発行元 株式会社ダイナミックオーディオ
〒101-0021 東京都千代田区外神田3-1-18
ダイナ5555
TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556
H.A.L.担当 川又利明




2007年3月1日
No.469 「渾身の新企画⇒ESOTERIC“G”シリーズを磨く!!-Vol.3」
 ◇Excellent takeoff- H.A.L.'s development/The up-to-date ESOTERIC“G”◇

さあ、今ではwebにアップした本企画です!!
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/467.html

そして、前回の配信で述べた6N同士の対決も確認しました!!
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/468.html

さて、残る課題は何か!? そうです!!
いよいよJORMA DIGITAL/BNCをRubidiumモジュールに試してみるという段階だ!!


           ■ Rubidiumモジュールへのアクセス ■

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/401.html

上記のブリーフニュースでも述べているが、今回は来る商品化の際にG-0sオーナー
の皆様がご自分で簡単にケーブル交換が出来るように、先ずはG-0sを私も久しぶり
に分解してみることにした。

これに使用する工具は3ミリの六角レンチとプラスドライバーだが、六角レンチは
ミリ規格のセットをご用意頂きサイズを合わせて使用して頂きたいものです。

また、この作業の前には必ず電源を切って、製品にキズが付かないように敷物を
用意され、取り外したビスなどを紛失されないように注意して下さい。そして、
これらの作業はあくまでも皆様の自己責任でやって頂くということであり、作業中
に発生したいかなるトラブルの責任も負いかねますので、どうぞご理解下さい。

brn0469-01.jpg

最初はここからです。3ミリの六角レンチを使ってトップパネルの6個のビスを外し
てください。これはG-0sの後方から撮影したものです。この写真では既にクリスタ
ル発振基板からの出力ケーブルは取り外してあります。そして…

brn0469-02.jpg

次は正面から向かって右側のサイドパネルを取り外します。この写真の手前に外し
たビスが4個ありますが、これらも六角レンチを使用して外すことになります。
外装部品を取り外すのはここまでなので意外に簡単です。次は…

brn0469-03.jpg
brn0469-04.jpg
brn0469-05.jpg
brn0469-06.jpg

以上の4枚の写真のようにクリスタル発振基板の各コーナーにあるビスを外します。
これはプラスドライバーを使用します。一部ピンボケがあるようですがご容赦を。

brn0469-07.jpg

次はクリスタルとRubidiumモジュール各々の電源ケーブルを外します。
マザーボードのソケット表示は「P202」となっていますので、復元する際には注意
して下さい。このように5本のケーブルが接続されているのがRubidiumモジュール
の電源です。何度かゆするように傾けるように慎重に引っ張ると外れます。
そして次は…

brn0469-08.jpg

クリスタル発振器の電源ケーブルはこのように2本の配線になるものです。この
基板上での表示は「P206」というソケットになっています。

brn0469-09.jpg

さあ、これらのケーブルを慎重により分けて通線孔から引き出して、引っかから
ないように注意しながら慎重に斜めに傾けて裏面のRubidiumモジュールをこのよう
に取り出していきます。そうすると…

brn0469-10.jpg

出てきましたね〜、これがRubidiumモジュールです!! そして、ここにも見覚えの
あるBNCケーブルが接続されていますね。ここです、この標準品をJORMA DIGITAL/
BNCに取り替えてみるということで、以前確認したクリスタルでの変化を更に数段
上のRubidiumで試してみようというものです。

brn0469-11.jpg

さて、これはG-0sのリアパネル付近に位置するマザーボードの拡大写真ですが、
三種類のBNCソケットの表示が見えることと思います。「RUB」はルビジウム、
「XTAL」クリスタル、「EXT」は外部入力、ということで、この三箇所が各々の
発振素子が出力した10MHzの正弦波基準信号を受け取り、マザーボードのDSPを
使用してWordsync信号に変換するのです。

brn0469-12.jpg

このようにRubidiumモジュールからの出力ケーブルをJORMA DIGITAL/BNCにて接続
するとこのようになる。もちろん、最高の音質を狙うために使用しないクリスタル
基板の電源もBNC出力ケーブルも外しているので、使用するのは一箇所だけ。

さあ、このケーブルを差し替えることで前例のないG-0sの音、ルビジウムの隠され
た潜在能力を検証していこうというものだ!!



