですが、1995年から愛用してきたTHIELのCS7の後釜としていいものが
出たら・・・と以前から考えていました。

もう少し小柄で、値段も手の届く範囲で、そして相応の音質なら、と。

なので、川又さんのレビュー(Brief News No.1066)を読んで、心が揺れたの
は言う迄もありません。

でも、川又さんが評価を下す機器構成と拙宅では雲泥の差があります。
しかしながら、私のシステムを把握されている川又さんから適切な助言を頂き、
試聴することなしに購入を決めることが出来ました。

私にとって初めてのsonus faber、果してどのような音なのか・・・

■開梱 

予想はしていましたが、納品はやはり大きな段ボール箱姿。
箱に貼ってある開梱の方法に従って開けようとしましたが、天井の低い部屋で
はそれがままならず。

この方法だと、天井の高さは2.5m以上必要なのですが、私の部屋は2.2m弱。
なので、箱を斜めにして取り出そうとしましたが、これがまたキツイ。

スピーカー本体は柔らかい布のようなもので覆われており、その上にビニール袋
がかぶっています。このビニールが結構滑るんです。

スピーカーユニットには触らないように、特にトゥイター部分には最も気を使い・・・
2本ともなんとか箱から出すことが出来た時には、汗びっしょりになっていました。
箱を処分するなら、最初から箱を切り開けば苦労せずに出せたのですが、そうもいかず。

なお、取説の他に図や写真入りの楽しそうな解説書が入っていますが、
読めないのが残念。

■セッティング

Brief News No.851で、川又さんはスパイクよりもBlack Ravioliを薦められています。
私は既に Black Ravioliの効果を確認済みなので ためらいはありませんでした。

Black RavioliのBF-1を左右に4個ずつ使うことにしました。
また、HB-1の導入の時にはH-Boardを薦められて採用し、これの効果も確認
済みでしたので、今回はP-Boardでも入れようかと考えましたが、はるかに
予算オーバーのため御影石を入れることにしました。

☆ Black Ravioliのための私のセッティング方法をご紹介します。

Olympica IIIを注文してから直ぐにセッティング方法を考えました。
Olympica IIIはフロントを高くして傾斜をつけなければならないので、脚部も傾斜します。

しかし、BF-1には垂直に力がかからなくてはならないし、出来れば上面均一
荷重にする必要があります。

考えた結果、次のようにすることにしました。
傾斜に対応するためにアジャスターボルトを使います。

そうすれば、傾斜の角度が変わっても対応できますし、ネジで傾斜も自由に
変えられますから。

BF-1の上面には、上面と同じ大きさの板を乗せて、この板の中心にアジャスター
ボルトがのるようにします。
(実際にはアジャスターボルトと板は接着しています。)

そうすれば、BF-1の上面に均一に力がかかります。なお、アジャスターボルト、
ナット、ワッシャー、BF-1上面の板はステンレスで統一しました。

実際に組んだのが次の写真です。
< 写真1 > http://www.dynamicaudio.jp/file/20131012-01.jpg

御影石の底面にはH-Boardのようにフェルトを貼り、移動が出来るようにしました。
重い御影石がゆえ 少なからず音質改善が期待できる上に、移動できるという
ことは、スピーカーの設置位置や向きの調整が出来ることであり、より良い
音を得るには必要不可欠だと思っています。

設置や調整のために次の写真のようなものを作りました。
< 写真2 > http://www.dynamicaudio.jp/file/20131012-02.jpg

両側はジャッキです。中央の木板の両端には金具を付けてジャッキに架けます。
赤いのはフェルト。この木板を御影石とスピーカーの底面との間に差し込み、
スピーカーの底面にピッタリ合うようにジャッキをセットすると、両側のジャッキ
を同時に操作することにより、スピーカーは傾斜がついたまま、垂直に上下できます。
次の写真はセット中の様子です。
< 写真3 > http://www.dynamicaudio.jp/file/20131012-03.jpg

このようにすれば、BF-1に無理な力をかけることなく1人で調整や保守が出来ます。

次の写真はBF-1を設置した完成時のものです。
< 写真4 > http://www.dynamicaudio.jp/file/20131012-04.jpg
< 写真5 > http://www.dynamicaudio.jp/file/20131012-05.jpg
 
