発行元 株式会社ダイナミックオーディオ
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H.A.L.担当 川又利明


2011年5月26日
No.817 「H.A.L.'s One point impression!!-ESOTERIC I-03に感動した私!!」
 
-☆-H.A.L.'s Circle Review-☆-No.2477-ではこんな事言っていました。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

突然ですが、これは下記の同社webサイトからの引用です。

http://www.esoteric.jp/products/esoteric/i03/index.html

実はここだけの話…(笑)&(^^ゞI-03は4月1日発売となっていますが、その前に
プロトモデルが持ち込まれたことがありました。その時の印象は…!?

ところが実際に出荷された量産機を先日聴くチャンスがあったのですが、何と
プリプロダクツの音質とは雲泥の差!!(ストレートな表現でごめんなさい)

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

再度聴くチャンスがあったというのはESOTERIC主催による社内での研修会での
事でした。ですから大勢で聴いたわけですが、それでは納得できない私は更に
もう一度ここH.A.L.の環境とシステムで聴かせて欲しいと要望していました。

それが実現したのが本日のこと。思えば二か月前に聴いた時は最悪でした。
ESOTERIC担当者S氏が少しでも聴いて欲しいと持ち込まれ、電源を入れてから
三曲くらい聴きましたが、くもりガラスの向こうにスピーカーがあるような
印象で「こんな音じゃESOTERICの名に恥じるね〜」と辛らつな事を言ってしま
いました。何せ一日だけ数時間の滞在ということで当日は時間的なゆとりもなく
当時の段階にあったI-03を持ち帰るという日帰りでの試聴だったわけです。

二か月前の製品とはモノが違うということでしたが、私としては半信半疑^^;
本日届いたデモ機を開梱しセッティングしてからエンハンサーディスクを
かけて取り敢えずは昼食へと出かけたわけです。電源投入から40-50分くらい
経過してからでしょうか、せっかちな私はまだ終わっていないエンハンサー
ディスクを取り出して先ずは聴いてみようかと思ったわけです。そして…

「電源投入後50分くらいしてから聴きましたが、私には前回並みという程度で
 印象は良くありません。期待はずれでした。もう少しバーンインをしてから
 再度聴いてみます。また連絡します。」

と簡潔なメールをS氏に送ったものです。私の頭の中では試聴しなくてはいけ
ないシステムもあるし、エンハンサーディスクの音は聴いていられないし、
かと言ってスピーカーから信号を出さなければ意味がないし…、とイライラが
募る中で他の仕事で時間をつぶし、あと何分で終わるのかとカウンターの数字
を何回も見直してじれったい数分を過ごしたものでした。

この時、電源投入からエンハンサーディスクを回して大よそ二時間以上は経過
していたと思います。そして、先ほどと同じ曲を聴き始めたら…!?

これがオオバケしたのですから驚いてしまいました。それから約三時間という
もの次から次へと聴きまくり、当店の他のフロアーに回さなければならないと
いう時間的制約を省みず驚きと感動と興奮の試聴体験をしたものでした。
これは皆様にお知らせすべき価値ありと急きょ掲載原稿を書き始めたものです。


      ◇ ESOTERIC I-03 -inspection system ◇
 
………………………………………………………………………………
ESOTERIC G-0Rb(税別\1,350,000.)
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/g0rb/index.html
     and
TRANSPARENT PLMM2X+PI8(税別\695,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
     and
Project"H.A.L.C"H.C/3M(税込み\560,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/halc/
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽
 
ESOTERIC 7N-DA6100 BNC(Wordsync用)(税別\240,000.)×3
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/mexcel/index.html
 
                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
ESOTERIC P-01+VUK-P01(税別\2,500,000.)
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/p01/
     and
TRANSPARENT PLMM2X+PI8(税別\695,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
     and
Project"H.A.L.C"H.C/3M(税込み\560,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/halc/
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽
 
ESOTERIC 7N-DA6300 XLR 1.0m×2 (税別\560,000.)
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/mexcel/index.html
 
                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
ESOTERIC D-01+VUK-D01(税別\2,500,000.)
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/d01/
     and
TRANSPARENT PLMM2X+PI8(税別\695,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
     and
Project“H.A.L.C”H.C/3M(税込み\560,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/halc/
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽
 
Transparent Reference XL Balanced (1.5m) (税別\1,100,000.)
http://www.axiss.co.jp/ftran.html

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
ESOTERIC I-03 (税別\600,000.)
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/i03/index.html
     and
TRANSPARENT PLMM2X(税別\240,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
     and
Project“H.A.L.C”H.C/3M(税込み\560,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/halc/
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

AccusticArts PREMIUM LINE Bi-Wire 6.0m (税別\620,000.)  
http://www.hifijapan.co.jp/accusticarts.htm

