発行元 株式会社ダイナミックオーディオ 〒101-0021 東京都千代田区外神田3-1-18 ダイナ5555 TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556 H.A.L.担当 川又利明 |
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“PEIP”by ESOTERIC ◇ (Power supply Environmental Improvement Plan)◇ ◇ パワーアンプが別次元にワープする脅威のパフォーマンスを確認!! ◇ Vol.3「“Level.16 ”は皆様のシステムでお試し下さい!!」 皆様のご協力によって急遽ご返送頂いた7N-PC9100によって、やっと念願の実験を 本日実施することが出来ました。 そして、大変残念なことに今回行った実験は本日で継続不能になってしまいました。 そんなストーリーはなぜか? PS-1500がパワーアンプに与えた影響の大きさは私の想像以上のものでした!! ◆ ESOTERIC“PS-1500”Comparison verification system Vol.2 ◆ ■ESOTERIC G-0s(税別\1,200,000.)*Rubidium only http://www.teac.co.jp/av/esoteric/g0_g0s.html ↓ ESOTERIC 7N-DA6100 BNC(Word-sync用 税別\240,000.)×3本 http://www.teac.co.jp/av/esoteric/mexcel/ ↓ ■ESOTERIC P-01 (税別\2,200,000.) http://www.teac.co.jp/av/esoteric/p01_d01/ ↓ ESOTERIC 7N-DA6300 XLR 1.0m Dual AES/EBUで二本使用(税別\560,000.) http://www.teac.co.jp/av/esoteric/mexcel/6300.html ↓ ■ESOTERIC D-01(税別\2,200,000.) http://www.teac.co.jp/av/esoteric/p01_d01/ ↓ ESOTERIC 7N-DA6300 RCA 1.0m (税別\560,000.) http://www.teac.co.jp/av/esoteric/mexcel/6300.html ↓ HALCRO dm8(税別\2,200,000.) http://www.harman-japan.co.jp/product/halcro/dm8_dm10.html ↓ ESOTERIC 7N-DA6100 MEXCEL RCA 7.0m http://www.teac.co.jp/av/esoteric/mexcel/ ↓ HALCRO HALCRO dm88 ×2 (税別\7,600,000.) http://www.harman-japan.co.jp/product/halcro/dm88.html and TRANSPARENT PLMM×2+PIMM×2(税別\1,212,000.) http://www.axiss.co.jp/POWER vs ◆ESOTERIC PS-1500×2+7N-PC9100×4(税別\2,600,000.) http://www.teac.co.jp/av/esoteric/ps1500/ ↓ STEALTH Hybrid MLT Speaker Cable 5.0m H.A.L.'s Special Version http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/290.html ↓ MOSQUITO NEO (税別\4,800,000.) http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto54.html この際の選曲は7N-PC9100のテストでポイントを押さえた正確な比較に適している 聴きどころが随所に含まれているもので、下記のリンクで紹介している。 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/445.html SACDフォーマットによるサンプラーとして今ではなくてはならないディスクの一枚 http://www.stockfish-records.de/stckff/sf_stockfisch_e.html この中からSara K. 3.