発行元 株式会社ダイナミックオーディオ 〒101-0021 東京都千代田区外神田3-1-18 ダイナ5555 TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556 H.A.L.担当 川又利明 |
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「We Love D!!記念企画⇒Documentary of Sunday Concert Vol.8」 今回のSunday Concertは演奏だけを楽しんで頂くというよりは最新のディスク プレーヤーの個性を聴いて頂こうということで、個々の製品説明はあまりしま せんでしたが徹底した比較試聴ということでお楽しみ頂こうという企画でした。 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/649.html 今回は満席のご来場を頂きありがとうございました。 恒例の記念撮影をさせて頂きましたので早速ご紹介致します。 http://www.dynamicaudio.jp/file/090503/guest01.jpg http://www.dynamicaudio.jp/file/090503/guest02.jpg 今回は休憩をはさみ三時間とゆとりを見たつもりでしたが、何と20分程オーバー してしまいました。私の想定した比較試聴はほぼ予定通りこなせました。 同じ曲を7回も聴いて頂きしたが皆様お楽しみ頂けましたでしょうか? しかし、このような体験が皆様の感性の成長にお役に立てればと思いますし、 雑誌やwebで誰かがどう言ったかということに惑わされずご自身の好みという ものを再発見して頂ければ何よりでございます。 "Sunday Concert"Vol.8のドキュメントを時系列に沿ってまとめてみました。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- the subject .1「1Body type-CD/SACD Playerの個性と魅力を引き出す!!」 ■TUTTI! An Orchestral Sampler "The Absolute Sound Super Disc List" 1 Rimsky-Korsakov: Dance of the Tumblers http://www.referencerecordings.com/SAMPLE.asp#samplers http://www.super-audiocd.com/software/disc.php?dno=7208080018 先入観のない無機的な楽音で客観的にプレーヤーの個性を感じて頂くという 試みをしてきたことがありましたが、今回はのっけからフルオーケストラと いう選曲です。 それはプレーヤーの個性として雄大な広がりを聴かせる低域と肝心な弦楽器、 そして華やかな金管楽器の質感、小物として各種のパーカッションが小さな 点として空間に定位する様子など、3分48秒の録音の中に実に多数のチェック ポイントが含まれているというものです。そしてSACDレイヤーでの再生です。 この一曲を次の順番で七機種を一挙に比較試聴して頂くことから今回の企画を スタートさせました。あらかじめご来場の皆様には演奏するプレーヤーの順番 と選曲を印刷したメモシートをお配りしてあり、皆様熱心に各々のプレーヤー の印象をメモしていらっしゃいました。演奏は次の順序でスタートしました。 Entry No.1 Playback Designs MPS-5 (\2,500,000.) ESOTERICメカ搭載モデルSACD再生 Entry No.2 dCS Puccini (\2,500,000.) ESOTERICメカ搭載モデルSACD再生 Entry No.3 Marklevinson No.512 (\2,100,000.) ESOTERICメカ搭載モデルSACD再生 Entry No.4 ESOTERIC X-01D2 (\1,400,000.) VRDS-NEO搭載モデルSACD再生 Entry No.5 Lindemann 820S (\1,980,000.) Sony OM4 SACDドライブ搭載モデルSACD再生 Entry No.7 Wadia 581se (\1,680,000.) SACD再生 Entry No.6 VitusAudio SCD-010 (\2,180,000.) Philips-CDMモディファイメカ・CD再生 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 上記の順番は見てお分かりのように最初の四機種はESOTERIC製メカを搭載した プレーヤーの比較です。海外製の200万円以上の製品に対してX-01D2が大変 お安く思えてしまいますが、皆様の評価はどうだったでしょうか? そして、漫然と並べたように見える演奏順序ですが、実は私は一台ずつの音質 変化量が大きくなるように、個性の対比としてアップダウンが大きくなるよう にと意識した順番なのです。 さて二曲目はこれです。メカニズムの違いが分かりやすく、またプレーヤーの 個性も見つけやすい前曲のオーケストラとは対照的なシンプルな演奏です。 H.A.L.'s 訪問記でも、また各種の試聴レポートでも多用している曲です。 イントロで指を鳴らす硬質なアタックからの余韻感、ドライでノンエコーの リアルなウッドベース、そして音場感豊かなヴォーカルの存在感という聴き どころがチェックポイントでしょう。これも七機種を連続して試聴して頂き ました。 ■DIANA KRALL「LOVE SCENES」11.My Love Is (UCCV-9378) http://www.universal-music.co.jp/jazz/artist/diana/disco.html SHM-CD によるCD Layer再生 http://www.universal-music.co.jp/jazz/artist/diana/disco.html#shmcd さて、次のステップに進む前に来場者に上記七機種から音質的に気に入った プレーヤーを二機種選んで頂き挙手して頂くという趣向をご説明し、この曲が 終わってから人気投票をして頂きました。すると次の二機種が決定しました!! Entry No.2 dCS Puccini (税別\2,500,000.) ★投票数 13名 http://www.ohbashoji.co.jp/products/dcs/ Entry No.4 ESOTERIC X-01D2 (税別\1,400,000.) ★投票数 11名 http://www.esoteric.jp/products/esoteric/x01d2/index.html この両者を次のステップで使用することにしました。さて、次の実験的比較 試聴とはどのようなものか。 the subject .2「前項で人気投票の上で試聴プレーヤーを来場者が決定しSACD ソフトを再生し、下記プレーヤーで同じ曲でCDとの比較を行う」 ハイブリッドディスクでは二層目の深い位置に記録されているCDレイヤーは レーザー光線の反射効率が減衰するために、CDフォーマットでのベストな記録 状態ではないということから、シングルレイヤーでCDとSACDフォーマット両方 を発売しているこのディスクを使用することにしました。 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/561.html http://www.n-and-f.com/links.html 上記のブリーフニュースでも紹介しているN & F の2009年4月リリースの新譜 からの選曲で、ディスクナンバーNF60105のSACDシングルレイヤーディスクを dCS Pucciniにて再生し、同じくNF20105のCDシングルレイヤーをSoulution他 のハイエンドCD専用プレーヤーで演奏するということで比較試聴していきます。 ■長岡京室内アンサンブル「ブリテン/シンプルシンフォニー作品4」01ブーレ http://www.musiccem.org/ http://www.super-audiocd.com/software/?cnt=40 しかも、事前通知せずのブラインドテストということで、試聴後にどちらの 演奏がSACDだったかを皆さんに当てて頂こうという趣向としました。 Selection theme.1 《1Body type-CD/SACD Player》選抜プレーヤー ★Entry No.2 dCS Puccini (税別\2,500,000.) http://www.ohbashoji.co.jp/products/dcs/ ★NF60105のSACDシングルレイヤーディスクを再生 vs Entry No.8 Soulution Reference CD Player 740 (税別\6,000,000.) http://www.noahcorporation.com/soulution/740.html ★NF20105のCDシングルレイヤー 試聴後の私から皆さんへの問いかけとしてはどちらの音質が良かったのか? という表現ではなく「どちらの演奏がSACDの音だと思いましたか?」という 聞き方をしています。最初の演奏を(A)として後者の演奏を(B)としますと皆様 の投票数は次のようになりました。 (A)4名(B)13名と手が上がりました。圧倒的に(B)が多数となりましたが、 さあ、どちらが正解だったでしょうか!?正解は… (A)dCS PucciniによるSACD再生(B)Soulution 740によるCD再生でした!! さて、次も同じディスクからトラック.2で弦楽器すべてがピッチカートによる 演奏というPlayful Pizzicateにて同じブラインドテストをやりました。 ■長岡京室内アンサンブル「ブリテン/シンプルシンフォニー作品4」02 Playful Pizzicate Selection theme.1 《1Body type-CD/SACD Player》選抜プレーヤー Entry No.4 ESOTERIC X-01D2 (税別\1,400,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/x01d2/index.html ★NF60105のSACDシングルレイヤーディスクを再生 vs Entry No.9 Brumester 069 Reference CD Player(税別 \6,800,000.) http://www.noahcorporation.com/burmester/069.html ★NF20105のCDシングルレイヤー 同じ方法で二種類の音質を比較試聴して頂いてから皆さんに挙手して頂くと… (A)5名(B)12名と今回も圧倒的に(B)が多数となりました。 さあ、どちらが正解だったでしょうか!?正解は… (A)ESOTERIC X-01D2によるSACD再生(B)Brumester 069によるCD再生でした!! いかがでしょうか? SACDは記録媒体としては圧倒的にハイスペックな訳ですが、 各社のCD専用プレーヤーにかかると耳で聴いた印象と評価はこのようになって しまうわけですね〜。 私はこんな実験が大好きなんですよ〜(^^ゞと言うと会場は爆笑の渦でした。 