発行元 株式会社ダイナミックオーディオ
〒101-0021 東京都千代田区外神田3-1-18
ダイナ5555
TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556
H.A.L.担当 川又利明


2009年11月1日
No.679 「Documentary of Audio Opera 2009'」
 
今回も本当にたくさんのご来場を頂きありがとうございました。
 
会場に関する説明は下記をご覧ください。
 
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/623.html
 
そして、今回の私のテーマはこれ↓でした。
 
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/678.html
 
先ず、今回の演奏システムはソースコンポーネントはすべて次の構成としました。
 
                □ Power equipments □
 
ESOTERIC PS-1500(税別\600,000.)+TRANSPARENT PLMM×7(税別\1,680,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/ps1500/index.html
     and
TRANSPARENT PLMM×5+PI8(税別\1,655,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
 
 
               □ Word sync equipments □
 
ESOTERIC G-0Rb(税別\1,350,000.)
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/g0rb/index.html
     and
ESOTERIC 7N-DA6100BNC 1.0m×7(税別\1,680,000.)
http://www.teac.co.jp/audio/esoteric/7nda6000/index.html
 
 
         □ SACD/CD Transport □
 
ESOTERIC P-01+VUK-P01(税別\2,500,000.)
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/p01/index.html
 
 
          □ D/A Converter □
 
ESOTERIC D-01+VUK-P01×3set(税別\7,500,000.)
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/d01/index.html
 
三種類のプリアンプに同時に最高品位のアナログ信号を送り込むことがポイント
の贅沢なフロントエンドです。なぜこんなシステムが必要か、それは後ほど。
 
さて、次に三種類のスピーカーに対して三系統のコンポーネントを次のように
セッティングしました。ただし、これはプログラムの途中でつなぎ換えて比較
試聴も行っています。そして、ラスト二曲では下記の最初の組み合わせに戻し
て演奏することになります。
 
 
       □ The Trinity System Part.1 □
 
■Pre Amplifier  soulution 721(税別\3,250,000.)
http://www.noahcorporation.com/soulution/720.html
 
                ▽ ▽ ▽
 
■Power Amplifier soulution 700(税別\12,000,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/file/080922/soulution_700.pdf
 
                ▽ ▽ ▽
 
■Speaker System VIVID Audio G1 GIYA(税別\6,400,000.)
http://www.stellavox-japan.co.jp/news/archive/?no=161
 
 
       □ The Trinity System Part.2 □
 
■Pre Amplifier OVTAVE Jubilee Preamp(税別\4,500,000.)
http://www.fuhlen.jp/octave/products/jubilee_01.html
 
                ▽ ▽ ▽
 
■Power Amplifier OVTAVE Jubilee Mono(税別\7,600,000.)
http://www.fuhlen.jp/octave/products/jubileemono_01.html
 
                ▽ ▽ ▽
 
■Speaker System Avantgarde DUO OMEGA G2(予価/税別\3,700,000.)
http://www.avantgarde-acoustic.de/download/g2_files/g2_newscatalog
 
 
       □ The Trinity System Part.3 □
 
■Pre Amplifier  JEFFROWLAND Criterion(税別\2,780,000.)
http://www.ohbashoji.co.jp/products/jrdg/criterion/
     and
■Pre Amplifier Burmester 077(税別\4,300,000.)
http://www.burmester.de/en/produkte/index.php?product=1,4,17
 
                ▽ ▽ ▽
 
■Power Amplifier Marklevinson No.53(税別\7,600,000.)
http://www.harman-japan.co.jp/product/marklev/no53.html
 
