発行元 株式会社ダイナミックオーディオ 〒101-0021 東京都千代田区外神田3-1-18 ダイナミックオーディオ5555 TEL 03-3253-5555 / FAX 03-3253-5556 H.A.L.担当 川又利明 |
2020年1月8日 No.1583 H.A.L.'s One point impression!! - これは高度(CHORD)なアクセサリーです!! |
これは高度(CHORD)なアクセサリーです。…とは何か最初にご紹介しましょう! ■CHORD COMPANY Ground ARAYの詳細は下記にてご覧下さい。 https://www.andante-largo.com/audiocable/groundaray/ https://www.andante-largo.com/wp-content/uploads/4b77ddd3c3f4dfc8510c7aeeaa565e2b.pdf https://www.phileweb.com/review/article/201911/21/3663.html 高度(CHORD)なアクセサリーと表現した事には訳があります。 H.A.L.'s One point impression!! - Computer Audio Design Ground Control!! https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/1462.html 上記より次の一節を引用します。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- しかしながら、このCAD Ground Controlを推薦したい対象ユーザーはある意味で 熟成したシステムをお使いの方々になるであろうと私は考えています。 その熟成とはどういう意味か? 先ず、使用されているコンポーネントがひとしおのグレードであり、それらに対して 一定の満足感を持たれている皆様という意味です。つまり、使用システムの何かを アップグレードしたいという気持ちを持たれていない皆様ということになります。 次に上記のinspection systemでもお分かりのように、前述のように振動対策を 施しているオーディオラックはもちろんのこと、電源関係やケーブルにも気配りし、 使用環境に存在する高周波への対策も行ったりH.A.L.'s E.S.Insulatorで静電気に 対する対策なども行ってきたりというコンポーネント以外の要素にも情熱をもって 取り組んでおられるという皆様ということになります。 もちろん前述の対策を全てやっているということではなく、いずれかの対策ひとつでも 実行していればという意味ですので誤解なきように一言追記しておきます。 このような熟成と自覚しながらも、今後はどのような方向性において音質向上の 手段があるのか…、と思案していらっしゃる皆様には大きな魅力となり得ることでしょう。 注:CAD Ground Controlの現在の輸入元URLは下記になります。 https://www.stella-inc.com/cad/index.html -*-*-*-*-*-*-*-*-*- つまり、現用システムの音質に何らかの不満や疑問がある場合に、対処療法としての 問題解決用アイテムではないということです。 その意味で熟成とはハードウエアとしてのシステム構成だけでなく、使い手の感性と しても比較的上級者向けアクセサリーという事になろうかと思います。 そして、上記のCAD Ground Controlと同じ目的ながら、違うアプローチを試み 私からすると比較的低価格? 1本¥88,000.(税別)というプライスも魅力的であり、 当フロアーのリファレンスシステムでの試聴で効果を実感し推奨することにしました! ■Anti radio frequency item CHORD COMPANY Ground ARAY-inspection system https://www.dynamicaudio.jp/s/20200108151233.pdf 先ず現在のところ国内にあるGround ARAYはプロトタイプの状態であり、細部が更に 練り上げられて2020年1月末くらいから正式輸入されるという事を明記しておきます。 また、輸入元にあるサンプルの本数も大変に少ない状況で、今回はXLR、RCA仕様の 二本だけでの試聴となったことも追記しておきます。 今回、私が使用した箇所はプリアンプESOTERIC Grandioso C1に対して下記の画像の ように装着しての試聴でした。サイズは約90〜120o×約20o(プラグ仕様により変化) ということなので、使用するコンポーネント後方にはそれなりのスペースが必要となります。 