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H.A.L.担当 川又利明




2007年10月4日
No.544 「新企画⇒ESOTERIC“G-0Rb”を磨き上げることで輝くRubidiumの可能性とは!! 」
◇Excellent takeoff-H.A.L.'s development/The up-to-date ESOTERIC“G-0Rb”◇

「新企画⇒My sound before-after“G-0Rb”特集」

     ■ “シャコタンESOTERIC”って何のことだ〜!? ■

http://www.teac.co.jp/av/esoteric/

さあ、この一連のESOTERIC製品、いや!! ちょっとさかのぼっての旧型製品でも
基本的に三点支持によるフットを装備しているモデルが対象となります!!

http://www.teac.co.jp/av/esoteric/acce_index.html

それらは基本的原理的にはここで↑紹介している高性能ピンポイントフットPF-1と
同じように持ち上げると受け皿ベースも一緒に付いてきてぶら下がり、ラックなど
に置くとスパイクが内部の受け皿に接地するという原理のものです。

これは国産らしくユーザーのラックにセッティングするときに、むき出しのスパイク
でキズが付かないようにという配慮からある人がESOTERICに提案して商品化され、
同時に同社の製品にも装備されるようになりました。
■そのある人というのは実は私ですが(^^ゞ+(笑)

このPF-1または、同様なフットを装備したコンポーネントには付属品として傷防止用
フェルト3枚というものが付いてきます。そして、これはキズ防止だけではなく微妙な
音質調整のための付属品でもあります。
そのようなデリケートな音質調整の可能性をユーザーに提供しているのも本体の
設計が剛性という点で大変優れているということの証明でもあります。

でも、その誇るべき剛性を考慮すると、もっと突っ込んだ音質調整のノウハウが
どこかにあるのでは!? というのが私の好奇心をくすぐりました!! (^^ゞ

その実験台として私の目の前にあったのがこれです!! G-0Rbです!!
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/g0rb/


その.1

さあ、それではまず、G-0Rbを裏返してフットの部分はどうなっているのか!?

http://www.dynamicaudio.jp/file/070925/ESOTERIC_foot01.jpg

はい、ここで皆さんはプラスドライバーを一本ご用意下さい。
このラック面や床面に接する丸い平面に穴が一つ空いていますね。
この穴をのぞくとビスの頭が見えますので、それをドライバーで緩めて取り外します。
このベース部を少し回転させると同じビスがあと二つ見えますので、それらを全部
取り外してしまうと↓こうなります!!

http://www.dynamicaudio.jp/file/070925/ESOTERIC_foot02.jpg


その.2

はい、肝心なスパイクの先端、頭の部分が露出します。でも、これだけではだめ。
外周の盛り上がりの方が高さがあるので、このまま置いてもスパイクは浮いてしまう
だけで接地しません。そこで…↓

http://www.dynamicaudio.jp/file/070925/ESOTERIC_foot02.5.jpg

この外周のリングというか刻みが入ったパーツは左回転の普通のネジで取り外しが
出来ますが、組み立て工程の指示からきっちりと固く締め付けられていますので、
私はドライバーの柄の方で数回カンカンと叩いてから、ぎゅっと力を込めて回すと
やっと取れました。一度緩めることが出来たら後は簡単です。
どうです!! これで本来のスパイクが露出したことになります。


その.3

http://www.dynamicaudio.jp/file/070925/ESOTERIC_foot03.jpg

実は↑この作業をやらないで普通のセッティングをしている状態とは、内部にある
このような受け皿でスパイクの先端を受けているという状態なのです!!
このようなごつい金属のベースでスパイクを受けているのですから、悪いという
ことはないのですが、支点がいささか高いところにあるということ、また皆様も
経験がおありになるようにスパイクの受け皿ベースの交換で結構音質が変化して
いるという事実があるわけです。そあ、そんな好奇心から私は全部外してしまい
ました!!

http://www.dynamicaudio.jp/file/070925/ESOTERIC_foot04.jpg

これがG-0Rbのボトムであり、同社のX-01/01Limited/01D2などなど現在の製品でも
同様な構造であり、厚み5ミリのスチールパネルに直にスパイクがねじ込まれてい
るのです。このようにせっかくの剛性が高いボトムがあるのなら機械的な接地方法
としてスパイクダイレクトを試してみたくなるではないですか!! (^^ゞ


その.4

http://www.dynamicaudio.jp/file/070925/ESOTERIC_foot05.jpg

そうです!! この姿が“シャコタンESOTERIC”というわけです!! (笑)
そして、スパイクダイレクトという手段を試すのであれば、それを受けるのはやはり
これでしょう!!