さて、次のステップに進む前に同じ曲を使ってdCS PucciniとESOTERIC X-01D2 の両者を聴き比べ、次のブラインドテストにはどちらを使うかということを 皆様に決定して頂きました。 dCS Pucciniでは14名、ESOTERIC X-01D2が3名ということで、圧倒的にdCSの 得票数が多かったので、選曲を変えて同様なブラインドテストを行いました。 この曲もSACDもCDもシングルレイヤーディスクということで、このディスク。 ■五嶋みどり「アンコール!」ヴァイオリン愛奏曲集/エルガー : 愛の挨拶 http://www.gotomidori.com/japan/ Selection theme.1 《1Body type-CD/SACD Player》選抜プレーヤー ★Entry No.2 dCS Puccini (税別\2,500,000.) http://www.ohbashoji.co.jp/products/dcs/ ★SACDシングルレイヤーディスクを再生 vs Entry No.10 GOLDMUND EIDOS REFERENCE ★参考出品 http://www.stellavox-japan.co.jp/products/goldmund/ultimate/eidos_ref.html ★CDシングルレイヤーディスクを再生 同じ方法で二種類の音質をブラインド試聴して頂いてから皆さんに挙手して頂くと… (A)1名(B)16名と今回も圧倒的に(B)が多数となりました。 よろしいでしょうか? 私はいい音はどちら? という質問をしているのではなく SACDの音はどちらか? と問いかけているものです!! 正解は…? (A)GOLDMUND EIDOS REFERENCEによるCD再生(B)dCS PucciniによるSACD再生でした!! 非常に高い正解率でしたね〜(^^ゞ解釈はご自由に願います(笑) the subject .3「各社のアップサンプリング・テクニックをチェックする!!」 さて、次のステップでも同じ内容の二枚のディスクを用意していました。 ■村治佳織 Transformations 21.「Fragile」 http://www.universal-music.co.jp/classics/kaori_muraji/discography.html#uccd1115 http://www.musicachiara.com/dulcinea/index.html 先ず、CDフォーマットによる実験です。 Entry No.11 ESOTERIC P-01+VUK-P01 & D-01+VUK-D01 & G-0Rb http://www.esoteric.jp/products/esoteric/p01/index.html http://www.esoteric.jp/products/esoteric/d01/index.html http://www.teac.co.jp/av/esoteric/g0rb/ Act.1 「Master Clock Generatorの有無を比較」 P-01のアップサンプリング出力は88.2KHzとして最初にMaster Clock Generator なしの音質を皆さんに確認して頂きました。 再度、同じ曲の冒頭30秒ほどをリピートして音質を記憶して頂き、次にP-01と D-01ともにWord syncをオンとして全く同じ音量で比較試聴して頂きました。 この違いはいかがでしたでしょうか? Act.2 「アップサンプリング周波数ごとの比較」 さて、Word syncの変化を確認して頂いた後にアップサンプリング出力は176.4KHz として同様に同じ音量にて比較して頂きました。 ポイントはD-01の場合にはP-01からの出力はESリンクDUAL AES接続にて送り出 しますが、CDの場合もSACDの場合にも内部でPCMの88.2KHzに変換してアナログ 出力を取り出すという原理になっています。 先ずは、44.1KHzの通常CDを二倍にしてのアップサンプリングの状態で先ほど から聴いて頂きましたが、次には176.4KHzでの違いを体験して頂きました。 Act.3 「同じ選曲にてSACDディスクにて比較」 さて、いよいよ次は同じ曲のSACDで同じ音量にて聴いて頂きました。前述の ようにD-01でPCM変換しているわけですが、もともとのソースがSACDだったと しても同じ伝送のはずなのに音質は? これら四段階の変化をシンプルなギター の演奏で情報量と近いとして聴きとって頂けたのであれば何よりでした。 そして、次のステップでは同様に同じ曲で二枚のディスクを用意しての選曲。 今度はギターとエレキベースが印象的な迫力あるヴォーカル曲で試してみます。 ■Sara K. closer to the music - vol.1 03.Turned My Upside Down http://www.stockfish-records.de/stckff/sf_r_artists/sf_sampler_re.html この曲を上記のESOTERICシステムで聴いて頂いた後に、同価格帯でありながら ESOTERICメカを搭載しているdCSの二種類のシステムで比較して頂きました。 Act.4 「同じ選曲のSACDディスクにて同価格帯での比較」 Entry No.12 dCS Paganini Transport & DAC & Paganini Clock http://www.ohbashoji.co.jp/products/dcs/ Act.5 「ESOTERICメカの上級機搭載システムとの比較」 Entry No.13 dCS Scarlatti Transport & DAC & Scarlatti Clock http://www.ohbashoji.co.jp/products/dcs/ シンプルな編成の演奏ですが、ギターの鋭さベースの重量感、鋭いヴォーカル の切れ込みなどが三段階に変化するというハイエンドSACDプレーヤー同士の激突 という比較でしたが楽しんで頂けましたでしょうか? 