《HAL's Hearing Report》
No.0252 - 2005/12/27 神奈川県藤沢市 K.S 様より 12/16開催の“エフコン”はお陰さまで盛況のうちに実施されました。 http://www.dynamicaudio.jp/file/051216/guest.jpg 一体型プレーヤーだけでもこの陣容です。 http://www.dynamicaudio.jp/file/051216/esoteric.jpg この他にもセパレートシステムが右側にどど〜んとあるわけですから、当日は本当 にESOTERIC一色のイベントでした。 これら新製品の詳細はこちらです。 http://www.teac.co.jp/av/index.html -*-*-*-*-*-*-*-*-*- Vol.47「大きな期待を裏切らない素晴らしいものでした!!」 川又様 12/16の第9回エフコンに参加させていただきましてありがとうございました。 応募がぎりぎりだったため、参加できるか否か、内心ひやひやしておりましたが。 内容は小生の”川又さんなら”という大きな期待を裏切らない素晴らしいもので した。参加の動機は、現在使っているエソテリックのP0s+D70が最新のエソテリ ックの機器と比較してどのぐらいの実力があるのかを、HALにある最高の再生機器 のレベルで確認しておくことでした。参加者の7割以上12名の方々がエソテリック の所有者ということで、川又さんも驚いていらっしゃいましたが、おそらく同じ ような動機の方々が多かったのではと推測いたします。 そもそも、エソテリックの物作りに共感してを買った方々は、エソテリックの進化 が気になるし、次もエソテリックのCDPlayrが欲しくなるのではないでしょうか? (小生もその通りです)。 小生に関して言えば、川又さんの痛いところに手が届く素晴らしいProgramのおか げで、ほぼ100%所期の目的は達成されました。 以下小生の限られた耳の能力による定性的な感想です。 ・CDのEdgeCut有無による差 (実はこの差を初めて聴いたのでショックを受けました) Cutなしだと、強調感のある音で楽しめなかったCDがEdgeCutしたものでは自然な 響きに変わり、こちらがオリジナルじゃないかという音でした。 音の差の方向性は違いますが、アナログのオリジナル盤と国内再発盤の差以上の 感じです。これは要検討でした。 ・マスタークロックの有無による差 この差は何回か聴いているつもりでしたが、今回は今までとはちょっと感じ方が 違ってまたショック。最初に同期した音を聴いた後で、OFFの音を聴いた瞬間、 何とも言えぬ生理的な不快感の様なものを覚えました。 どうも、音がずれている様な感じがして気持ちが悪いのです。 普段はそのような音を聴いているはずなのに、不思議なものです。 人間の耳の感覚はそれほど微妙な差を明確に認識できるものなのですね。 残念ながら、我が家のD70はVersionUpの機会を失してしまったので、G0sを繋ぐ ことが出来ません。まあ、G0sがすぐに買えるわけでもないのですが、接続できな いというのは全く可能性が無いと言うことなので、いかにも残念です。 ・音楽信号が通らないはずのクロックケーブルのグレード、方向性による差 本当に不思議ですが、G0sからのBNCクロックケーブルのグレード、方向性に よっても音は大きく変わりました。 物理的にはどういう事なのか説明が思いつきませんが... 重要性を理解できました。 ・MasterClockの周波数による差 44.1->88.2->176.4KHzの順に響きがナチュラルに、音場は広く、音は良くなる。 これもかなりはっきり分かる差。特に44.1->88.2KHzの差が大きく感じられました。 ・マルチDiskPlayerと2Ch専用機の音の差 これは残酷なぐらい明瞭でした。 UX-3/X-03、UX-1/X-01いずれも、2Ch専用機の圧勝。 情報量の差はいかんともしがたい。2Ch専用機では個々の楽器の定位感、楽音より 鮮明に分かるようになり、奥行き方向へも音場が広がる。 ・エソテリックの世代ごとのPlayrの音の差 LimtedVersion、SEVersionはそれぞれ確実に音が良くなっていました。 マルチと2Chの差程ではないですが、情報量が増え、音場が広がり、鳴りが良く なった感じがします。 X-01Limitedなどはかなり音数が増えて、色彩感が出てきた感がします。 通常聴くにはこれで十分かと思えますが... ・P-01/P-03/P0s/P-70 この差が一番気になっておりました。P-70とP0sはメカの世代が近いせいか音の 傾向が似ていて、やや剛直な感じの音。 DACがD-01ということもあり、一体機とは一線を画したダイナミックでスケールの 大きな音。これは、良いんだけど少し、細部の明瞭さに少し欠けるかなあと言う 感じ。