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
Kharma  Grand Ceramique Midi 1.0  (税別\4,950,000.)  
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/598.html
http://www.axiss.co.jp/fKharma.html
     and
H.A.L.'s original“B-board”(二枚/税込み\256,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/B-bord.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/521.html
………………………………………………………………………………

なんだなんだ〜、60万円のアンプを試聴するのにこんなアンバランスなシステム
構成はないだろう! と思われても仕方ありません。アンプより高いスピーカー
ケーブルやら電源回りや各種ケーブルもそう。組み合わせているコンポーネント
自体が非常識な価格差なのですから、ごもっともというところです。しかし、
考え方によっては、これほどのシステムに組み込めばアンプの良し悪しは立ち
どころに分かってしまうというもの。

システム全体が高価であっても、その中に見劣りする要素があれば、結果的な
音質は低いレベルになってしまうものですが、今回は違いました!!

I-03はこれらのコンポーネントと肩を並べてしまった!!いや、もしも私が皆様
にブラインドでお聴かせしたら向こうに置いてある大型アンプが鳴っていると
勘違いしてしまう事でしょう!!

■マーラー交響曲第一番「巨人」第二楽章  小澤征爾/ボストン交響楽団

この曲を二時間前に聴いて期待はずれと思ってしまったものでした。しかし!!
目覚めが悪いI-03であることを証明するのにはこれほど適した曲はありません。

冒頭の弦楽器の合奏が始まった瞬間に私は異変に気が付きました。ボストン
シンフォニーホールのステージに巨大なカーテンを吊るしてオーケストラ全体
を隠していたのでしょうか? 先ほどは解像度も感じられず色彩感も乏しく、
何か弦楽器らしきものが塊になって鳴っているという印象だったのです。

ところが、舞台の緞帳をするすると開くとまばゆいばかりのステージに居並ぶ
楽員の表情が見えてくるかのごとく、ヴァイオリン一つずつの分離感が感じられ
弦楽五部編成の約50人が演奏する弓の律動が私の眼前で展開し始めました!!

ほぐれている弦楽器は各パートの色彩感の違いを多彩なグラデーションの濃淡
として視覚的に見せてくれるようであり、驚くことにトライアングルの一打に
光を与え、管楽器の響きに潤いをもたらし、コントラバスの発する音階の低い
ホールエコーをスピーカー周辺の空間に秩序をもって拡散していくのが凄い!!

低音楽器に秩序が!?変な例えかもしれませんが、このアンプが聴かせる低域は
私の記憶のライブラリーでもマッチするものは少ないように思われました。
そこで次の選曲。

■“Basia”「 The Best Remixes 」CRUSING FOR BRUSING(EXTENDED MIX)
http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Arch/ES/Basia/
http://www.basiaweb.com/
http://members.tripod.com/~Basiafan/moreimages.html#remixes1

イントロでのきらきらしたパーカッションの打ち込みの音は鮮明になり引き立つ。
しかし、ぎらぎらした質感にならないというのは優秀なアンプの素性の表れ。

そして注目のドラムが始まった瞬間にI-03の非常識さを思い知ることになった。

このプライスで本体重量は何と31Kg、その1/3が電源トランスという威容!!
最大出力は320W+320W(1kHz、6Ω負荷)ダンピングファクター1000という
強力なグリップ力と緻密で繊細な再現性を獲得した「Esoteric MSW Pure Class D」
の威力がものを言う60万円という魅力!!

こんなセリフを以前に述べていたわけですが、その威力を改めて実感しました。
Kharma Grand Ceramique Midi 1.0の低域はエンクロージャー容積を上手く
使ってシングルウーファーの背圧をレフレックスさせて、一口で言えば豊かな
量感の低音を聴かせてくれるのが特徴。

これがホール録音では美しい低音の余韻感として、低音の響きにそこはかとない
香りを付けてくれる妙味がある。しかし、スタジオ録音のタイトな低域、テン
ションを引き上げての絞り込みとスピード感ある打撃音の繰り返しというモニター
ライクな音作りの録音ではどうなのか?

Master Sound Works…、というキャッチフレーズの意味を私はここに感じた!!
他社のアンプで聴いた時の質感とは別次元のウーファーコントロールがこの
ドラムに表れています!! 

ドラムの音像を私の記憶する面積から半分程度に引き締めてフォーカスを鮮明にし、
打音の連打の間隙に無音というくさびを打ち込んだように一打一打の消滅を
しっかりと見極め制動してから次の打音を発する有様が手に取るように分かります。

オーケストラでの弦楽器の美しさからポップスでの低域の素晴らしさという
実感をあっという間に二曲で察知した私は、これはという可能性を感じて
選曲を切り替えていくことにしました!!これです!!