トラックめの 「Turned My Upside Down」を使用する。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- さて、上記システムのフロントエンドにおける検証は下記にて述べていたものだ。 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/449.html 今回はパワーアンプに対してPS-1500を使用した場合の検証を行ったが、残念な ことに使用できる7N-PC9100の本数に限界があるため、上記レポートにおける次の 段階までということで■のフロントエンドに7N-PC9100を使用することになった。 Level.9 : 7N-PC9100→PS-1500→7N-PC9100→D-01 ×2 つまり、プリアンプのHALCRO dm8への電源供給は従来通りとすることになり、 TRANSPARENT PLMM+PI8+PLMM(税別\822,000.)を使用している。 http://www.axiss.co.jp/POWER しかし、ここまでで既に7N-PC9100を5本使用しており、パワーアンプに対する実験 ではPS-1500の入出力両方に7N-PC9100を4本回しての試聴ということになる。これ でも何とかやりくりして期待のテストを開始することにした。 いずれの場合にもパワーアンプに対しても電源ケーブルはすべてPLMMを使用してお り、TRANSPARENT PIMM+PLMM(税別\606,000.)を使用し、妥協のない電源環境を初代 “PEIP”デバイスにて設定していたものである。 この電源システムに対してフロントエンドと同様に順次7N-PC9100とPS-1500を導入 しながらの比較ということであり、チープな付属品レベルの電源ケーブルとの比較 ではなく比較の対象は高度なレベルであることを前提としている。 下記の流れで最も左に壁コンセントがあるのだが、それは特に説明には必要ないと いうことで割愛している。更に、これも段階を分けて次のように比較して行った。 当然HALCRO HALCRO dm88はモノアンプなので二系統ずつの電源ということになる。 Level.12 : PLMM→PIMM→PLMM→HALCRO HALCRO dm88 ↓ Level.13 : PLMM→PS-1500→PLMM→HALCRO HALCRO dm88 ↓ Level.14 : 7N-PC9100→PS-1500→PLMM→HALCRO HALCRO dm88 ↓ Level.15 : 7N-PC9100→PS-1500→7N-PC9100→HALCRO HALCRO dm88 ◇ One point impression ◇ Level.12 : PLMM→PIMM→PLMM→HALCRO HALCRO dm88 今回のスタートはこの状態からである。一台39万円というTRANSPARENT PIMMの実力 と魅力は過去に何度となく述べているものであり、その価値観は変わることがない。 その証としてPIMMは並列型のフィルターのために電流制限がないということで安心 してパワーアンプに使用できるものであり、今回PS-1500をテストする上でも私は このポイントを一番気にしていたものだ。 実を言えば、もう10年以上前の話になるが、信濃電気やCSEというアンプ型アクテ ィブ電源のトップモデルで当時の海外製大型パワーアンプを鳴らしたことが何度か あった。過去の随筆にも何度か紹介しているが、当時は電源コンセントに数十アン ペアを求めるようなパワーアンプが数種類あり、それはそれでメーカーの意欲が モノ作りに表れていて面白かった時代だと言えよう。 そして、実際面では世界中のパワーアンプの設計者たちは自分が設計したアンプが 第三者の電源機器にサポートされて一人前として評価されるということを喜ぶ人は 誰もおらず、当然だが自分たちの作品がいかに電源部を強力にしているかというこ とを設計資料として公開もしていたものだ。 私も長らくパワーアンプの能力を殺さずに設計者の求めたパフオーマンスを実現す るには、少なくとも電源コンセントのオリジナルの状態が第一であり、その理由と して電流供給に制約が発生しないこと、というのを大事にしてきた。事実、私が 海外製の大型パワーアンプに対して数社の電源レギュレーター関係の製品を使用し た際に、瞬間的なエネルギーがそがれる印象があり、この試聴室では使用してこな かったという経緯がある。 これらの背景からもPIXLから進化したPIMMの登場というのは大変素晴らしいことで あり、並列型フィルターによるアイソレーション効果を高く評価してきた。