発行元 株式会社ダイナミックオーディオ 〒101-0021 東京都千代田区外神田3-1-18 ダイナミックオーディオ5555 TEL 03-3253-5555 / FAX 03-3253-5556 H.A.L.担当 川又利明 |
2021年2月12日 No.1650 新企画⇒New Original product release - Y'Acoustic System Ta.Qu.To-Jumper Cable |
New Original product release - Y'Acoustic System Ta.Qu.To-SPL https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/1564.html 2019年10月に発売開始したTa.Qu.To-Cableは2021年1月時点で出荷総数31件。 これはスピーカーケーブルやインターコネクトケーブルの左右一組を1件としての カウントなので実際の本数としては更に多くの数に及ぶことになります。 発売の翌月には第一号の販売があり累計売上金額は現在1,627万円となりました。 改めて、この場を借りてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。 これを多いとするか少ないとするか見方の違いはあるでしょうが、象徴的なのは ほぼ全てのセールスにおいて試聴によって選ばれてきたという事実の方が吉崎さん と私にとっては大変にありがたく嬉しいことです。 https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/yas/spl.html その後、上記の特設サイトにあるようにXLRインターコネクトケーブル、BNC、AESと デジタルケーブルも開発し、オーディオ再生におけるシグナルパスを網羅するライン アップが完成していました。しかし、そこには今一歩の未到達領域があったのです。 吉崎さんの渾身の傑作と言えるY'Acoustic System Ta.Qu.To-Zeroも、 そして私のリファレンスであるHIRO Acousticも入力端子はバイワイヤー仕様。 更に現在では市販のほとんどの高級スピーカーも同様です。 Ta.Qu.To-SPLは設計上のこだわりからスピーカー側芯線を分割し枝分かれさせる という便宜的なバイワイヤー仕様は否定しており、バイワイヤーあるいはバイアンプ での接続に関しては2ペアを推奨しています。 現実的に今までのTa.Qu.To-SPLの購入者では2ペアをお求め頂いた方が複数あり、 こだわりの設計に妥協なき理解を示して頂いたものでした。 しかし、これらのお客様が使用されているスピーカーのグレードそのものも 価格的にふさわしいランクであったことも事実です。 さて、ここで翻って考えてみますと、前述のTa.Qu.To-SPLを2ペア使用されている スピーカーの価格レンジよりも数分の一程度という一般的な価格帯のスピーカーを 使用されているユーザーに対しても、Ta.Qu.To-Cableの素晴らしさを何とかお試し 頂けないだろうかという思いが第一の理由。 そして、せっかくのバイワイヤー仕様であっても、ほとんどの方が付属品レベルの ジャンパーケーブルを使用しておられるのではないかという思いが第二の理由。 広く一般的に言って2ウェイスピーカーの場合、クロスオーバー周波数は低くて 2KHz前後、高いものでも3.5〜4.5KHz程度に設定されいるものが大半を占めます。 次に3ウェイスピーカーの場合ではミッドハイとウーファーにてバイワイヤー仕様が 構成されますが、この時のクロスオーバー周波数は低くて200Hz前後、高くても400Hz 程度というのが多数です。 仮にトゥイーター、またはミッドハイの接続を外して色々な曲を試しに聴いてみて下さい。 ウーファーだけしか鳴っていないはずなのにヴォーカルや弦楽器の旋律、ピアノの 右手による演奏など想像以上に低音以外の楽音がウーファーから聴こえてくることに 驚くと思います。 スピーカーメーカーでは付属品として銅板や細く短いケーブルを付属させて、 1台のアンプ1ペアのスピーカーケーブルでも音を出すことは出来ますよ、 という配慮をしてくれていますが、外付けで簡便な手段で鳴らすという事だったら いったい何のためのバイワイヤー仕様を設計したのでしょうか? ということになります。 