《HAL's Hearing Report》


No.0222 - 2005/11/17

東京都 F 様より


「H.A.L.'s “エフコン”Hearing Report」

Vol.18「どうも川又さんの手の平の上で操られていたような気がする一時でした」

川又様

昨日は盛りだくさんなプログラム、どうも有り難うございました。
一部ですが、感想を述べたいと思います。

(1)PC8100からPシリーズへの電源系交換

私は、8100は川又さんから購入して使っているので、具体的な音質評価は控えます
が、一言で言えば「変わるもんですねー」

ただし、変わるといっても、機器の場合は、ある程度値段によって決まってしまう
「格」のようなものが存在しますね。

今回の比較試聴でも、川又ルームの音の格は、両者ともに厳然と保たれていました。
 
この機器の「格」に関しては、自分の懐と相談してあきらめることも比較的容易で
すが、ケーブルの場合、それとは別次元で、こちらの嗜好・好き嫌いに、もろに
訴えかけてくる部分が大きいので厄介です。

「オーディオは泥沼」という言葉は、個人的には適切とは思いませんが、「ケーブ
ルは泥沼」というのはあり得る気がしてきました。


(2)Lansche Audio System No, 4

ストレスフリーに淀みなく滲みなく出てくる中高音は素晴らしいですね。
チェンバロやギター、フルート、バイオリンなどはこのスピーカーでしか得られな
い質感を味わうことができると思います。

ただ、日頃川又ルームで聴いているノーチラスやネオのトータルな完成度に慣れて
いる耳には、例えばピアノなどの低音の再生は少し厳しいかなと感じました。

(3)B&W 800DとATC SCM100Tsl

ATCは以前から、現代音場型スピーカーとしてはきわめて肉感的で温度感が高く脳
天気な音という、私の嗜好という点では、個人的にはややネガティブな位置づけを
していたスピーカーなのですが、今回、これがシャープな、場合によっては厳しい、
そして繊細な音を十分に出してくれるスピーカーであることを知りました。

これはおそらくこの新製品の傾向というよりもむしろ川又さんの鳴らし方に負うと
ころが大きいと思います。

一方、このスピーカーの独壇場である大音量再生は、「スピーカー以外の機器に
十分な余裕を持たせた上で限界まで鳴らすとここまで行くか」という実験の検証に
つきあった思いです。

ソースによっては、800Dでも出せない音が出ますね。

最後に、全体の印象として、どうも川又さんの手のひらの上で操られていたような
気がするひとときでした。


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