発行元 株式会社ダイナミックオーディオ 〒101-0021 東京都千代田区外神田3-1-18 ダイナミックオーディオ5555 TEL 03-3253-5555 / FAX 03-3253-5556 H.A.L.担当 川又利明 |
2021年4月13日 No.1655 H.A.L.'s One point impression!!-Westminsterlab Rei & Quest |
H.A.L.'s One point impression!!-Playback Designs SPA-8 https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/1654.html 重量137Kg、お値段は税別¥12,000,000.という重厚長大なパワーアンプを試聴しての インプレッションを上記にて公開しましたが、その中から下記の一節を引用し再度 述べておきたいと思います。 「Hi-End Audio Laboratoryという概念から私は考え直してみました。(中略) そして、私の研究目的として私自身のレベルアップを元に研究対象製品の価値観を 高める努力と実演を行い、それによって体験者の経験値すなわち感動できる音質の レベルアップも同時に行っているということです。 簡単に言えばハイエンドと呼ばれる製品の音質をユーザーが感動し納得できる 音質にて実演し、その価値観を販売前に啓蒙し理解して頂ける環境とノウハウを 備えていなければならないということになります。それが専門店の使命です。」 このような思想を持っている私の元に今回持ち込まれたのが新進気鋭のブランド WestminsterlabのパワーアンプRei(2019年発売)と新作プリアンプQuestです。 https://www.bright-tone.com/pages/241.html 今回は先にセッティングした画像を見て頂きましょう。 ■Westminsterlab Rei 税別定価¥4,000,000. https://www.bright-tone.com/pages/245.html https://www.dynamicaudio.jp/s/20210331165708.jpg CDケースを並べてみました。このように超コンパクトなパワーアンプで重量はたった16Kg。 ■Westminsterlab Quest 税別定価¥3,000,000. https://www.bright-tone.com/pages/242.html https://www.dynamicaudio.jp/s/20210331165658.jpg フロントパネルには操作スイッチはなしで全てリモコンで操作するプリアンプ。 ラックに収納して他社製品とのサイズ比較もご覧下さい。 https://www.dynamicaudio.jp/s/20210331165649.jpg 現地メーカーサイトは下記にてご覧下さい。 https://www.westminsterlab.com/ このサイトのパワーアンプReiを美しい画像を交えて紹介していますが… https://www.westminsterlab.com/rei その中で、Unique Mechanical Constructionから始まり画像を送っていくと 次には Aerospace Grade 6063 Aluminium という構造図が表れてきます。 輸入元ブライトーンのサイトでは同じ画像がありますが、サイズが小さいので 良く見えないので敢て紹介しました。なぜか… ユニークな構造とメーカーサイトで述べているのに、このポイントをどうして 紹介しないのだろうかと思い、私が撮影した画像を下記に紹介します。 ピンボケで申し訳ないのですが私の視点はここを注視していました。 https://www.dynamicaudio.jp/s/20210406171727.jpg どういうことかと言いますと、Reiをひっくり返して撮影した下記を見て頂ければ解ります。 https://www.dynamicaudio.jp/s/20210406171735.jpg 金属の半球体の独特なスパイクに私は大きな関心を持ち、後述する音質的特徴を ここに垣間見ていたということなのです。これはプリアンプQuestも同様です。 この独特なスパイクは色から想像できるかもしれませんが真鍮製であり、 酸化防止のために特殊なコーティングが施されているという。そして… ここで突然ですが次の画像をご覧下さい。 http://www.dynamicaudio.jp/file/20180910-sp04.jpg これは何かと言いますと答えは下記の記事にあります。 ■Ta.Qu.To-Zeroの健脚におけるこだわりというHidden Storyとは!? https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/1496.html 1台180Kgという質量を持つスピーカーのスパイクフットと同様な形状のものです。 それを16Kgのパワーアンプと13Kgのプリアンプにも採用しているということ。 このWestminsterlab Rei & Questの第一印象をH.A.L.'s Circle Review-No.4543-で 次のように述べていました。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 「この私の心が揺さぶられるほどの感動で一目惚れした新製品とは何か!?」 それほど大げさに言わなくても…、いや! 私の心境としては更に大きな声で言いたいのです! この新製品をセッティングして先ず第一声を聴いたのは音楽ではありませんでした! 