発行元 株式会社ダイナミックオーディオ 〒101-0021 東京都千代田区外神田3-1-18 ダイナミックオーディオ5555 TEL 03-3253-5555 / FAX 03-3253-5556 H.A.L.担当 川又利明 |
2022年4月20日 No.1702 H.A.L.'s One point impression - FINK team BORG |
H.A.L.初見参 FINK team BORGを期間限定展示 https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/1701.html このユニークなスピーカーの登場は上記にて公開しましたが実に短期間の滞在でした。 時間をかけての詳細な検証は中々出来ませんでしたが、それでも私はしっかりとした 手応えを感じ取ることが出来ましたので、本当にワンポイントですが紹介しておきます。 先ず、いつものように試聴システムは下記のような構成としました。 H.A.L.'s Sound Recipe / FINK team BORG - inspection system https://www.dynamicaudio.jp/s/20220418171213.pdf 最初のセットアップは下記のようなレイアウトでした。 https://www.dynamicaudio.jp/s/20220412163628.jpg しかし、次のように変更したところ素晴らしい変化を遂げたのです! https://www.dynamicaudio.jp/s/20220418164055.jpg 次に驚いたのはワイヤリングによる違いでした。 ここに届いた当初はバイワイヤー入力端子のウーファー側にアンプからのスピーカー ケーブルを接続していたのですが、上記のようにセッティングを変えてから見違える 変化をしたBORGに対して私は大いなる可能性を感じて実験してみたのです。 このようにアンプから先ずはミッドハイ側にスピーカーケーブルをつなぎ直しました。 https://www.dynamicaudio.jp/s/20220418164037.jpg この時の楽音の質感の変化は大変大きなもので驚いてしまいました。 その驚きは私が常々述べている音像と音場感の表現力にも大きくかかわっており、 特に低域の音像表現に関して他社のバスレフ型スピーカーと一線を画する素晴らしさを BORGに感じたのでした。 先ず2ウエイのBORGにおけるスピーカーユニットレイアウトが非常に接近した形であり、 私は以前にもHIRO Acousticのトゥイーターからウーファーまでの縦幅がユニットの 中心点で38センチの距離感にあるという事を述べていましたが、同様に音源位置が 近いので前面から見るとHIRO Acousticと同レベルの配置であるということ。 そして何よりも下記の画像で解るようにバスレフポートがウーファー同様に床から 高い位置にあるので低域の輻射音波が発生しにくいというポイントです。 https://www.dynamicaudio.jp/s/20220418164046.jpg 他社のバスレフ型スピーカーの多くは床に近い低い位置にバスレフポートがあったり、 エンクロージャー下部で床に向かってポートが取り付けられているというデザインも よく見かけるのですが、これは低域の音像を肥大化させる傾向を伴う事があります。 その点BORGの低域は大変に敏感な反応と引き締まった音像を持つものとなり、 バスレフ型という特徴を感じさせない低域が実に素晴らしいのです! 床に流れ出ていくような、床を這うような重厚な低音、などと表現されるスピーカーも ありますが、私はHIRO Acousticを評価する際に述べてきた低域の音像表現という事を 重視しているのでBORGの低音に関しては三ツ星の評価をしたいと思っています! そして、2ウエイながら他社とは違い1600Hzという低めのクロスオーバー周波数で ミッドハイレンジを受け持つ同社独自の6464mm2という振動面積を持つオリジナル AMTユニットの出来栄えが実に素晴らしいのです! オーケストラの弦楽の質感にうっとりし、金管楽器の輝きも美しく木管楽器の 温度感と肌触りの良い音色が他社にない魅力的な展開を見せ、前述の低域表現に よってコントラバスのピッチカートが気持ちよく響き、グランカッサの打音が たなびく余韻をホールに広げていく壮大な空間表現と質感に感動しました! それはスタジオ録音のヴォーカル曲にも表れていて、しっとりとしつつもメリハリの ある歌声は非常に魅力的に響き、ユニットレイアウトの巧みさと相まってキュートな 音像を描き中空に浮かぶさまは見事の一言に尽きます!このヴォーカルはいいです! 多彩な伴奏楽器の質感も素晴らしい分解能と情報量に支えられており、特に秀逸なのは 緊張感の感じられないピアノでしょうか、鋭角的でスピード感ある立ち上がりなのですが、 その音色と質感には潤いが感じられ余韻感の消滅まで残すところなく美しい展開です! 特殊な構造のAMTユニットが功を奏しているものと思いますが、パーカッションの 切れ味は良くギターの質感もしっかりと捉えており、しかも聴きやすく疲れない! 私はHIRO Acousticを裸にするスピーカーと例えていますが、BORGはボディーラインを しっかり見せつつも肌のぬくもりと温度感を伝える絶妙な音質を備えており、 私としてもスピーカーに対する美意識の在り方に新しい解釈が必要だと実感したのです! 今回は短期間の滞在なので課題曲の詳細に関して、いつものように語る時間的な 余裕がありませんでしたが、群雄割拠する世界中のハイエンドスピーカーたちに 強烈な自己主張を見せつけるBORGの登場に私は拍手を送りたいと思います!見事! FINK team BORGを試聴したいという方は気軽にご相談頂ければと思います。 皆様にも感動を提供出来ればと再度取り寄せてスタンバイ致します! |
担当:川又利明 |
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