新生ORPHEUS NEW CLASSIC LINE
今回はスイスメイドのORPHEUS(オルフェウス)のNEW CLASSIC LINEをご紹介させて
いただきます。
ORPHEUSはスイスに本拠地を置いておりますが、大元の会社はアナグラム・テクノロ
ジーズ社というところになります。このアナグラム・テクノロジーズ社にはGOLDMUND
の設計をしていた技術者も参加しており、開発するデジタル・モジュール(DAC)は、
多くのメーカーが採用し、そのテクノロジーは一躍有名になりました。そのアナグラ
ム・テクノロジーズ社が2003年夏に自社のオーディオブランドを立ち上げました。そ
れが「ORPHEUS」というブランドになります。
ORPHEUSを日本に最初に輸入を行ったのは、ハイファイジャパンというところです
が、D/AコンバーターのONEを筆頭に、多くのファンをつかみました。
その時代から私自身お勧めもしておりました。
音もさることながら、1Uサイズのシンプルなデザインと、プレーヤー、DAC、プリア
ンプ、ステレオアンプ、モノラルアンプ、プリメインアンプとラインナップが充実し
ておりました。
ハイファイジャパン取り扱い時に各モデルが2004ヴァージョンになり、その後輸入業
務をユキムというところが引き継いだ形となります。暫く沈黙が続いた中リファレン
スDACのHeritage DAC、最近ではPrivilegeを発表しました。
そしてここに来て、CLASSICシリーズ VERSION2を発売開始いたしました。
1Uサイズより少し大きくはなりましたが、シンプルなデザインは心惹かれます。
ORPHEUSのSTORYはこちらをご覧ください。
各モデルの紹介をさせていただきます。
< ZERO P Version 2 + RC >
■トップローディングタイプのCD 専用モデル。
■メカ:フィリップス製のCDM-PRO2 オリジナルダイキャスト
■D/Aコンバーター:はウォルフソン製WM8740-24bit/192kHz
■デジタル出力:XLR(AES/EBU)、BNC、RCA、TOS 各1系統
■アナログ出力:XLR、RCA 各1系統
■本体サイズ:W440×D370×H70mm
■重量:12.0kg
■消費電力:7W(スタンバイ時4W)
■備考:リモコン付き
■価格:\1,260,000(税込)
本体十字キー
上:PLAY /PAUSE
右:曲送り
左:曲戻し
下:STOP
中央:メニューボタン
中央のメニューボタン
STAND BY (電源をスタンバイにする時に使います)
↓
RPEAT MODE (曲リピート、アルバムのリピートの設定)
↓
PHASE SELECTION (位相の設定:通常は2番HOT)
↓
TIME DISPLAY (CDの時間を曲単位、アルバム単位かの設定)
↓
CD LIGHTING (トレイがオープン時に、内部のライトを点灯させる設定)
↓
KEY REPEAT RATE (ボタンを押し続ける連続操作に対し、その際の操作間時間を
用意された下記の3種類のスピードから選択する事が出来ます。)
↓
DISPLAY (ディスプレイの明るさの設定)
↓
NIGHT MODE (操作時以外ディスプレイがオフになります)
↓
PREFERENCES (上記設定後それをデフォルトにする時に使用)
<コメント>
プィリップス社のメカニズムをカスタマイズして搭載してトップローディングタイプ
のCD専用機となります。トランスポートとして使用時は44.1kHzの出力となり、4つの
出力端子を装備させております。4点のスパイク仕様となります。
専用リモコン付きとなります。
< ONE SE MK2 >
■D/Aコンバーター
■デジタル入力:AES/EBU 1系統、SPDIF(RCA)2系統、SPDID(2系統)
TOS 1系統、USB(24bit/96kHz)
■アナログ出力:XLR、RCA 各1系統
■本体サイズ:W440×D370×H70mm
■重量:12.0kg
■消費電力:8W(スタンバイ時4W)
■価格:\1,155,000
本体十字キー
上:状態表示(CDであれば通常44.1kHz→192kHz)
右:入力切替
左:入力切替
下:状態表示(CDであれば通常44.1kHz→192kHz)
中央:メニューボタン
STAND BY (電源をスタンバイにする時に使います)
↓
NAMES (各入力の名前の変更)
↓
PHASE SELECTION (位相の設定:通常は2番HOT)
↓
KEY REPEAT RATE (ボタンを押し続ける連続操作に対し、その際の操作間時間を用意
された下記の3種類のスピードから選択する事が出来ます。)
↓
DISPLAY (ディスプレイの明るさの設定)
↓
NIGHT MODE (操作時以外ディスプレイがオフになります)
↓
PREFERENCES (上記設定をデフォルトにする時に使用)
<コメント>
入力信号に対して192kHz/24bitにアップサンプリングした上でアナログ変換を
行います。このDSPモジュールがORPHEUSの特徴のひとつです。
内部のマスタークロックにもこだわりジッター低減させております。
USB入力に関しましては、24bit/96kHzまでしか対応しておりません。
バランス設計となっており、推奨はバランス出力となります。