                ▽ ▽ ▽
 
■Speaker System Kiso Acoustic HB-1(税別\1,300,000.)
http://kisoacoustic.co.jp/
 
 
以上のシステムをどのようにセットしたのか? これは他のMCたちとは全く違う
発想であり、スピーカーのレイアウトが特に重要なポイントでした。
 
残念ながら私は撮影していなかったので、恒例のあの↓サイトをご覧下さい。
 
http://www.avcat.jp/event/2009/dms/index.html
 
私のプレゼン風景はこちら↓です。
 
http://www.catbank.jp/event/2009/dms/kawamata/index.html
 
            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-
 
私のプログラムは10月24日も25日も同じ内容のものだったので、進行に合わせて
ご紹介していきたいと思います。
 
先ず、最初にスピーカーのTrinityということで上記三機種のスピーカーがどの
ように個性的であり相反する設計思想であるかということを説明しました。
 
VIVID Audio G1 GIYAはNautilusと同様にローレンス・ディッキーの設計によ
るものであり、各ドライバーの後方に放射される音波を消音機の原理による
テーパード・チューブによって消去し、ダイヤフラムへのバックプレッシャーを
無くすことで歪みのない高品位な再生音を目指したものです。
 
これはスピーカー内部での原理を簡単に述べたものですが、外形デザインに
関しては↓ぜひ次の随筆を読み直してみて下さい。
 
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto55.html
 
このようにエンクロージャーの存在感を否定する思想が根底にあるものです。
 
そして、Avantgarde DUO OMEGA G2に関しては外観からもお分かりのように
骨組みだけという印象のデザインです。ドライバーとホーンを支えているだけ
というフレームの目的が直ちに解るものです。
 
ここで私は来場者に対してスピーカーのエンクロージャーの役目が二つあると
いう解説を極力簡単にお話ししました。
 
一つはスピーカーユニットを特定の位置関係に保持すること。当たり前ですね。
そして、もう一つの役目は低音を出すこと!? そうなんです。
 
もしも、ウーファーが空間にあるだけだとしたら、音波の原理として低域の
音圧は発生しなくなってしまいます。これも下記の随筆で説明してあります。
 
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto55.html
 
簡単にいえば、スピーカーユニットの後方に放射される低音を隔離してしまわ
ないと低域の音圧にならないということで、第二の目的というのがこれです。
 
さて、これを説明した後で私は次のように述べました!!
 
「ところが、スピーカーのエンクロージャーに第三の役目を与えたスピーカー
 が登場してきました。Kiso Acoustic HB-1です!!美しい響きを作るという
 役目をエンクロージャーに与えた世界初のスピーカーです!!」
 
このようにマイクに吹き込んだ私は、そのマイクをHB-1の響板に近付けてから
ボディーを指先で弾きました。「カーン!!」と正に楽器の胴を叩いたような
音が会場の拡声器から響いたものです。
 
このように各々のスピーカーの特徴を説明してから、来場者の皆様にこれから
やろうとしていることを説明しました。来場者には各MCが演奏するディスクと
曲目のリストを配布していたのですが、私の演奏する曲目の説明は演奏者名と
曲名だけでディスクナンバーの項目は空欄となっていました。それはなぜか!?
 
            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-
 
下記にご紹介しますが、バッハからロン・カーター、そして布施明までという
実にバリエーション豊かな選曲が実は一枚のCDに納められています。こんな
コンビレーションアルバムのテーマは何か、これらの曲の関連性は何かという
キーワードを来場者に当ててもらおうというクイズ形式の企画を考えました。
 
そして、CDのキーワードを答えて頂く前に、その曲を演奏したスピーカーを
言い当ててもらおうということで、先ず最初に演奏されたスピーカーを、次に
キーワードを、ということで二つの答えを来場者に求めたものでした。
 
これが面白かった!!キーワードよりも鳴ったスピーカーが何か? こちらの方が
難問だったようです(^^ゞ初日のことでした。私が上記の企画を説明し、曲名
だけを見てキーワードが解る方は、と問いかけたところ何と手が上がりました。
 
会場には歩いて来られるという下記の投稿でお馴染みの東京都港区A様でした。
 
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0480.html
 
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0473.html
 
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0367.html
 
それでは、ということで一曲目を演奏してから私は後方の席まで片手には皆様
のささやきを聞き取るためにメガホンを持ち、マイク片手に駆けつけて行きました。
最初の曲はこれでした。
 
チャバ・オンツァイ/J.S.バッハ/無伴奏チェロ組曲第三番 ハ長調 BWV1009〜アルマンド
 
私は「では先ず今鳴ったスピーカーは!?」と問いかけると、A様はメガホンに
顔を近づけて「Avantgarde?」とささやきましたが…、残念でした!!
 