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/BZ-bord.html

そうです!! 発売当初は↓このように初代P-0を支えてきたZ-Boardを使わずして
どうしますか〜!!

http://dynamicaudio.co.jp/audio/5555/pho/000831/z-board.jpg

このようにコストゼロでのチューニングはオーディオの面白さでもあります!!
G-0Rbだけでなく上記のような三点支持のフットを装備し、かつネジが見える製品
であればすべて同様なチューニングが出来ます。

■ただし、これらは皆様の自己責任において行なって下さい。作業中の故障やキズ
 などの問題は一切責任を負いかねます。

■現状復帰も簡単ですから、それはご安心下さい。

■このスパイクダイレクトを行なうということは接地しているラックの品質に多く
 の影響を受けることになりますので、音質判定は慎重に願います!!

しかし、私のところで行なった実験では、ピーンと背筋が伸びてテンションが高ま
り、思わずニンマリというものでした。これはいけます!! しかもただ!!

さあ、ESOTERICオーナーの皆様はお遊びのネタが出来ましたね〜!!
ぜひ、このチューニングのbefore-afterのレポートを頂ければと思います!!
よろしくお願い致します<m(__)m>

★そして、最後に一言…↓これはなんだー!!

http://www.dynamicaudio.jp/file/070924/rb03.jpg

はい、実は最近の私が取り組んでいるG-0Rbのチューンアップの決め手がこれです!!
この二本のケーブルに関しては続報ということで、どうぞご期待下さい。

これを使うと文字通り世界最強のMaster Clock Generatorに大変身します!!



   ◇ New release“JORMA DIGITAL/SMB-SMB for Internal Wire”◇

ご存知のように私がMaster Clock Generatorという存在にかけた情熱は下記のような
企画で皆様にもご紹介してきました。

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/467.html
企画動機から始まり…

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/468.html
“G-0d”を開発した当事者が課したハードルを超え…

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/469.html
Rubidiumモジュールへの使用で新たな可能性を確認しました!!

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/479.html
そして、この中の↑〔4〕次世代フラッグシップの威厳 という一節でESOTERICの
新製品“G-0Rb”の登場を速報していました。しかし、そこに思わぬ落とし穴とも
言える変更点があったのをご記憶でしょうか?

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/470.html
これまで、たった24cmの“JORMA DIGITAL/BNC-BNC for Internal Wire”が歴代の
G-0s/G-0d/G-0の音質を飛躍的に向上させるという取り組みで本当に多くの皆様から
ご好評を頂いてきたものでしたが…

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/op-pho/g03_009.jpg

新製品として開発された“G-0Rb”ではこの↑SMBコネクターに仕様変更されてしまい、
“G-0Rb”へのバージョンアップを受けられた皆様はせっかくのJORMA DIGITALの
恩恵を享受することが出来なくなってしまいました。

今回の企画は主題を「The up-to-date ESOTERIC“G-0Rb”」としながらも、同じ
位置付けで私は「JORMA DIGITAL/SMB-SMB for Internal Wire」という新しい試み
を公開することにしました。内部配線に使用するデジタルケーブルの素晴らしさは
“G-0Rb”の潜在能力あってのものであり、その両者を同格のものと発想して今後の
プロモーションをご提案したいものです。


  ■ H.A.L.'s inspection/JORMA DIGITAL/SMB-SMB for Internal Wire ■

さて、それでは実際に“G-0Rb”にどのようにしてインストールしていくのかという
基本的なことからご説明いたします。

比較しやすいように前作のG-0sの中身を最初にご覧下さい。

http://www.dynamicaudio.jp/file/060131/g0s-inside.jpg

画面の左側にあるTEACとプリントされた小さい基板がクリスタル発振器ですが、
その裏側にRubidiumモジュールがあります。

http://www.dynamicaudio.jp/file/060131/separate.jpg

このRubidiumモジュールへのアクセスは下記のブリーフニュースで詳細に説明して
ありますので、どうぞご覧下さい。

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/op-pho/g0s/09.jpg
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/op-pho/g0s/10.jpg