そして、 PS-1500という完璧に直列による接続で使用するIsolation Transfomerがいかに 1500VAという巨大な容量を持っていても果たしていかがなものか、という先入観が あったということは否定しがたいものだった。 そんな思いを胸に、PIMMを使用したHALCRO dm88が伸びやかにフロントエンドに おけるPS-1500と7N-PC9100の活躍ぶりを再生音として提供してくれるLevel.12の 音質に私は安心感と満足感をもって基準にすべき音質をいつものように3回以上 繰り返して聴き込み記憶していった。この状態ではPLMMを二本使用しているが、 もともと1本はPIMMの付属品であるということを追記させて頂く。そして…!? Level.13 : PLMM→PS-1500→PLMM→HALCRO HALCRO dm88 この状態ではテスト前と同じACケーブルを使用し、単純にPIMMの位置にPS-1500を 挿入するという第一段階のテストである。プリアンプdm 8のボリュームは慎重に 以前の音量を維持するようにして“-10.5dB”というディスプレーの表示を確認し、 左右の電源をなるべく早く接続し直す作業に取り掛かる。 PS-1500は電源ケーブルを接続して20Aブレーカーをオンにすると一瞬「プーン」と いう唸りを発して起動したことを示し、その後は静粛になる。ここで面白いことが わかった。PS-1500本体に耳をくっつけるようにしてみると、右側のPS-1500からは わずかな唸りがあるが、不思議なことに左側にセットしたシリアルナンバー001番 のPS-1500はまったくの無音である。使用する電源系統と環境によってもわずかに トランスの唸りが違うということに気が付く。もちろん、実用上はまったく問題は ないが、環境と個体差によって、またPS-1500との距離によって印象が違うことは ありえるということだろう。 さあ、そんなことを考えながらいそいそと席に戻る。今回のテストのためにご返却 頂いた7N-PC9100も昨日から再度のバーンインをしており、コンディションも万全。 P-01のリモコンでトラック.3をスタートさせた!! 「なんだー!! いきなりのこの違いは!!」 冒頭のアコースティックギターのピッキングが弾けてサウンドホールの周囲に弦の バイブレーションが漂っているというイメージが、この最初の出足で覆される。 ギターの弦に正確にヒットして弾いていくピックの厚みを三倍にして、ギリギリと 引き付けてエネルギーを蓄えてから一瞬にして開放されたような凄みと厚みのある ギターの質感に変貌しているのが最初の瞬間から私の耳のセンサーが検出した!! 今まで以上にエネルギッシュなのに、それを蓄えていた時間軸が間延びしているよ うなことは一切なく、逆に大きなエネルギーを放出する時間軸が圧縮されて横軸が セミログ用紙の目盛りのように密度感を高めている。 よくよく観察してみると、この冒頭のギターの質感に以前とは違う成分が表れてき たようである。それはギターの胴が共鳴しているのか、ピッキングした弦の下にあ る太い弦までもが共鳴しているのが、ギターの質感全体にぐっと重みのあるテンシ ョンがもたらされたという実感が次第に私の脳内で定着していく。こんなことが あってもいいものか!? という気持ちは、数フレーズ後に入ってきたエレキベース の音に接した瞬間に間違いなし!! という実感が喉元にこみ上げてきた!! 「えっ!! こんな重量感が同じアンプで出るものなのか!!」 トランジェントが素晴らしいNEOのウーファーは直ちに反応している。ウーファー に数グラムのマスウエイトを貼り付けたりするとfoが低下して低音に重量感が増す ものだがトランジェント特性が悪化してまったりとした質感に変わってしまう。 しかし、ここで変化した低域はどうだろう!! まるでベースが床にアンカーを打ち 込んで、その胴の響きを床に共鳴させたかのように濃厚でありキレがあり、そして どっしりと重量感を増加したベースがパワーアンプに起こった変化を推測させる。 テンションを緩めることなく質感に重厚さを与える。これはベースの弦の振動が 正確に繰り返され、視覚的に残像を残すような正確な動作を繰り返しながらNEOの ウーファーを駆動しているという明確な証拠だろう。ウーファーの振動板のピスト ン運動をパワーアンプがどれだけ正確にコントロールしているかという現実であり、 そこに供給される電源がHALCRO dm88の求めに応じて高速反応で電源電流を供給し ている証だ!! たかがトランスなのにここまでやるのか!! 