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H.A.L.担当 川又利明
    
2024年7月23日 No.1772
 これはいい!ESSECI DESIGN ISOL COUPLING8の試聴実験と考察!

H.A.L.'s One point impression!! - ESSECI DESIGN RELAXA 800Series
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/1770.html

上記で私は低周波ループという表現でスピーカーからの音圧と振動が床とラックを
伝搬し、コンポーネントに影響を与えているという事実を確認し紹介しています。

その低周波ループを初めて完璧に遮断出来るアイテムとしてRELAXA 800Seriesを
私の未体験ゾーンとして感動の上で確認し認めてきたものですが、セッティング
できる環境に制限がある場合にISOL COUPLING8に助けられた思いなのです。

RELAXA同様にフローティング効果を持つ事を下記の動画のようにハンマーで叩く
実験によって納得させられるものであり、その衝撃による低周波振動を回避出来る
機能性が素晴らしいのです!それを私は音質的にも確認しました!
https://www.essecidesign.it/isol-coupling/

■私がこれまで取り扱ってきた各社のインシュレーターで上記のようなハンマーの
 打撃による振動というシンプルな実験に耐え得るものはありません。これは凄い!

ESSECI DESIGNのユニークなアイソレーターであるISOL COUPLING8はイタリア製であり、
現地メーカーサイトでの情報、そして日本での下記輸入元サイトの情報には記載されて
いない基本的な情報をお伝えしたいと思います。
https://www.yukimu-officialsite.com/isolcoupling8

■ISOL COUPLING8はこんな木製ケースに入っています。まるでワインみたいです!
https://www.dynamicaudio.jp/s/20240717134741.jpg
それもそのはず、ESSECI DESIGNとはワインと関連製品も開発・販売しているのですから!
https://www.essecidesign.it/wine/

■ふたを開けるとワインではないことが分かります(笑)
https://www.dynamicaudio.jp/s/20240717134753.jpg

■簡単な取扱説明書、日本語版はありませんが皆様にはご理解頂けると思います。
https://www.dynamicaudio.jp/s/20240717134802.jpg

■手に持つとずっしりとしたアルミニウム削り出しによるハウジングの高級感。
 カタログにはサイズの掲載はありませんが実寸はこんな感じです。
https://www.dynamicaudio.jp/s/20240717134713.jpg

分かりにくいですが大きいサイズが上側で、両方ともにラバー系のOリングが装備
されており、接地面とコンポーネントに対して緩衝材と滑り止めの作用をします。

■ハウジングの裏側には下記のようにメモリー・シリンダーをはめ込む形状があります。
https://www.dynamicaudio.jp/s/20240717134730.jpg

■メモリー・シリンダーと呼ぶグリーンとピンクのエレメントは指でつまむと
 ぶよぶよした感触、大変軟らかい素材であることをご理解頂こうと実際に
 つまんでみると下記のようにこうなります。この軟らかさがポイントです!
https://www.dynamicaudio.jp/s/20240717134820.jpg

■グリーンのメモリー・シリンダーをサンドイッチした高さは下記のように20mm程度。
https://www.dynamicaudio.jp/s/20240717134811.jpg

これ4個で30キロ以上の耐荷重なのですが、思いっきり握りつぶそうとしても
素手ではほとんど変形しない状態です。

しかし、これも未体験ゾーンのパフォーマンスを発揮するのですから、今までに
私が取り扱ってきたインシュレーターとは別物という高い評価をしているものです。

さあ、約23キロのESOTERIC Grandioso D1XSEに使用して感激した私は、
更にマスタークロックジェネレーターGrandioso G1Xにも試してみようと思ったのです!      

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

H.A.L.'s Sound Recipe/ESSECI DESIGN RELAXA 830+850&ISOL COUPLING8-inspection
system
https://www.dynamicaudio.jp/s/20240719161451.pdf

先ず、前述のGrandioso G1XにISOL COUPLING8を使用した結果、こんなところにも
効果覿面という事実を突き付けられた私は上記のように試聴システムの内容を更新
せざるを得ないという結論に達しました。

デジタル領域ですが音声信号をピックアップして出力するするCDトランスポート、
それを受けてアナログ変換するD/Aコンバーター、そしてプリアンプとオーディオ
信号を伝送する上流に位置するコンポーネントに対してRELAXA 800SeriesとISOL
COUPLING8の威力を高く評価しました。

その実態を聴けば聴くほど、過去の経験からも気になっていたのがマスタークロック
ジェネレーターの存在であり、既報のようにアイソレーションを高度な次元で達成
しているラックを使ってはいても、床の環境によっては低周波振動の影響がこれほど
大きく音質に関与していたという現実を目の当たりにして好奇心がざわついたものです。

アナログでもデジタルでもソースに記録されている音声信号を伝送するシグナルパスで、
振動の影響を推し量るというのは当然の事なのですが、10MHz正弦波のみ出力する
マスタークロックジェネレーターに対しては果たして効果があるのかどうか!?

私の経験によればマスタークロックジェネレーターにおいても振動の影響はあると
いう事は既成事実として承知していたものでした。しかし、これほどとは!?