27年前の私の随筆で紹介した「The Sheffiel/XLO Test&Burn-in CD」の1トラックで ロジャー・スコッフ氏の渋いバリトンの英語によるナレーションです。 https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/oto/oto14.html https://www.discogs.com/ja/Sheffield-Lab-The-SheffieldXLO-Test-Burn-In-CD/release/5988794 「Left channel、Left channel。Right channel、Right channel」と繰り返す Voiceを聴いた瞬間に私は立ち上がって輸入元担当者にこう言い切りました! 「これいいです! これ素晴らしいです!」 ナレーションの声を聴いただけで解かるのか? はい、私には十分な経験に基づく 膨大な音の記憶があるのですが、それらのどれと比較しても超ハイスピードなのです! では、オーディオにおけるハイスピードとは何か? これは波形の忠実な再現性です! それを体験を通じて承知している私には人間の声だけで十分な判断材料なのです! -*-*-*-*-*-*-*-*-*- この私が理性を置き去りにして本能的に一目惚れしたとはどういうことか? 上記のPlayback Designs SPA-8のインプレッションより傅 信幸氏の次の一節を ここでも引用しておきます。 「そういうあなたと同じ思いをしている人たちの作った作品は、あなたの五感から 更に第六感まで刺激するに違いない。それをハイエンドオーディオと呼ぶ。」 そう! 正に私の第六感まで突き刺さる音だったのです! 冷静な分析を先送りして一目惚れした理由とは何か? 自分自身の感情の高まりを意識しながら、何が私を感動させ私の感性に訴えてきたのか、 それを引き起こした原因を自己分析する試聴が始まりました。 下記がシステム構成ですがRei & Questをつなぐインターコネクトケーブルに ご注目下さい。そもそもWestminsterlabはケーブルからスタートしたメーカー なのですが、私も未体験というハイエンドケーブルをいきなり採用したものです! H.A.L.'s Sound Recipe / Westminsterlab Quest & Rei - inspection system https://www.dynamicaudio.jp/s/20210406172310.pdf Rei & Questの能力と魅力をどのように語るのか? 私は前記にて述べている特徴のあるポイントに注目し、最初の選曲は久しぶりの 大貫妙子初のセルフ・カバー・アルバムからとしました。 http://www.universal-music.co.jp/onuki-taeko/products/upcy-7097/ 【最新リマスター/SHM-CD仕様】より「雨の夜明け」 私が最初に大貫妙子を聴いたのはB&WのDM-17というスピーカーでした。 http://audio-heritage.jp/BandW/speaker/dm17.html その時に、こんな音楽があったのか! と若かった私がショックを受け感動したのが 下記のアルバム「カイエ」です。特に01.カイエ(I)というスキャットで歌われる 曲がB&Wの空間表現に絶妙にマッチして素晴らしい演奏でした。 http://onukitaeko.jp/discography/1984/06/post.html この1984年のアルバムに前述の「雨の夜明け」がインストゥルメンタルで収録 されていますが、最初は1980年の「romantique」に収録されていたものでした。 http://onukitaeko.jp/discography/1980/07/romantique.html ただし、作詞・作曲:大貫妙子、編曲:坂本龍一のこの曲は下記youtubeのように アコースティック楽器だけの伴奏ではなかったものでした。声も若いですね。 https://www.youtube.com/watch?v=FIjTpnqXLdA 私にとっては「pure acoustic」での「雨の夜明け」がリファレンスであり、 この曲が大好きなのも正にピュア・アコースティックな演奏だからでした。 下記は参考まで。そんな思い入れのある曲だということでした。 https://www.youtube.com/watch?v=RQzZLte_dM0 87年に7曲入りアルバムとしてミディレーベルより限定発売され、その後96年に ライブ録音を4曲追加し、11曲入りアルバムとして東芝EMIよりリリースされた。 とありますが、まだインターネットもない時代に、大貫妙子の所属事務所である Dear Heartに電話して、現金書留で送金してMCD-3という限定盤CDを購入しました。 その後にも10曲入「ピュアアコースティック・プラス」 としてDear Heartから 一般販売されたディスクも入手し、その後にメジャーレーベルから上記リンクで 紹介されていたジャケット仕様でも販売されたものも購入していたので、今回の SHM-CDで四枚目の「pure acoustic」となったものです。さて、それでは… 私が課題曲として多用している溝口肇がアレンジしたこの曲ですが、イントロは 大変美しい弦楽器から始まります。 溝口肇のチェロ、ヴァイオリンは中西俊博と藤原真、ヴィオラは久保田明宏で コントラバスは野中英士という一流アーチストの面々が紡ぎ出す弦楽の調べに 清水靖晃のクラリネットがセンターに浮かび上がるとステージの完成です。 「なにこれ!これほどジャストフォーカスの音像だっただろうか!?」 冒頭の清水靖晃のクラリネットがセンターに浮かび上がった瞬間の驚きです! 今までカーテン一枚がスピーカーの前にあったのではないかと思わせる程の 解像度の高まりが凄い!