発行元 株式会社ダイナミックオーディオ 〒101-0021 東京都千代田区外神田3-1-18 ダイナ5555 TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556 H.A.L.担当 川又利明 |
No.1197 2015年2月26日 「H.A.L.'s One point impression-Abendrot Audio STUTE & HENGST」 ■香り立つ音Abendrot Audio STUTE & HENGSTを聴く!!■ 「あのAbendrot Audio STUTEに合わせる専用DACが登場します!!」 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1196.html 上記の速報から数日が経ち、遂にH.A.L.にAbendrot Audio HENGSTが来ました! 装飾を極力避けてシンプルなデザインながら気品漂うたたずまいです!! http://www.dynamicaudio.jp/file/20150222-HENGST.jpg 上記にてご紹介しているAbendrot Audio公式サイトにも公開されました!! http://jp.abendrot.co.uk/ 先ず特筆すべきはHENGSTの日本価格ですが、3,300,000円(税別)となりました。 他のサイトでは$36,000というプライスが公表されていますが、なぜ日本価格 がドル価格よりもお安くなったのか? それはこの場ではご説明致しません。 これを聴き感動された方にのみ口頭にてご説明致します。その試聴システムは 最近の私の新リファレンススピーカーとなっているHIRO Acoustic Laboratory MODEL-CCSを中心に次のようにセッティングしました。 ◇ H.A.L.'s Sound Recipe / Abendrot Audio STUTE & HENGST inspection system ◇ ……………………………………………………………………………… ESOTERIC G-01(税別¥1,350,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/g01/index.html and ESOTERIC 7N-PC9500MEXCEL(税別¥360,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/7npc9500/index.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1044.html and TRANSPARENT PI8+ESOTERIC 7N-PC9500MEXCEL(税別¥815,000.) http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER and finite element Pagode Master Reference Rack/HD02+CERABASE 4P(税込み¥870,000.) http://www.axiss.co.jp/brand/finite-elemente/finite-elemente/ ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ ESOTERIC 7N-DA6100II BNC(Wordsync用)×3 (税別¥750,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/7nda6300_6100_2/index.html ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… ESOTERIC Grandioso P1 (税別¥2,500,000.)本体 ★E.M.G-board使用 http://www.esoteric.jp/products/esoteric/p1d1/index.html and ESOTERIC 7N-PC9500MEXCEL(税別¥360,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/7npc9500/index.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1044.html and TRANSPARENT PI8+ESOTERIC 7N-PC9500MEXCEL(税別¥815,000.) http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER and finite element Pagode Master Reference Rack/HD02+CERABASE 4P(税込み¥870,000.) http://www.axiss.co.jp/brand/finite-elemente/finite-elemente/ ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ ★Grandioso P1+D1の接続は付属:HDMI Cable http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1083.html ★Abendrot BNC Cable/1.0m(税別¥50,000.) にてSTUTE & HENGSTへ接続 AES接続にてGrandioso P1より176.4KHzを送信 http://jp.abendrot.co.uk/ ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… Abendrot Audio STUTE & HENGST(税別¥6,800,000.) http://jp.abendrot.co.uk/ and TRANSPARENT PLMM2X(税別¥280,000.) http://www.axiss.co.jp/brand/transparent/transparent-2/ and finite element Pagode Master Reference Rack/HD02+CERABASE 4P(税込み¥870,000.) http://www.axiss.co.jp/fFE.html ……………………………………………………………………………… ■ vs ■ ……………………………………………………………………………… ESOTERIC Grandioso D1(税別¥2,500,000.) ★E.M.G-board 二枚使用 http://www.esoteric.jp/products/esoteric/p1d1/index.html and ESOTERIC 7N-PC9500MEXCEL(2本/税別¥720,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/7npc9500/index.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1044.html and TRANSPARENT PI8+ESOTERIC 7N-PC9500MEXCEL(税別¥815,000.) http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER and finite element Pagode Master Reference Rack/HD02+CERABASE 4P(税込み¥870,000.) http://www.axiss.co.jp/brand/finite-elemente/finite-elemente/ ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ ZenSati Seraphim / Interconnect cable XLR 1.5m(1Pair 税別¥1,823,000.) http://www.zensati.com/ http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/960.html ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… ESOTERIC Grandioso C1 (税別¥2,500,000.) ★本体にE.M.G-board使用 http://www.esoteric.jp/products/esoteric/c1/index.html and ESOTERIC 7N-PC9500MEXCEL(2本/税別¥720,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/7npc9500/index.