結果的には↑このように取り出してやっと触れることが出来るようになります。
しかし、Rubidium専用設計となった“G-0Rb”はと言えばこのように↓トップパネル
を取り外すだけで簡単にアクセスできるようになりました。これは楽です!!(^^ゞ

http://www.dynamicaudio.jp/file/070924/rb00.jpg

さて、それでは先日の配信で予告としてご紹介した写真を再度ご覧下さい。

http://www.dynamicaudio.jp/file/070924/rb03.jpg

JORMA DIGITAL/SMB-SMBは見ての通りシルバーでストレートタイプのSMBコネクター
のケーブルです。並べてあるのは“G-0Rb”に使用されているアクロリンク製の6N
SMBケーブルで長さはプラグ間で18cmです。JORMA DIGITAL/SMB-SMBではSMBコネクター
がストレートタイプなので配線の引き回しにゆとりを見て24cmとしています。

http://www.dynamicaudio.jp/file/070924/rb04.jpg

両者のコネクター部分を拡大するとこのようになっています。そして…

http://www.dynamicaudio.jp/file/070924/rb01.jpg

この写真はESOTERICオリジナルの内部配線でRubidiumモジュールから10MHzの信号を
取り出している部分で、ここにJORMA DIGITAL/SMBを接続し直すと次のようになります。

http://www.dynamicaudio.jp/file/070924/rb06.jpg

では、Rubidiumモジュールから出力されて基準信号がどこに運ばれていくのかと
いうと次のようにマザーボードに接続されます。先ずはオリジナルの状態です。

http://www.dynamicaudio.jp/file/070924/rb02.jpg

左側の四角で囲まれた RUB と表示されている箇所に接続されているのがわかります。
では、ここをJORMA DIGITAL/SMBに差し替えると次のようになります。

http://www.dynamicaudio.jp/file/070924/rb05.jpg

ちょっと角度を変えて撮影したのはSMBコネクターがストレートタイプなので、真上
からではわかりづらいと思ったからです。

このようにG-0sと違って簡単にRubidiumモジュールからの配線を交換できるので
両者の比較試聴がやりやすくなったというものですが、しかし一曲ごとに小さい
コネクターを抜き差しして比較試聴するのはちょっと大変でした(^^ゞ

しかし、それに見合う発見、いやいや大発見とも言うべき“G-0Rb”の進化形を
目の当たりにして私は興奮してしまったのです!!


        ◇ JORMA DIGITAL/SMB-Internal Wire-inspection system ◇

………………………………………………………………………………
ESOTERIC G-0Rb(税別\1,350,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/g0rb/
     and
ESOTERIC PS-1500+7N-PC9100(税別\950,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/ps1500/
     and
Project“H.A.L.C”H.C/3M(税込み\500,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/halc/
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

ESOTERIC 7N-DA6100 BNC(Wordsync用)(税別\240,000.)→ESOTERIC D-01×2
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/mexcel/

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
ESOTERIC P-01 (税別\2,200,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/p01_d01/
     and
ESOTERIC PS-1500+7N-PC9100×1(税別\950,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/ps1500/
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/powercable/9100mexc.html
     and
Project“H.A.L.C”H.C/3M(税込み\500,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/halc/
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

ESOTERIC 7N-DA6300 XLR 1.0m×2 Dual AES/EBU(税別\560,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/mexcel/6300.html

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
ESOTERIC D-01(税別\2,200,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/p01_d01/
     and
ESOTERIC PS-1500+7N-PC9100×2(税別\1,300,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/ps1500/
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/powercable/9100mexc.html
     and
Project“H.A.L.C”H.C/3M(税込み\500,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/halc/
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

ESOTERIC 7N-DA6300 XLR 1.0m×2 (税別\560,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/mexcel/6300.html

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
HALCRO dm8(税別\2,200,000.)
http://www.harman-japan.co.jp/product/halcro/dm8_dm10.html
     and
TRANSPARENT PLMM+PI8(税別\606,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

ESOTERIC 7N-DA6100 MEXCEL RCA 7.0m
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/mexcel/
          and
Cardas Myrtlewood Block / Large single notch  (税別 \9,800.)
http://www.ohbashoji.co.jp/products/cardas/accessories/#woodblock

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
HALCRO HALCRO dm88 ×2 (税別\7,600,000.)
http://www.harman-japan.co.jp/product/halcro/dm88.html
http://www.halcro.com/productsDM88.asp
          and
TRANSPARENT PIMM+PLMM(税別\606,000.)×2set
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