先ずスピーカーが外れてしまいました。正解はKiso Acoustic HB-1です!!
 
この時、会場にどよめきが起きた事を私は覚えています。実は、このあとには
他の曲でA様の奥様も手を上げられたので、答えを聞くと「VIVID Audio?」と
答えられたのですが、またも外れてしまいました。(^^ゞ
 
こんな調子で最初にスピーカーを、次にキーワードを当てて頂くという流れで
次々に演奏を続けて行きました。ここでは選曲の後に演奏したスピーカーの
正解も一緒にご紹介していきましょう。
 
レディース・オーケストラ・ジャパン/口笛吹きの犬
★Kiso Acoustic HB-1
 
平野孝幸/いっそセレナーデ
★VIVID Audio G1 GIYA
 
ロンドン・フィルム・フェスティバル・オーケストラ/踊りあかそう/
映画「マイフェアレディー」より
★VIVID Audio G1 GIYA
 
デュエットゥ/ピアソラ リベルタンゴ
★VIVID Audio G1 GIYA
 
マリア・クリ―ゲル/コダーイ/無伴奏チェロソナタ作品8〜第一楽章
★Kiso Acoustic HB-1---特にこの曲は皆様ひっかかりましたね〜(笑)&(^^ゞ
 
ロン・カーター/ダブル・ベース
★Avantgarde DUO OMEGA G2
 
ロン・カーター/36414
★VIVID Audio G1 GIYA
 
日野 皓正/シティー・コネクション
★Avantgarde DUO OMEGA G2
 
布施 明/落ち葉が雪に
★Avantgarde DUO OMEGA G2
 
ここまでが配布したディスクリストに記載されていた曲でした。初日はロン・
カーターあたりから正解者が出始めましたが、中々正解が出ないのでこの企画
は失敗だったのかな〜と思うこともありましたが、挑戦者が次第に増えてきた
ので私は会場の中を走り回ることになりました^_^;
 
二日目は最初の一曲でズバリと正解した方もありましたが、そのあとは中々
正解者が現れませんでしたね〜。面白い事に、先ずスピーカーを言い当てると
いう方が少なく、私が意図したセッティングの効果が同じ位置関係と方向性と
いうことで中々難しかったようです。
 
でも、結果的には各々のスピーカーが皆優秀であるということでくくれる現象
であろうと思います。さ〜て、ここまで進んできてヒントということでディス
クリストに記載されていない曲があると次のようにアナウンスして演奏したの
がこれでした!!
 
「時は1967年、当時の上智大学の教授であり黒人のゴスペルシンガーである
 サイラス・モズレーのスキャット、伴奏は日本におけるジャズギターの
 草分けでもある小林徹というシンプルなモノラル録音です」と…
 
私は絶対にこの曲をかければ皆さんお分かりになってしまうだろうと思い、
最初の5秒間だけギターのイントロのみかけることにして会場の様子を見ると、
おやおや、これでも解らないかな〜と手が上がりません。正解はこれでした。
 
サイラス・モズレー/夜がくる(オリジナル・バージョン)
★Kiso Acoustic HB-1
 
私の青春時代にずっとメロディーを口ずさんでいた懐かしい曲ですが、それが
こんな素晴らしいオーディオシステムで聴けたということで感激しつつ今回の
演出を思いついたものです。
 
ここまで読んで、皆様はCDのキーワードをお分かりになりましたか?
 
ということで、種明かしということで最後にかけたのがこの曲でした!!
 
