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H.A.L.担当 川又利明
    
2023年8月5日 No.1738
 H.A.L.'s One point impression - ESOTERIC Grandioso C1X solo & S1X

■ H.A.L.'s One point impression - ESOTERIC Grandioso C1X solo & S1X ■

2023.03.01-H.A.L.'s Circle Review-No.4733-より抜粋引用

■H.A.L.'s Challenge-ESOTERIC Mono Bi-Amp & FULL ES-LINK Analog

一般的にバイアンプと言えば、2chのステレオアンプ1台に低域、もう一台に
中高域を受け持たせるという方式を指すのですが、私は経験上2台のアンプを
左右に振り分け通常Lch/Rchとしている各々に低域と中高域を担当させ、左右
独立させてモノラル構成とするモノ・バイアンプという方式を推奨しています。

この方式での音質は大変に素晴らしいものであり私も体験済みなのですが、
システム構成を考えた時にESOTERIC Grandioso C1X+M1Xという上級機よりも
コスト的スペース的にもマッチングの良い新製品が登場しました。これです!

Grandioso C1X solo  税別¥2,000,000.
https://www.esoteric.jp/jp/product/c1x_solo/top

Grandioso S1X   税別¥3,000,000.(二台にてバイアンプ)
https://www.esoteric.jp/jp/product/s1x/top

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上記はハルズサークル限定企画として実施されたものでweb未公開の試聴企画です。

このように私が推奨しているモノバイアンプ方式ですが、製品の活用法として
ESOTERICサイトやカタログにて紹介しているものです。

https://www.esoteric.jp/jp/product/s1x/feature
上記リンクよりバイアンプモードの説明あり

「S1Xを2台使いバイアンプモードに設定すると、ステレオモードではL/Rだった
 出力端子からは同じ音声信号が出力されます。つまり、1台で2系統のスピーカー
 出力を備えたモノーラルパワーアンプとして使うことができます。」

同時にGrandioso S1Xの取り扱い説明書でも掲載している詳細が下記になります。

13ページ「BI AMPで使う-本機を二台使用してモノラルバイアンプとして使う」
https://www.esoteric.jp/downloads/products/esoteric/s1x/s1x_om_j_va.pdf
https://www.esoteric.jp/jp/product/s1x/download

さて、バイアンプとはハイファイオーディオの歴史を振り返ってみても決して
新しいものではなく、かなり昔から使われていた言葉と技術だと言えます。

ただし、昨今ではネットで検索しても解るようにカーオーディオの世界では
家庭用スピーカーのようにクロスオーバーネットワークを持たないスピーカー
ユニット個々に対して、別々のパワーアンプで異なるチューニングの信号で
鳴らすという意味合いもあるようです。

家庭用ハイファイスピーカーにおいて、内蔵クロスオーバーネットワークが
低域と中・高域とに入力端子が独立しており、各々の帯域分割を内蔵フィルターに
よって行うバイワイヤリング入力対応のスピーカーに関して二台のパワーアンプを
使用する場合という但し書きを追記しておきます。

なぜ私がモノバイアンプを推奨するのか、その目的という事に関して今まで何度も
述べてきた次の一節をそのままに適用することが出来ます。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

この仕事を長らく続けて来た私にはオーディオシステムにおける再生音に関して、
自分が理想とする音、求めている音質というものに対する一家言がある。

これまでに何回も述べてきた「引き絞られた音像と広大な音場感の両立」という指標です。

これはスピーカーやコンポーネント、ケーブルや各種アクセサリーなど全ての
分野のオーディオ製品に対して言える事であり、それは今から9年前に出会った
HIRO Acousticの存在によって決定的になったと言えるかもしれません。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

この取り組みにおける試聴システムは下記の通りです。

H.A.L.'s Sound Recipe / ESOTERIC Grandioso C1X solo & S1X - inspection system
https://www.dynamicaudio.jp/s/20230726143719.pdf

今回私が体験した上記のシステム構成にて基礎的な情報の参考文献として下記を
紹介しておきます。既読の方はありがとうございました。未読の方は長文なので
大変ですが、時間がありましたら一読頂ければ理解が深まることと思います。

H.A.L.'s One point impression & Hidden Story - B&W 801D4
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/1685.html

■801D4Signatureプレゼンテーション資料(9.53 MB)
https://www.dynamicaudio.jp/s/20230625152216.pdf
今までの801D4と何が違うのか技術的要素を解説しています。