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/782.html

3.ジョジョ/ボズ・スキャッグス
鮮烈なボリュームでもストレスは微塵も感じることなく、次第に音量は上がり
能率91dBのKharma Grand Ceramique Midi 1.0で気分爽快に大音量で鳴らす。
多分、私の推測では曲の全体時間の一割が10W-20Wくらい、四割程度が30W-100W前後、
三割くらいで100W-200Wのパワー、残り一割は400Wくらい出力していると思います。

このスピーカーのインピーダンスは8オームから最低4オーム、I-03は定格出力
240W+240W(1kHz、6オーム負荷)ということなので、240Wは軽く叩き出し更に
最大出力の320Wとは一定歪率以内のものなので瞬間最大出力はそれよれも50%
は引き出すことができるはず。私が出しているパワー、求めた音量などは問題
なく簡単に出せてしまうものだろう。その証拠がこの音なのだから!!

イントロのドラムは極めて鮮烈なアタックが感じられ、ベースラインが鮮明で
音程もしっかり分かる。しかもブレがない。ブーンと膨らんだ豊満な低音と
いうイメージではなく、暴れるウーファーの頭をしっかりと抑えつけて脈動感
をエレキベースに与えるとこうなるというズシッとしたベースが実に素晴らしい!!

4.ロザーナ/TOTO
このJeff Porcaroが叩くドラムのイントロ部分は興奮しました!!このドラムで
アンプの電源部の強力さが証明されたものと安心して聴き進むとDavid Paichの
キーボードがこれほど滑らかで力強く感じた事はない、と思わず身震いする程。
そして、Steve Lukatherのギターがギューンとくると鳥肌ものの感動が!!

Kharmaにこれほどのダイナミックな音が出せたのかと思うほどI-03の見事な
コントロールが随所に発揮された演奏でした。

5.レッツ・グルーヴ/アース、ウインド&ファイアー
ボコーダーとキックドラムの連打で始まるお馴染の曲のはずなのに、前曲から
興奮している私には初めて聴くような新鮮さが感じられました。

だって、このボコーダーの音質そのものが前例がない程クリアーで、しかも
ドラムの音像とテンションが引き締まっているのでくっきりと分離しているから。

ハンドクラップがずっと続いていたんだと再認識するのが自分でも面白い、
この手拍子の余韻感がこんなに空間に大きく広がっていくなんてことに初めて
気が付いたものです。

そしてベース!! ここでも重厚さと脈動感をくっきりと再現してくれるので、
たった一台のアンプの音だろうかと誰もが錯覚するはずです。お見事!!

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

二時間のバーンインで覚醒し本領を発揮するようになったI-03にはまだ隠された
魅力がありました。リモコンでわざと緑のボタンにしているDIMMERスイッチで
ディスプレーをオフとして下さい。これは衝撃的でした!!

システム構成には何ら変化はないのに余韻感の滞空時間が倍加します!!
これには参りました!! 今までの曲を聴き直さなければならなかったのです。

いや〜、今日は久しぶりに興奮しました。そして、I-03の底力を確認したわけ
ですが、このアンプは鳴らし始めて二時間程度は真剣に聴かないで下さい。
そして、ディスプレーは全て消灯してお使いになることを推奨致します!!

ここで注目して頂きたいことがありますが、最大出力320Wとありますが…

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/807.html

このブリーフニュースでも述べているように消費電力とアンプの出力は全く
違うものです。カタログでは消費電力は280Wとありますが、これは定格出力を
連続して出す時のもの。ボリュームゼロでは約50W程度の消費電力ですから、
節電時代にも安心して使用出来るというものでしょう。

このI-03はどのような皆様にお薦めしたら良いのか? というのは皆様の多くは
既に60万円以上のアンプを使用しておられる方が多いのではと思ったからです。

■100万円未満のセパレートアンプ、プリメインアンプを使用している方。

■100-300万円のセパレートアンプで5年以上前のモデルを使用してる方。

このような条件に当てはまる方でしたらI-03は勝負出来ると私は思います!!

三時間に渡り聴き続けた全ての曲のインプレッションを語るのは大変です。
でも、体力・気力・時間に恵まれれば全ての曲のポイントを語りたいものです。

いや、語るよりも聴いて頂きましょう!!
そのためにDyna5555では2-7Fの全フロアーにてI-03を展示し、様々なスピー
カーとの組み合わせで試聴出来るようにと企画しています!!
どうぞ続報にご期待下さい!!


このページはダイナフォーファイブ(5555):川又が担当しています。
担当川又 TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556
E−mail:kawamata@dynamicaudio.jp
お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!!

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