発行元 株式会社ダイナミックオーディオ 〒101-0021 東京都千代田区外神田3-1-18 ダイナ5555 TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556 H.A.L.担当 川又利明 |
No.192「小編『音の細道』特別寄稿 *第九弾*(今回はweb公開)」 |
「驚愕のミスジャッジ!? dCS Verdiの本当のパフォーマンス!!」 1.イントロダクション 東京都文京区 K・H様より 「やっぱりP-0 はすごい!!」投稿のご紹介 川又様 本日H.A.Lに久しぶりにおじゃましました。 小曽根真の We are all alone が演奏されていた。高音がややハスキー?かな と感じつつも、さすがにOriginal Nautilusで聴くといいですねーと感じつつ ソファーに腰かける。この演奏は、どうやらVerdiによるものだったらしい。 つぎに、P-0で同じ曲を聴くと、うーん、落ち着いて聴けますねー。 ゆったりと余裕があり、先ほどの高音のハスキーさ?など聞こえない。 P-0さすがですね。 Verdiは重心が高いような感じ。P-0は重心が低くゆったりとした感じ。 次に、誰の演奏かはわかりませんが、MAS QUE NADA がかけられる。 イントロに相当凝っていて面白いが、2つで全く異なりました。 Verdi はジャングルにでもいるようで、羽目を外しすぎ?制御されていない ような感じ。P-0はよく制御されていて聴きやすい。 さらに GOLDMUND Millennium で Signature 800を聴くという幸運にも恵 まれた。まず EIDOS38 で MAS QUE NADA を聴く。さらっと聴いてしまう。 ここでP-0に変更。いいですねー。EIDOS38 よりも圧倒的によい。 なによりも音楽が楽しい。解像度ではOriginal Nautilus に譲りますが、 この組み合わせはよい。楽しく聴かせていただきありがとうございました。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- K・H様いつもタイムリーな投稿ありがとうございました。この体験をされた のが3/16土曜日のことでした。そして、本日つい先ほどまでVerdiを試聴 された方は皆さん同じように評価されていたことでしょう。 何を隠そう、この私でさえ同様な評価をしていたのですから…(^^ゞ 懇意にして頂いているタイムロードからやっとの思いで持ち込まれたVerdi だが、セッティングされた3/15の当日から私の第一印象はずっと変わる事は なかった。タイトルにも「dCS Verdi vs Esoteric P-0s 」などとぶち上げて しまったものだから、これは対等な勝負をしてくれなければ困るなあ…、 と思っていたものです。それがセッティングした当日から、私の評価は、 「あ〜、やっぱりうちのスーパーP-0sの方が断然いいや〜」というもの。 しかし、P-0sは販売すべき商品もなくなっており、このフロアーのリファレ ンスとしては使用を続けていくつもりではあっても、なんとかポストP-0sと いう存在のトランスポートが発見できなければ困るというものである。 従って、嘘がつけない私は納得行かないVerdiの音に悶々とした四日間を 過ごしてきたのである。つまり、このshort Essayを書きたくなるような 意欲がわかない日々を過ごしてきたということなのだ。 今週の金曜日にはサンプル機を返却しなければならないのに、納得でき ないものを皆様にレポートするわけにもいかず、まさか「さすがP-0sは 不動の存在。挑戦者Verdiを軽く一蹴!!」などという見出しを付けるわけ にもいかない。「あ〜あ、どうしたものかな〜」とつい先ほどまで迷える 子羊のごとく、今回のレポートを見送ろうか…と思い始めていたのであった。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- しかし、つい先ほど、私に天恵のようなひらめきが湧き起こった。 「あれ、とり急いでVerdiをセッティングしていったけど、電源ケーブルは DOMINUSじゃなかったんだ…、だめもとでAC DOMINUSを使ってみるか…」 と、私は何の邪心もなく電源ケーブルを差し替えたのだが…!!?? http://www.timelord.co.jp/consumer-audio/apdcsverdi.html 2.リファレンスシステム 先日のEsoteric P-70&D-70の試聴の際にも同様なシステムに組み込んで 評価したものだが、今回はこのようになっている。 Timelord Chronos>dcs 992>ここにdCS Verdi vs Esoteric P-0sとして >dcs purcell1394>dcs Elgar plus1394 というラインアップである。 このpurcell1394とElgar plus1394はIEEE1394リンクを接続して常に DSD伝送モードとして、purcell1394の入力を切り替えることによって 二つのトランスポートを比較しようとするものだ。 当然Ward clockもVerdiとP-0sを含め同期可能なすべてのコンポーネントに リンクさせ出来る限りのセッティングを行った。そして、以下につながる。 >Jeff Rowland Coherence2>Jeff Rowland Model12×4set>B&W Nautilus and murata ES103B with PAD ALTEUS Super Tweeter cable Digital & Ward clock cable by dcs and other cable PAD DOMINUS & RLS 3.ミスジャッジ・瞬間の発覚!? 半期決算を明日に控えた店長の心境としては苦戦続きの日々に気が重い ものがあり、新製品の試聴にもままならない…。いや、実のところは ご来店客が多くて空き時間がなかなか出来ない。そして前述のように 第一印象が悪かったVerdiに対して残業してまでも追究の姿勢を持つと いう気力がわいて来なかったというところが本音のところである。 そんな心理がP-0s圧勝の判定に疑いを持つような余力を奪っていたので あろうか…? 3/19の閉店間際…、何の気なしにVerdiの電源ケーブルをDOMINUSに 変えてNautilusの前に座り、ご存知「Muse」UCCS-1002 の一曲目。 http://www.universal-music.co.jp/classics/muse/muse.htm FILIPPA GIORDANOのカルメン「ハバネラ」をかけたのである。 「おいおいおいーーー!?? なにこれ??」とあまりの変化の大きさに 我が耳を疑う。だって、冒頭のオーバーダブされたFILIPPAのバック コーラスが何と濃密であることか。そして、それに続くバスドラム (タブラ?)の低音が何とも輪郭を取り戻していることか!! つい先ほどまでのVerdiではバックコーラスの縁取りも希薄になり エコー感もP-0sに見劣りしていた。そして、このドラムなどは輪郭 が不鮮明で空間にエネルギーを散らかしてしまっているものだから 重量感も感じられなかったものである。それが…何と言うことだ。 自分の足の周辺をブーンッと低域がすり抜けていくような爽快さで 低域の躍動感が現れ始める。これはいかん、直ちにチェックしなけ れば…、と最近の打楽器のテストに頻繁に用いる曲を用意する。 「TRIBUTE TO ELLINGTON」DANIEL BARENBOIM AND GUESTS」 http://www.daniel-barenboim.com/recordings/398425252.htm 迷わず13トラック目の「Take the 'A' Train」の冒頭、ドラムロー ルをスタートさせた。「おー、こりゃあいける!!」そうなんです。 昨日も何度もかけた曲であったが、ドラムのアタックの鮮烈さに 欠けておりテンションは甘く、何が取り得!? とあきらめていた Verdiがいきなりマッチョに変身してしまい、きりりと引き締まった ドラムを叩き始めたではないか。そして、それに続くBARENBOIMの ピアノがピーンッと張り詰めて叩き出せれるではないか。何とこれ じゃ昨日までのBARENBOIMとまったく別人のような切れ味の良さ ではないか!?? 4.Super P-0sの装甲とは? 私が長年の間に蓄積してきたノウハウと経験によって、ここのP-0s には一般の製品とは大変に大きくパフォーマンスを引き離すだけの 装甲とも言うべきオプションの数々が追加されている。 1.P-ZERO (CSFA supply connectors)DC CABLES 1m 液入り \1,305,000. http://www.cs-field.co.jp/pad/price/dc.htm 2.PAD AC RLS 15A Rev.B Signature 1m \600,000. http://www.cs-field.co.jp/pad/products/ac/acdom.htm 3.PAD T.I.P(Total Isolation Platform) 試作サンプル非売品 P-0sのボディー下に装着 4.ROSENKRANZ RK-P0 1set \200,000. http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/112.html http://www.rosenkranz-jp.com/menu2/accessary.htm 5.MEI Z(ジィー)Board \60,000. http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/121.html 6.PAD DIGITAL RLS (RCA 1m) \600,000. PAD RLS BOX (5光源出力)With AC DOMINUS \1,580,000. http://www.cs-field.co.jp/pad/price.htm これらすべてが装備されたP-0sは他にはないだろう。これと真っ向 勝負をさせなければいけないはずなのに、根本的な電源ケーブルを 私が見落としていたとは何と言うことだろうか!? (T_T) そんなVerdiにAC DOMINUSを一本援軍に送ったからといって何が いけないのか、そして何でもっと早く気づかなかったのか!!?? -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 自責の念にかられるというのはこのことか…、しーんと静まり返った 閉店後のビルの中で一人、S/N比が良くなってところで微妙な曲、 あるいは夜も更けて10時を回ったという時間帯でも、私はこれまで 過小評価していたVerdiに何とも申し訳ない気持ちから試聴を続けた。 