H.A.L.'s One point impression - ESOTERIC Grandioso M1X
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/1704.html

本企画での実演は一週間程度と短期間ではありましたが、多用している課題曲を
含めて多数の選曲にて試聴してきました。その中からモノバイアンプの成果を
感じやすく説明しやすい選曲をと、久しぶりに下記のCDを選択したものです。

大貫妙子 pure acoustic [SHM-CD]
https://www.universal-music.co.jp/onuki-taeko/products/upcy-7097/

「引き絞られた音像」というものを観察したい時、ドラムやパーカッションなどの
打楽器の鋭い打撃音がイメージしやすいものですが、一瞬にして立ち上がり消滅
してしまう楽音よりもヴォーカルや弦楽器のように連続した楽音の方が音像の存在感を
継続して観察できる事。

同時に楽音が発生しながら消えていくという過程を追跡していく事で、音像から
発せられた響きと余韻感が「広大な音場感」という空間再現性として継続的に
中空に展開する再生音にて本企画の成果を確認していこうと思ったものです。

このCDから最初の課題曲は 1.雨の夜明け です。

近年、私のお気に入りとなっている溝口肇のチェロ、中西俊博と藤原真のヴァイオリン、
久保田明宏のヴィオラ、そして野中英士のコントラバスの弦楽セクションのアルコが
一斉に奏でられ、そこに清水靖晃のクラリネットがセンターに浮かび上がり約40秒間の
イントロが始まった。もう、ここから違うのです!極めつけの音像表現が素晴らしい!

各弦楽器の音像の中心点に奏でる音色の原色となる絵具を更に一滴垂らしたように、
楽音の核というか音像の中心点にくっきりとした音の濃密感が感じられ、その周辺に
拡散していく余韻感に求心力を与えたような解像度の高まりを示すモノバイアンプ!!

その変化はクラリネットのリードのバイブレーションが克明になったことで証明され、
管楽器のソロパートが空間に浮かび上がるための揚力を与えたがごとく、響きの連鎖が
空間にグラデーションを長く、更に長く響き渡るために演奏空間の空気を浄化したような
清涼感を発揮し始めたのだから驚く!!

Grandioso P1X & D1Xというソースコンポーネントがアナログ変換した音楽信号の
情報量とは、これほどまでの実在感を中空に定位する音像として表現する能力を
持っていたのかと惚れ惚れするほどの歌声と弦楽の素晴らしさとして実感される。

その音像の克明さはHIRO Acousticの得意とする領域であり、前後左右に広がり
展開する音場感の見事さはB&W 801D4Signatureによって更に実感された!

今までは当フロアーのリファレンスとして活躍しているGrandioso C1Xが、ソース
コンポーネントの情報量を完璧な状態でパワーアンプに伝送しているという実感が
あったものですが、このCDを聴き進むうちに電源一体型Grandioso C1X soloでも
ES-LINK Analogの威力として素晴らしい品位の再生音を実現させていることに気付く!

選曲の意図が見事に的中したモノバイアンプシステムの素晴らしさに一曲では物足りず、
二曲目以降でも同様な音像と音場感の高レベルな両立に感動しつつ、この曲だけは
語っておきたいと思ったのが「7.突然の贈りもの」でしょうか!

4分28秒のこの曲は最初の三分間はピアノとヴォーカルだけのデュオ、その上に
他のピアノ、ベース、サックスという全てがセンター定位という録音なのです。

センター定位ではありますが左右に音階ごとに鍵盤の広がりを展開するピアノ、
ベースはセンター奥手から引き締まった低弦の響きを湧き起す音像定位、
サックスはセンターの一点から鮮明な音像でリードの響きを上空に放ち、
ヴォーカルはスピーカーの中央から左右両翼までリバーブの残響を広げる。

同一なセンター定位であるからこそ、各楽音の鮮明さが見事な分離感によって
支えられている再生形態であり、こんな録音だからこそ1台のパワーアンプでは
出来ない音像のリアルさと音場感の広大な展開にハッとさせられるのです!

いけます!モノバイアンプ!

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前述のように一般的なバイアンプは1台のパワーアンプで左右チャンネルの低域を
再生するという事から、低音の迫力が増したり音量感が豊かになるなどの期待感を
持たれる方も多いのではないかと思います。

そのような傾向は一切ないとは言い切れないのですが、バイアンプの本来の目的は
ウーファーからの逆起電力による影響を回避して全帯域での歪率を低下させると
いうのが狙いであるわけです。

さて、一般的に50Wのアンプと300Wのアンプがあったとしたら、上記の低音の迫力や
音量感があるのはどちらでしょうか? というシンプルな問いかけをしたら、ほぼ
全ての人が300Wのアンプの方だと考えるのではないでしょうか?