TRANSPARENT  Reference MM  Speaker Cable 2.4m (税別\2,600,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#REFERENCE

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
MOSQUITO NEO(税別\4,800,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto54.htm
………………………………………………………………………………

ちなみに、短いケーブルであってもバーンインは欠かせないもの。この本格的な
検証を行う前に100時間をかけてバーンインしていたものでした。

そして、ご注意頂きたいのは“G-0Rb”のセッティングを前号のNo.1589でご紹介
したように“シャコタン状態”にしてしまったということです。

http://www.dynamicaudio.jp/file/070925/ESOTERIC_foot05.jpg

Z-Boardにぐさっとスパイクダイレクトでセットアップしたことで、“G-0Rb”そのも
のが今までにないフォーカスの絞り込みを実現しているというもので、この状態で
内部配線の比較試聴を行っていくことにしました!!

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

たった20cmあまりの内部配線を厳密に比較試聴するというのは時間的にも精神的にも
ゆとりが出来ないと中々難しいものです。

弊社の決算も終え、あいにくの寒い雨降りの日曜日となった今日は幸いにも?
ご来店数も少なく、ちょうど良い時間を作ることが出来ました(^^ゞ

いつものように上記のシステムで最初にESOTERICオリジナルのSMBケーブルで聴き、
それを比較の原型として記憶に留め、次にJORMA DIGITAL/SMBに差し替えてという
手順で各課題曲を聴き較べて行きました。私のコメントはJORMA DIGITAL/SMBにした
時の印象を述べたものです!!

最初の曲は何と言ってもオーケストラからということで、マーラー交響曲第一番
「巨人」小澤征爾/ボストン交響楽団の定番から第二楽章を聴くことにしました。

しかし、前回のJORMA DIGITAL/BNCの時の経験でもつくづく思いましたが、こんな
短いケーブルのために、これほどのシステムを使い時間も使い、私は本当に物好き
だな〜(^^ゞと自嘲するところもありました。しかし、いざ始めてしまったら未知の
音が次々と展開し、ついつい興奮と感動を催し気が付くと三時間以上経っていました。

さあ、前置きは程々にして、既にESOTERICオリジナル状態では数え切れない回数を
聴いてきたものですが、確認のために二楽章を最後まで聴き“G-0Rb”のトップパネ
ルを開けてJORMA DIGITAL/SMBに差し替えました…、すると!?

「えっ!!どうして!? ホントか〜、これはー!??」

昔のLPの時代だったらとうに擦り切れてしまうほど聴いてきたボストン交響楽団の
音質に、まさかの変化を察知した私はその項目をポンポンポン、と比較パラメーター
として頭の中にメモしていくことが出来る!!

・どうして? ボリュームが大きくなったように感じる!!
・なぜ? 演奏しているホールの照明が明るくなったように感じる!!
・どうして? 弦楽器も管楽器も余韻感が三割り増し!!
・なぜ? バスの重量感が重々しく充実している!!

スコアーに従って演奏される時間が経過すればするほどに相違点がチェックされ、
同項目の変化は確認済みとしながらも聴けば聴くほど発見から驚き、驚きから確認、
確認から感動という私の頭の中でチェックシートのページがめくられていく!!
これはただ事ではない!!

ホール録音のオーケストラという選曲では全体像としてバランスの変化を見るには
良いし、楽音の質感の変化を演奏空間全体という広範囲な視野で観察するには良い
題材だ。しかし、のっけから…この変化のありようはどうしたらいいのだろうか!?

各論で楽音個々の変化を見極める前に、空間表現のチェックは大切なものです。
それを確認する意味でも次の課題曲は直ちに頭に浮かんだ!!

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

The Best of Cantabile 1. チャイコフスキー:バレエ《くるみ割り人形》
〜こんぺい糖の踊り マリインスキー劇場管弦楽団、指揮:ワレリー・ゲルギエフ
http://www.universal-music.co.jp/classics/release/m_topics/umcl200702/uccd3681.html

オリジナルの状態で聴き慣れた2分5秒の録音を聴き直し、これが今までの標準として
十分に納得していた音なのだから…、という自分自身への葛藤と現実に現れるで
あろうこれからの変化に期待と興奮の二分間を聴き、念のために冒頭の40秒で左CH
からのチェレスタの響きと質感を頭に焼き付けてケーブルの交換を行なった。
そして…

「ちょっと待てよ!! これはなんと言うことか!? 」

120万円のG-0sが135万円の“G-0Rb”にアップグレードされ、15万円の価格差は以前
から述べてきたように納得できる進化をしていた。しかし、今ここで聴いている
“G-0Rb”+JORMA DIGITAL/SMBの再生音の品格に160万円というプライスを付けても
10人中9人は納得してしまうだろう!!