4点のスパイク仕様となります。
< TWO Version 2 >
■プリアンプ
■入力:XLR 1系統、RCA6系統
■出力:XLR 1系統 RCA4系統
■モニター入出力:入力RCA1系統、出力RCA1系統
■本体サイズ:W440×D370×H70mm
■重量:12.0kg
■消費電力:8W(スタンバイ時7W)
■価格:\1,050,000(税込)
本体十字キー
上:ヴォリュームアップ(CDであれば通常44.1kHz→192kHz)
右:入力切替
左:入力切替
下:ヴォリュームダウン
中央:メニューボタン
STAND BY (電源をスタンバイにする時に使います)
↓
NAMES (各入力の名前の変更)
↓
RECORD(モニター出力させる入力の切り替え)
↓
INPUT LEVEL(各入力に対してゲインの調整)
↓
CHANNEL LEVEL
↓
MULTI CHANNEL(MULTI入力として複数の入力をひとつにする設定)
↓
PASSIVE FILTER(マルチチャンネル設定時にフィルターをかける設定)
↓
KEY REPEAT RATE (ボタンを押し続ける連続操作に対し、その際の操作間時間を用意
された下記の3種類のスピードから選択する事が出来ます。)
↓
DISPLAY (ディスプレイの明るさの設定)
↓
NIGHT MODE (操作時以外ディスプレイがオフになります)
↓
PREFERENCES (上記設定をデフォルトにする時に使用)
<コメント>
多機能なプリアンプとなっており、設定でシングル・マルチモードで6ch×1と2ch×5、
デュアルマルチモードで6ch×2と2ch×2を可能とし、今では数少ないマルチチャンネ
ルプリアンプとして使用できます。入力ごとにレベル調整も可能となっております。
基本設計は完全バランス設計となっておりますので、2chでご使用の際はバランス入
力、バランス出力を推奨。
4点のスパイク仕様となります。
< THREE M Version 2 >
■モノラルパワーアンプ
■出力:180W(8Ω)
■入力:XLR1系統、RCA1系統
■本体サイズ:W440×D370×H70mm
■重量:12.0kg
■消費電力:最大350W(スタンバイ時21W)
■備考:バイワイヤリングターミナル
■価格:\1,050,000(税込)/1台
背面にてXLR/RCA入力の切り替え
<コメント>
完全バランス設計でテンションアンプ(電圧)とカレントアンプ(電流)のメリット
を併せ持ったモジュール「POWER LOOP」を2台搭載。
バーチャル・エレクトリカル・アウトプット・トランスフォーマーと名づけられた理
論を用い、電気的にアウトプット・トランスを生成するこの技術は、電流と電圧の双
方をモニターしコントロールすることで、カレントアンプにあるピーク時の駆動力不
足、テンションアンプの逆起電流発生のデメリットを解決。
バイワイヤーターミナルとなっており、入力はXLR/RCAの切り替えスイッチが背面に
ついております。4点のスパイク仕様となっております。
<試聴レポート>
全体的にすがすがしさとさわやかさを感じます。ヴォリュームを上げてもうるさくな
らないのはパワーアンプのPOWER LOOP機能、そしてフィリップス社製のメカニズムに
よるものなのかは定かではないですが、非常に滑らかです。
プリ、パワー間をバランス、RCA接続の2種類で比較しましたが、バランス接続の
ほうがパワー感が出て、深みのあるサウンドになり、RCAですと、華やかですが、
軽く聞こえてしまいました。2チャンネルの場合でしたら、バランス接続をお勧めし
たいところです。
プレーヤーのZEROをプリアンプに直結した時の音と、DACのONEを通した時の違いを試
聴しましたが、残念ながら雲泥の差となってしまいました。
当初ORPHEUSといえばDACと言われたぐらい定評があり、今回のONEでもモジュールさ
れたものが搭載されております。ONEの価格が110万ですので、当然のことですが、
情報量、立体感、開放感など向上いたします。改めてDACのクオリティの高さを感じ
ます。
さて以前のORPHEUSはもっと濃い音にも感じましたが、今回バランスを重視した音作
りになっているように感じます。前モデルはロックを聞かれるお客様が目立ちましたが、
今回は音楽のジャンルというよりも音楽の聴き方によっての判断になるのではないかと
思います。
低域を前面に押し付けるサウンドでもなく、空間を大きく作るというサウンドでもな
く、情報量を前面に出すサウンドではなく、例えば女性VOCALの聞かせどころを旨く
表現し、また楽器の音色をしっかりと、しっとりと奏でてくれます。
表現が難しいですが、音楽がスーッと入ってくる感じで、安心して楽しめる音作りに
なっております。
デザイン的に全て揃えると理想ですが、SACDやDVD-AUDIOのマルチチャンネルを楽しみたい
お客様はプリアンプ。
次にスペース的な面でのパワーアンプ。そしてD/Aコンバーターといったイメージで
ご試聴されると良いかと思います。
シンプルなデザインの中に、音楽を素直に聴けるといった面では非常に評価出来る
ブランドです。
H.A.L.3ではまだ常時展示ではございませんが、ご試聴希望のお客様はお気軽に
お問い合わせください。
2012年1月12日 5555 H.A.L.3 島
|