ここでGrandioso S1Xに関して、なぜ上級機のGrandioso M1Xの技術を生かして
できるだけハイパワーのステレオアンプとしなかったのか、という初歩的な疑問を
持たれた方はいないでしょうか? モノアンプの半額でパワーが半分というステレオ
アンプを商品化するのがメーカーとしては簡単なことなのにと…!

ところが、純A級ドライブ50W+50Wというスペックからは読み取れない新たな
テイストがGrandioso S1Xにあることを今回の試聴から私は実感出来たのです!

ここでパワーアンプの消費電力と定格出力の関係性を見直して頂くために、
前述のアンプのパワーに関連するカタログスペックを抜粋してみました。

Grandioso M1Xでは消費電力315W(無信号時45W)/定格出力300W(8Ω)600W(4Ω)

Grandioso S1Xでは消費電力310W(無信号時270W)でバイアス電流が多い分だけ無信号時の
消費電力が大きいわけですが、定格出力50W+50W(8ΩA級動作)100W+100W(4Ω)と
全高調波歪率0.006%という同条件での出力は六分の一と言うことになります。

ただし、パワーアンプの定格出力という数字だけではアンプのドライブ力を語る
事は出来ないものです。これらスペックの測定には固定抵抗を使用して正弦波の
信号にて各数値を求めるわけですが、実際の音楽信号と周波数によって変化する
インピーダンスカーブを持つスピーカーを相手にした場合には全く違う条件となります。

簡単に言えばアンプは定格出力以上のパワーは出せないのかと言うと、まったくの
誤解であり私の経験では瞬間的には定格出力の数倍のパワーを出力することが
可能であるという事実です。

ただし歪率は上昇しますが、再生する信号がクリップしなければ人間の聴覚で激しく
変動する音楽信号の推移に伴って一瞬の歪率悪化を察知することは困難だからです。

前述では連続する楽音によって音像と音場感を観察したいという選曲をしましたが、
このアンプの瞬間的なドライブ力をモノバイアンプでのチェックポイントにすると
いうことで私の選曲も変えていったのです。そんなディスクがこれです。

Martin Grubinger - Drums 'n' Chant
http://www.universal-music.co.jp/martin-grubinger
http://www.youtube.com/watch?v=v9kuxJYLsuA

関係リンク
http://www.martingrubinger.com/

グレゴリオ聖歌に関しては下記をご覧下さい。
http://goo.gl/DKuM

ミュンスターシュヴァルツァハ大修道院の聖歌隊が歌ったグレゴリオ聖歌を
1981年にドイツ・グラモフォンが録音し、アルヒーフ・レーベルで発売された。

その音源にMartin Grubingerが率いるパーカッションを中心としたアーチスト
の演奏を多重録音して重ね、対極的な音楽を見事に融合したアルバム。

多種多様なパーカッションは極めて鮮明な音像で録音されており、インパクトの
ある瞬間的な打音が炸裂するのですが、その響きと余韻が素晴らしい鮮度で記録
されている貴重な課題曲と言えます。50Wのアンプではどうなるのか?

1 イントロイトゥス:「見よ、支配者たる主が」

このアルバムの主旨と性格を最も象徴するのが冒頭のこのトラック。
大口径のドラムの重厚な低域が最初に叩き出されますが、801D4Signatureの新開発
ウーファーはシングルダンパーへと変更され、新開発された801D4のミッドレンジ
同様に過渡特性が素晴らしい中高域にマッチした高速応答性を重視したもの。

801D4Signatureの低域は深々とした重々しい漆黒の黒という一色を表す低音だけでなく、
その中に含まれる多様な要素を克明に再現することで、打撃の瞬間と数舜後に空間に
拡散していく成分を見事にふるいにかけて再生する。しかも、この音量で!

音階の高いドラムから次第に空気を揺さぶる重低音のグランカッサへと、急激に
振幅が大きくなる低域のダイナミックな打撃音が響き渡る爽快感!