以前と変わらぬ電源ケーブルを使用してさえもこの違い!!同じパワーアンプなのに 倍の価格の低域をこともなげに軽く引き出してくれるというのは驚きだった。 演奏が進むうちに低域以外にも変化が起こっていることに気が付く。音場感を構成 する要素はエコー感の滞空時間だけではない。そのエコー感がどれだけ澄み渡った 空中に漂っていくのか、という余韻感を表現するキャンバスの漂白作用もPS-1500 は同時に行なっているようだ。 NEOの周辺にはPS-1500がもたらしたオーディオ的? マイナスイオンが盛んに湧き起 こっているかのように、エコー感が消失していく空気中に爽やかで透明度の高い 呼吸して美味しいと感じる空気を醸し出している。パワーアンプの電源部も設計者 の思惑とは違うところで恩恵を受けているようであり、ドクター・ハルクロにも 聴かせてあげたいdm88の新たな一面をPS-1500が提供している。これは素晴らしい! Level.14 : 7N-PC9100→PS-1500→PLMM→HALCRO HALCRO dm88 最初の変化を見せてくれたLevel.13でさえ、あまりの変化の大きさに今後の展開が 色あせてしまうのではと、一瞬余計な心配をしながら再度接続をし直す。たかが トランスという前提はパワーアンプを相手にしても、ここまで実感として潜在能力 を引き出せるという驚きがあったが、さて7N-PC9100を入力用に追加するとどうな るのだろうか? さあ、これも興味深いテストだ。すると…!? 「おー!!パワーアンプがこれほどフォーカスに関わっていたのか!!」 低域のあまりの変貌に他の視点を見逃してはいけないと思っていた私だが、冒頭の ギターとベース、そしてSara K.のヴォーカルを聴き進むうちに、またしても以前 に覚えのないパフオーマンスが見えてきた!!いや、実は私も同様な傾向を記憶して いたということに気が付いたのだった!! それは先日確認したこれだった!! -*-*-*-*-*-*-*-*-*- Level.3 : 7N-PC9100→PS-1500→PLMM→P-01 そして、最も大きく変化を感じるのがエレキベースの輪郭、またはそのもの自体の 音像の面積の縮小だった。左右スピーカーの中間にずっしりと展開するベースの 音像のイメージを、NEOのセンターに山の頂上があるとして最もエネルギー感が 強く感じられるところだ。このセンターに定位するベースの楽音が発生してから 時間軸の経過と共に左右に広がるようにして展開するのが通常だった。 これもビジュアル的に例えれば、スピーカーのセンターから富士山のように裾野に 向けて緩やかに傾斜していく音量感の経過があり、そのゆったりとした音像の展開 が当然のことだろうと思っていた。しかし、7N-PC9100によってPS-1500に給電され た瞬間から、この富士山のイメージはアルプス山脈の急峻な傾斜のイメージへと 変わってしまったのである。 NEOのセンターから左右に広がってしまうベースのエネルギー感をまるで惜しむよ うに、そしてあたかも自分の両手でこぼれ落ちる低音がもったいないとばかりに 左右から真ん中に向けてベースの音を寄せ集めて盛り上げたようだ。乾いた砂場で はさらさらとして高い砂山を作ることは出来ないが、湿り気のある砂であれば切り 立った斜面の鋭い砂山を形作ることができるのと同じ現象が見られる。 ヴォーカルに関しても、今まで飛散していく余韻感が好ましいと思っていたものが、 実はそれらの飛び散っていく声の成分を同様にかき集めてポンとNEOのセンターに 盛り付けたような音像の集束感がある。これは重要なことだろう!! Isolation Transfomerの当初の効果としてアイソレーションの充実から音場感や 空間表現、エコー感の拡散領域の拡大という楽音を取り巻く周辺環境が劇的に変化 したことに加えて、7N-PC9100の投入によって今度は音像の輪郭が引き締まりエネ ルギー感の不必要な放出を制御するように、楽音の中身を充実させていくという 方向での変化が大きい。いったんは空間表現を見事に拡大しながらも、それを更に 魅力的なものへといざなう効果を7N-PC9100が担ってくれたということか!? 何とも憎いコンビネーションが今後の期待を更に膨らませる。さあ、次だ!! -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 前述のようにパワーアンプにおいてもまったく同じ傾向を示したが、既にLevel.13 においてベースの質感はフロントエンドにおけるPS-1500の貢献度の比率とは違う 次元で直接的にスピーカーをぐいぐいとコントロールしているのだから堪らない!! 