            ■ 第三段階の試聴 ■

上記のようにRubidiumモジュールを取り出して配線の差し替えが出来るようにした。
今までクリスタルのみで試聴してきたので、Rubidium専用に設定変更したのは久し
ぶりのこと。十分に安定化さて、かつ温度条件も一定に保ちケーブル関係も入念に
バーンインさせるため一晩のランニングを行なった。システムは下記の通り。


    ◇“JORMA DIGITAL/BNC-BNC for Internal Wiring”検証システム◇

ESOTERIC G-0s(税別\1,200,000.)+JORMA DIGITAL/BNC
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/g0_g0s.html
     and
ESOTERIC PS-1500+7N-PC9100(税別\950,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/ps1500/
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/powercable/9100mexc.html
      ↓
ESOTERIC 7N-DA6100 BNC(Wordsync用)→ESOTERIC D-01
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/mexcel/
      ↓
ESOTERIC P-01 (税別\2,200,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/p01_d01/
     and
ESOTERIC PS-1500+7N-PC9100×1(税別\9500,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/ps1500/
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/powercable/9100mexc.html
      ↓
ESOTERIC 7N-DA6300 XLR 1.0m  Dual AES/EBUで二本使用(税別\560,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/mexcel/6300.html
      ↓
ESOTERIC D-01(税別\2,200,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/p01_d01/
     and
ESOTERIC PS-1500+7N-PC9100×2(税別\1,300,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/ps1500/
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/powercable/9100mexc.html
      ↓
ESOTERIC 7N-DA6300 XLR 1.0m×2(税別\560,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/mexcel/6300.html
      ↓
HALCRO dm8(税別\2,200,000.)
http://www.harman-japan.co.jp/products/halcro/dm8_10.htm
     and
TRANSPARENT PLMM+PI8(税別\606,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
      ↓
ESOTERIC 7N-DA6100 MEXCEL RCA 7.0m
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/mexcel/
      ↓
HALCRO HALCRO dm88 ×2 (税別\7,600,000.)
http://www.harman-japan.co.jp/products/halcro/dm38_68.htm#dm68
http://www.halcro.com/productsDM88.asp
     and
TRANSPARENT PIMM+PLMM(税別\606,000.)×2set
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
      ↓
STEALTH Hybrid MLT Speaker Cable 5.0m H.A.L.'s Special Version
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/290.html
      ↓
MOSQUITO NEO(税別\4,800,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto54.htm

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

先ずは最初の課題曲として3.トラックめの「Turned My Upside Down」を用意した。
http://www.stockfish-records.de/stckff/sf_r_artists/sf_sampler_re.html

最初は標準装備の4N BNCケーブルのままで聴きはじめた。すると…!?

「う〜む、どこか…、こう、違うというか、これでいいのかな〜」

という思いが胸中をよぎる。久しぶりにRubidium専用設定にしたのだが、何かこう
訴えるものがないというか感激がない…。
これほどMaster Clock Generatorのあれこれを体験したきた私には求めるレベルが
ちょっと一般の方々とは違うところにあるのだろう。なぜだ!?ふと、思いつくと…

「もしかしたら、これかな〜」

人間の耳の記憶とは意外に長持ちしないものであり、アメリカのあるメーカーは
正確な聴覚の記憶は一般的には四秒間くらいしか維持できないということを述べて
いたことがあり、そのメーカーではスピーカーの正確な比較試聴のために二種類の
サンプルを聴くときに置き場所が一定になるようにコンピューター制御の動く床を
設備として作った。スイッチひとつで二種類のスピーカーがベルトコンベアのよう
に動く床によって四秒程度で同じポジションに入れ替わるという。

私も各種の比較試聴をするときにはなるべく早くケーブルなどを差し替えて記憶が
鮮明なうちに聴きたいものだ。そこで、取り出したRubidiumモジュールだが…

brn0469-10.jpg

さすがに、この写真のように仮置きしたままではなく、Rubidiumモジュールを取り
出した空間に水平ではなく縦方向にして、この写真でも見えるように黒いボトム
プレートに直接置きケーブルが簡単に交換できるようにしていた。

Rubidiumモジュールの電源と出力のBNCケーブルをつないだままで簡単に置くだけ
というものである。機械的なセットアップの手抜きが音質に影響しているのではな
いかと疑い始めた私はRubidiumモジュールの下にクッション材を挟んだり、左右か
らゴム質の材料で動かないようにしたりと試行錯誤を繰り返すが今一の状態が続く。

「参ったな〜、これじゃ〜23センチのケーブルの比較どころじゃないぞ〜」

こだわったら妥協できないのが私の悪いところ。

再びRubidiumモジュールを固定し、サイドパネルも戻して通常の形にまで復元して
再度聴き直すと…。

「おー!! これだよ、これがRubidium本来の音だ!!」

思わぬエピソードが飛び出したものだ。すかさず私は以前の分析に従って同時に
クリスタル基板の接続を行なってから再度聴き直す。うん、やっぱりダメだ!!
Rubidium単体動作でのG-0sのサウンドがやっぱり最高だとここでも確認した。