P0sオーナーとしてはP-70との差に安堵いたしました。 P-03はさすがに新しいVRDS-NEOだけあって、細部の明瞭性は一枚上手のようです。 ただし、 P-0sと取り替えるかと言われると、正直そこまでの魅力を感じません でした。(ホッ) 最後に、真打ちP-01。小生は、P-01を聴くのは3回目か4回目だと思うのですが、 今回は絶句しました。楽器を弾く様が細部まで明瞭にわかるセパレーションの良さ といい、空気感の違いといい、トランスポートのメカのモノが違う感じを受けまし た。エソテリックのトランスポートはかっちりした音で力強い低域の押し出しが特 徴のように思っていたのですが、P-01はさらに進んで素晴らしくしなやかな音も出 せるようです。 CDにはこんな音が入っていたんだと、改めて認識させられる音でした。 ・DSDとPCM伝送 P-01には着いていない、P-03のDSD伝送機能。世の雑誌などには他機種含めDSDの 音が良いと書かれていることが多いので非常に気になっておりました。 これが、曲の内容で評価が分かれるんですねえ、驚きました。 どっちの音が良いといものでも内容です。ClassicはDSDが良く、Jazz/Rock系はPCM とも思いましたが、曲ごとに優劣が有るようです。 DSDだから音が良いとかの先入観は捨てないといけないようです。 以前、川又さんがマラソン試聴会でSPの仰角を少し変えただけで、音の傾向が変わ り、ClassicとJazz/Rock系へのマッチング度が変わることをデモンストレーション されておりましたが、同じような”川又Magic”でした。 試聴会の後で、わざわざお越し頂いたエソテリックの技術の方にもP-01/D-01+DSD に関する質問がまず出されましたので、皆さん気にされてようです。 P-01/D-01の今後の進化は未定とのことですが、おそらく、エソテリックの技術陣 の納得行くものが出来た時点で、 登場するのかもしれません。 まあ、そのときを楽しみに待つということでしょうか。 というわけで、小生的にはP-0sの後継はP-03+D-03ではなくて、やっぱりP-01+D-01 であることを認識いたしました。もちろん、とても手が届くお値段では有りません ので、当面は、今回の試聴会でお聞きした色々な手段を講じてP-0sのポテンシャル を引き出して見ようと思いますが。 しかし、川又さんがおっしゃっていたAudio機器を比較試聴するときのフィロソ フィーには感銘を受けました。ヴァイオリンが啜り泣くように艶やかに鳴って欲し いとか、ピアノのアタックはあくまでも芯をもって剛直に鋭く立ち上がって欲しい とか、逆に甘くふわりと鳴って欲しいとか言うように、如何に自分の好みの音通り に鳴るかという強いバイアスをもって聴くのでは無く、まずは機器の持っている 最大の情報量、ポテンシャルを色づけなしに聴き取ることから始めるべきだと言う ことですよね。 そのため試聴用のソフトも、機器の差を聴きわけやすいものを特別に厳選されてい らっしゃる。今回も”水の音”とか押尾コータローのギターとか”サクラサクラ” のアカペラとか、非常に分かりやすかったです。 でも、音楽性がないがしろにされているわけではなくて、どれもとても素晴らしい センスの”音楽”だったと思いますよ。 これが、いつも川又さんのデモが、純粋な比較試聴だからといってつまらない音を 聴くのではなくて、楽しめる最大の要因です。 今回は、川又流の比較試聴の極意の一端をかいま見たような気がいたします。 最後に、明かりも空調も落として、おかけいただいた”タンゴ”には感動しました。 クレルのアンプのブルーの明かりが綺麗に輝くステージに正に演奏者がそのまま 演奏しているかのようなリアリティ、Audioの醍醐味を満喫させていただきました。 また、試聴会を通じて冷徹なモニターSPのように、機器の差を暴き出していた NEOが、最後に素晴らしい音楽を奏でてくれました。 本当に、ありがとうございました。 と、これで終わりでは有りませんでした。 試聴会後に川又さんにD-70のVersionUpの時期を失してしまって後悔していること 申し上げると、すぐにティアックの営業の方(安斉さんでしたか?)に、もう一台 できるだろうと、確認の依頼を出していただきました。 さすが、川又さんは最高の営業マンだわい、と再認識しました。 出来るものなら是非御願いいたします。 最後に、参加された方々が皆さんがおっしゃっているとおり、カツサンドは美味で した。赤ワインまで頂いてしまい、恐縮でした。 準備していただいた、女性スタッフの方にも御礼を申し上げます。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 川又より K.S 様ありがとうございました。そして、次回の“エフコン”へのお申し込みにも 重ねてお礼申し上げます。皆様の喜んで頂いて何よりでございました。 |