重量感を増強しテンションを更に引き締め、そして7N-PC9100を1本追加しただけで このようなフォーカスの引き締め効果が表れてきた。今回感じた印象を言葉にしよ うと考えたとき、既に前回のレポートで言い尽くしていたことに気が付く。しかし、 今回起こった変化はフロントエンドでPS-1500を使用して、かなりの高水準に達し ているレベルから更に上方に向けてベクトルが延長されたという物凄さだった。 瞬間的に高レベルの電源電流を必要とするパワーアンプにおいて、その内部電源に 対する更なる電源供給能力を向上させたということが私の当初の予想に反すること で驚きでもあった。Isolation Transfomer PS-1500は電源供給能力に上限を設ける ものではなく、逆に音質的には各項目での評価を更にアップしてしまったのだ!! Level.15 : 7N-PC9100→PS-1500→7N-PC9100→HALCRO HALCRO dm88 さあ、いよいよこの時がやってきた!! PS-1500の前後を7N-PC9100で固める。 行き着くところはこれだろう、と前項で体験した重量感プラスフォーカスの見事さ というパワーアンプにとっては二重の進化とも言うべき変化の更に先にはいったい 何が待っているのか!? と、ここまで書いてからLevel.4 の解説文で同じような言い回しをしていたのを 見つけて思わず失笑していた。さあ、パワーアンプの仕上げだ!! 「おー!! ベースの腹筋が割れたぞ!!」 一瞬何のことかわからないような比喩だが、私の印象は正にこれだった。今まで 重量感とフォーカスの引き締まり方にPS-1500の貢献を感じていたが、ベースの 質感に直接的に関与する変化として、ベースの弦をカメラがズームアップして 捉えたような感動が胸のうちに湧き起こる。 それは硬質なベースの太い弦が弾かれてから一定の振幅で振動する有様が残像と して私の目に焼きついてしまった驚きというか、今まで「ブーン、ビィーン」と いう感じで聴こえていたものが「ブーウーウン、ビィイィーン」という感じで バイブレーションの過程を高速度カメラで撮影したようにリアルに見えてきたと いうことだろうか。そう、低音楽器が繰り返す脈動感というのか、ベースの質感に 時間軸に進行に伴って波動的な振幅が見えるようになって来たのである。 つまり、今までのベースは自然体で何も力まない状態の腹筋だったのか、PS-1500 の前後に7N-PC9100を投入すると、あたかも腹筋に意識的に力を込めてポコリと 腹筋の節々が区切れて見えるようになった驚きがある!! こんなことが同じパワー アンプで起ころうとは予想もしていなかった。 その印象を裏付ける現象としてSara K.のヴォーカルにまたまた変化が見られる。 ヴォーカルの音像が浮き上がってきたのだ!! これは浮き上がると例えたが、ヴォーカルの口許の周辺にあった空気が真空状態に なったように透き通ってきたことの反作用というべきかもしれない。 優秀なスタジオワークで絶妙なリヴァーヴを施した録音だが、スピーカーの頭上と 後方に拡散していくエコー感はパワーアンプの役目として微小信号をスピーカーに きっちり伝えるという基本を思い起こさせるが、同時にパワーアンプ自体の電源供 給の過程でノイズフロアーを低下させることの重要性を思い知らされた一幕でも ある。 濁流に流される木の葉は水の流れに浮かんでいるだけだが、清流の透明な水面に 浮かんだ木の葉は水底との距離感もあり、日差しによって出来る木の葉の影が川底 に映るほどの透明感と例えたらいいだろうか。ヴォーカルやギターの背後に演奏者 のシルエットが今にも見えてきそうな透明感、そして日差しの代わりに私の視線が 太陽光の変わりに演奏者に注がれているとご理解頂きたい。そう、音像の向こうに 演奏者のいる空間とスタジオの壁面に映る影を空間の陰影としてPS-1500に追加し た7N-PC9100が見せてくれた!! もう、この段階でパワーアンプに対する電源供給の容量に限界があるなどとは言わ せない!!そんな自信をPS-1500と7N-PC9100が私に余裕の表情で語りかけるようだ。 これには参った!! -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 昨日の定休日、FMラジオを聴きながらくつろいでいると耳に染み付いたあの旋律が ラジオから流れてきた。マーラー交響曲/第一番の第二楽章だ。思わずボリューム を上げて音質など気にすることなく好きな曲が終わるまで聴き入ってしまった。 あるシチュエーションで思わぬ曲が流れたきたとき、オーディオも音質も忘れて 聞き惚れるということが音楽の素晴らしさなのだろう。