https://www.dynamicaudio.jp/s/20200108143121.jpg 確かにコンポーネントの後ろに突き出た形になるのですが、これには理由があります。 そもそもコンポーネント内部に高周波が存在しているということなど、アンプや 各種プレーヤーの設計者たちにとってみれば視野の範疇というものではないでしょう。 そしてユーザーの立場からしても、その影響が音質にどのように表れるのか、 私としてもCAD Ground Controlが登場するまでは想像も出来なかったことであり、 このような製品が出現したことで初めて理解できるものでしょう。 CHORD COMPANYの設計者たちからすれば、同社が開発したARAY Technologyを前提にすると、 本来ならばコンポーネント内部の基板に直接取り付けたいくらいだという。 https://www.andante-largo.com/product/audiocable/aray-technology/ だからARAY Technologyの基幹部分をケーブルで外部に接続させるようなことは 開発意図に反する行為となり、同社の技術理念からすれば最も基板に近いところで ARAY Technologyを作用させるということが必要不可欠であったという。 なるほど…、と思いつつ私は二本のGround ARAYを一曲ごとに抜き差ししての比較 試聴を数時間かけて行った! すると… -*-*-*-*-*-*-*-*-*- ■マーラー交響曲第一番「巨人」第二楽章 小澤征爾/ボストン交響楽団 私のプライドにかけてコーディネートしチューニングしたリファレンスシステムで あるので、そもそも上記のinspection systemでの音質には自信がある。 定番のオーケストラを聴いて、その情報量と解像度の素晴らしさは言うまでもない。 例えば弦楽五部の各パートにおける質感などは、50人の弦楽奏者の個々の微妙な 音色の違いを聴かせることはもちろんのこと。 これは言うなれば艶やかな緑の黒髪にきちんとブラッシングを行い、美しい光沢の 髪の流れがくっきりと見えなければいけないという、私に言わせれば初歩的な 分解能の素晴らしさが発揮されていなければならないというもの。 使用前の音質を確認して、うん、間違いない! と納得の質感を確認した。 手にしたGround ARAYは二本しかないが、Grandioso C1は完全なモノラル設計なので 片チャンネルだけというのは頂けないので、上記のようにプラグ違いであるが左右 チャンネルともに使用することに。きっちりとした良好な装着感を確認して席に着く… 「おー! 何なんだ! この弦楽器は! まだこんな進化があったのか!」 単純に空き端子に差し込むだけというGround ARAYを接続すると、目の粗いブラシで 髪をとかしたのではなく、更にきめ細かい櫛で黒髪をとかしていったように細やかさが 際立ってくるのに驚く! ブラッシングだけで髪の流れは出来るのだが、まだ多少のうねりが見られたのか? それがGround ARAYを使ったことで確認出来るのです。 ブラシの櫛目というか、ブラシの毛一本ずつの間隔での流れは出来るのだが、 正に髪の毛一本ずつが櫛の歯によって更に整えられ細やかな方向性というか、 まるでエンゼルリングのような黒髪の輝きと光沢感が溢れてきたことに感動する! そのGround ARAYによる細やかな櫛目の効果は第一、第二ヴァイオリンだけでなく、 チェロと音階を共有するコントラバスの低音にも現れており、低弦のアルコによる 奏法での摩擦感がステージを遠望するかの奥行き感を伴って観察できる解像度の凄みがある! 今までのオーケストラにおける弦楽器の質感でこんな変化を感じたのは初めてか! CHORD COMPANYの設計者たちのこだわりということが、こんな音になって出てくるとは! 私の教訓で弦楽器の質感でこのような変化が起きてくれれば管楽器で悪いはずはない。 「やはりそうか! 木管楽器の響きと金管楽器の余韻感も向上している!」 CHORD COMPANYがこだわる音楽性として美しい響きを追求してきたという。 消え去る前の余韻まで正確に再現することが重要だ、という美意識の表れが 木管楽器のリードの細かいバイブレーションを掘り起こし、マウスピースで発音する 金管楽器の輝き方に素晴らしい透明感を与える。清々しくストレスレスと響きが凄い! 「あー! こんなトライアングル初めてかもしれない!」 