《H.A.L.'s “エフコン”Hearing Report》


No.0318 - 2006/12/23

東京都町田市 K KU 様より

H.A.L.'s “エフコン”Hearing Report

“Friday concert”Vol.22はこんな企画でした。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/457.html

http://dyna5555.cocolog-nifty.com/photos/secret/pqs402setup.html

そして、今回も参加者の皆様に記念撮影をお願いしました<m(__)m>
http://dyna5555.cocolog-nifty.com/photos/secret/20061215guest.html

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Vol.96「H.A.L.'s“エフコン”は最高のオーディオを実体験できるアリーナだ!!」

以前の投稿をご紹介致します。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0240.html

オーディオを趣味とする者であれば、自分が使ったことのないオーディオ機器の
出す音を知りたいと願わない者は少ないであろう。
HALの試聴室は、その願望を可能にしてくれる。
音が良くなれば、音楽から受ける感動が質的に増加することを実感させてくれる。

当日のエフコンは、ジャーマン・フィジクスPQS402をアヴァロンのアイシスと比較
しながら試聴することであった。

両方のスピーカー共に、ステレオ・サウンド誌のグランプリに選定されており、
エフコンは二つのトップレベルのスピーカーの格闘技を楽しむアリーナ(闘技場)
となった。

ジャーマン・フィジクスのDDDドライバーは、その構造から微細な音の再生には
優れていると想像できるが、力強い音には不得手ではないかと思っていた。

しかし、PQS402は220Hz以下の低域をコーン型ウーファーに受け持たせ、そのため
か堂々とした力強い音も聴かせかた。

アヴァロンのスピーカーは禁欲的な鳴り方で個人的には好みではなかったが、アイ
シスは低域の量感もあり、豊潤な感じが出てきた。

まず、音像の表われかたであるが、アイシスは、アヴァロンの伝統である空間に
浮かぶような音像を出現させる。

従来よりは実体感が増して来たと感じられた。 
しかし、これを先日のエフコンで鳴らされたNautilusの再生する音像と比較すると、
その鮮烈さにおいて大きな違いがある。Nautilusの鳴らす音像は、輪郭の明確さに
おいて際立っている(先日の記憶との比較ではあるが)。

これは、アヴァロンはスピーカーのネットワークがアナログであるために、ロー
パス信号がフィルター回路を通過するときの遅延を補正できないが、Nautilusは
川又さんがゴールドムンドに特注したデジタルのチャネルデバイダーによって遅延
を補正していることに拠るものではないかと思われる。

一方、本日の主役のジャーマン・フィジクスPQS402であるが、その鳴らす音像は、
前述の二者に比べると、まことに自然体なのである。

輪郭は、Nautilusのような明確な隈取りではなく、楽器の微細な附帯音に縁取られ
た自然な佇まいである。演奏会場で眼をつむって聴くときに脳裏に表れる音像は
このような形ではないかと思われる。

PQS402のスピーカーのネットワークは、アヴァロンと同じくアナログであり、
ローパス信号遅延の補正はできないが、220Hz以上はクロスオーバーがなく単一の
振動板であることが好影響をもたらしていると感じられた。

アヴァロン・アイシスとの音像の比較であるが、音源との距離感が違うように感じ
られる。PQS402の音像は一階席の最前列で聴かれる音であるとすれば、アイシスは
二階席中央の前列席で聴かれる音である。

次に、ダイナミックレンジであるが、これはPQS402の方が優れている。
DDDの特長である軽い振動板と広い放射面積により、ダイヤモンドツイターよりも
スレッショルドレベルが低いようで、微小な音を確実に再生する。
また、力強い大音量の方も大丈夫である。

当日終わり近くで、チャイコフスキーのくるみ割り人形の最後の三つの楽章のCD
を相当な大音量で再生したが、アヴァロン・アイシスのツイターがフォルテの部分
で悲鳴をあげ、音が硬くなった。PQS402の方は大丈夫であった。

このように書くと、アヴァロン・アイシスは劣ったスピーカーのように聞こえるが、
そうではない。 このスピーカーは他のスピーカーと大音量を競い合うように作ら
れてはいないようだ。

適切な音量で鳴らせば、サントリーホールの二階席中央の最前列で聴かれるような
バランスのとれた音楽を再生してくれるだろう。

一方、PQS402の方は、一階席の最前列から三列目あたりのかぶりつきで演奏者の
ざわめきを含めた音楽を浴びるように聴くことも出来るスピーカーである。
また、小音量で静かに聴いても音は?せない。

どちらを選ぶかは、その人の音楽鑑賞の姿勢にかかわることと思える。

それにしても、このような体験をさせてくれる HAL'sエフコンは貴重な存在である。
東京近郊に住む幸せを実感している。 

地方の方も泊まりがけで活用する価値のある催し物である。開催時間を午後の始ま
り、例えば、12時から 3時の間にすれば、地方から日帰りでも参加できる(東京の
勤め人には不都合だが)。川又シェフが腕によりをかけた、他では聴くことのでき
ない最高の音を、もっと多くの人に聴かせたいと思うこの頃である。

以上


HAL's Hearing Report