《H.A.L.'s “エフコン”Hearing Report》


No.0427 - 2008/3/18

埼玉県上尾市 T T 様より

“Friday concert”Vol.30はこんな企画でした。

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/579.html

そして、今回も参加者の皆様に記念撮影をお願いしました<m(__)m>

http://www.dynamicaudio.jp/file/080314/guest.jpg

あいにくの雨模様となった当日でしたが、大変うれしいことに満席状態での
開催となりました。ありがとうございました。<m(__)m>

               -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

Vol.135「音の立ち上がり・拡散するエコー成分にある意味凄みを感じる!!」

過去の投稿の“ほんの一部”をご紹介致します!!
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0423.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0401.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0403.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0390.html

今回は目玉製品が多くH.A.L.Tに揃ったので、色々収穫があった。
内容も盛り沢山でいつものように予定をオーバーするのはご愛嬌。

それでも川又さんには時間が足りないようでした。
美味しい物を御裾分けしたくなる気持ちに似たものでしょうか?

1.The subject.1 「ESOTERIC P-01&D-01のbefore-afterを体験す!!」

@課題曲はちあきなおみ/ちあきなおみ全曲集より「黄昏のビギン」
何時もはお別れにかけるこの曲を初っ端からブラインドテスト。

新旧のP-01&D-01をハルクロのプリの入力切替で選択し音の違いを体感。
以前センターポジションで体感しリポートまで投稿した私としては外すわけに
はいかないと緊張する。

ノーマルCDでの聴き比べだが違いは以前聴いたものと同じであった。

Before:全体的に音の広がりが散漫。
      音の粒子も粗い。ボーカルが「ボワッ」と広がってしまう感じ。

After:全ての音が緻密で芯がある。音像がしっかりしている。楽器の音色が
         美しく、ストリングスの抑揚には「はっ」とさせられる。

A次もブラインドテスト。SACDでの聴き比べ。
課題曲はYo-Yo Ma Plays Ennio Morricone/1. Gabriel's Oboe。

往々にしてSACDでの違いは難しい。
経験上ノーマルCDより音の差が縮まるからである。

しかし、同じP-01&D-01での違いはどうか?

興味半分・緊張半分である。
同じP-01&D-01オーナーとして外すわけにはいかない。

違いは明らかだった。
New Versionの方が情報が3割増になる分音が厚い。中域から高域への伸び・
しっかりした低音域でのうねり等どれもが凌駕している。これくらい違うと
気持ちがいいくらいである。

ここで飛び入り実験。

CDをお馴染みのリヴィングストン・テイラーのアルバム「INK」より「Isn't She
Lovely」に替える。

ケーブルを聴き比べる。
今まで接続されていたESOTERIC 7N-DA6300から違うものに替えて、参加者に
どちらがいいかと川又さんに質問される。

余韻成分と情報量からいって新しくつないだ方に軍配が上がる。
交換したケーブルはTRANSPARENT OPUS MM(248万)であった。
参加者にも大半の支持を受け、ここから以降はD/Aとプリの間はTRANSPARENT
OPUS MMにする。


2.The subject.2「同系列メカVRDS-NEO搭載のシステム二社を比較する!!」

言わずもがなESOTERICとdCS Scarlattiとの比較である。課題曲はこれも
お馴染みDIANA KRALL「LOVE SCENES」より11曲目「My Love Is」。

ESOTERIC:聴き慣れているP-01&D-01。何の不満もない。

dCS Scarlatti:音の大元の傾向は同じだが、ESOTERICが日本刀でスパっと
    切るような音のエッヂに対してdCS Scarlattiは角が少しまるくなる。

スピーカーを睨みつけるように聴くのでなしに、雰囲気を楽しむのにはいい
感じである。

もうここまで来ると個人の好みの問題。どれがいい悪いではない。

次の課題曲は「The Best of Cantabile 1.チャイコフスキー「くるみ割り
人形」こんぺい糖のおどり。

これもお馴染み、チェレスタの音の立ち上がりと空中に拡散するエコーに注目する。

ESOTERIC:ある意味凄みを感じる。音の立ち上がり・拡散するエコー成分の
 長さ・音場の雄大さがdCS Scarlattiの後に聴くと同じ曲なのに違う楽曲に
 感じるほど発見が多い。


「SACDとCDはどのくらいちがうの!?」

課題曲は村冶佳織 Transformations 19曲目「ラストワルツ」

SACDのハイブリッドでCDレイヤーを聴くと、物理的にSACD層をレーザーが入射
と反射の2度通るので音的に不利なのでノーマルCDとSACDで聴き比べると川又
さんの説明がある。

機器はESOTERIC P-01&D-01。

ノーマルCD:音源によって違うがSACDと聴き比べると間延びしたり「ゴチャ」
とした分解能が悪い印象を受ける事がある。ただ高いレベルでの話である。

今回はクラシック・ギター1本での比較。
単純明快である。

マラソン試聴会でも恒例のブラインドテストで同じ音源・同じメーカーで
ESOTERICのP-01&D-01でノーマルCDを、X-01LimitedやX-01D2でSACDを聴き、
どちらがSACDか質問すると大半がP-01&D-01に手を上げるという説明が川又
さんよりある。

最近はSACDとノーマルCDの聴きどころが解ってきたので、惑わされなくなりま
したけど。話を戻して今回はP-01&D-01固定での比較である。

ノーマルCDからSACDに切り替えると音場の違い・音の伸びやかさ・弦を弾いて
から中空に拡散するエコー成分の質が変わる。

濃密なノーマルCDを取るか音場を含めた情報量や雰囲気まで再現するSACDを
取るかはユーザーに委ねられる。

同じ曲をdCS Scarlattiで聴くとESOTERIC P-01&D-01よりノーマルCDはまろや
かになり、SACDは情報量が多くなり聴きやすい。

総じてdCS Scarlattiは眉間にしわをよせて聴く感じではないと私は個人的に
思っている。


3.The subject.3「同社でのアップサンプリング・テクニックを比較する!!」

Brumester 969&970SCR vs 同社の一体型Brumester 069 Reference CD Player
Brumester 069 Reference CD Playerを初めて聴く。

課題曲はIZZY「Libera me」1.バイレロ(Trad.)