しかし、困ったことになったぞ。きっちりと製品として本来の組み立てをしないと
いけないということだと、BNCケーブルの差し替え実験に必要な時間はどれほどに
なるものやら…。これほどタイムラグが大きくては記憶も薄れてしまいそうだ。

ということで、組み立て工程のどこまで妥協してもケーブルの違いが出せるのか。
それを確認しなければならなくなってしまった。いや〜、参った!!

brn0469-04.jpg

Rubidiumモジュールをボトムプレートに直置き、正規の位置に載せた場合の違い。
その場合に正規の位置でステーに上記のビス止めをした場合としない場合、更に
サイドパネルを付けた場合と付けない場合、付けたとしてもビス止めをした場合と
しない場合、それからトップパネルを載せた場合とオープンにした場合、そして
トップパネルのビス止めのありなし…、ということで重要なRubidiumの音質を正確
に再現し、かつケーブルの違いを引き出すためにどこまでセットアップを簡略化で
きるとかという比較実験に一時間以上をかけてしまった。

その結果、ケーブルの交換を容易にしつつ、組み立て過程の省略としてはトップ
パネルとサイドパネルはビスなしで置くだけとし、Rubidiumモジュールは正規の
位置に置くが4本のビス止めはせず、ということで納得できるコンディションが
やっと見えてきた。これだったらケーブルの変化が引き出せるだろう。

そして、このような比較を行なうときに“G-0d”で使用した6Nケーブルは使用せず、
通常の4NケーブルとJORMA DIGITAL/BNCのみで一対一の比較をすることにした。
そもそも“G-0d”で採用した6Nケーブルは通常のG-0sには使用されていないので
現実的に比較しても意味がなく将来性もないからだ。

比較のための土台は出来たが、しかし!! この段階でもESOTERICが商品化にあたり
設計したG-0sは通常の4NケーブルでさえもRubidium単体動作は本当にいい!!
もう、これでも十分だ!! というレベルの高みにあることを最初に述べておきたい。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

さあ、このような厳密な比較の基準を辛抱強く設定し、気を取り直してセンター
ポジションに腰を下ろした。もう通算何回聴いたかわからないほどのSara K.を
P-01にセットし、いつものように標準仕様の4Nケーブルを先に数回聴き、それから
JORMA DIGITAL/BNCに換えてみたところ…

「おー!! いきなりここまでやりますかー!!」

イントロのギターが鳴った瞬間に私はこの曲の過去の記憶を瞬時にスキャンして
同一のものがないということを三秒以内に確認し納得していた。スタジオワークで
施されたリヴァーヴの深さが圧倒的に違う。モニタースピーカーが貧弱なスタジオ
で各種イフェクトの効果がわからずに過剰な演出をしているディスクはよくあるが、
Rubidium+JORMA DIGITAL/BNCにしたとたんにNEOの後方にエコー感が遠のいていく
トンネルが出来てしまったように、長く、そして奥行き方向にギターの余韻感が
伸びていく。これはどうしたことか!?

次に入ってきたエレキベースにNEOの常識は更新された。周囲に拡散していた低音
のエネルギーをかき集めてNEOのセンターにリセットしたように色彩感を濃くし、
そして重量感をいや増している。更に見えにくいはずの低音楽器の輪郭が見事だ!!

さあ、Sara K.が入ってきたぞ!!

「えっ、うそ!! こんなにSara K.が若くっていいの!?」

ヴォーカルにかかるリヴァーヴが鮮明に聴こえてくると声質に潤い感が乗ります。
いいです、これは!!

今までの演奏は水面に均一な奥行き感で映っていた自分の顔と景色だったようです。
その中心に両手を伸ばし水をすくい上げると背景の映る水面よりも近くに自分の顔
が手の中の水面に反射して見えるような印象。それだけSara K.とバックの演奏に
遠近感をこしらえて分離してくれるのだから不思議だ。

ヴォーカルの音像は縮小し音場感は拡大するという私の理想に大きく近付いた!!
Rubidium+JORMA DIGITAL/BNCにはこんな可能性があったのか!!