これは言い換えれば音像の凝縮と鮮明さということ! リードのバイブレーションが空気中に漂うような実態感、その割に鋭さが緩和され しっとりとした質感が以前と異なる存在感に私はただ事ではないと直感しました! 続く弦楽器には意図的なリブァーヴによる演出が控えられていて、大変自然な 余韻感で背景を飾り、アルバムタイトル通りの空間提示を行いますが、程よい 響きの残量を空中にたなびかせる演奏者たちの一体感と臨場感を醸し出す録音の 妙技は時代が変わっても美しく素晴らしいものです。もう、これだけで凄い! このアルコで奏でられる合奏では各々の弦楽ひとつずつが、独立した響きをまとい ぷっくりと空間に浮かぶような立体感ある描写力の違いにしびれてしまいました! 「えっ!長年聴いてきた大貫妙子の声がこうなってしまうのか!」 驚くのはまだ早かったのか、これら伴奏の弦楽器がつぶやくようなピッチカートに 奏法を変えると、その中央に大貫妙子のヴォーカルが登場しますが、フォーカスが 以前よりも絞り込まれて極めて鮮明な音像の輪郭が素晴らしいのです! 更に、大貫妙子の歌声にかかるリバーブが拡散する空間サイズが拡大していて、 Rei & Questだからこそという優しい響きの要素と相まって美しく展開し、そして 消滅していく過程を克明に描き出してくるのですから、溜息と感動が交互に私の 頭と胸を揺さぶるようです! そして、見事だったのは曲の半ばでセンター右寄りで溝口肇のチェロがヴォーカルに 寄り添うようにアルコで単独の伴奏を始めますが、そのチェロの流れるような音色 そのものに今までにない色彩感を含んでなんとも素晴らしいこと! その後に再びピッチカートでヴァイオリンとヴィオラが戻ってくると、今度は センターの奥からコントラバスのゆったりした低音の響きがヴォーカルの背後で Reiの低域再生能力をしっかりと提示する濃厚な音色で展開していきます。 Rei & Questのこだわりの設計方針はメーカーサイトでも述べられていますが、 両者に共通する着眼点として私は独特なスパイクフットに目をつけていました。 https://www.dynamicaudio.jp/s/20210406171735.jpg コンポーネントのボディーそのものをどんなに重厚に作ろうとも、その脚部フットに よって音質的影響があるのは周知の事でしょう。 先端が細く鋭利な形状のスパイクは見た目に効き目がありそうに思えますが、 実は接地する床やラックの強度や材質に影響を受けてしまうものなのです。 簡単に言えば鋭いスパイクで硬い床に接地すると低域は引き締まりますが、 中高域は華やかな響きがまとわりつき、キンキンした音になってしまいます。 細く鋭いスパイクでは設置する対象の床、ラックの棚板などの質感に依存する ことになり、万能ではないという経験をしてきました。 それはコンポーネントやスピーカーの重量の大小に関わる耐荷重の問題ではなく、 伝搬される振動波形を細く鋭いスパイクでは変形させ歪ませてしまうということ。 機械的な一種の共振現象を発生してしまうということです。 それを解決してくれるのが半球体のフットであり、点接地していることからスパイク としての機能性もかなえているということです。これに気付いていたとは! 至近距離のオンマイクで録られた楽音をスピーカーの軸上に定位させるような幼稚な 音像というものではなく、スタジオ録音でありながら鮮明な音像を見事に描きつつ 遠近感、奥行き感も同時に実現し三次元的空間再現性を二つの音源で明確な定位感を 維持したまま音場感を造形するというオーディオの醍醐味に対してRei & Questの メカニカルグランディングの素晴らしい成功例を真っ先に上げておきたいと思います! 私が求める凝縮した音像と広大な音場感の両立という第一のハードルを楽々と 超えていたことが、最初のアコースティックな課題曲において素晴らしい分解能を 示す音像の質感と、対照的に滑らかで艶やかな音色にて証明されたのです! ここでひとつ、私なりのキーポイントを思い出しました。2019年に先行して発売 されたReiを他社のプリアンプで試聴していたとしたら、今のような感動はなかった だろうと思います。Rei & Questの純正ペアで巡り合えたことを幸いに思います! Rei & Questの第一声で私はなぜ一目惚れしたのか、私の本能的な聴覚と感性を 刺激したのは何か…、そのキーワードが頭の中に浮かんできたのです。それは… 「Rei & Questのセットで実現した最大の武器は何か!? 極めつけのトランジェントだ!」 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- トランジェント・過渡特性がいい、ということは一般の方々だったら打楽器の ようなインパクトのある楽音が切れ味良く爽快に鳴らされるというイメージで 捉えているかもしれませんが、実は逆なのです。そこで次の選曲です。 ■マーラー交響曲第一番「巨人」第二楽章 小澤征爾/ボストン交響楽団 冒頭の弦楽五部のアルコによる合奏。これが始まった時には内心で喝采を叫びました! いや〜、実に滑らかで艶やかで美しい! もうこの一言に尽きます! 私の定番のオーケストラによる課題曲ですが、弦楽器の質感が最初のチェックポイント。 清々しく瑞々しい音色はうっとりさせるほどの妖艶な響きであり、その評価の延長線上で ステージ上手の奥から吹き鳴らされるトランペットの質感が絶妙、輝きながらも滲みが ないので鮮明であり耳に優しい金管楽器として空間を埋め尽くす余韻が見事! 当然のことながら弦楽器の合間を縫って定位する木管楽器のしっとりしながら ピンポイントの音像と定位感を安心して聴くことができる。これはいいですね〜! ステージ奥のティンパニーの打音はくっきりと輪郭を示し、膨張した打音として プロポーションを崩すことなく見事に引き締まった音像を示すことに感激する! 