オーケストラの中にあって録音作品では多少デフォルメされてトゥイーターの 存在感を見せつけるようなトライアングルの再生音を耳にすることがあるが、 ステージのその一点でつつましく叩かれる金属音の何と澄み切った音色か! これほど誇張感のないトライアングルの質感ということは、コンポーネント内部に 高周波が存在しているという事実を明確に知らせてくれたということだろう! ホール録音の大編成オーケストラで最初の感動を味わった後、まったく対照的な スタジオ録音によるサックスとピアノのデュオというシンプルな編成での録音でも 確認すべく次の選曲。 ■UNCOMPRESSED WORLD VOL.1 http://accusticarts.de/audiophile/index_en.html http://www.dynamicaudio.jp/file/100407/UncompressedWorldVol.1_booklet.pdf TRACK NO. 3 TWO TREES この曲はGround ARAYを抜き差ししての比較試聴を三回繰り返した。 なぜか…? 信じられなかったからです! 演奏者はたった二人なのに、ECMレコードの創設者マンフレート・アイヒャーが 手掛けたような素晴らしい音場感を聴かせる選曲。オーケストラでは理解でき なかった変化がこの曲で感じられた。これはイケるかも! と内心でほくそ笑む! 「サックスの音像がキュートな縮小を見せる! ピアノの打鍵の粒立ちが鮮明になった!」 なぜ三回も繰り返し聴いたのか、その理由がこれだったのです。 私は音像が鮮明になり濃厚なシルエットの中身として変化したことに対して、 余韻感というかアンビエンスが減少したのではないかと最初は錯覚していたのです! ところが繰り返し聴いているうちに余韻感が減少したのではなく、残響の最後の 一滴ともいえる微小部分まで空間に留めるという、消滅までの過程が響きの グラデーションとして多層化していたということに気が付いたのです! センター左寄りのサックスから吹き出された響きはGround ARAYによる残響の延命策に よって右スピーカーの更に外側にまで広大な空間を創出し、ふっと消えていく儚さを 余韻に含めるという美意識が高周波の有無を証明しています! センター右寄りの空間に展開するピアノは他の録音のように左右チャンネルの間に 鍵盤の横幅を表現するのではなく、音階が変わっても定位感は維持するという楽音の 立ち位置を明確に、その一音一粒が空間で輝きだすのだから堪らない! これいいです! ■Kirkelig Kulturverksted 30 years’ fidelity http://kkv.no/en/musikk/utgivelser/2000-2009/2004/divers/ そのトラック10. Mitt Hjerte Alltid Vanker - SKRUK / Rim Banna https://www.youtube.com/watch?v=42fIQbjp3bY パレスチナ出身のシンガーRim Bannaが冒頭の一分間でウッドベースだけを伴奏として 歌うヴォーカルが聴きどころ。このベースが本当にソフトに優しいピッチカートで 寄り添うような低音を響かせ、時折アルコでの高音を散りばめていく。 ちょうど一分を経過したところでタブラと思われるエスニックな低音打楽器のリズムが 加わり、同時に鈴など高音階のパーカッションが右チャンネルから湧き上がる。 そして、センター左側で女性コーラス、右側での男性コーラスという配置でSKRUKの 素晴らしい合唱が空間を広げ埋め尽くしていく壮大な音場感が展開する。 冒頭一分間でのRim Bannaのソロヴォーカルの音像がぎゅっと濃厚な質感に変化し、 そのサイズ感をも凝縮するが、前曲での分析で納得していたので迷うことはなかった。 ヴォーカルは克明な輪郭を描きつつ、そのリバーブの残量が減少したのではないかと いう疑いは霧散していた。音像が引き立つことと余韻感が反比例することはない! 一人の歌声から湧き出たとは思えないほどの余韻感が広がり、それを追うために 自分の視野を広げなくてはならない程の壮大な音場感に半ば呆れる思いで聴き惚れる! 歌手一人での分析では前曲のサックスとピアノに共通する変化を確認し、 そしてSKRUKの壮大なコーラスが始まると、今度はオーケストラでの分析が蘇る! 女性コーラスの透明感はGround ARAY使用前よりも倍加し、男性コーラスの響きは 音場感をスケールアップしていく。 