実際にはウーファーが中高域の音楽成分も盛んに出力しているという事実は大変 大きな影響力を持っているものであり、そこにメスを入れたいと考えたのです! そして、この急所を押さえることで更に皆様のスピーカーのパフォーマンスが 向上すれば、Ta.Qu.To-Cableがお役に立てたということになり、またシングル ワイヤーで良いのでTa.Qu.To-SPLを採用して頂ければ更に皆様の愛機の音質が 大きく向上する可能性も多くなってくるのではと考えました! そこで今回は最初にお値段を発表しておきます! ■Ta.Qu.To-Jumper Cable 0.25m 税別¥120,000. / 1Set 長さの特注も可能であり、バナナプラグからYスペードプラグへの変更も可能です。 ただし仕様によっては下記の黒い短冊形の制振板が使用できない場合もございます。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- Ta.Qu.To-Jumper Cableの外観ストレート伸ばした場合の外観をご覧下さい。 https://www.dynamicaudio.jp/s/20210206173203.jpg この時バナナプラグの両端での全長は34cmとなります。製品名として0.25mとして いますが、それは黒い熱収縮チューブにて絞り込まれている導体両端での長さです。 (標準仕様として吉崎さんと私で相談して決定したもので長さは特注可能です) ここで再度Ta.Qu.To-SPLの内部構造を下記にてご覧頂くことにしましょう。 https://www.dynamicaudio.jp/s/20191019110539.jpg なんだ、スピーカーケーブルを単純に短くしただけじゃないか!? いいえ違います! ジャンパーケーブルとしての機能性と性能を考慮した設計なのです! そこで、Ta.Qu.To-Jumper Cable内部構造をご覧になって下さい。 https://www.dynamicaudio.jp/s/20210208120952.jpg そして、実際に使用する段階での形状を下記にてご覧下さい。 https://www.dynamicaudio.jp/s/20210206173154.jpg 他メーカーのジャンパーケーブルに比べると、ごついな〜という印象かと思いますが、 他社にない独自構造とアイデアで手裏剣型制振ダンパーと黒い短冊形の制振板が 外見上の特徴として目につきます。 前記の内部構造図で「制振ダンパー」としているグレーの手裏剣のような形のもの。 この材質はTa.Qu.To-Zeroのアイソレーションでも使用したクレハエラストマーの VBRAN G-N57という5mm厚のシート素材で、適度な柔軟性と形状維持が同時に可能。 それをハンドプレス機によって一個ずつ抜型を使って打ち抜いて作っていくのです。 https://www.dynamicaudio.jp/s/20191019171033.jpg これと同じ材質を短冊形に打ち抜いて作っていますが、ケースバイケースでこの 黒い短冊形の制振板サイズは変更することが出来ます。 ただし、この制振板はケーブルそのものを折り曲げた際の形状を維持するための ものではなく、あくまでも音質へのこだわりということで開発されたものです。 ですから、後述するようにスピーカーの入力端子の間隔に応じて柔軟性をもって 対応出来るようになっていますので誤解なきように追記しておきます。 次に1本のTa.Qu.To-Jumper Cableを異なる角度から見た場合の画像を下記にて。 https://www.dynamicaudio.jp/s/20210206173211.jpg https://www.dynamicaudio.jp/s/20210206173220.jpg https://www.dynamicaudio.jp/s/20210206173231.jpg 他社の商品化されているジャンパーケーブルは細くて曲げやすいのが当たり前ですが、 当然のことながらTa.Qu.To-Jumper Cableでも取り回しを考慮してケーブル本体は 十分な柔軟性があり接続には何ら問題はありません。 では、HIRO Acousticに実際に使用した際の状態をご覧下さい。 https://www.dynamicaudio.jp/s/20210206173249.jpg https://www.dynamicaudio.jp/s/20210206173240.jpg ここにTa.Qu.To-SPLを接続するとこのようになります。