第五十一話

「古典的理論と新技術の融合がなせる感動とは」



謝 辞

大変長い文章を最後までご精読頂き本当にありがとうございました。
私は、この随筆の執筆に多大な時間を使って取り組んできました。 そして、その過程において海外のメーカーに質問することが多ければ多いほど、彼らから見て日本のディーラー、 ひいては日本というマーケットは手厳しいものであるという印象を与えてきたのではないかと自負しています。
世界的に見て日本のオーディオ・ファイルに対して、単に表面的な仕上げにうるさい注文をつける国民性というものが言われてきました。
商品にとって確かに重要な外観は価値観をそのままとしても、海外のメーカーの首脳陣にテクノロジーとクォリティーでの検証を行ってから商品を認知するという厳しさを訴えていきたいと私は考えています。
 私が10年前に命名したH.A.L.(Hi-End Audio Laboratory)は、単に販売という目的だけでなく文字通りハイエンドオーディオを追求し研究するという姿勢をテーマに歌ったものです。
そして、この信条を形式化して公開していく手段として「音の細道」を長年にわたって執筆してきました。
モノを選ぶという行為は当事者の情報と質と量によってレベルを高めていくものと考えていますが、私から見ての"顧客のレベル"と言うものを同時に高めていくことが究極の目的であると考えています。
ここで言う"顧客のレベル"とは購入される製品の価格が高くなっていく、ということでは決してありません。
私が普段提示している演奏の質をご理解ご記憶頂き、同業他社での体験よりも、ここH.A.L.を知る人の演奏の質が素晴らしいものであって欲しいというシンプルなものです。そのために私に何が必要か!?
他でもありません、私自身が素直に"Avantgarde"な感性を認め、それを実際の音質に仕上げていくことで演奏のレベルを高めていくという基本に回帰するものです。 どうぞ、これからもH.A.L.での演奏にご注目頂き、皆様の感性を自己発見していく場として活用して頂ければと思います。
皆様の感性を再発見することが"Avantgarde"に他ならないのです!!
《完》
2003年11月吉日 : Dynamic audio 5555 店長 川又利明


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