左右両翼にまで展開する合唱の美しさ素晴らしさは、オーケストラでの弦楽器における ブラシから櫛のきめ細かさの変化を彷彿とさせ、ハーモニーの美しさを新たに造形する! そう、ホール録音、スタジオ録音に次ぐ選曲で検証してきましたが、この曲は ソロヴォーカルはスタジオ録り、コーラスは教会での録音というハイブリッド レコーディングという課題曲だったのです! ソロヴォーカルに対するスタジオワークでのリバーブの施し方、教会という非常に 長い残響時間における余韻感という両者がGround ARAYによって調和した瞬間でした! ■FIFTY SHADES OF GREY ORIGINAL MOTION PICTURE SOUNDTRACK 3.THE WEEKEND / EARNED IT(TRADUCIDA EN ESPANOL) http://www.universal-music.co.jp/p/UICU-1262 今までにも多用してきたスタジオ録音の課題曲を忘れることなくチェックする。 すると新たな発見が…!? 冒頭から噴出するがごとくの音の洪水。スネアーの打音と共に低弦楽器の重厚な 低域がスピーカー周辺を埋め尽くす録音は相変わらずの迫力。しかし、この低音が! ここでのGround ARAY使用前・使用後の比較は一発で決着しました。 それほど克明であり分かりやすい変化なのです。 重厚な低音が広がっていくことに快感を覚えていたものですが、Ground ARAYを 差し込んだ瞬間から、この低音の濃度が50%程高くなってしまったのです! まず今まで低音の広がりと拡散は野放図にしていたのではないかという判定! 前述のように自信たっぷりのシステム構成であったはずなのに、広がる低域の エネルギー感を心地よいと思っていたはずなのに! Ground ARAYはその低域を凝縮させ濃密にし、重厚感を割り増しサービスするのです! 低域が拡散し広がっていく過程において、その残響の時間経過と共に質感も軽くなり、 消滅するまでの準備期間として響きを引き延ばしていたという事でしょうか。 Ground ARAYによって凝縮し濃厚になった低音は重みを増して薄く淡泊になって いく変化を否定し、低音の残響の端切れをはためかせるのではなく、低音の響きに 自然界の重力を思い出させたように増加した重量感を保ったまま着地するのです。 これは低音の残響の消え方を正確にしたのでは、という推測が脳裏をよぎる変化であり、 低音楽器にも音像のライザップ効果をもたらしたのではと考えてしまいました。 ヴォーカルや伴奏楽器の個々に関する分析は前述の各ポイントと同様なのですが、 今までの低域の広がり方に関するアンチテーゼをGround ARAYは投げかけてきたのです! それを確認すべく次の選曲です。 ■Espace 溝口 肇 best よりタイトル曲の1. Espaceです。 http://www.archcello.com/disc.html http://mizoguchi.mystrikingly.com/ スタジオ録音によるチェロのデュオという選曲。ただし、Maxine Neumanのセカンド チェロは控えめな演奏というかサポート役としての位置づけで、ほぼ溝口 肇の 演奏がセンターに音像を描く録音となっています。 この比較試聴も一発で納得できました! 上記の各課題曲での分析に加え、前曲でスタジオ録音の低音の在り方に変化を もたらしたGround ARAYは、このシンプルな演奏で真価を発揮したのです! Ground ARAYを差し込んで溝口 肇のチェロが始まった瞬間に、音像のダイエット 効果を目の当たりに確認出来ました。 それは食事制限だけで単純にウエイトダウンしたのではなく、楽音の体脂肪率を 引き下げ演奏者の筋肉量を増加させたという絶妙なダイエット法だったのです! その証拠にチェロの音像の引き締まり方は前述の傾向を示すのですが、ただ音像 サイズが小さくなっただけでなく、弓を引く力強さエネルギー感が違うのです! Ground ARAYによって証明された高周波の影響は、前述の各項目による様々な 楽音での清浄効果はもちろんですが、低音から高音階まで広い音域を演奏する チェロ単独の質感として、倍音を多く含む楽器であればこその変化を見せるのです! これから先の近い将来にGround ARAYを皆様のシステムで試してみようとする時、 ぜひ選曲の中にチェロの録音を含めて試聴されることを強くお薦め致します! -*-*-*-*-*-*-*-*-*- さて、最後にもう一度、高度(CHORD)なアクセサリーと表現した訳を思い出して下さい。 Ground ARAYは悩める人の救済手段ではありません。 何の悩みもない…と思っていた人々へ、未知であり更なる高みを知らされる高度な誘惑なのです! ■CHORD COMPANY Ground ARAYに関してハルズサークル会員限定企画を実施中です。 この機会に是非ご入会下さい! http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/circle.html |
担当:川又利明 |
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