その後に続くティンパニーのテンションの高まり、スネアドラムの切れ味のいい連打、
Martin Grubingerのビブラホンの独特の旋律が始まったと同時に聖歌隊の単旋律の
歌声が荘厳に響き渡ります。

この時の音場感の素晴らしさは当然B&Wならではの中高域の素晴らしさであり、
何と深みのある声楽をこんなにも大きな空間表現で聴かせるとは驚きです!!

アナログマスターなのか、聖歌隊の歌声があるパートでは録音のS/N比が低下して
うっすらとテープヒスが聴こえるのですが、こんなにも遠近感と響きの奥行き感を
ともなって聴く男声合唱の素晴らしさに息を飲む思いです。

Martin Grubingerはグレゴリオ聖歌のラテン語のテキストを研究し、単旋律で
あるがゆえに音楽的装飾とハーモニーの手掛かりが一切ない聖歌に対して、
パーカッションの演奏をどのように並列させるのかに苦心したとライナーノーツに
あるが、神秘的な聖歌の流れに沿って多種多様な打楽器が奏でる様は素晴らしい
調和を聴かせる。

こんなパワー感がGrandioso S1Xにあったのかと、あまりの迫力と音量感に息をのむ!

モノバイアンプがもたらしたものは低音の増量という単純なものではなかったのです!
801D4Signatureが得意とするのは、この響きの調和をもたらす空間再現なのです!!

5分間の聖歌に合わせるための録音は16時間もかかった演奏の中から抽出して
オーバーダビングしたという本作品は、峻烈な打撃音と大聖堂に響く聖歌隊の
見事なコラボレーションとして見事に801D4Signatureの特徴を引き出している。

2 イントロイトゥス:「主は私に言われた」

この曲では何と意外なエレキベースがグレゴリオ聖歌とマッチングされている。
単旋律でハーモニーをもたない聖歌なので伴奏とは言い難いが、ベーシストの
感性が絶妙にグレゴリオ聖歌の土台を支えるように展開し、恐らくはジャンべ
の一種ではないかと思われる打楽器の二拍の合間を縫って「カツーン!」という
鋭い打音が長い余韻を引いて展開する。

オーケストラの楽員くらいの数と種類を集めたらしいパーカッションの多様さは
私の知識の及ばない様々な楽音を聴かせてくれるが、前曲の膨大に広がる低音の
打楽器の音とは全く対照的にエレキベースの音は801D4Signatureの中央にしっかり
と根付いたように定位している。この音像表現は素晴らしいです!

打楽器だけでなく、エレキベースのように楽音の固体化による音像の明晰さを示し、
更に余韻を空間に広げるべき低音と音像の輪郭をしっかりと描く低音とをきちんと
鳴らし分けてくれます!!いいです!!

3 コンムニオ:「聖なる輝きの中で」

このアルバムで唯一のヴォーカルが入っているのがこの曲。しかも、トルコ人の
歌手と尺八のような音色のトルコの民族楽器の縦笛であるネイという楽器も含まれている。
イスラム神秘主義とグレゴリオ聖歌という宗教的ミスマッチを音楽的ベストマッチと
する試みをMartin Grubingerはこの曲に仕込んだ!

ドイツの田舎、ヴュルツブルクの東20キロ程のところにミュンスターシュヴァルツァハ
大修道院は位置するが、トルコ人の女性を妻にしたMartin Grubingerは西欧の聖歌と
東欧の文化を融合させる音楽を作った。

そんな歴史的音楽性と文化的な背景をB&Wは801D4Signatureという進化形で言葉に
出来ない説得力で私に切々と訴えてくるのだが、モノバイアンプのパワー感だけで
なく微細な余韻感をも克明に再現する描写力に感動してしまった!

正確には分かりませんがトルコ人歌手はハッキ・オピナーと発音するのだろうか?
テノールの音域と思われるヴォーカルがセンターにびしっと定位する。
しばらくすると寄り添うように縦笛ネイがわずか左寄りに登場します。

しかし、ここで聴く中・高域の点音源による再生音の定位感が本当に素晴らしい
ことに驚かされます。いいですね〜迫力の低域だけではないのです!

この曲はパーカッションの伴奏はタブラと思われる打楽器と、最後に小さな
金物での鳴り物が入るだけ。後は縦笛ネイだけというシンプルなもの。

編成が小さい録音だと楽音の数も少なく各個の定位感の素晴らしさが見事に認識される。

タービンヘッドに搭載された新開発のBiomimetic Suspensionというユニークな
ダンパーを採用したミッドレンジとダイヤモンド・トゥイーター、その成果が
あたかもフルレンジドライバーのようなピンポイントな定位感をもたらし、
それを想像以上の駆動力で鳴らし切るモノバイアンプの威力によって801D4Signatureは
素晴らしい解像度と音場感を両立していたのです!