私も日頃は音質追求に 撤して色々な取り組みをしているが、プライベートなひと時には音質は関係なく 思い入れのある曲に心惹かれるということは良くある。音楽の基本だろうか。 昨日のラジオではゲストの選曲ということでロンドンシンフォニーの演奏としか 語っていなかったが、さあ、今回も仕上げにいつもの定番で同じ曲を小澤征爾と ボストン交響楽団で第二楽章を聴いてみることにした。 「あ〜いいね〜!! 何だか体に染み入る演奏だな〜」 パワーアンプにおけるPS-1500と7N-PC9100の貢献度は私の予想を上回るものであり、 それは日頃の音質を分析するという発想による聴き方よりも情緒的な作用がより 大きく私に訴えたようだった。電気的な電力容量が1500VAだから、そこからエネル ギーを引いたときにパワーアンプは満足するだろうか? などいう先入観はLevel.13 の段階で早くも霧散していたのだった。 そして、もう一つの私の定休日の恒例行事である“温泉通い”を通じて最近は気に なることがことがひとつあった。 我が家では子供たちがお風呂当番で毎日風呂掃除とお湯を張るのだが、大体子供は 熱い湯は嫌いなもので、自宅の内風呂でお湯を溜めるときには大体37-38度くらい の温度で設定しているらしい。それでさえも水道水を沸かした湯につかると肌に 刺さるような刺激を感じるときがある。冬場になるとその回数も多くなるようだ。 しかし、私が利用している温泉の露天風呂の湯の温度は大体42度前後なのだが、 体にちくちくするようなことは一切ない。天然温泉ということで塩分が結構多く 含まれているらしいことはわかるのだが、それがポイントなのだろうか。 まさに湯の温度感が体に染み込んでくるような感じて、いつも自然に馴染んだ一時 を過ごしてストレス発散しているものだ。 そして、昨日の湯煙を思い出したわけではないのだが、聴き慣れたHALCRO dm88に PS-1500と7N-PC9100がもたらしたものは、テストとして分析的に試聴したSara K. の曲とは違い、たった今聴いたマーラーは私の胸に圧倒的な浸透力をもって癒しの 音楽として染み込んできたのである。 テスト、分析、そんな前提で各論をほじくりかえして音質変化をチェックするのも 私にとっては大切なことなのだが、その最終章として確認のためにかけたボストン シンフォニーの演奏がこうまで心にしみるとは思ってもいなかった!! それは、飛び込んでもまったく刺激がないということを承知している温泉だから こそ、安心して浸かっていられるという安堵感が今までのテストの結果として私の 心中に定着していたのかもしれない、としみじみとマーラーを聴きながら悟った ところだった。 パワーアンプへの投入で想像以上の音質貢献を確認したが、各々のレベルで私が 分析したことも、オーケストラという調和を目指す演奏では心地よい響きと滑ら かで芯がしっかりした楽音の質感を支えるということだ。 “分析”しようとする取り組みは大切なことであり今日は納得するまで聴き込んだ。 しかし、“鑑賞”しようとする場合には音楽としての豊かさとして聴き手に伝える。 Isolation Transfomer PS-1500がパワーアンプに多大な影響力を持ち、それは低域 の充実感と様々な局面での情報量の拡大をもたらし、そして最後には大編成の演奏 において楽音と質感と空間に調和をもたらす。 使用前・使用後のギャップを一言で述べれば使用中のパワーアンプを数倍の価格と パフオーマンスに変身させるだろうということが今回の結論である。 1500W以内で使用できるパワーアンプをお使いの方、または音量設定でも1.5キロ ワットの電力をパワーアンプに求めないという皆様、PS-1500はパワーアンプの パフオーマンスを根底から塗り替えてくれます!! この続きはどうぞ皆様のご自宅でお試し下さい。皆様のご応募に対応するために、 ここで使用しているPS-1500も取り外して発送するつもりでおりますので、パワー アンプでの比較試聴は当分ここでは出来ないものです。 「アナリストからリスナーへ、それをPS-1500がいざなってくれます!!」 そのためには皆様のお部屋こそテストの場所にふさわしいものでしょう!! “Level.16 ”は皆様のシステムでお試し下さい。 最後にハルズモニターご希望の方は先ずご入会下さいませ。 |
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担当川又 |
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