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

さあ、次はもっと驚くことになる諏訪内晶子/詩 曲(ポエム)より1トラック目の
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ 作品28 を聴く。
http://www.universal-music.co.jp/classics/artist/akiko-suwanai/

手間をかけて再び標準の4Nケーブルに戻す。しかし、完全にウォームアップされた
Rubidiumモジュールと、それを取り付けている金属板の温度がこんなにも高く熱く
なっていたとは…。

この日、何回もこの作業を繰り返していると指先の感覚がおかしくなってきた。
ケーブルの試聴で低温火傷とは参ってしまった。比較原型の4Nケーブルで9分9秒の
録音すべてをじっくりと聴き込む。さあ、Rubidium+JORMA DIGITAL/BNCにしよう!!

「ちょっと待って!!これじゃ〜、諏訪内その人の演奏が別人じゃないか!!」

冒頭でフィルハーモニア管弦楽団が繰り広げる弱音のアルコがふーっと始まった時、
録音に使われたイングランドはワトフォードにあるコロッセウムの暗騒音そのもの
が大きく変化していることが瞬時にわかってしまう。こんなことあってもいいのか。

そして、呆気にとられたのが諏訪内のストラディバリが発する余韻感の物凄さ!!
こんなにコロッセウムのエコー感は深く長く濃厚だったのか!!

諏訪内の発するヴァイオリンのエコー感がコロッセウムの壁面に二度三度と跳ね
返り、敏感なマイクロホンのダイヤフラムに微妙な余韻感を吹き込んでいたとは!!

ときおりオーケストラ全体が一瞬のフォルテで演奏する場面では、その余韻感が
終息するまで指折り数えられるような時間軸の延長をRubidium+JORMA DIGITAL/BNC
は何とも簡単にやりのけてしまっている。ふわっと舞い上がったオーケストラの
余韻はしばらくの間は中空に残っていて、それが諏訪内のヴァイオリンの余韻感と
空間で交わりながら渾然一体となって、NEOを中心としてあらゆる方向に四散して
行く。P-01/D-01という最高のフロントエンドのはずが、それを司るMaster Clock
Generatorによって…、いや違うRubidium+JORMA DIGITAL/BNCによって、これほど
の情報量の増大がありえるとはなんと言うことか!!

これでこそSACDであり、そのフォーマットの価値観が聴き手に伝わるというものだ。
私を唸らせるRubidium+JORMA DIGITAL/BNCは明らかに未知の再生音を提示している。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

ここ数ヶ月、私の愛聴盤として手放せなくなってしまったこれもSACDだ。
Audiophile Vocal Recordings の3トラックめ、日本生まれのValerie Joyceが歌う
「Fever」がチェックにはふさわしい。
http://www.chesky.com/core/details.cfm?productcode=SACD323&productcategoryid=3

右側からウッドベース、左チャンネルとセンターの間にフィンガータップの音、
しばらくすると右チャンネルのNEOとセンターの中間でコンガが叩かれ、そして
センターにValerie Joyceのたっぷりしたヴォーカルが描かれる。これらすべての
楽音は広いスタジオかホールでワンテイクで同時録音されたのではと思えるような
音場感が独特のチェックポイントを多分に含んでいる。

さあ、4Nケーブルで比較の原型を記憶しよう。早くJORMA DIGITAL/BNCを聴きたい
という渇望を敢えて抑え、先ずは今までのベストと評価していたRubidiumオンリー
のG-0sでじっくりと聴きチェックポイントの通過点をマーキングしていく。
ここでも感じた。もうこれでいいんじゃないのか、というレベルの高さであり、
音場感の広大さは録音の上手さと相まってシステム全体のパフオーマンスを私の
記憶の中で第一位として認定しているものなのに…。

またもや、熱いRubidiumモジュールの裏側に指を回してBNCケーブルを解除する。
通常の4Nケーブルのプラグは接合点で多少の遊びがあるのか、簡単にくりっと回り
取り外しができる。それに比べてJORMA DIGITAL/BNCのプラグは工作精度が高いの
か、きっちりとした接合感で遊びがないので指先にけっこうな力を入れないと外せ
ないので大変だ。さあ、JORMA DIGITAL/BNCをしっかりと差し込みロックした…。

「あっ、ここが!! えっ、ここも!! おいおい、これもかよ!!」

冒頭のウッドベース…、その背後に反射板を立てたのか壁が近付いてきたのか!?
開放弦のエネルギー感がそのまま空間に放射され、音量が上がったのかと錯覚する
ほどに低域の濃厚さが変化している。右チャンネルから左側へとベースの余韻感が
滑走していく空間がつながっているのはなぜ!? 今まで左側のNEOがこんなにベース
の余韻感を引き受けてくれていただろうか!?