両者の音の傾向は同じで私としては一体型の方が勝っていた。
Brumester 069はアップサンプリングできるので96KHzと192KHzで比較したが、
私には192KHzの方が耳当りがいい音で聴きやすかった。

川又さんは96KHzの方がお薦めであるとの事。
参加者もほぼ二つに好みが分かれた。

次の課題曲はMICHAEL BUBLE/1.「Fever」。
これもお馴染み口笛から始まる低音が魅力の曲。

ここでスピーカーをアバロンにする。

Brumester 069は低音の分解能が上がり、音が前へ前へ出てくる感じ。
Brumester 969&970SCRは全帯域の分解能が上がり、聴いていて楽しい。

前曲と評価が逆になる。

ここでBrumester 969からRCA出力を75Ωダイレクトアウトからにすると低音が
ぐっと沈み込み音像がしっかりする。ただ、どんどん低音がブラックホールに
吸い込まれるように底なしな方向に行くので好みが分かれる気がする。

もうここで終了予定時間まで僅かになってしまった。

しかし、これからが面白いところ。
以降は私の独断と偏見の聴き比べした意見です。


4.The subject.4「ここからが面白い!!ここでGOLDMUNDがからむ!!」

課題曲はMUSE1.フィリッパ・ジョルダーノ/ハパネラでメーカー別対決。

まずつないである@Brumester 969&970SCR(システム価格830万)を基準とし
て聴く。

AGOLDMUND EIDOS REFERENCE(税別価格850万):エレガントでスピード感がある。

B新世代ESOTERIC(システム価格635万):空間の広がりを感じさせてくれる。
解像度が上がり一つの楽器一つの声を集中しなくとも容易に聴き分けられ分析
できる。

CdCS(システム価格843万)耳当りがいいため聴きやすい。特にESOTERICの後
に聴くと対照的に感じる。


5.The subject.5「ここからが面白い!!ここでGOLDMUNDがからむ!!Part.2」

GOLDMUND MIMESIS 20ME Alize6 Limited Editionトランスポートの交換による比較。

課題曲は仲野真世 Piano Trio SCABIOUS  2.INNER BELLS

Alize6により一段と強力になったMIMESIS 20MEをD/Aに固定。

まず@ESOTERIC G-0Rb(税別135万)+New ESOTERIC P-01(税別250万)から
聴く、これが基準になる。

AGOLDMUND EIDOS REFERENCE(税別価格850万):わずかだがESOTERICに比べ
空中で消滅するエコー成分が短い。

BBrumester 069 Reference CD Player(税別390万):ゴールドムンドより
エコー成分がまた短くなり、情報量も落ち、音の厚みがやせる。これも高い
レベルでの僅かな差だが。

CdCS  Scarlatti Clock(税別135万)+dCS Scarlatti Transssport(税別415万)
やはりESOTERICに一番近い傾向の音という認識に変わりない。


最後の最後はガラスCDを試聴。
付属のノーマルCDと聴き比べる。

多数決で皆さんがもう一度聴きたいメーカーでベートーベンの第九の歓喜の
歌を聴く。

サンプル盤がH.A.L.Tに入荷した頃、一度聴き比べたが、ガラスCD明瞭度は
特筆すべきものですね。

研究すればより安くポリカーボネートより透明度のある屈折率にも優れたプラ
スチックができると思うのですけど。

終了は21時半を過ぎていました。
川又さん、お疲れ様でした。
天野さんは今回もつなぎ替えお疲れ様でした。

こんなにリファレンスモデルが集まるのはさながらサミット状態。
これもH.A.L.Tならではの事。

贅沢なひと時をありがとうございました。
メーカー別の音の傾向の再確認になりました。
私にはやはりオーナーであるESOTERICの音が一番しっくりきます(笑)。

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川又より

T T 様ありがとうございました。最近ではイベントが終わるとT T 様は何と
言うだろうか〜という話題が持ち上がってくるようになりまして、他の会員
からも注目されているようですよ〜(^^ゞ

ご自身がESOTERICのオーナーであるという立場を明確にしていらっしゃるので
拝見しても違和感なく納得できてしまいますね。

前回のH K 様はdCSのオーナーでいらっしゃるので、これもまた筋が通った
ご感想として納得できるものです。

そして、皆様に共通するのは体験の上でご自身の好み方向性を決定され導入
されてきたということです。体験こそが大切なことですね。その意味では
ここでの試聴を日々活用して頂き、同時にハルズモニターもご利用頂ければ
と思いますので、イベントに参加できなかった皆様もどうぞ当フロアーと私を
有効に活用して頂ければと思います(^^ゞありがとうございました。<m(__)m>


HAL's Hearing Report