冒頭のコントラバスを中心としたピッチカートの余韻感が拡散する領域は拡大され、
何よりも最後の1%まで搾り出した余韻感という微小信号の再現性が格段に向上して
いるのだから呆れてしまう。

この弦楽器群の音量感がやはり違う。触っていないはずのHALCRO dm8のボリューム
表示で2dBくらい無意識に上がっているのではのわが耳を疑うほど!!

するとチェレスタの神々しい響きはどうだ!! あー、明るい!! 金属的な弾ける楽音
のエコー感を正確にトレースさせたようなピンスポットがあったかのように、響き
のバイブレーションに金粉をまぶしたような輝きが見て取れる驚きにほんとか!?
と、思わず内心で記憶との比較を再度スキャンさせる。うん、間違いない!!

バス・クラリネットのゆったりした響きがことさら透明感を増し、弦楽器群の間に
するすると立ち上る狼煙のように存在感を漂わせる!! これはいい!!

この曲は各パートの楽音が立ち消えていく微小音の美しさが発揮されてこそのもの。
楽音の発生から消失まで、NEOの後方に向かって遠近法の消失点が一方向だけでなく
多数存在しているという錯覚を催すほどの奥行き感をもたらしている!!凄い!!

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

ホール録音における変貌振りに新たな発見と感動があり、次は教会での録音で変化
のベクトルを確認しようと次の選曲もぴたっと決まった。これです!!

No.1532で限定販売したkirkelig Kulturverkstedのアルバムから新しくテスト曲と
して採用した一曲。http://www.kkv.no/

FXCD312のSKRUK:DYPE STILLE STERKE MILDEからTrack:1「leid milde ijos」
http://www.kkv.musiconline.no/shop/displayAlbum.asp?id=31425&cid=3&sid=

オーケストラにおける変化のありようが事前にわかっていたが、この曲での冒頭の
タブラのような低い音階のドラムが鳴りはじめた時には既に私の耳と大脳が反応し
ていた!!

叩かれた瞬間に波長の長い低域の打音が教会という空間に浸透し消えていく。
その繰り返しの中にあって、その打音の立ち上がりと垣間見える楽器の輪郭、更に
重量感として捉える質感の変化。この一打一打のテンションの高まりと、そこから
たなびく余韻感の増量が素晴らしく、私の頭の中のジャッジは瞬間的な反応で勝利
を宣言するためにJORMA DIGITAL/SMBの右腕をつかみ上げて高々と頭上にかがげた!!

最初は女性ヴォーカルがひとり、そして半円形を描いて位置しているコーラスが
左右のNEOの頭上で教会のドーム天井のステンドグラスから差し込む日差しのように、
多数の色彩感が歌声の残響音の両方に見たこともない交じり合う原色の乱舞を見せる。

マウスピースがかすれた音色を絶妙に吹き上げるトランペットの響きさえもグレー
に見せるほどの楽音のカレイドスコープを展開する。これって、ほんとに同じ曲?

音源であるNEOの背後と頭上に教会の尖塔が聳え立ったようなビジュアルイメージを
JORMA DIGITAL/SMBへの切り替えだけでもたらしている!! なんということか!!

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

空間表現を2chハイファイで再現するのはホールや教会での録音ばかりではない。
スタジオ録音でも、飛び切りのセンスとテクニックで幻想的な空間を作り出している
録音は多数ある。その中で注目しているのがシークレット・ガーデンのノクターン
です。

先日も紹介した彼らのベストアルバムで「ドリームキャッチャー」を聴いてきま
したが…↓
http://www.universal-music.co.jp/u-pop/artist/secret/secret_disco.html

実は、上記のkkvを輸入してくれているfinesourceのwebサイトを調べたら、何と
シークレット・ガーデンのXRCDがあるという。

http://finesource.hp.infoseek.co.jp/text-XRCD/XRCDpage.htm

この両者の音質の違いを承知している私は迷わずXRCDを使用することにした。

しかし、本当に何回も何回も配線換えをするという地道な作業だが、その見返りに
出現する新鮮な感動と驚きは冷静に分析しようとする私のアドレナリンを確実に
増量させてくれるのだから困ってしまう。

フィンヌーラ・シェリーのヴァイオリンの質感がXRCDとベスト版では極めて違うと
いうことを述べていたが、同じXRCDでの二種類のケーブルでの比較ではディスクの
フォーマットにかけたコストをあざ笑うかのような相違点を最初から聴かせる!!

