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H.A.L.担当 川又利明




2008年2月21日
No.572 「H.A.L.'s One point impression!! Ayer KX-R & MX-Rは期待と想像以上!!」
「速報⇒Ayer KX-R & MX-Rは期待と想像以上!!」

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/570.html

上記のように国内初公開という機会を得て、光栄であるとともに責任重大と
いう一面もあり果たしてセッティング初日の音質に対してどう反応したものか
考えあぐねていたものである。なぜか!?セッティングした初日の音質は評価に
値しないと発言している私がつい先ほど電源を入れたばかりのシステムに関し
てのインプレッションを述べることなど過去に事例がないからだ。

大体において取引関係にある輸入商社やメーカーの担当者は私の性格を理解し
ていない人が多い。どういうことか…!?

「店長、これ評論家先生も絶賛でホントに凄いんですよ!! 」

と、新製品に関しての売り込みトークが多ければ多いほど私は…

「ふ〜ん、そうなの〜」

と一歩引いてしまうし、また実物を聴いた時には素直になれず賞賛の言葉を
口にして彼らの売り込みを真に受けることに大きな抵抗感を持ってしまう。
まあ、見栄っ張りであり意地っ張りと言われてしまえばそれまでだが〜(^^ゞ

しかし、こういうタイプの営業マンもいる。

「川又さん、こういうのが入りましたけど、先ず最初に聴いてもらおうと思い
 まして、置いて行きますから後で聴いてみてください。」

新製品の音質に関しては一切語らず、黙って私に預けてくれるような時には
私の印象と評価はすこぶる素直なものになり、感動すると担当者が帰社して
いなくても電話をかけて輸入元の社長を捕まえて「素晴らしいですよ!!」と
興奮を伝えたくなってしまうものだ。

そうして気に入った商品は各社の宣伝活動などは無関係に私は自力でセールス
プロモーションを開始し、皆様がご存じの、また推測されているような販売
実績を上げてきたものだ。これは私が発する情報量に比例するものであり、
ハルズサークルの皆様であればお分かりのことでしょう。

Ayerの輸入元であるアクシスの担当者が上記のどちらのタイプであったかは
あえて述べないが、この話題を述べたという背景から行間を読み取って頂けれ
ばというところです。(^^ゞ

さて、アクシスのご理解とご協力で、本邦初公開というAyerのリファレンス
シリーズKX-R & MX-Rが本日夕刻にセットアップできたことに先ずお礼を申し
上げたい。初日の音質は聴かないことに、いや、評価の対象にしていないと
いう方針の私が、なぜ残業する気持ちになったのか!? それがポイント!!

              -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

セッティングが一通り終わり、アンプのボディーも二月の外気のように冷たい
というところで、せっかちな私はオーケストラとハイテンションなPOPSの二曲
を聴き、私の経験とコーディネートセンスから実物を聴いた直後に次のように
システム構成を変更していた。


           ◇ Ayer KX-R & MX-R -inspection system Vol.2◇

………………………………………………………………………………
dCS  Scarlatti Clock(税別\1,350,000.)
http://www.ohbashoji.co.jp/products/dcs/scarlatti-clock/
     and
TRANSPARENT PLMM+PI8(税別\606,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
     and
Project“H.A.L.C”H.C/3M(税込み\500,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/halc/
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

ESOTERIC 7N-DA6100 BNC(Wordsync用)(税別\240,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/mexcel/

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
dCS  Scarlatti  Transport(税別\4,150,000.)
http://www.ohbashoji.co.jp/products/dcs/scarlatti-transport/
     and
TRANSPARENT PLMM+PI8(税別\606,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
     and
Project“H.A.L.C”H.C/3M(税込み\500,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/halc/
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

ESOTERIC 8N-6P/6Pi(税別\50,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/ilink_cable/

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
dCS  Scarlatti  DAC(税別\2,930,000.)
http://www.ohbashoji.co.jp/products/dcs/scarlatti-dac/
     and
TRANSPARENT PLMM+PI8(税別\606,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
     and
Project“H.A.L.C”H.C/3M(税込み\500,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/halc/
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

