《H.A.L.'s “エフコン”Hearing Report》


No.0349 - 2007/5/7

東京都港区 T K 様より

“Friday concert”Vol.23はこんな企画でした。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/486.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/488.html

開催を前にセッティングされた主賓たちです。
http://www.dynamicaudio.jp/file/070427/components1.jpg
http://www.dynamicaudio.jp/file/070427/components2.jpg

そして、今回も参加者の皆様に記念撮影をお願いしました<m(__)m>
http://www.dynamicaudio.jp/file/070427/guest.jpg

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Vol.108「自分の五感と第六感までも使って吟味しなければなリません!!」

川又様、

ご連絡遅くなりましてすみません。
先日は、私のような初心者にもわかる素晴らしい試聴会をありがとうございました。

まず、川又様のご趣旨は全く共感いたします。

色々な機器での聞き比べや、その性質・性格を知るには一曲を通しで聴くよりも、
ポイントポイントで、比較してゆくのが最も適切だと感じます。

しかも、川又様のような匠が日々の実験や苦労を重ねられた結果を、わかりやすく
解説をしてくださり、聞くポイントまでご教授されている。

試聴前に「こういう音になります」というような先入観を持たせるものではなく、
各自にポイントだけ伝え、個々の耳に任せていることがとてもありがたいです。

それだけの違いが出るという自信、そして、何よりも、感動させてくれることが
素晴らしいと思いました。

一つ一つの食材を吟味しトータルとしての料理ができあがるという例えも、ごもっ
ともです。細部(または、音)マニア的な部分があっても、そういう意味では、
音楽ファン的要素と、行き着くところは同様なのではないかと、感じております。

帰り際にも申し上げましたが、川又様のアトリエは、今まで本当に入りにくかった
です。置いてある機器類も予算外のものばかりですので、変に立ち寄ってもヒヤ
カシになってしまい申し訳なく思っておりました。

今回のような会で、いろいろ経験させて頂くと、そこにある機器類でなくとも、
相談に乗って頂き、予算内でおすすめになるようなものを川又様から購入できたら
いいなと思えます。

やはり、日頃からこのような会を通して、川又様の感性とお人柄などを知ってはじ
めて、買い手も推薦されるお言葉を信用することが出来るからです。

さて、今回の機器類のラインアップですが、たとえ予算外であっても、そのメー
カーの方向性が(より顕著に)手に取るようにわかると同時に、「良いものとは」
を垣間見ることが出来ます。

それを知った上で、自分の予算内の候補を挙げ、さらには川又様に他の可能性や
推薦を頂けたらと思います。

同じような経験を、他のもので例えるなら、自動車がわかりやすいでしょう。

それぞれのグレードにはそれなりの魅力や機能が備わっています。
しかし、最高のものを体験せずして、自分が購入・所有するものがどの程度のもの
か知ることは出来ないからです。

また、最高レベルのものを知ることにより、オーディオ機器として、自動車として、
現時点で行き着くことの出来る自分にとっての最高到達点を認識できる事でしょう。

もちろん、試乗・試聴は所有による体験の疑似ではありませんので、あくまでも
参考程度としかなりません。
それでも、皆無よりましです。
(その点、オーディオ機器の自宅試聴は役に立つでしょう。)

もちろん、趣味やライフスタイルのことですので、方向性や主義が異なれば、
この限りではございません。

その方向性もスペック的にはいろいろと論ずることが出来ても、その調和・完成
度・美術性・背後にある歴史や賞賛、さらにはその特定のモデルでしか経験できな
いものがあります。

時には、自分が使用している機器やそのメーカーが「最高」と信じ、雲上のモデル
メーカーは「大切ではない部分」に大金を投じているとお考えの事も多いかと思い
ます。

しかし、真実は、家よりも高額な自動車にはその理由があり、それでしか堪能でき
ない「美」「幸」「福」「heritage」なども、機能とともに、そこにはあります。

それによって得られる、人生経験、また勉強でもあります。もちろん、産業界や
ジャーナリズムに踊らされてはなりません。

自分の五感と第六感までも使って吟味しなければなリません。
(技術やその製品は必ずしも改良の方向に行かない場合もあります。)

オーディオにもその様な要素は似通っているのではないでしょうか。

また、自動車でも、最高レベルのものほど個性が強く、その他のモデルと比較し
て(ロールズロイス、ベントレー、フェラーリ、ブガッティ、マクラーレンなど)
「どれがいい」と論ずることは出来ず、用途・好みの問題に集約されてきます。

カテゴリーが違います。
これも、オーディオと共通していると思います。

当然、所有に至るには、予算と維持費、ライフスタイルの検討(場合により、家庭
内首脳会議)も必要になります。自動車と唯一異なるのは、家族の理解や、周囲の
方々からの理解も得にくいところでしょうか。

さて、今回の演奏会における機器類の印象ですが、正直言いまして、どれが一番
好みに合ったたかという問いにはお答えできません。

その理由は、用途(楽曲)により、その時の気分により変化するからです。

たとえば、「くるみ割り人形」はGoldmund "True Colors"はOrpheusなどのように。

全般的には、Orpheusが魅力的でした。
また、以前のワディアに比べると、今回のモデルは(比較試聴したコンビネー
ションの所為でしょうか)まろやかな音になっているように感じました。

最も驚いたのは、後半の部冒頭のGoldmundを同社製の外付けDACに変えたときです。

個人的には、今回の演奏会中で最も変化が顕著に表れた瞬間だと思いました。
同一メーカーであるにも係わらず、あれほど変化するものかと、驚かされました。

未知数の組み合わせが可能なオーディオの世界ですが、このような機会を通して、
その片鱗に触れることが出来たことを感謝しております。

川又様の活動がオーディオを単なる趣味の世界や経済産業から、文化まで引き上げ
ることでしょう。

川又様の作品発表会がありましたら、都合の合うときに参加させて頂けたらと
願っております。
今後とも何卒宜しくお願い致します。

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川又より

T K 様ありがとうございました。まず、入りにくいフロアーであったということに
お詫び申し上げます。でも、一度入って音を聴き、私とお話し頂ければ印象は確実
に変わり、気軽に入りやすくなると思います。私はいたって庶民感覚でやっていま
すので、これからは気軽にどうぞ(^^ゞ

そして、もったいないお言葉を多数頂戴し、恐縮するとともに今後の活動に対して
身が引き締まる思いで拝読させて頂きました。

体験から感動を生むということは確かに芸術性の一端であると思います。
そして、その核心に触れるためにはセンターポジションで再度皆様にお試し
頂ければと願っているものです。

このように、このフロアーの敷居を低くするためにもイベントには皆様にご来場
頂ければと思っているものです。どうぞよろしくお願い致します。<m(__)m>

追伸:

私はこのフロアーの展示商品のような価格帯だけを販売しているわけではなく、
皆様のご都合に合わせて幅広くセールスをしておりますので、どうぞご利用
頂ければと思います。<m(__)m>


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