発行元 株式会社ダイナミックオーディオ 〒101-0021 東京都千代田区外神田3-1-18 ダイナミックオーディオ5555 TEL 03-3253-5555 / FAX 03-3253-5556 H.A.L.担当 川又利明 |
アナログディスクがこんなにも魅力的だったという新発見が↓これでした。 H.A.L.'s One point impression!!-Bergmann Magneの快感!! http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1268.html そして、更に↓Bergmannとの出会いによって私のアナログレコードに対する興味 関心が何年かぶりに高まり最近はLPを聴き続けています!! H.A.L.'s One point impression!!-Bergmann Sindre System & Octave Jubilee http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1275.html それは40年前に買ったLPレコードを当時から現在に至る多数の再生システムで 聴いてきた音質と、今ここでBergmannとHIRO Acousticで聴く音質とでは隔絶の 感があるからです。私が20代の頃に使っていたオーディオシステムとは…、 そんな事まで書いていると大変なのですが、とにかくLPレコードに記録されて いる音楽とは再生方法によってここまで変化するのかという驚きの連続です!! 塩化ビニールの円盤を捨てないでおいたことが、同じレコードから時代の変化と 進歩に伴って以前では聴けなかった音が今ここで聴けるという喜びなのです!! さて、そんな私の近況において、下記の気になる記新聞事が目に留まりました。 ちょっと「これはいかんな〜」という思いがありました。皆様、どう思われますか? -*-*-*-*-*-*-*-*-*- No.3714より「アナログとデジタルの正しい解釈で誤解なきように敢えて一言!!」 ■日経産業新聞 1月18日 techno Online より引用 「アナログレコードの音質」ノイズ、場の雰囲気伝える 近年アナログレコードの人気が急上昇し、デジタルのCDが押され気味だ。 その理由が暖かい音質と演奏の場の雰囲気が伝わるというので、両者の差異を考えた。 暖かい音質は主観的だから比較の対象から外すと、場の雰囲気が残る。 アナログレコードでは音の溝をなぞる針が発するノイズが存在する。 特に盤面に付着したごみが原因でパチパチというノイズが加わる。 レコードが静電気を帯びやすく、それがさらにごみを吸着するのに悩まされた。 初めてCDを聴いた時、光の反射を利用した盤面に非接触の検出方法であるため、 その静けさにひきつけられた。 アナログとデジタル、枠組みによる音の相違がある。 デジタルは音の大きさと時間とをサンプルして符号化する。 人の可聴周波数範囲が20ヘルツから20キロヘルツであることから、サンプリング 周波数を44キロヘルツとしたため、その2分の1である約20キロヘルツ以上の音は再生できない。 アナログにはその制約はないから、音質が優れているとの主張がある。 しかし、通常のアナログレコードが再生装置を含めて20キロヘルツ以上の音を 十分に再生するとは思えない。 アナログレコードの音が演奏の場の雰囲気を伝える要素は何か。レコードに針を 下して曲が始まる前に聞こえるノイズが、曲の先駆けとして曲への期待感を集中させる。 アナログレコードとCDの音の相違は、物理的な制約ではなく、前兆のノイズの存在ではないか。 実際にコンサートで音楽を聴く場合でも、周囲から様々なノイズが定常的に入ってくる。 せきや話し声は論外だが、人の息遣いやプログラムやチラシなどをめくるノイズである。 これら雰囲気を伝える背景ノイズの中で、音楽に集中を強要されて楽しんでいる。 アナログレコードでも定常的なノイズが定常的なノイズが背景ノイズとして雰囲気を 伝えるのではないか。 人には対象に注意を集中すればノイズが意識されない知覚特性がある。 アナログレコードでも音楽への集中により感動が得られ、ノイズは気にならない。 物理的な音質の差が存在してアナログレコードが優れているのではなく、CDには 存在しないノイズと人間の知覚特性とが両者の差の原因というのが筆者の結論である。 一方、初めに述べた通りノイズが気になると、そればかりが意識され、音楽に集中できない のも人間の知覚特性だ。 東京大学名誉教授 山崎弘郎 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 言葉尻をとらえて細かいことを言うのは大人げないと思いますが、何も知らない 読者に誤解があってはならないと思いますので、先ずはアナログとデジタルの 再生周波数帯域に関して私の認識を先ず述べたいと思います。 「サンプリング周波数を44キロヘルツとしたため、その2分の1である約20キロヘルツ以上の音は再生できない」 現状ではほとんどのCDプレーヤーが内部でアップサンプリングしているので、 44KHzかそれ以上の再生帯域があります。 「しかし、アナログレコードが再生機器を含めて20キロヘルツ以上の音を十分に再生するとは思えない」 思えない、という根拠がしっかりしない言い方は困るのですが、既に30年以上前に アメリカのシェフィールドラボがLPレコードで78KHzの再生が可能であるという事 を研究結果として発表していたと記憶しています。 