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H.A.L.担当 川又利明
    
2018年8月23日 No.1488
 話題のMQA-CDをMeridianで聴いてみました!!

MERIDIAN AUDIO日本正規代理店 ハイレス・ミュージック株式会社の担当者より
MERIDIAN社の開発したPCMの新コーデック方式『MQA』が、ユニバーサルジャパンの
「ハイレゾCD名盤シリーズ」に採用されましたので試聴してほしいという依頼がありました。
https://www.universal-music.co.jp/international/mqa-uhqcd/

持ち込むMERIDIANのハードとしては、250万円のULTRA DACと、
https://www.hires-music.jp/products/ultra/

175万円のリファレンスCDPL 808v6に二機種ということ。
https://www.hires-music.jp/808v3/technology/

両機種を実際にセットした状態で記念撮影しました。
http://www.dynamicaudio.jp/file/2018.08.14.01.jpg
http://www.dynamicaudio.jp/file/2018.08.14.04.jpg

808v6 CD Playerにて通常のCDをセットするとこうなります。
http://www.dynamicaudio.jp/file/2018.08.14.03.jpg

MQA-CDをセットするとこのように表記されました。
http://www.dynamicaudio.jp/file/2018.08.14.02.jpg

今回の試聴システムは下記の通りです。
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/H.A.L.'s_Sound_Recipe-HIRO_Acoustic.pdf

このリファレンスシステムのプレーヤー部からの入力でライン1にESOTERICのフル
Grandiosoシリーズから、ライン2でMERIDIANプレーヤーからとして比較試聴できる
ようにして、先ずは手頃なサンプラーディスクからジャズを選択しました。
https://www.universal-music.co.jp/p/uccu-40126/

5.酒とバラの日々 / オスカー・ピーターソン・トリオ
 Days Of Wine And Roses

聴き慣れていることと演奏時間がちょうど良いので、先ずはこの曲で通常CDにて
MERIDIAN 808v6 CD Playerにて聴き始めました。

当フロアーでは日頃展示していない価格帯のプレーヤーですが、聴き始めてすぐに
大変上質な再生音であることが印象に残りました。

さすが最先端のデジタル技術を開発し続けるブランドであるということが程よい
柔軟性と解像度によって提示されてきます。このプライスで上出来でしょうか!

3.イパネマの娘 / スタン・ゲッツ&ジョアン・ジルベルト
 The Girl From Ipanema

次に男性ヴォーカルとして質感が極めて優れた録音となっている次の課題曲に
上記のお馴染みの選曲です。これも第一印象は大変良いものでした。

さて、同じパッケージもう一枚入っているMQA-CDに交換してみると…!?

ピアノの鮮度が嘘のように素晴らしく変化します。ハイハットの質感が明るく鮮明に!
ウッドベースの音像が集約されて引き締まって輪郭が鮮明になるのですから不思議です!

そして、ジョアン・ジルベルトのヴォーカルいいですね〜! 

マウスサイズが小さくなり音像がすっくと立ち上がったかのように中空に浮かぶ
リアルさが堪りません!

特に音階が下がってくるフレーズでの喉元から発声するバイブレーションが
スピーカーの優秀さもあってか極めて鮮明に空気を伝わってくる印象が素晴らしいのです!

そんなMERIDIAN 808v6 CD Playerというハードウエアを固定してMQA-CDという
新機軸を試してみると、明らかに同じフォーマットでもエンコード処理によって
起こる音質向上を実感することが出来ました。

この段階で私はMQA-CDにマルを付けました!

さて、私の好奇心は今まで自分のリファレンスとしてきたシステム構成で、ある種の
プライドと言いましょうか、ESOTERIC Grandioso P1+D1+G1というソースコンポーネントで
同じことをやったらどうなるだろうか、という実験をどうしてもしたくなったのです。

そこで、先ずは通常CDにてオスカー・ピーターソンをかけてみると…。おー!!
今更ながら私の口から言うのもわざとらしいのですが、ESOTERIC Grandiosoの
高品位な伝送方式によるアップサンプリングの威力を再確認しました!
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1088.html

皆様が長年に渡ってコレクションされてきたCDという固定されたパッケージメディアに
記録されている情報は再生装置の進歩によって音質も進化していくという明確な事実が
この比較によって確認出来ました。もちろん、お値段の違いがあることはご理解下さい。

そして、このESOTERIC GrandiosoでMQA-CDを聴いたらどうなるのか!?
ディスク再生を主流としている私にとって、こちらの方が気になっていたのです!

ピアノトリオの演奏で起こった変化は前述の二乗になるという単純な表現に留めますが、
ジョアン・ジルベルトのヴォーカルでの変化には驚きました。素晴らしいです!!