第二主題の流麗な弦楽の旋律には包み込まれるような安堵感があり、次第にみなぎる 力感をゆったりとしたクレッシェンドで盛り上げながら展開するオーケストラが凄い! 1978年のフィリップスレーベルの録音ですが、その特徴といえる芳醇な弦楽の響きと 控えめな管楽器のエネルギー配分を巧妙に織り交ぜながら終焉を迎えるマーラーに 私は新たな発見と感動を胸に秘めて次の選曲。もっと近代的な録音のマーラーを聴く。 ■マーラー:交響曲第五番 嬰ハ短調 フランソワ=グザヴィエ・ロト(指揮) ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団 http://www.kinginternational.co.jp/classics/hmm-905285/ http://www.kinginternational.co.jp/classics/kkc-5842/ https://www.ongakunotomo.co.jp/m_square/readers_choice_total/index.html 上記のPlayback Designs SPA-8のインプレッションでは最後に試聴し、二機種の プリアンプによって楽音の質感が大きく変わったと述べていたことを思い出す。 さて… 「あ〜、何と美しく透き通る音色なんだ! 黄金色の楽器が目に浮かぶようだ!」 右チャンネルのHIRO Acousticというスピーカーの存在感を忘れるほどの豊かな 響きを空間に放つ冒頭のトランペットを聴いて、ぶるっと身体が震えるような 感動を覚えた私の内心の声です! 程よい肉付きの質感で一割の緊張感と九割の開放感で奏でられた黄金色の楽器。 鋭さは控えめだがマウスピースはここで浮かんでいるんだと音源位置を示しながら、 ピンポイントの音像から発した壮大な余韻感は左側スピーカーの更に外側まで 拡散していく素晴らしい音場感! 爆発的なオーケストラ全体のフォルテを迫力満点で描き切ると、しっとりとした 弦楽が後を引き継ぎ主題の旋律がしとやかな躍動感をもって展開する。すると… 「お〜、ここまでやるのか!このグランカッサの量感と重厚さはどうして!」 たった16Kgのパワーアンプが繰り出してくる想像以上の低域の素晴らしさは HIRO Acousticに対する次の評価の一言に象徴されるものです。 「理解しづらい喩えかもしれませんが、重たい低音を軽く出してしまうのです!」 これは下記のインプレッションにて述べていることなのですが、話題として取り 上げているオーケストラのセッションレコーディングの素晴らしさと置き換えできます。 H.A.L.'s One point impression!! - HIRO Acousticにしか出せない低域!! https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/1481.html Rei & Questのメカニカルグランディングの素晴らしい成功例としてスタジオ録音の アコースティックな演奏で忠実かつ鮮明な音像を描くという評価を引き継ぐオーケ ストラの解像度はそのままに、弦楽器と管楽器の両者に対して感じられる素晴らしい 質感の再現性に関して極めて高い次元で確立されたトランジェント特性の優秀さと いう着目点に行きつきました。 瞬間的な打楽器よりもヴォーカルは元より弦楽器や管楽器における連続する楽音に 対して過渡特性の素晴らしさとは滑らかな質感、聴きやすく自然な響きという項目に 至るものであり、オーケストラ全体で感じられる各パートの美し過ぎる再生音に Rei & Questの大いなる魅力があることを確認したのです! これは本物です! そして、主旋律を奏でる楽器群に加えて上記のグランカッサの重量感ある正確な 波動感を極めて鮮明に再現するReiの類まれなる低域再生における過渡特性としても 証明されたものでした。重たい低音を軽く出すスピーカーの特性を見事に引き出して くれた小型軽量パワーアンプとして私の記憶にしっかりとReiが定着した瞬間です! -*-*-*-*-*-*-*-*-*- Reiは純A級動作としているがiBiasという独自表現で可変バイアス方式となっている。 バイアス電流を音楽信号の大小により高速で変化させる技術は40年以上前からある 技術なので特に目新しいものではないが、私が思うに4Ωで200W程度という設計に 作者の目指しているもの、優先順位というものを感じたのです。 物量投入していけば更に大きなパワーをスペック表示できるでしょうが、大出力だけ を最優先するのではなく、一般的な聴き方の音量を考慮しての音楽再生で必要十分な パワーという潔い割り切り方に関して結果的音質から私は大賛成というもの。 パワー競争ではなく音質の品位という優先順位を私は極めて素晴らしいトランジェント 特性を実現した音質と評価し、そこを掘り下げていくための試聴を続けていった。 これまでに何回も紹介してきたKirkelig Kulturverksted(KKV)はノルウェーの 会社兼レコードレーベルであり、教会で録音した広大な音場感を伴う楽音とスタジオ 録音された鮮明なヴォーカルという、対照的な空間表現が絡み合う課題曲のひとつ。 http://www.kkv.no/ Kirkelig Kulturverksted 30 years’ fidelity http://kkv.no/en/musikk/utgivelser/2000-2009/2004/divers/ 上記のアルバムから恒例となってきた次の二曲を続けて聴くことにした。 