また、1970年代にはLPレコードを使った4ch再生の規格があり、多数のメーカーが リアスピーカーを加えての4chステレオシステムを商品化して販売していました。 この規格は当時の日本ビクターが1970年に開発した「CD-4」というもので、 LPレコードに30KHzのパイロット信号を記録し、FM変調したリアチャンネルの 合成差信号をデコーダーで復調して4ch再生をしていたものです。 この条件としてピックアップ・カートリッジの再生周波数帯域が50KHzまで必要と いう事で、当時はCD-4記録のLPレコードとカートリッジが販売されていたものです。 この方の年齢からすると経験している世代なのですが、その当時も技術的な事に 関心をお持ちでなかったのかもしれません。 私など足元にも及ばない学歴と経歴をお持ちの方なので、全面的な反論などという 大それたことは考えていませんし、記事の主旨としても音楽を愛好する立場と いうことを鮮明にされているので共感すべきところはあります。 「アナログレコードとCDの音の相違は、物理的な制約ではなく、前兆のノイズの存在ではないか。」 LPレコードには三種類のノイズがあります。最初は記事にもあった傷やごみが音溝に ダメージを与えてパチパチと聞こえるスクラッチノイズ、次は全く無音の状態の 音溝をカンチレバーがトレースした時に聞こえるサーフェスノイズ、最後は古い 録音につきもののマスターテープに含まれるヒスノイズです。 しかし、前兆のノイズとしてスクラッチノイズの存在がアナログの良さというのは いかがなものでしょうか。LPの演奏が始まる前の無音の音溝をガイドループと いうのですが、そこにいきなりスクラッチノイズがあるかというと、多少はあるで しょうけど、前兆というのならサーフェスノイズの事だと思うのですが。 よっぽど好きなアーチストの演奏が、これから出てくるんだというハラハラする 期待感というのなら思い入れとして分かるのですが、私も多数のレコードを聴き ますが演奏中のスクラッチノイズは本当に邪魔な存在としか思えません。 少なくとも筆者がおっしゃるスクラッチノイズの存在がアナログレコードの魅力と 言えるのかどうか…。アナログの魅力は他の論点で述べられた方が、何も知らない 読者には正しい説明になると思うのですが、いかがなものでしょうか。 私は甘美であり妖艶であり、そして滑らかな質感としてアナログレコードの魅力を 感じるものですが、それらは再生システムの総合的な出来栄えとして言えること であり、やはり未熟な再生システムでは魅力として感じられないものです。 道具としてオーディオシステムの質的な追求と使いこなし。趣味として追求して いく奥深い世界に真の魅力が潜んでいる楽しみとして、私はオーディオ装置による 再生芸術の世界を大切にしていきたいと思いました。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- そして、そのような思いは私だけでなく、こんな訪問者がやってきたのです。 私がセットアップした下記のシステムをこのように真剣に聴く人物とは誰か!? http://www.dynamicaudio.jp/file/20160122-bergmann01.jpg ◇ H.A.L.'s Sound Recipe / Bergmann Sindre System & Vitus Audio-inspection system ◇ ……………………………………………………………………………… Bergmann Sindre System(予価・税別¥2,500,000.) http://www.bergmannaudio.com/products/turntables/sindre_system http://www.axiss.co.jp/brand/bergmann/bergmann/ with My Sonic Lab Signature Gold(税別¥650,000.) http://www.mysonic.jp/ and finite element MR02-2+CERABASE 4P (税別¥970,000.) http://www.axiss.co.jp/brand/finite-elemente/finite-elemente/ ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ FM ACOUSICS PIT LINE Cable(税別¥150,000.) ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… EINSTEIN The Turntable's Choice II(税別¥850,000.) http://stella-inc.com/03einstein/page/The%20Turntables%20Choice%20II_pict.html and TRANSPARENT PLMM2X+PI8 (税別¥770,000.) http://www.axiss.co.jp/brand/transparent/transparent-2/ and finite element MR02-2+CERABASE 4P (税別¥970,000.) http://www.axiss.co.jp/brand/finite-elemente/finite-elemente/ ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ ESOTERIC 7N-DA6100 RCA 7.0m(税別¥3,120,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/7nda6000/index.html ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… Vitus Audio SL-102(Anodized Gray) (税別¥7,130,000.) http://www.vitusaudio.com/en/79989-SL-102 ★E.M.G-board 各々二枚使用 Vitus Audio-Andromeda AC Power cable 1.5m(税別¥420,000.)付属 http://www.cs-field.co.jp/brand/vitus/products/andromeda.html and TRANSPARENT PLMM2X+PI8 (税別¥770,000.) http://www.axiss.co.jp/brand/transparent/transparent-2/ and finite element MR02-2+CERABASE 4P (税別¥970,000.) http://www.axiss.co.jp/brand/finite-elemente/finite-elemente/ ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ Vitus Audio-Andromeda Interconnect cable XLR 7.0m(税別¥3,490,000.) http://www.cs-field.co.jp/brand/vitus/products/andromeda.html ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… Vitus Audio SM-102(Anodized Gray)(税別¥13,800,000.) http://www.vitusaudio.com/en/121301-SM-102 Vitus Audio-Andromeda AC Power cable 1.5m×2(税別¥840,000.)付属 http://www.cs-field.co.jp/brand/vitus/products/andromeda.html and TRANSPARENT PIMMX(税別¥540,000.) http://www.axiss.co.jp/brand/transparent/transparent-2/ and finite element MR35+CERABASE 4P(2台/税別¥780,000.) http://www.axiss.co.jp/brand/finite-elemente/finite-elemente/ ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ Vitus Audio-Andromeda Speaker cable 3.0m(税別¥2,120,000.) http://www.cs-field.co.jp/brand/vitus/products/andromeda.html and ZenSati Seraphim/Speaker cable 3.0m(税別¥4,704,000.) http://www.zensati.com/ http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/960.html ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… HIRO Acoustic Laboratory MODEL-CCS Improved (1Pair ¥14,250,000.) http://www.hiro-ac.jp/ and H.A.L.'s B-Board×2 (1枚/税別・配送費込み¥122,000.) http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/BZ-bord.html 「特報!!HIRO Acoustic Laboratory MODEL-CCS Improvedとはこれだ!!」 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1199.html ここに紹介した下記の二枚の写真でImprovedモデルとスピーカー本体とネット ワークボックスをセットしたのがB-Board http://www.dynamicaudio.jp/file/20150306-model-ccs_improved01.jpg http://www.dynamicaudio.jp/file/20150306-model-ccs_improved02.jpg ……………………………………………………………………………… 海外ブランドの人々が来訪された時に私がコーディネートしたHIRO Acousticを このように真剣に聴いて下さることは私にとっても嬉しいことです。 