TRANSPARENT  REFERENCE XL Balanced INTERCONNECT 1.5m(税別\1,100,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#REFERENCE XL

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
Ayer KX-R(Silver) (税別\2,960,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/file/080212/Ayre_KX-R.pdf
     and
TRANSPARENT PIMM+PLMM(税別\606,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
     and
Project“H.A.L.C”H.C/3M(税込み\500,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/halc/
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

TRANSPARENT  OPUS MM Balanced INTERCONNECT CABLE 2.0m(税別\2,660,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#OPUS

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
Ayer MX-R(Silver) (税別\2,960,000.)
http://www.axiss.co.jp/fAyre.html
          and
TRANSPARENT PIMM+PLMM(税別\606,000.)×2set
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

TRANSPARENT  Reference MM  Speaker Cable 2.4m (税別\2,600,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#REFERENCE

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
MOSQUITO NEO(税別\4,800,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto54.htm
     and
H.A.L.'s original“B-board”(二枚/税込み\256,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/B-bord.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/521.html
………………………………………………………………………………

そして、数時間の経過…

セッティング直後の驚きと感動が今夜の残業につながってしまったということ
だが、既に数時間が経過しアルミのインゴットから削り出されたボディーも
ほんのりと温まってきた。私の第一印象を確認する意味でも数時間前の音質を
頼りにインプレッションを述べるのではなく、聴き直さなければと、こだわり
の私が再度試聴室にこもっていたことを述べておきたい。それほどいい!!

やはり、先ず最初に聴いたのはこれだった。
小澤征爾/ボストン交響楽団/マーラー交響曲第一番/第二楽章。

しかし、聴きなれた曲だけに、その衝撃は大きかった!!
陳腐な表現は避けたいのだが、この私でさえこんなボストンシンフォニーの
音は聴いたことがなかった!!

この音質を言葉で説明することがいかに困難であり空しいことか。その重責を
知りつつ敢えて言葉にしなければならない今の心境が相当なプレッシャーと
なってデスクに戻った私に襲いかかるようだ!!

弦楽器群の冒頭のアルコによる合奏の出だしから圧倒的な違いを私の耳と感性
が感じ取ってしまい、こんな音質のアンプがあっただろうかと直ちに記憶の
ファイルにアクセスするが、迷ういとまもなく答えは瞬時に出ていた。否!!

そして、管楽器のリレー式に主題を演奏するパートが展開されると初見で受け
た印象が肯定され、オーケストラの各パートが発する楽音の品格に私のボキャ
ブラリーに存在しなかった新しいセンテンスをKX-R & MX-Rが書き込んでいく
のを黙って見ているだけの自分があった!!

「何なんだ!!この生き生きしてエネルギッシュな音は!?それでいて質感の調和
 という面では旋律と指揮者の感性に応じて優しくなり豪快にも変化し、楽音
 の個々が空間に浮き出るように鮮明なビジュアルをイメージさせる!!」

重量級の大出力アンプが、入力信号からいくばくかの遅延を生じさせても馬力
で補い、楽音の発生から極めて微小な遅れがあっても雄大な音量感まで立ち
上げるための時間軸の存在を聴く人が聞けばわかるという場面もあるだろう。

しかし、KX-R & MX-Rが発する楽音のスピード感は音楽信号の立ち上がりに
完璧な同期を実現しているとしか言いようがないのだ。それほど速い!!