■外観

雑誌などで奇抜なデザインの機器を見かけることが多々あります。
個性も必要かも知れませいが、必然性のないデザインはどうしても無駄に
見えてしまいます。

しかし、Olympica IIIは、形状といい、大きさといい、デザインといい、佇ま
いといい、いずれも機能美そのもので とても気に入ってしまいました。

ネジ1つ見えません。そして、黒の革貼り。
木部の半艶仕上げは私の好みであり、その落ち着いた色調にも魅了させられます。
そして、その丁寧な仕上りに驚きました。

イタリア製の工芸品では、このOlympica IIIの1本よりかは高額なマンドリン
を持っていますが、これほどまでの精巧さは無く、イタリア製を見直した次第です。
自己主張の控えめな風貌には奥ゆかしさをも感じます。

■音質

先ずは、Olympica IIIの絶対的な評価をしたく、既設のHB-1にはしばらくの間、
休んでもらうことにしました。

Olympica IIIは、鳴らし始めは少々癖のある音でした。
気になることもいくつかありましたが、鳴らし込みにより、日に日に改善され
ていくのが判りました。

インシュレーターについては、初めの何日かは付属のスパイクで鳴らし込み、
部品が揃った段階で、Black Ravioliに切替えましたが、切替えた翌日から
その効果が現れ出しました。

確かに川又さんが言われるように スパイクよりBlack Ravioliの方がいい。
低域は量感よりも締まりが出て、深みのある音になりました。
中高域は質感が増した感じで、余韻がきれいに感じられるようになりました。

100時間以上鳴らし込んで、なじみのCDの他 いろいろなCDを聴いてみました。
感動しました!!

感じたことや今までと違うことをいくつか挙げます。

☆私はチェック用にオーボエのソロを聴いています。
  30年以上昔の録音ですが、そのようなことを微塵も感じさせないのびやかで
  甘美な音色にうっとり。音の一粒一粒が明瞭で磨きがかかった美しい音!!

☆ピシッとフォーカスの合った鮮明な楽音に潤いも感じられ、聴いていて
  とても気持ちがいい!!

☆チェロとコントラバスの二重奏では、今までは、意識して耳をこらさないと
  2つの楽器が判断出来なかったのですが、今では手に取るように判ります。
  不思議な感覚です!!

☆今まで何度も聴いてきた音楽に、今まで気づかなかった音(楽器)が認識
  出来るようになりました!!

☆今までうるさいだけでよく解らなかったものが、うるさくなく音楽として
  聴こえるようになりました。これも不思議な感覚です!!

☆テスト用のCDで、リスナーの周囲を楽器を鳴らしながら2周するものが
  あるのですが、今まで以上に楽器の位置が判断出来ました!!

☆以前より機器の更新やアクセサリの導入の度に、音場の状態が変わって
  いくのが面白く感じていました。スピーカーを後壁から離した最初の頃は、
  スピーカー後方の壁に音場が出来ました。

  それが、壁からレリーフのように手前に浮き出てくるようになりました。
  その次には、スピーカーと後方の壁との間に音場が出来るようになり、
  更には、スピーカーと後方の壁との間に音場が立体像を作るかのようになりました。
  今回のOlympica IIIでは、なんと、スピーカー後方と両側の壁が消えてしまった!!

☆昔、川又さんのお店に購入目的でCS7を聴きに行った時に、クワドラチュア
  のスピーカーも聴かせていただきました。リスナーを包み込むような広大な
  音場感がとても印象的でした。型番は確かDSP3R。

  直ぐに虜になってしまいましたが、CS7の倍くらいのお値段だったので諦め 
  ざるを得ませんでした。
  今、Olympica IIIを聴いていてクワドラチュアを思い出しました!!

☆冒頭の部分だけを聴くつもりが、ついつい最後まで聴いてしまいます。
  例えば、ショスタコーヴッチの交響曲第5番の第4楽章では、豊かな低音に
  よる雄大なスケールにグイグイ引き込まれてしまいました。

  そして、作曲者や演奏者の情熱や想いが私の部屋にあふれ、ラストでは感極
  まって全身に鳥肌が立ってしまった!!
  以前は鳥肌がたっても上体だけでしたが、全身に鳥肌がたったのは初めての経験。

さて、Olympica IIIはこれほどまでに素晴らしい音なのですが、HB-1とはどうなのだろう・・・
Olympica IIIの音が落ち着いてきたのを見計らって、比較してみました。

どちらも素晴らしいし、どちらも美しい。どちらも魅力的。
でも、違うんですねぇ・・・

そのへんのところは胸の内に秘め、ここでは控えたいと思います。
どちらも私にとって大切な宝物だから。

Olympica IIIの美しさには妖艶さを感じることがあり、それも魅力だと思っています。
とにかく聴いていて楽しいし、聴き飽きることがありません!!
興奮もしますし癒されもします。それは心地よい快感でもあります!!