http://www.dynamicaudio.jp/file/20160122-bergmann02.jpg はい、ここで正式にご紹介しましょう。 bergmann audio (Hobro,Denmark)の創始者Johnnie Bergmannさんです! http://www.dynamicaudio.jp/file/20160122-bergmann04.jpg 私の表情がイマイチですが(笑)Adeleの「21」のレコードを聴いて盛り上がりました。 http://www.dynamicaudio.jp/file/20160122-bergmann03.jpg デンマーク製のVitus Audioも勿論ご承知であり、HIRO Acousticの音質には大変 感動して頂いた様子でした。やはり聴けば解かって頂けるものです!! 親しみを込めてジョニーさんと呼びましたが、訊けば生まれは1970年ということで 私よりもずっとお若い。そして、人生で初めて買ったオーディオ製品がアナログ プレーヤーだったという事で、それ以来理想のプレーヤーを作ろうと努力してきた ということでした。何と今回が初来日ということでした。 そして、Bergmannというブランドは奥様と二人で商品作りをしている典型的な 家内制手工業のメーカーだという事も聞き更に親しみが湧いたものです。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- さて、当フロアーに置いてあるLPレコードは何年も前に自宅から持ってきた私物 であり、若い頃に買ったものが殆どです。bergmannとVitus Audio、そしてケーブル 関係もデンマーク製のZenSatiを使いつつ、HIRO Acousticで聴くアナログサウンドに いたく惚れ込んだ私はコレクションの中から「あの曲を聴いてみたい」と探し出して きたレコードがこれです。 実は、私が20代前半という時代にJBL 4311にテクニクスのリーフトゥイーターと ビクターのサブウーファー二台を加え、パワーアンプ五台で鳴らすという変則マルチ アンプシステムを使用していたのですが、当時大音量で聴いたピアノとドラムの 音が未だ忘れられず、三十数年の時を経て聴き直してみたくなったものです。 HIDEO ICHIKAWA / ON THE TRADE WIND 市川秀男+1(HIDEO ICHIKAWA+1) http://hideo-ichikawa.com/?p=47 http://www.worthpoint.com/worthopedia/hideo-ichikawa-trade-wind-japan-free-139673449 市川秀男(p)スタインウェイ・フルコンサート使用 福井五十雄(b) 山木秀夫(ds) 中島御(per) ライナーノーツから気になるポイントをご紹介しておきます。 1977年7月1日 埼玉会館大ホールにて録音。音質向上のために76cm/sec 2ch録音とし、 日本ビクター(株)のCD-4カッティング技術を基にオルトフォンのカッターヘッド DSS-731にてノン・リミッター、ハーフスピード・カッティングされ、更に入念な 製盤工程を経て高品位プレスされたもの。 その結果、ダイナミックレンジの大幅な拡大とS/N比の向上、そして再生周波数 帯域を20Hz〜45KHzまで拡大したというもの。レコーディングデータで私が気に なったものはミキシングコンソールQuad Eight LM-6200とマスターレコーダーの Scully 280-B2CH(76cm/sec使用)、そして何といってもモニタースピーカーの ALTEC 604-8G+612Cという布陣だろうか。 前述の新聞記事に関わるコメントで日本ビクターのCD-4に言及しましたが、当時 からこのようにLPレコードの広帯域再生に貢献していたということです。 このレコードもKLAUDiO CLN-LP200で洗浄し、ジョニーさんが更にチューニング してくれたBergmann Sindreのアームリフターを慎重に操作して針を落としました…。 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1179.html A-1 LITTLE EXPLORERS (小さな探検者達)がその曲です。冒頭は市川秀男の弾く スタインウェイがバラード調のピアノソロを奏でますが、この質感に注目です。 転がるような右手の素早い展開が印象的なピアノなのですが、実にしなやかで 金属臭のない心地よい音色であり、しかし切れ味がいいという絶品ものです!! 音響的無菌室のようなスタジオで管理されたドライな音色ではなく、ホールに 広がっていく心地よい残響を伴いHIRO Acousticの周囲に浮かび上がるピアノの 何とも美しいこと!!45KHzまで再生する伸びやかなアナログサウンドの下地が 先ずはピアノの質感にしっかりと現れた素晴らしい出だしでした!! CDプレーヤーのようにカウンターはないので何分何秒経過したとは分かりませんが、 美しく空間に散りばめられた鍵盤とハンマーの動きをイメージし聴き惚れていると、 中島御が片手持ちで鳴らすベルの音が実にチャーミングに、しかも鮮明に左chから 現れるとセンターでは福井五十雄のウッドベースがゆったりとした低音を奏で始めます。 