皆様はどのように感じられたのか楽しみです。 Act.6 「同じ選曲のCDディスクにて800万円以上の同価格帯での比較」 Entry No.14 Brumester 969 & 970SCR http://www.noahcorporation.com/burmester/cd969.html http://www.noahcorporation.com/burmester/da970.html 最後は同じ曲のCDシングルレイヤーのディスクでBrumesterのトップモデルを 堪能して頂きました。CDでもここまでやるのか!? そうですね〜前述の実験で も音質はディスクのスペックではなくプレーヤーの完成度に依存するという 結論が出ていたわけですが、最後の一曲も見事の一言でしたね〜。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 休憩をはさんで三時間とゆとりを見ていたはずなのに、終了予定時刻よりも 既に15分も超過していることに気がつきました。ちょうど休憩時間の分だけ 長くなってしまったというものですが、私は締めの一曲を比較試聴のために ではなく、演奏を楽しんで頂くというSunday Concert本来の主旨に基づき、 なにかこう工夫を凝らした一曲を最後にお聴かせしたかったものでした。 そうしたら、イベント開始直前に注文していた試聴ディスクが私のデスクに 届いているではありませんか!! 「フランク、ジャズを歌う/FRANK NAGAI Sings Jazz and Popular Standards」 http://www.jvcmusic.co.jp/-/Discography/A000152/VICL-63274.html まだ未開封で一度も聴いていないのですが、私はすぐに決めました!! この原曲は何と1928年(昭和3年)浅草オペラで人気を集めていた歌手・二村 定一の歌でレコードが発売され大ヒットしたものをフランク永井が1961年に カバーしてレコード大賞をとったものです。そうです… 「君恋し / KIMI KOISHI 」これで行きましょう!! 私が子供のころに真空管のテレビで見たことのあるフランク永井、四角いキャ ビネットに細い足が付いていた当時のテレビは当然モノラルスピーカーであり、 そんなアンティークとも言える白黒テレビからやがてカラーテレビへと。 音声多重放送が始まったのは1986年ですが、その二十年前のテレビのスピー カーで聴いていたこの曲を、今ここH.A.L.のシステムで聴いてみようという 私の独断と偏見のラストの一曲でした。(^^ゞ 参加者の半数くらいは知らない歌かもしれませんが、私はひとり悦に入って 聴き入ってしまいました(笑) でも、閉会のご挨拶の後には盛大な拍手を頂き本当にうれしかったものです!! ありがとうございました。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 私は思うのですが… 彫刻、絵画、文学などは当然オリジナルの価値観が最高のものであり、古くは 数百年前の作品・実物そのものを鑑賞することが基本であり、芸術作品の原型 にこそ価値があるということでしょう。 言い換えれば、作品が作られた当時と同じものを現在でも見ることができると いうことで、その時代の人々と同じものを私たちは見ることができます。 その意味では何世紀たとうとも芸術作品の鑑賞においては過去の人々と同じ ものを見られるということはある意味素晴らしいことでしょう。 しかし、音楽という芸術。それも録音という冷凍保存を行い再生という解凍 技術によって音声として再現し楽しむということは時代に合わせて鑑賞方法が 進化していくということです。 蓄音器の時代はともかく、電気録音・ステレオ録音という歴史は半世紀ほどの ものですが、上記のように真空管のアンプと小さなスピーカーしかなかった 数十年前のスタジオで当時のベストな音を目指して録音された音楽という記録。 それは当時の人々は数十年前の再生システムで聴くことしかできなかったわけです。 その録音を近代の再生システムで聴くということはオリジナルの音源を録音 した当時のスタジオエンジニアや歌手当人も想像すらできなかった音質で私たち は聴くことができるということです。 録音された音楽芸術というものは時代と技術の進歩によって年々再生音の品質 が向上していくということであり、また未来のオーディオシステムでは更に 素晴らしい音質で聴くことができるでしょう。 これは他の分野の芸術作品とは大いに鑑賞方法が異なるものであり、現在の 音楽作品が数十年後のオーディオシステムではどんな音で聴けるのかという 楽しみもあります。一言で言えば… 「音楽という芸術は生き物のように時代によって進化し続けるもの」 既に過去の人となってしまった亡き演奏家たちの魂と技術と情熱を封じ込めた 録音作品はデータとして保存さえしてあれば、それを再生する時代に応じて 新しい発見と感動が未来永劫に繰り返されていくということでしょう。 古い録音から新しい発見があるなんて…、まるでオーディオとは音楽の地質学みたいだ!! 次回も私は色々な音楽を掘り起こして皆様に感動を提供したいと思います!! お後がよろしいようで |
このページはダイナフォーファイブ(5555):川又が担当しています。 | |
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