MQA-CDというのはプレーヤーの完成度によって、エンコード処理されたデータで
あるかないかに関わらず顕著な音質向上があることを報告しておきましょう!

ESOTERIC GrandiosoでMQA-CDを再生した場合には同社のES-LINK4によって
「36bitD/Aプロセッシング」という独自方式にて再生されるわけですが、
MQA-CD × UHQCD というディスクそのものの高品位化ということが影響したのかも
しれません。いずれにして、ソースコンポーネントの音質がソフトの記録方式の
進化よりも音質の支配力があるものだという以前からの自説の確認が出来ました。

さて、ここでMERIDIANのULTRA DACを聴いてみることにしました。これでMQA-CDを
再生する場合にはディスクトランスポート内部でアップサンプリングしてはいけない
ということなので、隣にあるESOTERIC Grandioso K1にて44KHz/16bitのデジタル出力を
RCAデジタルケーブルにてULTRA DACに接続するという方法になります。

ESOTERIC Grandioso P1+D1+G1で聴いた後で、先ず通常CDをかけてみると…!?

こ、これは…!! などと驚きの表現をするのはちょっとはばかられるのですが、
このMERIDIANのULTRA DAC、相当いいです!! 素晴らしいです!!

私はESOTERIC Grandioso独自のES-LINK4で得られる解像度と情報量の素晴らしさを
長年に渡って聴き続け評価し続けてきましたが、RCAデジタルケーブル一本でこんな
素晴らしい再生音を聴かせてくれるとは私の記憶にもないくらいです!!

ジョアン・ジルベルトのヴォーカルでは一種の響きの芳香と言いましょうか、
聴き手の感性に微妙に作用する余韻感の美しさと、そう! 滑らかさがあります!

ピアノの質感にも同様な作用が現れますが、残響成分を浄化したというよりは、
浄化する必要のない純粋な響きがULTRA DACの本領なのではと思わせる美音なのです!

さて、ここでMERIDIAN AUDIO日本正規代理店 ハイレス・ミュージック株式会社の
担当者から、今回のアポイントメントで頂いたメールを下記に紹介させて頂きます。

           -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

川又様

平素より大変お世話になり厚く御礼申し上げます。
ご案内の通り6月にMeridian社の開発したPCMの新コーデック方式『MQA』が、
ユニバーサルジャパン様の「ハイレゾCD名盤シリーズ」に採用されました。

これに伴いまして、2つの大きな変化を感じております。

1つはハイレゾ再生に距離を感じていたお客様からのお問い合わせが増えたことです。
やはり、パソコンやNASというツールは苦手だというお客様が注目してくださっております。
4Fでもお問い合わせがありまして、ご試聴を頂くチャンスがございました。
やはり長年のディスク再生に安心感、信頼感を持つお客様が多いことを痛感しております。

2つめは、すでにハイレゾを楽しんでいる方からも、ディスクとして保有、保管できるので
普及を望みたい、という声が多くあることです。
これも、コレクションという趣味性のシンボルとも言える愉しみについて再認識する
こととなりました。レコード芸術でも、多面的なレビューを展開していただきました。
パソコンやNASを並べるのと、ディスクをコレクションする楽しさとは、また別の
ものであると感じます。

こうした環境の中、年末に向けて一層の拡販に微力ながら取り組んで参る所存でございます。
つきましては、一度ご試聴のチャンスをいただきましてご意見、ご指導を賜りたく、
メールにて失礼ながらお願い申し上げる次第です。

           -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

私は上記のメールを拝見して思ったのはMQA-CDそのものを売り込みに来られたのでは
ないかということでした。でも、どうやら私の誤解であったようです。失礼しました!

というのは、そもそも私が当フロアーでハイレゾという単語を使っての商品説明は
したことがなく、ハイレゾというフォーマットそのものが音質を支配しているのではなく、
スピーカー、環境、アンプ、そしてソースコンポーネントという順番でハードウエアの
性能と音質こそが音質にとって最も重要なことと最初に力説したのですが、ご担当者は
まったくその通りと賛同して下さいました。

ですから、MQA-CDというものが、実はMERIDIANの技術力と開発力の素晴らしさを
表現するための一手段であり、ご担当者はMERIDIAN製品そのものを私に聴いて欲しいと
いうことだったわけです。大変失礼致しました。

試聴してから数日が経過していることと、当日は私の課題曲での試聴をする時間が
取れなかったために、MERIDIAN製品に対する音質的発見を深くは語れませんが、
このULTRA DACは相当いいです!

試聴承りますので何なりとお申し付け下さい!!

川又利明
担当:川又利明
TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556
kawamata@dynamicaudio.jp

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