「IZZY」の「リベラ・メ」UCCL-1008 の一曲目「バイレロ」を聴く。 http://www.universal-music.co.jp/classics/special/izzy/index.htm 最近“耳にたこ”状態になっている(笑)ハープのイントロが始まった。 このハープの弦が引かれていき放たれたときに「ブンッ」と空気を切る ような音がP-0sでは最高だった。果たしてVerdiには出せるのか!? 「おー、やるね〜Verdiちゃん!!」そうなんです。難所を難なく乗り越え て、トライアングルが鳴らされる…!?? あっ、このトライアングルはP-0sの方が鮮明だぞ!? でもいい勝負だ!! そして、IZZYの澄み切ったヴォーカルが入ってくる…「ゾクゾク!」 そう、IZZYの口元は明らかに収縮しており見事なフォーカスを結ぶ。 そして、毎度言っているようにフォーカスが絞られれば絞られるほど その周辺にはエコーが立ち上ってくるではないか。これいいです!! -*-*-*-*-*-*-*-*-*- IZZYを聴きながら分析が進むと、Verdiのキャラクターが次第につかめ 始めたようである。そう、P-0sとは確かに違う個性であり品位は同格。 であれば、この時間にこそふさわしい曲を、ということで次は…。 「WIZARD OF OZONE〜小曽根真ベスト・セレクション」UCCV-2003 http://www.universal-music.co.jp/jazz/j_jazz/ozone/m_ozone.htm の11トラック「We're All Alone」これこれ、これですよ!! まず最初にP-0sで耳にしっかりとイメージを焼き付ける。なじみの音だ。 そして、purceの入力を切り替えディスクを入れ替えるのももどかしく、 Verdiの“初演”の瞬間に胸を膨らませてNautilusのある中空を見つめる。 「……!!」うん、最初の切れ味は申し分ないスピード感を発揮して いるぞ、これは気分爽快だ!! 7分間の演奏を遂に最後まで聴いてしまった。 「そうか…、そうだったのか…!?」 私は自分が見つけ出したVerdiの個性にP-0sでの記憶をクロスチェック して納得した。上記のように万全の装甲を施したP-0sが聴かせる小曽根 のピアノはスリリングと言ってよいほどの切れ味を持って聴く人を圧倒 する。そして、左手の力感が爽快なエコー感を伴って発揮されるので、 ヒーンッと張り詰めたテンションを十分に聴き手に伝えてくる。 しかし、Verdiが聴かせるピアノは左手の力み具合をほぐしてくれるよ うな、女性的なタッチの左手が余計に右手の旋律にマッチするように 奏でるのである。つまり、叩きつけるようなハンマーの画像をイメージ するというよりは、三歩下がってピアノと距離をとり、スコッチウィス キーをちょっぴりなめて緊張をほぐした小曽根の演奏ように、その指 が鍵盤上を動く素早さよりも、空気中に拡散していく余韻という芳香を 胸いっぱいに吸い込んで味わいたくなるような響きの美味を提供してく れるのである…Verdiは…。これは安らぎを覚えるハイファイだ!! 5.危ういところで間に合ったミスジャッジの信用回復!! 昨今は私のフロアーに各社が新製品を持ち込んでくる際に、どういう わけか電源ケーブルは持参してこなくなった。そうです、付属品の ACケーブルを持ってきても私が使わないことを各社ともに知っている からです。すべてをDOMINUSに(一部はRLSですが)統一している このフロアーでは付属品レベルのACケーブルは用がないのです。 私が述べてきたことはここで実証できる真実であるが、Verdiの 理解のために最後に補足すべきことがあったようだ。 前述のようにVerdiにDOMINUSが使用されることでP-0sと対等な勝負 をするようになり、特に同社のデジタルシステムとの連携において は素晴らしい表現力を発揮するようになった。 これはVerdiは一般の電源ケーブルではものの役に立たない存在 なのか!?? ということではないということを念を押しておきたい。 ケーブルのサポートは潜在能力を引き出すのみです。そこに真の 実力がないコンポーネントには何をもってしても開花しないと いうことを経験上私は確信しています。 私がこれまでに発展させてきたP-0sの装甲自体が一般的ではなく、 当初からRLSとDOMINUSによって万全とも言える装備を施している P-0sに立ち向かう場合のハンディギャップを私が考慮していなか ったという私の責任であるという事実も述べておきたいというこ となのである。 そして、最後に一言…。 このチャンスにVerdiを聴きに訪れて下さった数多くの皆様へ、 私は痛恨の反省を込めてお詫びを申し上げなければならない。 「皆様、あの時のVerdiは皆様に背中を向けて演奏していました。 本当の姿を正面から見直してください。“彼女”がいかに 美しい存在か、きっと誰しも魅了されることでしょう!!」 本当に申し訳ありませんでした、私としたことが一生の不覚でした。 次回、このフロアーにVerdiがお目見えするときにはバッチリ正面 から“彼女”の演奏を堪能していただけることでしょう。 結論です!! Verdiには私の言うところの“H.A.L.グレード”認定証を発行します!! |
このページはダイナフォーファイブ(5555):川又が担当しています。 | |
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