私はバイワイヤー仕様で アンプからのスピーカーケーブルを接続するのはミッドハイ側を推奨しています。 https://www.dynamicaudio.jp/s/20210206173300.jpg HIRO Acousticのクロスオーバーネットワークのバイワイヤー端子において、 上下の間隔はWBTダブルポールターミナルの中心点において8cmとなっています。 スピーカーメーカー各社の設計によってバイワイヤーターミナルの間隔はまちまち ですが、柔軟性あるTa.Qu.To-Jumper Cableは急角度に曲げても大丈夫です。 B&W 800D3シリーズでも接続出来ることを確認してあります。ただし、端子間の 間隔が狭くなってくると上記の黒い短冊形の制振板は使えない場合があります。 さあ、いよいよ導体長25センチという、ほんの短いジャンパーケーブルの試聴です。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- H.A.L.'s Sound Recipe / Y'Acoustic System Ta.Qu.To-Jumper Cable inspection system https://www.dynamicaudio.jp/s/20210207145938.pdf 上記にて今回の試聴システムを紹介していますが、実は今まではジャンパーケーブルが 必要になった場合に私なりのこだわりからKIMBER SELECT KS 9038をリファレンスとして 使用してきましたので、今回はそれとの比較ということになりました。 KIMBER KABLEの現在のURLは下記になりますが、KS 9038は随分前にディスコンと なっているもので、その方が私も語りやすいというものでしょうか。 https://dm-importaudio.jp/kimberkable/ KS 9038の発売当時は下記の価格でしたが最終的には税別20万円となっており、 私としても信頼に値する音質として今まで採用してきたわけです。 https://www.phileweb.com/ec/index.php?p=8260 ちなみに現在ではKIMBER SELECTのジャンパーケーブルでトップモデルはKS9068/AGと なっており、お値段は税別43万円とのこと。Ta.Qu.To-Jumperがお安く感じられます(笑) https://dm-importaudio.jp/kimberkable/lineup/select/10.html 先ずは従来のリファレンスKIMBER SELECT KS 9038で各課題曲をじっくりと聴き、 シングルアンプ、シングルワイヤーで久しぶりにHIRO Acousticを聴き込みます。 通常はバイアンプで長らく鳴らしてきましたが、某社のアンプを試聴するに当たり モノアンプ1セットでシングルワイヤーで聴いていた期間があり、そこからの切り替え ということになりましたが、いやいや…ESOTERIC Grandioso M1の1セットだけでも 素晴らしいな〜と再評価したものです。 ただし、Grandioso D1XからC1Xというアナログ信号の最上流ではES-LINK Analogと しており、下記の通り素晴らしい音像と音場感という見事な情報量です。 https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/1612.html センターポジションからスピーカーの裏側まで、最近はしゃがむと傷む膝なので 作業の度に自分に掛け声をかけて(笑)何度も何度も往復しつつ比較していきます。 ■Dominic Miller / Absinthe (CD)よりタイトル曲1.Absinthe https://dominicmiller.com/product/absinthe-cd/ https://www.youtube.com/watch?v=sY6aQy0MJ7k 最初の課題曲はこれ。恒例のように比較対象をじっくりと聴き記憶に焼き付けて、 傷む膝に無理を強いながらTa.Qu.To-Jumperに切り替え席に戻りリモコンを手にすると… 「おいおい、最初からこれか! ギターの質感がなんでこんなに違うんだ」 Grandioso P1Xのカウンターが004になってから登場するDominic Millerのギターが激変! 