私は音場感の再現性にこだわり、空中に浮かぶヴォーカルが大好きなのですが、
Grandioso S1Xモノバイアンプが聴かせる人間の声には何も文句のつけようがありません。

しかし、トルコ人歌手がセンター定位でイスラム教のモスクで歌われるような
伸びやかで見事な声楽を聴いていると、どこでグレゴリオ聖歌と関連があるの
だろうかと不思議に思っていると…!?

いやはや、驚きました!!ハッキ・オピナーの声は左右スピーカーの点音源を
結ぶ距離感で歌っているのですが、そのずっと後方に聖歌隊が登場します。

遠近法の消失点がずっと後ろに拡大され、奥深い位置からグレゴリオ聖歌が響き
渡りますが、こんな音像が立つ位置関係で耳で感じる被写界深度を表現しようとは!!

4 キリエ 第14番

通奏低音の静かな響きの中で教会の鐘のような音が遠くに小さく響くイントロ。
そこに突然右チャンネルからカウベルの鮮明な打音、続いてコンガ、ボンゴ、
シャンベなどなどアフリカのパーカッションが次々に登場します。

ハイテンポの高速演奏でアフリカのリズム感に乗って躍動するパーカッション。
しかし、大小様々な打楽器の音像と定位感の素晴らしさに目を見はります!!

その音を表す光点の向こう側にすーと引き込まれるような奥深さで聖歌隊の歌声が
浮き上がって来るのです。弾けるような眼前の激しいパーカッションと対照的な
ミュンスターシュヴァルツァハ大修道院のカテドラルの巨大な空間イメージを
見事に両立するGrandiosoで皆様はどんな曲を聴きたいだろうか!?

6 アニュス・デイ 第14番

イントロでカリンバの透き通った楽音が印象的な一曲。ベルリン・フィルの主席
オーボエ奏者であるアルブレヒト・マイヤーの演奏が素晴らしい余韻を残しながら
瞬発力あるパーカッションと相まって聖歌隊の歌声と広大な空間に同居するという
魅力的な一曲。これは推薦致します!!

10 オッフェルトリウム:「神は喜びの叫びのなかを」

フェンダーローズのソロで始まり、グレゴリオ聖歌が背後に浮かびあがる。
フリューゲルホーンのたなびくような音色がセンターにくっきりと浮かび、
ドラムセットのキックが乾いた低音を叩き出す。

ハイハットの細かい刻みにマイク・マイニエリを彷彿とさせるビブラホンが
登場し、鮮明なリズムセクションはポップでモダンな演奏を展開する。

グレゴリオ聖歌と同じ旋律をトランペットが奏でるフレーズでは思わず鳥肌が
立つような前例のない感動が背筋を這いあがってきました!!

低域を克明に再現するGrandiosoモノバイアンプで Drums 'n' Chant の推薦したい
曲の印象を述べましたが、前曲までのスタジオ録音と違い、ホールエコーを含んだ
低域の再現性が更に両スピーカーの素晴らしさを物語ってくれたのです!!

このCDによって確認された50W+50W(ただしA級動作領域として)のGrandioso S1Xの
潜在能力として、私は瞬間的な打撃音と数々と微細な余韻感によって成立した音場感の
見事な再現性にモノバイアンプの威力を感動のうちに納得したものでした。

Hi-End Audio Laboratoryを設立してから早いもので31年目となりました。
私は専門店の営業職ではありますが、この文字通り研究者でもあります。

世界中のメーカーからやって来る多数のオーディオ製品を取り扱いながら、
逆に日本から世界に発信できるグレードの製品、いや…音、そのものを作り出し
皆様に体験して頂くことで論文ではない研究成果として発表しているものです。

そして、ありがたく嬉しいことに研究課題が尽きるということはありません。
これからも次なるトライアルを企画し皆様に聴いて頂ける事を目指して、
新たな挑戦を繰り返していきたいと思っています。どうぞご期待下さい!

このようにハルズサークル限定企画を多数実施しておりますので、是非この機会に
ご入会頂ければと推奨致します。よろしくお願い致します。
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/circle.html

川又利明
担当:川又利明
TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556
kawamata@dynamicaudio.jp

お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!


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