■最後に  

長年聴いてきたCS7は、私の友人が引き取ってくれることになりました。
音楽はあまり聴かないのですが、カッコイイから、と。
愛着のあったCS7なので、ゴミにならなかっただけでも有り難いことです。

そのCS7の後釜となったOlympica III、見た目にも美しく、その音も格別。
とても百万円台のスピーカーとは思えません。でも、もっと高額だったら
手は出なかったでしょう・・・そう考えると、非常に得をした気分です。

今後は、左右を入れ替えてみたり位置や向きの細かな試行をしていく予定ですが、
地震対策も考えていかなければならないと思っています。
(上部にアイボルト用のネジが切ってあったらなぁ・・・)

この度はおかげ様で私のオーディオシステムは大きなグレードアップを果しました。
私には充分過ぎる音質で満足の限りです!!

川又さんには色々ご高配を賜りましたこと深く御礼申し上げます。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

K.U様お礼を申し上げるのは私の方でございます。本当にありがとうございました。
思い返せばK.U様とのお付き合いも20年以上となりましょうか。

頂きましたレポートの随所には本当に懐かしい製品名が多数ありましたね。
例えば…

K.U様が魅了されながら断念されたQUADRATUREもここに紹介していました。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto20.html
このQUADRATUREも実は輸入元は同じ株式会社ノアでした。

長年ご愛用頂いたThiel CS7とは下記の随筆で紹介していますが、思い出しました!!
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto21.html

そうです、このCS7もK.U様が日本初のオーナーとなられたものでした!!
ただし、この時にはご来店頂き試聴して頂いたものでしたが…。
http://www.dynamicaudio.jp/file/100925/System109.JPG

2009年からHB-1(Hawaiian Koa & Goldener Madrona)をご愛用頂いていますが、
上記の写真を再度ご覧下さい。HB-1専用スタンドPODIUMの高さがちょっと…、
と気がつかれたでしょうか?

K.U様が聴かれる位置関係から、耳よりも20センチほど低くHB-1のトゥイーターの
高さをセットすべく、特注品として全高の低いPODIUMも特注されました。

このようなこだわりと探求心をお持ちになっているK.U様と長きに渡りお付き合い
をさせて頂いているという事に私は本当に感謝しています。

今回も、実に熱心な取り組みにて機材の使いこなしに万策を尽くされ、私でも
考えてみなかったようなセッティングを実行され大変に参考になりました。

このような信頼関係で結ばれた全国のお客様があってこその私であり、本当に
皆様に支えて頂いているということに感謝しているものです。
ありがとうございました。

最後に、K.U様には大変申し訳ないのですが、この素晴らしいOlympica IIIを
私はマラソン試聴会という大きな舞台に上げて、下記のようなこだわりのシステム
でのびのびと演奏しようと考えています。
http://www.dynamicaudio.jp/marathon/37/marathon37th.pdf
もちろん、ここの試聴室とはすべて同じとは行きませんがコンポーネントは
下記のイベント向けシステムと同様です。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1071.html

K.U様にこれほど評価して頂いたOlympica IIIを私がセットアップして、
晴れの舞台でどのように鳴り響くのか!? どうぞご期待頂ければと思います。

もちろん、小樽からK.U様にご来場頂けるのであれば最上の喜びでございます。
もう一度最後にK.U様にお礼を申し上げます。ありがとうございました。

★川又より追伸
Sonusfaber Olympica IIIをH.A.L.リファレンスとして常設展示を行うために
株式会社ノア担当者に発注致しました。

この英断を下すに当たり、K.U様のお言葉に自信を持てました事に改めて
お礼申し上げます。そして、マラソン試聴会には皆様もぜひご来場下さい!!



担当:川又利明
TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556
kawamata@dynamicaudio.jp

お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!!

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