H.A.L.'s One point impression!! - ESSECI DESIGN RELAXA 800Series
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/1770.html

結論から言えば上記で述べた変化のベクトルを延長した形となるのですが、
前述のようにオーディオ信号を伝送する経路ではなく、クロック信号を出力する
マスタークロックジェネレーターでもフローティング効果絶大ということです!

私は検証したい試聴対象のコンポーネント、あるいは比較したい現象の変化のあり方
という視点において選曲を変えています。

もっと正確に言えば、この曲の、この再生音において起こる変化を期待し予想すると
いう事なのですが、上記のインプレッションにはない選曲かつクロック信号による
変化を観察しやすい選曲ということで使い慣れたシンプルな録音で比較する事に…!?

■DIANA KRALL「LOVE SCENES」11.MY LOVE IS
https://www.universal-music.co.jp/diana-krall/products/uccv-9580/

ヴォーカルとウッドベースのデュオという選曲。しかし、楽音はみっつ。
DIANA KRALLのフィンガースナップも重要なチェックポイントであり、スタジオ
ワークで深く長いリバーブが施されており、センターで弾かれたフィンガースナップの
残響が左右スピーカーの両翼へと広大な空間をイメージさせるように広がっていく。

そして、Christian McBrideの素晴らしいベースもチェックポイント。
この曲でのウッドベースはノンリバーブでドライな音質で録音されており、
ソリッドで輪郭が鮮明な低弦の質感がくっきりと表現されている。

それに対してヴォーカルには巧妙なリバーブで上下左右に拡散していく余韻感を
演出的に施しており、同時にDIANA KRALLのフィンガースナップがパシ!パシン!と
鋭い音で弾ける音に関しても長い余韻を中空に広げていくという音作りの妙がある。

同じ空間で両者が演奏したら絶対に起こり得ない絶妙な音響的コスメティックだ!
そんなメークアップされた音のテンプレートが記憶の引き出しにあるのだが、
マスタークロックジェネレーターに対する低周波ループの遮断効果はいかに!?

DACのGrandioso D1XSEと同サイズのGrandioso G1XにISOL COUPLING8をセットして…。

おっと!これは! 出だしからフィンガースナップの変化を察知する!

弾ける瞬間に発散される強くエネルギッシュな破裂音は、まるでDIANA KRALLの
指の骨がチタン製超合金であったかのようにインパクトの瞬間が鮮明になり、
破裂音とも言える瞬間的な音像が克明に描かれるようになる解像度の素晴らしさ!

その単純なフィンガースナップという瞬発性のある音にスタジオワークで施された
残響成分が空間に四散していく過程において余韻感の滞空時間を三割増しにした
空間表現の情報量の拡大に私の期待が的中したと直感する!

■溝口肇「the origin of HAJIME MIZOGUCHI」
https://www.sonymusicshop.jp/m/item/itemShw.php?site=S&ima=3355&cd=MHCL000010099
http://www.archcello.com/disc.html

多用している上記アルバムにおいて「1.世界の車窓から」でのハープという撥弦楽器の
発音に似て、瞬間的に弾かれた弦と同様に指を弾くフィンガースナップの変化は
マスタークロックジェネレーターへのISOL COUPLING8追加で同じ指向性のベクトルを
ぐっと引き伸ばし延長した変化として確認した。

次にChristian McBrideのベースも、前例なきほどに凝縮した音像へと引き絞られている
変化がセンターに浮かぶ音像の鮮明さとして確認出来る。

膨らまない低音が当たり前のHIRO Acousticにして、ピッチカートによるウッドベースの
音像再現がここまで進化するとは思ってもいなかったのです。これは凄いです!

そして、DIANA KRALLのヴォーカルが登場すると、もう想像通り期待通りのマウス
サイズへの変化と、ここからが重要なのですがアルコ奏法による溝口肇のチェロで
体験したフローティング効果を更に増長した音像表現の引き締まり方に驚喜する!

クロック信号にも低周波ループの影響があったという事が証明されたものですが、
その変化のあり方は音像サイズだけに留まらず、フィンガースナップの変化から
始まった響きの延長、余韻感の増量として空間表現を拡大していることが重要!

更にチェロにおいて質感、音色においても多彩な響きの重層が美的変貌を遂げ、
楽音内部における情報量を拡大してきたと同様に、ヴォーカルの質感に潤いと
滑らかさが加わってくるのですから文句のつけようがありません!

マスタークロックジェネレーターと言ってもGrandioso G1Xは23キロもある重量級。
そこにISOL COUPLING8をセットしたり外したりの比較試聴を何度やったことか!

上記に述べた変化の方向性はオーケストラにおいても、他のヴォーカル曲でも、
恒例の課題曲でも次々に証明されていったのですが、それらの選曲全ての変化を
述べることは私の悪癖の再現となってしまうので今回は控えることにします。

しかしながら、何度も言いますがクロック信号という、オーディオ信号ではない
単純な正弦波を出力するコンポーネントにおいても低周波ループの影響があると
いう事を確認し、当フロアーで皆様にお聴かせできる音質のグレードが数ランク
向上したという事を最終結論として報告し今回は締めくくりしておきます!

川又利明
担当:川又利明
TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556
kawamata@dynamicaudio.jp

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