「おいおい、それはないだろう〜!!」

この試聴室で通常のCDをかけていると、訪れたお客様から「これはSACDの音です
か?」
と問いかけられることが何度もある。いえいえ、普通のCDでも、これほどの音が
記録されているのです、とご返事しているが、同じ曲同じディスクでも冒頭のメゾ
ソプラノのソロが織り成す魅惑的な残響の広がりと空間表現のスケール感の拡大を
私と同じように比較試聴したら一般の皆様は何とコメントするでしょうか?

スタジオワークによって精巧に作られた音のジオラマは観察者の視点がどこに当たろ
うとも納得させるだけの忠実さを持っており、シークレット・ガーデンの独自の世界
にもオーディオ的分析に胸を張って応えられるだけの情報量を含ませている。
Rubidiumモジュールの性能を語るのは、その出力ケーブルに敬意を払ってからだ!!
という見逃してはいけないチェックポイントが確立されたということか!!

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

広大な空間を表現し、その中で織り成す余韻感の幾何学模様をJORMA DIGITAL/SMBは
ダヴィンチ・コードの謎解きよろしく私に解きほぐして解説してくれた。

空間の中の楽音がどのように振る舞い、それにJORMA DIGITAL/SMBがスポットライト
を当ててくれるのか、という変化の方向性を見せ付けられてきたが、ここで最近
購入した日本人アーチストのユニークなディスクをテストに用いることにした。
その名は Ali Project 知る人ぞ知るというユニットなのですが、私が注目した
のは女性ヴォーカルとストリングスアレンジによる大変アコースティックな一曲。

http://aliproject.info/discography/album.html

Release2003/04/23「月光嗜好症-ストリングスアルバム」
LabelATMARK CORPORATION / AECP-1008より 9.共月亭で逢いましょう という曲。

今だかつてハイエンドオーディオの試聴に用いることなど考えられなかった、いわば
オタク系と言っては失礼ながら、この曲を初めて聴いて本格的な才能の持ち主で
あると驚き、直ちに彼らのCDを発注してしまったもの。

宝野アリカというシンガーの声質がなんとも魅力的で、私が選んだ一曲ではストリ
ングスのバックがピッチカートによる大変美しい演奏を繰り広げる。さあ、この弦
この声がどうなるのか!?

「あー!! 潤ってる!! 」

短いアルコの切り替えしとピッチカートというパートに分かれて繰り広げるストリ
ングスバックの質感に思わず惹き付けられる!! 国内のスタジオでの録音でもあり、
クラシック録音のような雰囲気は期待せずと思っていたが、何とヴァイオリンの
質感は摩擦感と空間に漂う余韻感などの湿度を30%程引き上げているではないか!!

音像はキュートに、そして空間表現はワイドに、そんな志向性の私がこの変化に
飛びつかないはずはない。宝野アリカのヴォーカルはESOTERICというブランドの
有する高解像度と高い情報量の品位を味方につけ、JORMA DIGITAL/SMBの投入が
艶然としたリップグロスの輝きを彼女に提供している。いいね〜!!

スタジオワークによって弦楽器に付加されたリヴァーヴの豊かさは、ヴォーカルと
弦楽器に色艶を秩序だって与えるというJORMA DIGITAL/SMBの職人芸を際立たせる。

この変化は10人中の10人ともに「もう元には戻れない…」と言うこと間違いない。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

国内レーベルのユニークな選曲で手応えを増した私は、逆に耳に馴染み聴きなれた
ヴォーカルで確認したいということで、とうとうこのディスクを持ち出してきた。

ちあきなおみ/ちあきなおみ全曲集「黄昏のビギン」
http://www.teichiku.co.jp/teichiku/artist/chiaki/disco/ce32335.html

しかし、私はいつも思うのだが、昨日までのベストと思っていたものが、この一瞬で
記録更新されて頂点を他者にあっけなく譲ってしまうという現実がある。
聴きなれたものが常識、標準となって安定し、リファレンスとして克明に記憶して
いるからこそ微妙な変化でも直感的に判断出来るようになってくる。