7.Som En Storm, O Hellig And - Ole Paus & Oslo Chamber Choir https://www.youtube.com/watch?v=9CJBropx7SE 10.Mitt Hjerte Alltid Vanker - SKRUK / Rim Banna https://www.youtube.com/watch?v=42fIQbjp3bY 「おー! この鮮度の高さはいったいなんなんだ!」 7.Som En Stormの冒頭のコーラスが流れ始めた瞬間に、その空間的広がりの大きさが 実に巧妙に引き出されている音場感の素晴らしさとしてQuestの有する見事な情報量の 高まりとして私を圧倒する! トランジェント特性の素晴らしさは微弱な信号においても優位性を保ち、驚くほど 豊かなコーラスの響きの再現性においても威力を発揮していた。これは凄い! 続くギターの生々しい質感に驚く! 更にサックスの聴きやすい鋭さと余韻感に驚く! 絶妙なリバーブによって残響という衣装をまとった伴奏楽器とは反対にすっぴんの Ole PausのVoiceがほぼノンリバーブという鮮明さでセンターに登場すると… 「一皮むけた声質と言ったら過去の事例に申し訳ないが、それほど鮮明だから仕方ない!」 喉元から発する息遣いをマイクが拾っているのか、唸るように唇を閉じて発する 低い声は耳元で囁かれた時に感じるくすぐったい空気の振動を思わせるリアルさ! それを背後からきっちりとフォーローするセンター定位のベースが鮮明に引き締まる。 オルガンの浮遊感は対照的に背景に響きのオーラをなびかせ、広がる空間をコーラスが 埋め尽くしていく情景描写の美しさにRei & Questのペアマッチの必要性を感じた! 10.Mitt Hjerte Alltid Vankerの最初の一分間はRim Bannaのソロヴォーカルが続く。 背後では時折りのパーカッションとエスニックな笛の音が散りばめられ、ここでも 空間再現性の素晴らしさに圧倒される。実に美しいSKRUKのコーラスに聴き惚れる! 途中から印象的なピアノがゆったりと、あるいは俊敏にコーラスの合間に点と点に よる打鍵の音像として実に素晴らしい余韻感として響きの消え方の手本を示す! それを背後からベル(鈴)のしとやかな高音が飾り付けを施しながら飛び交う空間を 作り上げ、その描写に以前の再生音と瞬間的に比較していた私は内心で驚喜した! 同じ課題曲を今までに何度聴き比べてきたことか、その膨大な記憶を手繰り寄せ 音の鮮度という評価基準で最高得点をRei & Questに与えていた! これはいい! -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 短期間の滞在というRei & Questだったが、その間は24時間電源は入れっぱなし。 可変バイアスの上で非対称ヒートシンク特徴としているReiだか放熱は結構ある。 ヒートシンクに手の平を三秒間乗せて我慢していることは出来ないくらいだ。 ■UNCOMPRESSED WORLD VOL.1 よりTRACK NO. 3 TWO TREES http://accusticarts.de/audiophile/index_en.html http://www.dynamicaudio.jp/file/100407/UncompressedWorldVol.1_booklet.pdf そんなホットな状態が音場感をいかに素晴らしく表現するか、この選曲で思い知る。 センター左寄りの空間でスピーカーはそこにはない。その中空から浮かび上がる サックスの余韻感が右側のHIRO Acousticに残響成分という役割分担をさせながら 広大なサウンドステージの再現性に息をのむ。これは聴いて頂くしかない! センター右寄りの空間ではピアノが極めつけの分解能で展開し、その余韻感の 広がり方は前曲で体験した美意識を異なる温度感で表現する。これも美しい! トランジェント特性の素晴らしさは消滅前の残響成分をいかに忠実に提示するかと いう難問に対しても非常に有効な手段であるかを証明し、たった二人の演奏者による 課題曲に今までに感じたことのない生命力を与えてくれた。これは只者ではない! ■Melody Gardot/Sunset in the Blue[SHM-CD]より1.If You Love Me https://www.universal-music.co.jp/melody-gardot/products/uccm-1260/ https://www.universal-music.co.jp/melody-gardot/about/ スタジオ録音の弦楽器はストリングスと呼びたい、という私のこだわりを試してみる。 イントロで流れ始めたストリングスは近代的な録音のクォリティーによる精密な定位感と 質感の連携を示し、やがて登場する歌手の居場所としてステージ最前列を空けておく ように背後に展開し、程よいリバーブでメークアップされた音色が心地よく響く。 そこにMelody Gardotがセンターにすっくと登場すると、マイクが彼女の吐息まで 拾ってしまうのではないかとハラハラとするように迫ってくる距離感に驚く。 ライブ録音でのMelody Gardotの声量の素晴らしさは知っているものの、スタジオ 録音での彼女の立ち位置は意外と至近距離に感じ肉薄する音像にぞくっとくる! 大貫妙子のヴォーカルとは対照的にふっくらしたサイズの音像でありながら、 唇のディテールも描き出してしまうようなリアルさに心奪われるひと時を楽しんでいた! その背後に表れるホーンの穏やかであり鮮明な音像は同時に距離感をもって聴こえ、 ゆったりとバックを固めるウッドベースの響きと巧妙なチームワークを見せる! これはいい、私には減点要素は何も見つからず心地よくエンディングを迎えた。 ■Dominic Miller / Absinthe (CD)よりタイトル曲1.Absinthe https://dominicmiller.com/product/absinthe-cd/ https://www.youtube.com/watch?v=sY6aQy0MJ7k 大きめのボリューム設定でDominic Millerのギターの最初のフレーズを聴くとき、 そのテンションの高まりを微妙な緊張感として感じてしまうものなのだが、 Rei & Questの場合には以前のような先入観は不要であったと直感していた。 この曲は録音レベルが低いので私はQuestのボリュームは40以上(最大63)まで上げて 聴き始めたのですが、上記のような心配はまったくなかったスタートに感心しました。 トランジェント特性が良いという事、音楽信号の立ち上がりが良いという事は もちろんですが、同時に瞬発的な楽音での音圧の消え方という視点にもあるものです。 結果的に正確な波形の再現性という事はインパルス応答における、そして音量にも 関連することですが、12VというゆとりあるプリアンプQuestの出力電圧の設定は パワーアンプへの制動力を意図するところもあり、鋭いギターの爪弾きの連続音に 対して素晴らしいブレーキ効果も発揮していたことが解ります! これ重要な事です! 以前にも述べている曲の途中から始まる強烈でありシンプルな打音というドラムの 高速反応は立ち上がりでも示され、インパクトの瞬間を克明に捉えるという目に 見えるような音の発祥点と、長く尾を引く余韻感の存続という相反するような ECMレーベルの得意技をしっかりとRei & Questが描き出すことに私は安堵しました! このドラムのインパクト、ギターの切れ味に感心すると次の選曲はこれだ! ■FIFTY SHADES OF GREY ORIGINAL MOTION PICTURE SOUNDTRACK 3.THE WEEKEND / EARNED IT(TRADUCIDA EN ESPANOL) http://www.universal-music.co.jp/p/UICU-1262 低音の弦楽器(ひょっとしたらサンプリング音源かも)と打楽器が見事に同期した ダイナミックな導入部。これは逆に録音レベルが大きいのでQuestのボリュームは 34くらいまで下げていましたが、それでも大迫力でスタートしました。 センターでヒットするタムの恐ろしいほどの切れ味はしっかりと維持しながら、 怒涛の低音が空間を走り抜けていく爽快感に内心では小躍りし喝采を叫ぶ! この重量感を16KgのReiが叩き出してくるのかという驚きは何度目の事か! ハイトーンのTHE WEEKENDのヴォーカルには安心できる透明感があり、伸びやかに 空間に溶け込んでいくような歌声はくっきりとした音像で提示され実に見事! これほど引き締まり豊かで重厚感ある低音に触れると、それを更にチェックして みようとアンプには過酷とも言える次の二曲を聴いてみたくなった。 ■Flim & The BB's / Tricycle (DMP) 1.Tricycle https://www.discogs.com/ja/Flim-The-BBs-Tricycle/release/6194802 https://www.discogs.com/ja/Flim-The-BBs-Tricycle/master/484773 ■HELGE LIEN / SPIRAL CIRCLE 7. Take Five http://diskunion.net/jazz/ct/detail/XAT-1245411462 冒頭でPlayback Designs SPA-8のインプレッション記事では4ΩのHIRO Acousticに 対して瞬間的に1,300W以上のパワーを投入したというエピソードを紹介していました。 4Ωで200Wという節度ある設計のReiに対して無謀とも言える実験をしたのです。 何回か繰り返しながら音質をチェックしつつ、これでもか! という感じでじりじりと 音量を上げていく意地悪な私ですが、膨大なエネルギー感と迫力満点の二曲を あろうことかReiはある意味で平然と鳴らし切ってしまいました! もちろん、SPA-8の4Ωで1,600Wというパワーと同等なレベルまでは上げませんが、 ドラムの迫力としてここまでは出して欲しいという音量をすんなりと鳴らすのです。 特に気持ち良かったのはキックドラムの質感でした。重々しくバス!ドス!という 感じではなく、ダン!タン!と切れ味良く制動感のある打音に思わずニンマリと してしまった私の表情は人に見せられるものではありません(笑) これ以前の課題曲でもドラムのインパクトの瞬間を正確に捉えた音質と評価して 来ましたが、これはパワーアンプだけの力量というものではなくQuestの威力も 感じられるものであり、他社のプリアンプではReiはこのようなドラムは鳴らさない だろうと確信をもって聴き続けてしまいました。 iBiasで高速反応させてのバイアス電流の最大値はいったいどのくらいあったのか、 設計者が同席していたらハラハラした事でしょうが、私が求めた音量に対しても Reiは歪んだ音は出しませんでした。 ここでは出さなかったという理由は述べません。将来的に解説する機会が出来る であろうという事で今は語らないことにしておきます。続報にご期待下さい。 ■Espace 溝口 肇 best http://www.archcello.com/disc.html http://mizoguchi.mystrikingly.com/ 私はハルズサークルの配信で「今週末は来ないで下さい」と、お客様に対して 大変失礼な物言いをしたのですが、それは本格的に試聴する時間が土日の二日間と いう短期間の日程だったからです。 Rei & Questの滞在期間中にどうしても聴いておきたかった課題曲を最後に楽しみました。 