左側での指を鳴らすパシッという音が右チャンネルのNEOに「シィーン」という
エコー感を投げかけていく。瞬間的にきらめいた光の残像が網膜に残るように、
私の耳ではフィンガータップの残像が直前の倍になって鼓膜に焼きついたのか!!
こんな音にも情報量の増加が感じられる。これには参った!!

コンガの打音、二つのドラムの音色の違い、演奏者の手をドライヤーで乾かしてか
ら叩かせたのか、というくらいのテンションの変化。その切れ味が良くなったせい
か、乾いたエコー感は滞空時間が長くなりスピーカーユニットが存在しない中空で
素晴らしい定位感で私の視線から外れようとはしない。同じRubidiumオンリーの
セットアップだった先程と何でこうも変わってしまうのか!!

さあ、Valerie Joyceのヴォーカルだ!! 「これはなんということか!!」

今までの彼女のヴォーカルは逆光で撮影されたものだったのか!!と、気が付く!!

逆光で撮影された彼女の顔、それを画質補正のソフトを使って画面上で修正してい
くような快感があった。今まで暗く沈んでいたValerie Joyceの顔に光があたり、
目元口許にいたる輪郭が見えてくるような解像度の変化。そして余韻感は増加して
いるのにフォーカスが引き締まってくるという例の現象が興奮とともに現れる!!

ヴォーカルの最初の1フレーズが終わったところから入ってくるピアノ。
これも違う!! 先程までは、うっすらとホコリをかぶっていたピアノだったのか?

ピアノの打音の一つ一つが転がるようにエコー感を絡めながらヴォーカルの後方に
展開する。その質感はクリーニングしたてのピアノブラックの光沢感と透明感を
取り戻しており、これが本当の音だろうと今になって私に教えてくれる。こんな
ことは同じRubidiumオンリーのG-0sでもなかったではないか!! 呆れた(笑)

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

さあ、最後のとどめは何をやるのか!!

そう、本日6時間以上をかけて行った検証で最初の躓きであり発見。
G-0sのボディーをどこまで緩め、また締め上げていくかという組み立てのこだわり。

上記で述べた比較試聴のための妥協点を一切排除しRubidiumモジュールの固定ビス、
サイドパネルもトップパネルもすべてビスを打ち込んで、ちょっぴり力を入れて
締め上げていく。

http://www.teac.co.jp/av/esoteric/g0_g0s.html

そして、これもノウハウのひとつだが、G-0sには外部入力とユニバーサルクロック
出力の装備があるが、これらの内部配線BNCケーブルもすべて取り去ってしまった。
正にハイエンドオーディオ専用としてスリムな装備としてRubidium+JORMA DIGITAL
/BNCケーブルの一本だけという仕様にしてみた。

これが今回の企画の最終到達点の音だろう!! さあ…どうなるか!?

「おー!! なるほど〜」

そう、言葉はそれだけ(笑)

今まで様々なパラメーターをMaster Clock Generatorに発見し、それを変化させて
未知の領域を求めて楽しみながら追求してきた。いわば、これは愛用の家具、特に
木製インテリアの拭き掃除というものだったのらしい。

知らず知らずにうっすらとホコリをかぶっていたのか、汚れを落とすと木材の肌理
が鮮明に見えるようになった。そして、最後のツメとして機械的にも設計通りの
組み立てをきっちりと行い、内部配線も一系統のみとして、これまでの集大成と
して完成したG-0sで課題曲をすべてを聴き直した。

すべてのビスをしっかりと締め上げ、機械的な剛性を高めたということから、私は
よりテンションが高まり硬質なイメージにシフトするのかと思っていたのだが…

何と、きっちりとRubidium+JORMA DIGITALを封印したG-0sは滑らかに聴かせる!!

汚れを落とした上に、木製インテリアやフローリングなどにワックスをかけた後の
ようなしっとり感、潤いと透明感を聴かせてくれるではないか!! これはいい!!

しかし、皆様の目の前で今回のような内部配線の切り替え実験を行なうというのは
ちょっと厳しいものがあるので、本日行なったG-0sの封印はしばらくそのままと
させて頂こうと思います。

皆様には完成し熟成したRubidium+JORMA DIGITALのみお楽しみ頂きましょう!!

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

JORMA DIGITAL/BNC-BNC for Internal Wiring はハルズサークル会員限定販売と
いう方針で商品化の予定です。G-0s/G-0をご愛用中の皆様はこの機会にどうぞ
ハルズサークルにご入会ください。


このページはダイナフォーファイブ(5555):川又が担当しています。
担当川又 TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556
E−mail:kawamata@dynamicaudio.jp
お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!!

戻る