しかし、このようなハイレベルな比較はここだから出来るものであり、一般ユーザー
にとっての「その時代のベスト」をご提案していく、ということはユーザーが一人
一人持っている「その人の時代のサイクル」という価値観にお任せするしかないと
いうことでしょう。

ひとつのクォリティーに馴染み、どのくらいの期間をその音と共に過ごし楽しんで
いくのか? それは個人の問題であり私はオプションのあり方をお知らせするのみで
す。

しかし、その選択肢がわずかな投資で予想外のただならぬ変化と向上をもたらした
としたら。あるいは過去の投資に対して、一般の皆様が知りえない情報提供を私が
行なうことで以前の投資効果が倍増する可能性を提供することが出来るとしたら…。

プロフェッショナルという次元で音質変化とコスト意識を両方共に追求して行く。
たった24cmのJORMA DIGITAL/SMBが“G-0Rb”にもたらしたあまりにも大きな変化。

これまでに聴きくらべてきただけでも、実感は十分だが…ちあきなおみ では…

「えっ!! 彼女、お歳はいくつでしたっけ!? 間違いなく若返ってます!!」

イントロのヴァイオリンとギターとベース、数え切れないほど聴いてきたいつもの、
そう…いつものイントロなのに音量感が増し、そして余韻感も増量している。
ヴォーカルが入る寸前に右chで響くベルの打音、この輝きが全く違うのはなぜ?

ちあきなおみ の声質、彼女の背後にオーラのように立ち上るエコー感の増加が
逆光となって自身のシルエットを強調する。同時に解像度が向上し、それは前述の
演奏風景の明るさが増しているという現象を想起させ、映画館の巨大なスクリーン
で人物の表情がクローズアップされた瞬間をイメージしてしまった。

つまり、目元の表情の変化、唇の端が上下する動き、わずかに動いた顎のラインな
ど、
顔だけで演ずるという映画俳優の演技と同じく、JORMA DIGITAL/SMBは歌唱力が
素晴らしい日本人歌手の表情の変化を見せてくれのです!! こんな経験は初めて!!

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

オーケストラではじまった私の前方に展開する音質変化のあり方を色々な選曲で
確認してきたものですが、最初に述べた次の項目を楽音の輪郭が最も鮮明に聴ける
最新スタジオ録音の典型として次の選曲を決めた。

・どうして? ボリュームが大きくなったように感じる!!
・なぜ? 演奏しているホールの照明が明るくなったように感じる!!
・どうして? 弦楽器も管楽器も余韻感が三割り増し!!
・なぜ? バスの重量感が重々しく充実している!!

MICHAEL BUBLE「Fever」
http://wmg.jp/artist/michaelbuble/profile.html

もう何回つなぎ換えをやったかわからなくなってきたが、スタジオ録音の極めつけ
として最後の一曲をオリジナル状態で聴きなおす。いいじゃないか〜。そして…

「おいおい、10秒経過するごとに変化したところがどんどん見つかってくるよ!!」

冒頭のベースから重量感に違いに驚く。ずっしりとした手応えを、こんな24cmの
ケーブル一本で作り出してしまったというのか!?

次に右chから左方向へデフォルメしたハイハットの刻みが高速で流れていく。
その鮮やかさと切れ味がこんなに違ってしまっていいものか!?

マイケルのヴォーカルが…、えっ!?

NEOのセンターの中空に定位するヴォーカルには実に様々なスタイルというか、
音像の大小におけるバリエーションを多数のディスクで聴き分けてきた。
その中でも、口許の濃密な表現と開放感溢れるエコー感が広範囲に拡散していくと
いう録音手法に特徴のあるこの曲。Rubidiumモジュールからの出力ケーブル一本を
換えただけだというのに、ぎゅっと圧縮したようにヴォーカルの音像が密度感を
高め、同時に放射するエコー感の滞空時間が目に見えて長くなっているという現象
が頭の中のチェックシートに記入されていく。

出だしから楽音のひとつひとつを指差し確認が出来るように相違点が発見されていく。
ESOTERICオリジナルの状態で原型を示すシートを作り、その上にJORMA DIGITAL/SMB
によって変化した状態をトレーシングペーパーに焼き付けたものを重ねてみたと
しよう。輪郭を示すラインが、色彩感と濃淡を示す塗りつぶした領域が、各々の
演奏パートにおいてオリジナルと異なる様子が一目瞭然でわかってしまった!!