一言で言えば肉厚感が違うというか、弦一本ずつの爪弾きのエネルギー感が違う! それは単に力感が増したというだけでなく余韻感も向上していることに驚く! たった25センチの導体によるケーブルがここまでやるか、変えるのか! その後にドラムManu Katcheの微細なタッチのシンバルが左右で展開するが、 そのシンバルにスポットライトを当てたように輝き鮮明さが倍加している。 この数十秒間だけの再生音で何かが起こっているという実感が湧き起ってきた! センターのギター、左右のシンバルという三者によって構成されるステージに 切れ込むようにして登場するのがSantiago Ariasのバンドネオン。 このバンドネオンのリアルさはどうしたことか! 細かいブレード状の金属のリードを空気が震わせる微細な振動が、HIRO Acousticの お家芸とも言える高速反応で密度感と切れ味を増して空間を支配する迫力に戸惑う。 Nicolas Fiszmanのベースがセンター後方に登場し、その低音に重量感が加わり 同時に音像がぐっと凝縮されるのだから堪らない! これはいい!私の好みだ! Mike Lindupのキーボードは浮遊感のある幻想的なハーモニーをスピーカー後方に 展開し、ECM独特の音場感を形成する残響の連鎖を遠近感をもって表現する。 そして、Manu Katcheが一定のリズムで叩く鋭いタムの打音が痛快に炸裂し、 その余韻が広大な音場感を構成しながら消滅していく美しさに耳で見惚れていた! 小編成ながら各パートの楽音が造形する音像の核心が手に取るように実体化し、 12万円で25センチのケーブルがもたらした変化に内心で小躍りして喝采を送る! 一曲目からこんなに興奮していいものか、少しは冷静に正確に判定しなければと 再度ジャンパーケーブルをKS 9038の戻して確認すると… 「えっ、これじゃ〜30分前に注いだビールを飲んでるみたいじゃないか」 ビール会社のコマーシャルではないが、キレが違う鮮度が違う! 正にその一言! 一度Ta.Qu.To-Jumperを味わってしまうと後戻りできない感動が私の心底に根付いてしまった! HIRO Acousticのウーファーとミッドレンジのクロスオーバー周波数は未公開ながら、 過去の経験から350Hz前後という推測はついている。 つまりTa.Qu.To-Jumperで音楽エネルギーが供給されるウーファーの情報量が増大し、 その反応速度が劇的に高められたことが精密なスタジオ録音で実証されたということか。 どちらかというとセンシティブな立ち上がりの打楽器や弦楽器において、同時に 小さなリードを震わせるバンドネオンにも共通項を感じつつ、キーボードが奏でる 広い音場感を想起させるスタジオ録音の妙技を見せつけられ、楽音の質感も滑らかに なったという過渡特性の変化も考慮しての一曲目でしたが、それではと次の選曲。 ■Melody Gardot/Sunset in the Blue[SHM-CD]より1.If You Love Me https://www.universal-music.co.jp/melody-gardot/products/uccm-1260/ https://www.universal-music.co.jp/melody-gardot/about/ 同様に比較対象を最初に聞き込み、どこになにがあるかという再生音のマッピングを 耳と頭の中で行って楽音の定位と質感をしっかりと耳に焼き付けてエンディングまで聴く。 その記憶のシートをトレースしながらTa.Qu.To-Jumperによって起こった変化を瞬時に 比較し、チェックマークを付けながら文章化するための言葉選びを同時進行する…、 はずだったのだが、冒頭からのあまりの変化量にマーキングが追いつかない! 「えっ、だってストリングスはこうじゃなかったし、えっ、ヴォーカルもこんなに!」 オーケストラの弦楽五部のように50人編成というレベルではない小規模となる スタジオ録音でのストリングスの音色が濃厚になり、同時に少人数の弦楽だけに 演奏者一人ずつのディテールも見えてくるような解像度の高まり。これはいいです! それは言い換えればハーモニーのあり方が鮮明になったという事でもあり、質感が 滑らかになり艶やかさが加わったということ。