■H.A.L.'s Special-B&W 801D4 Trial hearing
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/1679.html
上記の企画を既に公開しましたが、本日(9/27)輸入元である株式会社ディーアンドエム
ホールディングス本社にうかがいB&W 801D4を試聴することが出来ました。
B&W 801D4 GlossBlack 1Pair 税別¥4,960,000.
http://www.dm-importaudio.jp/bwspeakers/lineup/home/800d4/index.html
H.A.L.3のページでも公開
https://bit.ly/3nAeyZy
先ずは802D4を最初に聴き、その後に801D4に切り替えて頂くということで試聴開始。
下記は同社の試聴室にセットされた802D4での写真です。
https://www.dynamicaudio.jp/s/20210927163050.jpg
左右スピーカーのセンター間は約2.9m、スピーカー前面からリスニングポイントまでは
約3.6mというトライアングルですが、これは当フロアーとほぼ同じ距離感となっています。
下記は左から803D4、802D4、801D4という配列でサイズを比較するために撮影。
https://www.dynamicaudio.jp/s/20210927163040.jpg
ミッドレンジユニットを格納するタービンヘッドの周囲はソフトレザー仕上げと
なっており、あたかも高級車の内装を思わせる品格ある仕上げが見事でした。
https://www.dynamicaudio.jp/s/20210927163030.jpg
下記の画像は801D4底部にあるバスレフポートを覗き込んで撮影したもの。
なぜ、こんな画像を敢て紹介するのかというと今回の801D4はバスレフ特有の
低域変調がほぼないという音質で、私に言わせれば快挙と思えたからです。
https://www.dynamicaudio.jp/s/20210927163020.jpg
801D4の低域に関する分析と特徴は後日に他の資料が入手でき、当フロアーでの
本格的な試聴を開始してから述べたいと思いますのでご期待下さい。
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今回は最初に802D4で持参した課題曲を聴き、新シリーズの売れ筋となるであろう
スピーカーで一通り試聴し、新製品としての十分な品格は確認しましたが私の
本命はやはり801D4であり、同じ課題曲を聴き直すたびに驚きと発見がありました。
先ずは意図的な選曲として802D4で最後に聴いた曲にて801D4に切り替えてから
最も驚いた点を述べておきます。
■UNCOMPRESSED WORLD VOL.1
http://accusticarts.de/audiophile/index_en.html
http://www.dynamicaudio.jp/file/100407/UncompressedWorldVol.1_booklet.pdf
TRACK NO. 3 TWO TREES
この曲は今までに多数の試聴で使用してきたサックスとピアノだけというデュオの
録音によるもので、低音楽器としてのドラムやベースは一切ありません。
直前に802D4で聴き801D4に切り替えた瞬間に、ミッドレンジからトゥイーターに
かけての解像度の素晴らしさと膨大な情報量の増加に驚いてしまったのです。
新開発バイオミメティックサスペンション採用のミッドレンジドライバーの威力と
いうことになろうかと思いますが、これは新800D4シリーズの下位モデルにも採用
されているので、他の要素もあるかと思いますが後日確認したいと思います。
時間は限られているのに801D4のあまりの素晴らしさに試聴よりも技術的な質問の
方が多くなってしまい、多数の項目を現時点で書くことは出来ませんが、
私が注目していた低域の質感については現時点で述べておきたいと思いました。
■溝口 肇「14.帰水空間」
https://www.sonymusicshop.jp/m/item/itemShw.php?site=S&ima=3355&cd=MHCL000010099
http://www.archcello.com/disc.html
とてもユニークなのはシンセドラムの打ち込みによる打音で左右とセンターの三点から、
各々異なる音色のドラムとして登場し約20秒間一定のリズムだけを聴かせる。
左チャンネルからは重低音のドラム、右チャンネルは明るく抜けのいいドラム、
センターではわずかに音階の高い打音と高音階のパーカッションがきらめく。
そんな人工的なドラムだが逆に正確無比な打音の繰り返しを曲の最後まで続け、
それが最前列に並び手前に張り出して来るかの迫力をもち前後の定位感を保ち、
それとぴったり寄り添うような重厚なベースがセンターに登場する。
その後ろ背景にキーボードのシュールなハーモニーが展開し始めると、真逆な
アコースティックなチェロ、マリンバ、ピアノが交代で主題の旋律を奏でる。
極めて明確な低音リズムと幻想的とも言える奥に展開する三者の楽器が個性的な
空間表現を提示し、帰水空間というタイトルから連想される癒し効果が心地いい。
この冒頭のシンセドラムの質感が実に素晴らしいのです。バスレフ臭さがない!
バスレフ方式には低域の再生帯域をより低い周波数まで拡張するという目的が
あるわけですが、その代償として質感の変調、位相の遅れ、音像の肥大化という
項目に違和感を持ってしまうものですが、それらがことごとく見当たらないのです!
三種類の音色をもつドラムが左右とセンターに定位するのですが、重厚感たっぷりの
左側のドラム、切れ味のいい倍音を含む鋭利な低音の右側のドラム、立ち上がりが
鋭く引き締まったテンションのセンター定位のドラムと、シンセドラムならではの
無機的ではあるが正確な打音の繰り返しが続き、その一打ずつの質感が極めて正確な
響きを持っているという事に驚いてしまいました!
バスレフポートの功罪は複数ありますが、私が求めている方向性にジャストミートと
いう低域の再現性にB&Wの開発力の素晴らしさを実感したものでした。
課題曲の数だけインプレッションを語りたいのですが、限られた時間では全てを
今日のうちに語るのは難しく、しかし焦ることもないと自分をなだめています。
そして、D&Mホールディングスの試聴室の実に素晴らしくコントロールされた
ルームアコースティックでの試聴では環境が良すぎて実感が湧かないという事も
悔しいですが追記しておかなければならないでしょう。
そして何よりも明日、B&W 801D4 GlossBlackが国内最速で当フロアーに搬入される
ということが決定しましたので、私としてはH.A.L.の環境とシステム構成、更に
各種ケーブルというホームグラウンドならではのセットアップでじっくりと分析と
評価をしていこうと考えているからです。
でも、高級食材も調理の腕前によって美味しくも不味くもなるということと同じで、
どんな優秀なスピーカーでも使い方で音質評価は変わってしまいます。
先ずは私が納得する音が出せてから皆様をお招きしたいと考えています。
でも、そんなの待ちきれないという方はgoogleカレンダーで空き時間を確認され
予約の上でご来店頂けましたら試聴は可能です。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/
さて、明日から新たなトライアルが始まります!
面白くなってきましたね〜、現時点でB&W 801D4は五つ星で推薦致します!