そうです、テストするのではなく私は楽しんでしまったのです! それはRei & Questの素性を分析するという事は各課題曲で一通り出来たと納得でき、 それらの分析結果がどう聴かせてくれるのかという仮説の証明というような思いで 聴いてみようと考えたからです。 「2.世界の車窓から」でのキックドラムの質感。これはもう想定通りの反応でした。 ウーファーに対するトランジェント特性のあり方とは、こういう表現になるものだと 過去の経験から学んだ通りの模範解答の打音。 インパクトの瞬間は稀に見る高速反応であり膨らまず引き締まったテンションが 爽快な打音を造形し、HIRO Acousticの特徴を高品位に聴かせる素晴らしさ! 金物のパーカッションが左右で飛び交う場面でも、その硬質な打音の切れ込みを きちっと維持しつつ余韻感が見事なので潤いのある打楽器として響きの消え方が美しい! センター定位のチェロとベースという弦楽の共存は双方ともに音像の明確さを保ち、 前後の距離感を絶妙に示してくれるので混濁した印象は皆無で鮮明に響き渡る。 「1.Espace」ではチェロのソロから始まった音像サイズが適切なダイエット効果に よって展開し、低音階でのチェロの胴から発する響きの迫力に驚く!これ凄いです! 逆に音階が上がっていくと弓と弦の摩擦感が優位に立ち、ギュッと絞り込まれた 音像がHIRO Acousticの頭上へと駆け上がっていくような躍動感を見せる! それはセカンドチェロが左側からピッチカートで加わってきた時、アルコで響きを 重ねてきた時の分解能を余裕をもって示すことにもつながり、広い音域をもつ チェロの特徴を旋律の進行と共に描き切るRei & Questの実力として示してくれた! このような弦楽ソロ演奏の場面で、艶やかで滑らかな音色を求めつつも、上記のように 演奏のところどころでは弓と弦の松脂が飛び散るような…と昔から例えられる摩擦感が マニア的心理を刺激するもので、弦楽器に求める音色には相反する要素がつきまとう。 そんな時に純A級動作のアンプが得意とする細かい波形の再現性というか、やはり トランジェント特性の素晴らしさが録音に忠実な再生音という土台をしっかりと 構築していることに気付くのだが、この課題をRei & Questの場合には共同作業と してこなしていく。 それは録音の際における弦楽器とマイクの距離感にも例えることができ、あるいは 収録後のマスタリングでリバーブを如何に施すかという事でスタジオエンジニアの センスが光ってくるというもの。 それでは、ということで「10.Offset Of Love」これは1991年にパリのスタジオで 収録されたものですが、上記のようなチェロという弦楽器の質感と音色の表情の 豊かさが見事に感じられる一曲なのです。さて…、どうなるのか!? 「えっ!? なにこれ! 演奏のエネルギー感、躍動感がどうしてこんなに変わるんだ!」 冒頭のセンター左寄りに登場するギターはE線からA線にかけての太く低い音階の弦が エネルギッシュに音量も大きく聴こえる程にたくましくなっている。 しかし、そこには弦一本ずつの爪弾きによる立ち上がりの鋭敏な反応も加味され、 筋肉質でありながらフォーカスを絞り込んだ表現力が素晴らしいのです! 私に向かってせり出してくるような迫力を伴っているという印象もあり、 良く言われる楽音の厚みが増しているのだが高速反応が見事なのです。 厚みが増すということは単に音量感として増加したというレベルではなく、 一弦ずつの爪弾きから弾き出される楽音の響きが多層化したということであり、 余韻に含まれる音色の数が圧倒的に増加しているという事。これは凄い! すかさず右チャンネルで叩かれるパーカッションの打音にも同様な変化を察知。 切れ味が増したアタックから放出された余韻感が余裕をもって空間を飛び去る! そして圧巻だったのはセンターに定位するベースの重量感がぐっと沈下するのと、 引き締まった筋肉質な低音が躍動する快感というダブルパンチ!これは素晴らしい! 更に溝口 肇のチェロにおける多項目の変化という連鎖反応が未体験の感動をもたらす! 「なんでチェロの表情がこんなに豊かに変わってしまうんだ!」 前述のように楽音の厚みを増すのだが決して演奏が鈍重になるということはなく、 アルコの切り返しは鋭さを増し低音階での音像サイズはきっちりとキープし、 演奏者の頭上に残響を広げる空間を再構築したように展開する余韻感の拡散が凄い! Rei & Questによって緻密に構成される音像のコントロールはそのままに、 個々に引き出し切れていなかった楽音のエネルギー感がまだあったのかという迫力。 演奏の進行と共に全ての楽音から溢れ出る響きのレイヤーが美しくたなびく素晴らしさ! 打鍵の一音ごとにピシッとフォーカスが合ったピアノが時折りセンター右寄りの 空間に彩を添え、それと入れ違いにオーボエのソロが登場すると音像の密度感は増し、 不思議にも演奏空間の温度感が高まったが如く、余韻の延長を秒針の刻みを見ている ように引き伸ばしていく情報量の増加に私の顎は数秒間下がったままとなる! スタジオできれいにお化粧されたストリングスが左チャンネルの奥に展開する主役 不在の数フレーズの間奏部が終わり、再びセンターにチェロが戻ってくると遠近感は そのままなのに、オーディオ的被写界深度の精度感が維持されたアルコの演奏に 未体験のドーピング効果が表れている事実に納得せざるを得ない。これは凄い! 弦楽器に対してオンマイクでの摩擦感の提示も生々しいのだが、この曲における センター奥に距離感をもって展開するチェロに関しては空間に広がっていく響き、 艶やかで滑らかな余韻感を最後まで存続させるRei & Questのトランジェント特性の 素晴らしさを究極的に実感させられてしまったのです! これ凄い事です! -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 私の仕事は聴くことから始まる…、というのは以前から述べてきた私の格言? しかし、その反面では仕事で聴く音楽は繰り返し聴くという作業のための課題曲、 言わばサンプルとしての用途に尽きるという傾向があり心から楽しむという機会は 意外に少ないかもしれないのです。