感受性の相違によって、あっさりした音と片付けられない素晴らしさがあり、
オーケストラの各パートの発した楽音が中空に出現するスピードに前例がない。

更に、そのスピード感は低域の楽音でも全く同様であり、そして驚くべきこと
に、演奏者が発した音がホールエコーによって空間に漂うという再現性に私が
知り得なかった要素をKX-R & MX-Rが持ち得ていたということだ。

とにかく素晴らしいのに適切な言葉が出てこないもどかしさを感じつつ、私は
更にオーケストラを聴くことにした。

小澤征爾&サイトウ・キネン・オ−ケストラ/ショスタコーヴィチ:交響曲
第5番の第四楽章

http://www.universal-music.co.jp/classics/artist/ozawa/uccp1129/

上記マーラーの没する五年前に生を受けたショスタコーヴィチが、当時スター
リンによる社会主義が台頭する中で、ファシズムが台頭し始めた時期に体制に
作品の思想的な背景を批判され、また後には体制に迎合した作品ではと言われ
た交響曲の代表作。

でも、私がここで聴くには「そんなの関係ねえ!!」(笑)と言いつつも、新生
Ayerのトップモデルが同社の歴史に素晴らしい一ページを加えた作品として
選曲とは対照的に私の感動は次第に絶賛へと進んでいく心境を冷静に見ていた。

マーラーと比較しても仕方ないが、ショスタコーヴィチの圧倒的な打楽器の
重厚な使い方が録音にも素晴らしく反映されている。ヴァイオリンの質感は
まっ先に合格点を与えて、進行していく演奏の展開に度肝を抜く!!

金管楽器のバイブレーションが確実に私の周辺の空気に鼓動を与え、しかも
それは小刻みに不定期の振動を演奏会場の熱気として眼前に再現する。

ティンパニーの打音はインパクト鋭くテンションが高く、またホールエコーに
支えられて広がる打楽器の余韻感に低域の成分が前例のないほど多く含まれて
いるので、NEOの高速反応のウーファーをこれでもか…という程にぐいぐいと
引き回し、NEOの特徴であるウーファーを後方から押し付けているガスシリン
ダーがコーンまでがっちりとつながっているのではと思う程、叩き出された
楽音の力感のリアルさをもたらしている。

KX-Rの技術的な新機軸として設計されたゲインそのものを変化させるという
ボリュームコントロールの原理は、ノイズフロアーの低減に大きな関係を持ち
得たのだろう。

オーケストラという多種多様な楽器の集合体でありながら、微弱な信号から
大出力を求めるフォルテまで、そのダイナミックレンジが聴感上で見事に作用
していることがわかってきた!!

ハイスピードという単語はコンポーネントのセールストークに多用されるが、
音楽信号の波形を変化させることなく伝送し増幅する。という本来は単純な
意味であり、逆に技術的には伝送帯域を広帯域化し群遅延特性を抑制すると
いう設計思想につながっていく。

これは結果的に聴いてみると、不思議に滑らかな音質であり刺激成分を含まず
豊潤な余韻感と情報量の拡大につながっていく。
そのアプローチにAyerは新しい境地を開拓し、演奏に躍動感を与えた!!

「そうだ!!躍動感だ!!」

私は製品の音質に対する電話などの問い合わせには「一言では言えません」と
言い逃れしつつも、今夜の感動を一言で述べる方法を模索して数時間を過ごし
てしまったことをお許し頂きたい!!そう、躍動感…、これが今回のAyerの新作
を語る上での最大公約数としての一言と言えるだろう!!

           -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

当然、オーケストラ以外の曲も試しているが、国内に1セットしかない製品を
私がそれほど独占しておくこともかなわず、ここで聴けるのは17日の日曜日と
月曜日いっぱいという予定。

そして、私は自分のおきてを破り初日のインプレッションを発するということ
は、当然明日以降のバーンインが進んだ状態では更に素晴らしくなるだろうと
いう予告でもある。

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/570.html

ハルズサークルに向けて発信した上記の企画がスタートする前日に、どうして
も初日の感動をお伝えしたかったという今夜の配信。いささか文脈の整理が
なされていないのは時間のなさと、逆に感動の大きさとしてご理解頂ければ
幸いである。それほどいい!!


このページはダイナフォーファイブ(5555):川又が担当しています。
担当川又 TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556
E−mail:kawamata@dynamicaudio.jp
お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!!

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