これより左右チャンネルの両方で流れるようなウインドチャイムの他にも、実に 多数のパーカッションが叩かれるのですが、恐らくはステレオマイクのLch/Rch 各々に接近して演奏しているのか左右チャンネルに分かれて展開しますが、 ベースとドラムはセンター定位のままです。ただし、ドラムセットに関しては ハイハットやシンバル、各種タムとスネアには専用マイクを当てているのか左右 に渡りPANされていて個別の定位感があります。 そのドラムの導入部は細かく刻むシンバルから入ってきました。これは少し遠めの センター左寄りという定位感ですが、ピアノ同様にギラギラした質感はなく、 しっかりとシンバルの肉厚を表現しつつ、叩かれてあおられたシンバル表面の 輝きがキラキラと反射するようなリアルな質感に録音のこだわりを感じます!! そして、私が記憶の中で昔聴いたJBLとサブウーファーによるバスドラムの強烈な 打音が次の瞬間に出現します!!これが何とも素晴らしい!! キックドラムともいうのはペダルをキックした直後、直ちにドラムヘッドから ビーター (Beater)を離すオープン奏法ではインパクトのある正に大砲のような 打音となるが、山木秀夫のキックは相当強烈であり瞬発力のある低音を叩き出す!! この立ち上がりと切れ味の素晴らしさは本当にアナログか、と我が耳を疑うほど。 そして、フュージョン系のスタジオ録音ではバスドラムをダンプしたり、EQで 低域にカーブを付けたりして重量感を追加したりする録音を多数見かけますが、 何といっても埼玉会館大ホールというエアボリュームであり、下記のように現在 でも運用されている木製ホールという響きの柔らかな音響空間での演奏です。 http://www.saf.or.jp/saitama/facilities/main_hall.html こんなステージで四人のプレーヤーがアイコンタクトしながらの一発録りという プロフェッショナルな録音スタイルが当時は当たり前だったわけです。 今のようにデスクトップのコンピューターで作る音楽とは根本的に違うものです。 私はジャズのビッグバンドはスタジオ録音ではなくホール録音の雰囲気が好きです。 特にホーンセクションの響きに負けないドラムのアコースティックな打音と響きが 空間を埋め尽くし広がりを感じさせる臨場感が大好きなのです。 このホールの無人の客席の上をバスドラムの低音が疾風のごとく飛びすさみ、 膨らまない着ぶくれしない低域を特徴とするHIRO Acousticによってホールエコー を正確に捉えたダイナミックな打音がBergmann Sindreによって忠実に音溝から ピックアップされている感触に私は鳥肌が立ってしまいました!! その素晴らしいキックドラムと絶妙にシンクロするスネアの切れ味が、これまた 見事なインパクトを見せて、木で出来たホール壁面から一次反射音をバウンドさせ てくるリアルさに思わず息を呑んでしまいます!!こんなドラム聴いたことありません。 ドラムの打音が作る広大な空間イメージにうっとりする演奏ではピアノは控えめ。 ホールのスケール感をドラムが表現するのに対して、ウッドベースの質感は逆に 余韻を含ませないオンマイクでの近接したリアルさで眼前に迫ってくるソロパートが 始まりました。 福井五十雄のベースは残念ながら今はライブとして耳にすることはできません。 私も好きな日本のジャズレーベル、TBMの初期の録音でも活躍されていましたが、 昨年3月に他界されたとのこと。 このウッドベースに関しても演奏空間が大ホールというサイズであり、イフェクトを かけない自然な質感がHIRO Acousticのセンターで見事に展開するのです。 そこには力みがなく自然体で演奏する姿が素晴らしい音像を造形し、空間に広がる 響きを含んでいるにも関わらずベースの輪郭がことさら鮮明に描かれます。 このベースのソロパートになるとドラムのボリュームが抑えられ、キックドラム よりもスネアの響きの方がステージ上を飛び跳ねているような距離感に変化します。 ステージ上のアーチストに音響的なスポットライトを当てる対象をスイッチする ように、巧妙な録音がセンター定位という低音楽器二者の混濁を避けて鮮明な 音像をくっきりと再生させる気配り!!いいじゃないですか!! A面には約14分のこの曲と、A-2 SOMEDAY MY PRINCE WILL COME (いつか王子様が)の 二曲だけが贅沢にマイクログルーブの間隔をあけてノン・リミッターで刻まれています。 39年前の録音が当時の再生装置で聴けた音質から、今日の近代化され格段に進歩 して情報量が圧倒的に拡大したオーディオシステムの再生音と比較すると、私の 記憶は良い意味で美化されていたことに気が付きます。やはり、そうですね〜。 今ここで聴いたLPレコードのダイナミックであり緻密な音、特にドラムの打音に 関しては若き日に聴いて感動したALTEC 604-8Gの、あの乾いたハイテンションの 音が脳裏に蘇ってくることを抑えることが出来ませんでした。 そして、このブラックディスクを手放さずにいたことを今は本当に幸せに思います。 皆様にもぜひお聴かせしたい一曲。これを聴くためだけでもご来店の価値ありです!! |
担当:川又利明 |
TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556 kawamata@dynamicaudio.jp お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!! |