ところが… スマホなどは必要ないガラケーでいいと言っていた私でしたが、実は2020年 6月からiPhoneを使い始め基本的な通信アプリは使うもののゲームは一切やらない。 こんなオジサンですがAirPodsを耳に挿して通勤での移動でも歩いている時でも Apple Musicをずっと聴き続けているのです。 知っているアーチストでも知らない曲がこれほどあったのか、当時はラジオでしか 知らなかった懐メロと言える70年代から80年代の洋楽を盛んに聴き続け、更には 今までの人生で全く知り得なかったアーチストに巡り合えるという楽しさ! 仕事のオンとオフで聴く音楽にくっきりとした区別を付けられるようになり、 イヤホンで聴いても良い曲であり良い録音の音楽に巡り合った時にはCD購入して 当フロアーのリファレンスシステムで聴いてみるという新たな楽しみ方も覚えました。 そんな私がApple Musicで発見し惚れ込んだ曲が収録されているアルバムを昨年の 12月30日にAmazonで注文したのですが、相次ぐ配送日の遅れが続き、これはもう 手に入らないかな〜と半分諦めていたCDが4月2日になって突然届いたのです。 私の生涯で今まで一度も接点がなく聴いたことがなかったアーチストとはk.d.langです。 https://www.kdlang.com/ 私がApple Musicで聴いて惚れ込んでしまった一曲とは「Miss Chatelaine」で 1992年発表のアルバム『Ingenue』に収録されていました。私が注文していたのは MTVのUnpluggedライブ盤がセットになったIngenue(25th Anniversary Edition)です。 https://www.kdlang.com/releases/ingenue 何と言っても素晴らしいのはk.d.langの歌唱力、爽やかなギターに導かれて心地よい パーカッションとストリングスがバックに展開し、アコースティックな録音による 伸びやかな彼女の声が大変魅力的な一曲です。 短期間の滞在となったRei & Questで最後に聴きたい選曲は音質判定の課題曲ではなく、 私が心から楽しめる音楽をということで、Rei & Questで聴く最後の一曲としたのです! iPhoneとAirPodsで聴いてきた待ち望んでいた「Miss Chatelaine」をRei & Questが 鳴らすHIRO Acousticで聴き始めた時、私は音を聴くのではなく音楽を心底楽しんだのです! 仕事で聴く音ではなく私の心が聴きたがっていた音楽に巡り合えた喜びです! そして、そんな私の心境と同じような発想がRei & Questの生みの親にもあったのです! At this time you are not listening to music. You experience music as it is. -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 傅 信幸氏の次の一節をどうしても再度ここに記しておきたかった。 「そういうあなたと同じ思いをしている人たちの作った作品は、あなたの五感から 更に第六感まで刺激するに違いない。それをハイエンドオーディオと呼ぶ。」 私が今回述べた言葉は第六感で感じ取ったものから生まれたものでした。 何をハイエンドオーディオの呼ぶのか、Westminsterlabの開発者の思想は私と 共通するものがあることを次の彼らのサイトでの発言から感じ取っています。 https://www.westminsterlab.com/philospohy We are not choosing any one, as a result the whole reveals itself. We invite you to come into this new dimension of music experience. In this dimension words are totally futile. We are not going to nor able to describe the enigma. We invite you to experience. At this time you are not listening to music. You experience music as it is. Hi-End Audio Laboratoryという場面において私が出来ること。 それは開発者と同じメッセージを皆様に訴えながらも実演し証明出来ることです。 すなわち…、We invite you to experience. Rei & Questがお待ちしています! ■本稿の締めくくりとしての言葉ですが、実際のRei & Questが入荷するのは 少し先になりそうです。常設展示が実現しましたら配信にてお知らせ致します。 この機会に是非ハルズサークルにご入会下さい! http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/circle.html |
担当:川又利明 |
TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556 kawamata@dynamicaudio.jp お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください! |