そして、この変化の方向性とはすべて肯定的なものであって、改善に他ならないと
いう自信があることが重要なことです。ケーブルの二者択一という選択の問題では
なく、客観的に見ても十分に納得できる変化、それは“G-0Rb”の潜在能力がここ
まであったのか!! という再発見でもあります。これは素晴らしいです!!

そして、更にこの後に続くビッグニュースがあります!!


■“PEIP”by ESOTERIC ◇ (Power supply Environmental Improvement Plan)◇

◇H.A.L.を使って音質を検証した画期的新製品ESOTERIC“PS-1500MEXCEL”登場!!◇

ちょうど一年前のことでした。

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/448.html
ここでIsolation Transfomerという新しいアイテムを発表しました。

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/449.html
当然ここでの検証を行い、その実力が次第にわかってきました。

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/450.html
パワーアンプでの使用でも驚くべき貢献を確認しています。

以上のご紹介でPS-1500内部に付いても述べていますが、シンプルな構造であるが
ゆえにアップグレードの手段はないものかとESOTERICの開発者たちは検討を重ねて
いたものですが、とにかく内蔵するトランスがなんと言っても高価なものであり、
しかし、それを見直さないことには開発の糸口が見つからないということで、遂に
思い切った発想のもと新製品への突破口を開いたのでした。これです!!

http://www.dynamicaudio.jp/file/070930/ps1500mex.pdf

■製品名 ESOTERIC PS-1500MEXCEL 税別 \900,000.

■何と20台の限定生産

■MEXCELという絶縁方法の素晴らしさは電源ケーブルによって既に検証済みです。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto57.html

ここでMEXCEの原理とメリットも述べていますが、電源といえども高速・広帯域伝送
が音質に貢献しているという事実であり、何とこのMEXCEという高価な処理方法に
よってIsolation Transfomerを作ってしまったのです!!

PS-1500の登場で何が起こったか? それは詳細に上記のブリーフニュースでも述べて
きましたが、実は“G-0Rb”をここまで進化させたJORMA DIGITAL/SMBを検証している
最終段階に生産第一号のPS-1500MEXCELがここに到着していたのです!!

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

上記の検証システムにおいて、ESOTERICのコンポーネントすべてに対する電源供給
はPS-1500と7N-PC9100を通じて行なってきました。

そして、今までの比較試聴をすべて行なった上で最後の課題曲 MICHAEL BUBLEの
「Fever」をそのままにPS-1500からPS-1500MEXCELにつなぎ換えてみました!!
http://wmg.jp/artist/michaelbuble/profile.html

「これは!? なんということか!!」

単純な一言ですが、PS-1500を使用しての変化の方向性は散々述べてきましたが、
その到達点が違うのです!!

“G-0Rb”+JORMA DIGITAL/SMBによって今まで検証してきた各項目がそっくり上書き
されて新しい次元に突入しています。
そして、不思議なことですが“G-0Rb”の潜在能力を引き出すというイメージで
JORMA DIGITAL/SMBを捉えていましたが、PS-1500MEXCELの併用でこれまで述べてきた
音質変化のベクトルが共通のものであるという発見がありました。これです!!

・どうして? ボリュームが大きくなったように感じる!!
・なぜ? 演奏しているホールの照明が明るくなったように感じる!!
・どうして? 弦楽器も管楽器も余韻感が三割り増し!!
・なぜ? バスの重量感が重々しく充実している!!

JORMA DIGITAL/SMBを使用できるというのは“G-0Rb”のオーナーに限定されるわけ
ですが、どっこい!!“G-0Rb”を使用していない皆様でも、その恩恵をそっくり
そのままPS-1500MEXCELを使用することで堪能することが出来るのです!!

さあ、面白いことになってきました。たった20台しか生産されないPS-1500MEXCELが
確実にもたらすであろうシステム全体の音質浄化効果と、幸いにも“G-0Rb”を使用
されている方が同時に味わうであろう到達点の高さという喜び!!

今後、両者のプロモーションによってハルズサークルの皆様の音質向上が実現できる
という醍醐味を次号に譲って今回の感動を熱いうちに配信させて頂きました!!
続報にご期待下さい!!


これらのセールス企画はハルズサークルに配信されます。
この機会にご入会下さい。


このページはダイナフォーファイブ(5555):川又が担当しています。
担当川又 TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556
E−mail:kawamata@dynamicaudio.jp
お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!!

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