変な表現だがヴァイオリンに重厚感が 加わったと言ったら妙かもしれないが、厚みを増したストリングスが素晴らしいのです! そして、何よりもMelody Gardotのプロポーションが引き締まり、音像が凝縮された 歌声にゆとりが発生し、オンマイクでの録音とは解っていても歌手の声量が響きの 豊かさに伴って余韻の拡散領域を拡大していく変化に驚き動揺していた自分を発見する。 それと同傾向の変化が途中からセンター奥に登場するフリューゲルホーンの質感にも 表れており、音色は軽やかに鮮やかになりつつ音像がビシッと引き締まった快感! このストリングスとヴォーカルの両方の変化に起因するものとしてピンときた! 「Ta.Qu.To-Jumperがウーファーのトランジェントを変えてしまったんだ!」 前述のようにウーファーとは中高域の信号もかなり再生している現実があり、 その反応が鈍感であればミッドハイレンジのユニットとの調和と連動が崩れ、 音楽の主旋律を構成する楽音の質感を曖昧模糊としたものにしてしまう。 そして、厄介なことにウーファーのトランジェント特性の低下という現象を確認 するための手段を一般ユーザーは中々持ち得ないし気が付かないということ。 しかし、車のギアを切り替えるように的確にエンジンの回転数とトルクをタイヤに 伝えるミッションの役割がジャンパーケーブルだとしたらどうだろう! これまでに確認した変化を観察し分析すると私は恒例の宣言を現時点で声にする! 他のケーブルにはない最大の特徴! 音像を支配するTa.Qu.To-Jumperの神業! この音像を支配するという実態が、実は空間表現につながっていくのです! では、それを確認するために次の選曲です。 ■Espace 溝口 肇 best http://www.archcello.com/disc.html http://mizoguchi.mystrikingly.com/ 「2.世界の車窓から」の冒頭で炸裂するキックドラムの打音、この格差に驚く! 打音そのものの時間軸が圧縮されテンションと重量感が同時に高まるのだから堪らない! 今までは「バス!バス!」という感じだったのが「ドス!ドス!」という変化と言ったら いいだろうか。手垢のついた表現かもしれないが、倍音を多く含む打楽器の豹変が Ta.Qu.To-Jumperによるウーファーの駆動力そのものを大きく変えていたことを実感する! その後に続く金属製パーカッションの響き、インパクトの瞬間のディティールの鮮明さ、 その余韻感の保存性の素晴らしさ等々、25cmのケーブルが成し遂げた貢献度の大きさに ただただ呆れてしまった。 そして「1.Espace」です。低い音程から始まる溝口 肇のチェロのプロポーションが 何とも引き締まり濃密さを増して、せり出してくるがごとくの迫力と臨場感に驚く! 音像を支配するということを思い知らされた瞬間であり、更に喜ばしいことは 凝縮された音像が周辺に放つ余韻感に素晴らしい情報量の増加現象として感じられること! 前曲のキックドラムのように瞬間的に立ち上がる楽音とは違い、上下する音階で 連続する楽音と言えるチェロの質感がこうも変化するとは予期せぬ威力に舌を巻く! 更に「10.Offset Of Love」のイントロでセンター左寄りに出現したギターの変化! 上記Dominic Millerの研ぎ澄ましたような鋭いギターではなく、ふくよかな響きを 保ちながら実に美しいハーモニーを展開するギターの音色に重厚感と余韻感が増加 した響きを聴いた瞬間にTa.Qu.To-Jumperの貢献度がいかに大きいかを直感していた! 右チャンネルから立ち上がる鋭いパーカッションも鮮やかさを増して響きも増大。 センターに登場したベースの音像は想像通りのダイエット効果による引き締めが 心地よい重量感により更に濃厚な低音として曲の土台を構成していく快感がいい! 前曲までのチェロと違い、この曲でのチェロは遠近感において遠目の定位となるが、 距離感があっても音像の鮮明さという事ではウーファーの高速反応が寄与したのか 残響成分が以前にも増して空間に拡散していく描写力が一枚上手という素晴らしさ! この音像を支配するという実態が、実は空間表現につながっていくのです! という前言が極めて克明に聴き取れる課題曲としてTa.Qu.To-Jumperの威力を思い知る! -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 恒例の課題曲の他にも多数の曲にて試聴を繰り返し、たった25cmのジャンパーケーブルが 如何にスピーカーそのものの音質を変化させたかを納得した私は意地悪な実験を思いつく。 