石川さゆり/ウイスキーがお好きでしょ
★Avantgarde DUO OMEGA G2
 
そうです、このコンビレーションアルバムとはこれだったのです。(^^ゞ
 
http://www.suntory.co.jp/enjoy/cm/news/index.html
 
            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-
 
さて、余興的な演出が終わってからはぐっとオーディオ的な進行へと進みます。
最初に解説したようにスピーカー個々の特徴を楽しんで頂こうということで、
先ずはKiso Acoustic HB-1をじっくり聴いて頂くことにしました。
 
実は、前述したように各々のスピーカーの特徴を私が解説した後に、重量が
たったの4.5KgというHB-1を来場者の皆様に実際に持って頂き、その仕上げの
美しさや重さとサイズなどを実感して頂こうと実物を客席に巡回させるという
サービスもさせて頂きました。生後三カ月くらいの赤ちゃんと同じ重さという
HB-1を懐に抱えた感触を楽しんで頂いたものです。いかがでしか?
 
さて、そんなHB-1で皆様に聴いて頂いた選曲は森山 直太郎でした。
 
http://www.naotaro.com/index.asp
 
2003年リリースのシングル「さくら」に収録されている4曲目「手紙」という
曲です。冒頭には河原の土手にいる青年がラジカセをかける効果音が鳥の鳴き
声とともに入っていて、歌い始めはヴォーカルにコンプレッサーがかけられて
いるのですが、途中からワイドレンジの鮮明な声に一転するという演出の曲。
 
まあ〜、このヴォーカルがホール全体に驚くほどのボリューム感を持って響き、
手の平と同じ大きさのスピーカーが鳴っているとは信じられないような素晴ら
しいヴォーカルを聴かせてくれました。皆様覚えていますか!?
 
次はAvantgarde DUO OMEGA G2の番です。私はこのスピーカーの弦楽器の音質
が大変素晴らしく、サブウーファーの強力な脈動感ある低域を大音量で聴いて
頂こうと選曲したのがこの曲でした。
 
Jongen - Symphonie Concertante for Organ and Orchestra;
Saint-Sa・s Sympony No. 3 "Organ" (DOR-90200)
 
http://www.dorian.com/store/scripts/prodView.asp?idproduct=5187
 
ベルギーの作曲家Joseph Jongenの協奏交響曲 作品81の最初の1トラックです。
7分半という長い演奏ですが、後半で盛り上がってくるオルガンの重厚かつ
タイトな脈動感が素晴らしい演奏を最後まで楽しんで頂きました。
 
そして、次がVIVID Audio G1 GIYAです。上記のロン・カーターの演奏でも
スピーカーを使い分けていますが、先月リリースされたばかりのヴォーカル
アルバムから一曲を最後まで聴いて頂きました。これです。
 
http://www.kingrecords.co.jp/categorylist/jazz/index.html
 
シェリル・ベンティーン/コール・ポーター ソング・ブック
9.You'd be so nice to come homeです。イントロのドラムから生きのいい
彼女のスキャットが展開し途中まで曲名が中々解らないのですが、こんな
アレンジのYou'd be so nice to come homeは素敵でした。広大な音場感を
得意とするG1 GIYAがステージいっぱいにシェリル・ベンティーンの声を
美しく、また雄大に展開するのですから、正にこの場でないと聴けない演奏と
いうものになったと思います。
 
            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-
 
各々スピーカーで一曲ずつ演奏した後に、またまたユニークな試みを!!
1トラック目をKiso Acoustic HB-1で、続く2トラック目をAvantgarde DUO
OMEGA G2でとジョイントコンサート形式での演奏です。その選曲はこれです。
 
Espace/溝口肇best http://archcello.com/top
 
このタイトル曲Espaceはチェロのソロ録音です。しかし、同じチェロでもクラ
シック分野のチェロの録音とは傾向が異なり、スタジオワークで“チェロらしさ”
という演出を加えられた音質は重厚であり伸びやかであり、まさか10センチの
スピーカーがここまで鳴らすのか!!という音量感で来場者の皆さんを包み込み
ました。いかがでしたか? あの時の感動は?
 
2トラック目はご存じの「世界の車窓から」ですが、私は二台のプリアンプの
ボリュームを操って切れ目なくAvantgardeにつないでいきました。
 
パーカッションの小気味よい切れ味、エレキベースの重厚な響き、普段は
テレビのスピーカーで聴いていた曲が何ともスケールアップされて聴けます!!
 