Ta.Qu.To-Jumperの黒い短冊形の制振板を取り外した状態を下記にてご覧下さい。 https://www.dynamicaudio.jp/s/20210208145358.jpg ユニークなアイソレーション方式を開発したTa.Qu.To-SPLにて特許取得!! https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/1582.html 吉崎さんは手裏剣型制振ダンパーの使用法に関して上記のように特許を取られました。 S.F.I.S(Self floating isolation system) https://www.dynamicaudio.jp/s/20200106154619.jpg これと同じ材質で幅100mm、高さ10mm、厚み5mmという短冊形の制振板には何も命名 していないのですが、果たしてこの制振板が本当に音質に関係あるのかという事を 実験してみたのです。ただし… H.A.L.'s Hidden Story!! - 日本音響エンジニアリングHybrid-ANKH https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/1647.html 上記のような音響空間としての優秀性と前記にて紹介したHIRO Acousticを中心とした 高度なシステム構成によるという前提、そしてスピーカーケーブルもTa.Qu.To-SPLで あるという条件下による私の分析であることを事前に述べておきます。 そして、上記の課題曲を逆の順番で試聴して行ったのです。 この制振板を取り外してしまったら、溝口 肇のチェロの音像が肥大化し質感も軽く なってしまい、こんなに大きな効果があったのかと直感されました。 Melody Gardotの音像も同様に変化するのですが、伴奏のストリングスとバックの フリューゲルホーンの質感に関しては開放感が微妙に加わり甲乙つけがたい印象。 Dominic Millerの曲では上記の開放感という表現で述べた余韻感と音場感の拡大と いう印象が好ましく、この曲に関しては制振板を取り外し方が好印象でした。 しかし、100mm×10mm×5mmの小さなパーツがこれほど再生音の質感に影響していた ということを、驚きと共に実感したものです。 この制振板に関しては簡単に取り外しできるので、ユーザーの好みで選択して 頂ければ良いと思います。しかし、芸が細かいというか驚くべきこだわりです! さて、Ta.Qu.To-Jumperという低価格? かつシンプルで短いケーブルで変化した スピーカーの再現性として私の感動をいかにして皆様に伝えるか!? 言葉の無力を感じながらも、次のビジュアルを見て頂くことで締めくくりたい。 ■Custom Namiki Falcon Resin Fountain Pen HD https://www.youtube.com/watch?v=pRebkWHsHC0 私は初めて万年筆を手に取った時、これは限りなく細い線を書くものだと思った。 ペン先を曲げてしまっては壊れてしまうものだと思っていました。 もちろん、何十年前の私が手にした安物の万年筆ではそう思えたわけです。 しかし、こんな書き方、使い方があり、文字を書くのではなく描くものとして、 一流の万年筆とはこういうものなのかと驚いたものでした。 壮大な音場感を空間に描き、緻密な音像として線を描き出す。 皆様のスピーカーがTa.Qu.To-Jumperによって力強い太い線も、繊細で細やかな線も 両方ともに正確に描けるようになったとしたら、そこにスピーカーの潜在能力が 見えてくるものであり投資効果を最大限にするということにもなります! スピーカー付属のジャンパーを未だ使っている皆様、あるいは既に他社ジャンパー ケーブルを使っている皆様にも、現在アンプからつなげているスピーカーケーブルが どのメーカーの物であっても、Ta.Qu.To-Jumperによって新しい展開が見えてきたら、 オーディオと音楽がもっと楽しく面白くなってくるのではないでしょうか! |
担当:川又利明 |
TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556 kawamata@dynamicaudio.jp お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください! |