            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-
 
さて、このような展開でスピーカーのTrinityを楽しんで頂いた後にはアンプ
のTrinityもご紹介しなければということで、上記の三種類のアンプをひとつ
のスピーカーで比較して頂こうという流れになります。
 
Marklevinson初のデジタルアンプであるNo.53はA/D変換のプロセスで何と2MHz
という超広帯域のInterleaved Power Technologyを駆使したもの。
 
そして、soulution 700では電圧増幅部の前に独自のリニア補正回路を搭載し、
最大電流供給能力が60Aというハイパワーを実現したものです。しかし、ここ
でも私のこだわりからブリッジ接続にはしていません。その訳は下記にて!!
 
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/610.html
 
更に新しい設計手法の五極管構成で250W (4Ω)をものにしている管球式アンプ
の新世代モデルとなるOVTAVE Jubilee Monoという三種類を比較試聴しました。
 
さて、そのためのスピーカーですが、Avantgardeではアクティブ・ウーファー
によって内臓アンプが低域を支配しているので全帯域での比較にはふさわしく
ないし、HB-1では私がかけたいダイナミックなオーケストラはこの環境では
厳しいということで、スピーカーは迷わずこれです。VIVID Audio G1 GIYA。
 
そして、各々の個性が弦楽器の質感と低域のダイナミックな展開で比較し易い
という選曲でこれを聴き比べることにしました。
 
http://www.referencerecordings.com/SAMPLE.asp#samplers
TUTTI! An Orchestral Sampler "The Absolute Sound Super Disc List"
(1)Rimsky-Korsakov: Dance of the Tumblers,
 
昨年のマラソン試聴会でもかけましたが、雄大なオーケストラは大きな空間と
広いステージで聴くと素晴らしさが良く伝わります。皆様はどのアンプが気に
入られたでしょうか?
 
            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-
 
さて、次なる試みは時間の関係で25日は出来ませんでしたが、フロントエンド
に関してもTrinityの意味合いを実演しました。トランスポート、D/Aコンバー
ターに次ぐ第三の要素としてMaster Clock Generatorの存在感をクローズ
アップしようという実験試聴です。ここで使用するスピーカーはHB-1です。
そして、このフロアーでHB-1の試聴で必ずかけるピアノソロという選曲です。
 
YPM-005 山本英次から「荒城の月」を聴いて頂きました。
http://www32.ocn.ne.jp/~ypm/cd.html
 
独特の響きをもつ Bechstein のピアノによるソロ演奏。
http://www.bechstein.de/
 
これを二回繰り返してかけましたが、どちらかの再生音では実はMaster Clock
Generatorを外しておいたのです。そして、二回の演奏が終わってから皆様に
お尋ねしました。
 
「前者と後者の再生音のどちらが良かったですか〜」
 
圧倒的に後者の方に手が上がりました。そうですね〜、前者では実はG-0Rbを
外した時の音だったのです。ご来場の皆様はちゃんとMaster Clock Generator
の存在感を音質で聴き分けたということでしょう!! ぜひご検討下さい〜(^^ゞ
と申し上げたら会場が笑いで盛り上がってくれましたね〜。
 
更に、この組み合わせにおいてはプリアンプのみをJEFFROWLAND Criterionと
Burmester 077とで比較試聴するということも初日では行いました。
両日ともに半々ということで二つのプリアンプを使い分けていたことを今だから
ということで述べておきたいと思います。しっかり個性が表れていましたね。
 
            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-
 
駆け足ながらもフロントエンド、アンプ、スピーカーと三アイテムのTrinity
を個々にお楽しみ頂きましたが、実は私のたくらみはこれからが本番だったのです!!
 
先ず、この時にこそお聴かせしようと以前から考えていた選曲をご紹介します。
 
MERCEDES SOSA/Misa Criolla(当時のディスクはUCCL1002ですが国内盤は廃盤)
から(1)Kyrieをかけようと思っていました。63歳の時の録音ですが、歌詞は
解らなくともズシンと心に響く歌声と伴奏の壮大な音場感は本当に大きな空間
で聴いて頂きたいという秘中の選曲でした。すると…
 
何と、今年10月4日のこと、御歳74歳になっていたMERCEDES SOSAは腎臓病の
悪化から死亡したというニュースを世界中の通信社が報道していました。
 
1976年からのアルゼンチンの軍事政権のもとでステージ上で身柄を拘束され、
国外に亡命し82年に帰国コンサートを行ってユニセフの大使まで勤めたという
波乱の生涯だったわけですが、彼女の歌声が現在でもここ東京で多くの人々の
心を揺さぶっているということを喜んでくれることでしょう。
 
私は、この時にテーマであるThe Trinityという意味合いを音で表現すること
にしていました。しかし、それを先に言葉で表現するのではなく演奏で皆様に
体感して頂こうということで前置きなく演奏をスタートさせました!!
 
冒頭のコーラス、重厚であり雄大に広がるドラム、そして神秘的であり力強い
MERCEDES SOSAの歌声。皆様、覚えていらっしゃいますか!?
 
私は客席の後ろまで歩いて行って、自分でもこの時しか聴けないという演奏を
しっかりと記憶に刻み込んだものでした。
 
演奏後に私はステージに戻り、何が起こったのか!? それを話し始めました…
 
「今回のテーマThe Trinityの三位一体ということが何を意味するものか、
 たった今私が目指していたものが実現できました。
 三種類のスピーカーとアンプ、そして共通のプレーヤーにおいて、その全て
 を同時に鳴らしたのが今の演奏だったのです!!」
 
Nautilusの生みの親が作り上げた素晴らしい音場感のVIVID Audio G1 GIYAと
soulutionのライン。
 
スフェリカルホーンの開口指向性180度というAvantgarde DUO OMEGA G2のもつ
ダイナミズムあふれるライン。
 
Kiso Acoustic HB-1をこれでもかとグリップさせて強力にドライブさせた
Marklevinson No.53のライン。
 
そして、これらの源流はESOTERICという至高の解像度が支えており、iLinkの
直列接続とWord syncによって完全に同期した三系統のD-01+VUK-D01によって
高品位な信号を供給させたということから成り立っているものでした。
 
性格も能率も違う三種類のシステムを同時に鳴らすというアイデア、それは
私にも想像がつかない試みでしたが、開催前日のリハーサルで初めて出した
音で私は確信を持つことができました。
 
そのリハーサルにおいても当社の社員にも取引先各社の人々にも一切語らずと
いうことで、この本番で初めて披露した演奏でした!!
 
いかがだったでしょうか!?
 
そして、最後の一曲はこれです。
 
SWING!/THE BOSTON POPS ORCHESTRA/6.SING,SING,SING(国内盤は廃盤)
 
私は、オーディオシステムによる演奏で感動することができたら、生演奏と
同じように拍手が沸き起こることを期待していました。
 
各々のシステムが表現する三種の個性と魅力を一つにすること。大音量なのに
美しいと感じられるパフォーマンス、言葉では簡単な事ですが総額7000万円を
超える3システムの演奏が今回のAudio Opera 2009'のラストの一曲で皆様に
どのような感動を提供できたでしょうか?
 
後世での語り草として、また皆様にとっての一生に一度の体験として末永く
記憶に残されていくことを期待しております。
 
上述のドキュメンタリーによる詳細から皆様の記憶が蘇り、この二日間の感動
をメールにてお送り頂ければうれしく思います。
 
私の耳には、あの時の拍手が今でも残っていますから…!!
 
            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-
 
最後に、当日ご来場頂きました皆様からのご感想をぜひメールにてお寄せ頂ければと思います。
 
       mailto:kawamata@dynamicaudio.jp 
 
私が使用したコンビレーションアルバムをささやかなお礼として進呈させて頂きます。
 
http://www.suntory.co.jp/enjoy/cm/news/index.html
 
皆様のご感想も歴史として、また記念として下記のページに残していきたいと思います。
ここにどんどんアップされていきますので、どうぞご覧ください。
 
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear.html
 
どうぞよろしくお願い致します。<m(__)m>


このページはダイナフォーファイブ(5555):川又が担当しています。
担当川又 TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556
E−mail:kawamata@dynamicaudio.jp
お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!!

戻る