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1044.html and TRANSPARENT PI8+ESOTERIC 7N-PC9500MEXCEL(税別¥815,000.) http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER and finite element Pagode Master Reference Rack/HD02+CERABASE 4P(税込み¥870,000.) http://www.axiss.co.jp/brand/finite-elemente/finite-elemente/ ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ ZenSati Seraphim / Interconnect cable XLR 8.0m(1Pair 税別¥5,645,000.) http://www.zensati.com/ http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/960.html ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… ESOTERIC Grandioso M1(1Pair 税別¥2,800,000.) ★E.M.G-board 二枚使用 http://www.esoteric.jp/products/esoteric/m1/index.html and ESOTERIC 7N-PC9500MEXCEL(2本/税別¥720,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/7npc9500/index.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1044.html and finite element Pagode Master Reference HD10+CERABASE 4P(2台/税別¥720,000.) http://www.axiss.co.jp/brand/finite-elemente/finite-elemente/ ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ ZenSati Seraphim / Speaker cable 3.0m(1Pair 税別¥4,704,000.) http://www.zensati.com/ http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/960.html ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… HIRO Acoustic Laboratory MODEL-CCS(1Pair 税別¥11,660,000.) http://www.hiro-ac.jp/ ……………………………………………………………………………… 実は、このAbendrot Audio HENGSTは輸入元サイトに公開される前に私の手元 に届いており、今日でバーンイン五日目となる。毎晩エンハンサーCD-ROMを リピートさせ初日の印象とは大変異なる音が出始めていた。 私のVIPが以前にHIRO Acoustic Laboratory MODEL-CCSを聴いて「これは清潔感 ある音だね〜」とおっしゃっていたのが大変印象に残っているが、このHENGST の個性と魅力を紡ぎ出すにはもってこいのスピーカーとシステム構成かと自負 しているものだ。 HENGSTにはInternal Test Clock:10MHzということで動作確認用の内蔵クロック が一応は搭載されているが、私は先ず最初に同社のSTUTEからの10MHzとの比較 をしてみた。 私は日頃からESOTERIC Grandiosoシリーズ、dCS Vivaldiシリーズなどの音質 を標準として聴いているわけだが、テスト用内蔵クロックで聴き始めた瞬間から あくまでもテスト用と明記している理由が分かった。これは頂けない…。 評価対象外の音質であることが瞬時に分かり、再度STUTEからのクロックにて 聴き始めるとAbendrot AudioがなぜこのようなコンセプトのDACを開発したの かが実感として伝わってきた!! STUTEの持つ稀に見ないMaster clock generatorというジャンルの商品価値を いかにして開発者と意図と理想をもってユーザーに提供して行くのかという 一種の使命感が働いたのだろうと考えられる。 私はHENGSTの第一報を配信した時には既に日本価格を耳にしていたが、それを 直ちに公開しなかったのだが、これは単体のDACとして評価すべきではないと 考えられる。あくまでもSTUTE & HENGST(680万円)の商品として評価すべきだ。 次に今回の試聴ではHENGSTのSPDIF Coaxial RCA入力では92KHzが最高値であり、 AES接続であれば192KHzまで対応するという事なので、最初からGrandioso P1 より176.4KHzを送信するという設定で行った。 ハイレゾというのがオーディオ業界では流行語のようになっているが、当フロアー では今更ながらということでDACへの入力信号では下位のサンプリング周波数 を試そうという意識はあまり無くなっており、出来る限り上位のサンプリング レートにて評価することにしている。 今日の試聴で私がこだわったのは、HENGSTにおけるアナログ出力レベルの違い による音質変化にスポットを当てていた。メーカーサイトに下記がある。 9VRMS Hi-Z weighted (ATT 0dB)/4.5VRMS Hi-Z weighted(ATT -6dB) 私は昨日までSTUTE & HENGSTの音質をATT 0dBで試聴してきた。当然だが、 比較していたESOTERIC Grandioso D1の出力レベルXLR 5.0Vrmsとの音量差は かなりのもので、プリアンプのボリュームでは-15程調整しないと同じ音量にならない。 この迫力満点でダイナミックな音、音楽が加熱されて耳に飛び込んでくるよう な快感がHENGSTの魅力なんだろうかと、今までにない雄大なスケールで鳴り 響くHENGSTの第一印象が今日まで続いていた。しかし…。 HENGSTにおける(ATT 0dB)と(ATT -6dB)との比較で私は更に発見と感動が!! ■マーラー交響曲第一番「巨人」第二楽章 小澤征爾/ボストン交響楽団 このオーケストラで(ATT 0dB)と(ATT -6dB)の比較を始めたが、プリアンプの ボリューム操作で同じ音量に調整して反復して聴く事、三回ずつ。音量は同じ にしても雰囲気、ニュアンスが違う。しかし、両方ともいい、素晴らしい!! 弦楽五部の各パートの集団が定位する場所がわずかに違う、弦楽器群の質感が 微妙に異なるが解釈次第でどちらにも魅力があり、今までのDACとは色合いが 違うというところまで判定できるが、いやいや…甲乙つけがたいのが実情だ!! 独特の温度感が弦楽器に潤いを与え、ヴァイオリンの木目の色合いに微妙な 赤をうっすらと上塗りしたような絶妙な音色の再現性がこの上なく魅力的!! ステージの横方向に広がっていく余韻感にクロスするように木管楽器のソロ パートは垂直方向へと響きの拡散が広がり、その両者に置いてSTUTE & HENGST の個性が演奏空間の空気に独特の芳香を付加するような斬新さを私は直感した。 これらの響きの拡散領域と楽音の質感で(ATT 0dB)と(ATT -6dB)の選択をする ことは聴き手の好みで両方ともに同じ数の軍配が上がってしまうことだろう。 では、互角ということで済ませてしまえば良い物を、私の耳と感性はMODEL-CCS の類い稀な分解能の素晴らしさにおいて更にこだわりの試聴を続けた。 ■UNCOMPRESSED WORLD VOL.4 - on the piano http://accusticarts.de/audiophile/index_en.html 18.Kirk Montreux / ETERNAL DESERT(LA CALIMA EDIT) わずか2分40秒のこの曲が色々な局面で再生音の微妙なヒダを抽出してくれる。 (ATT 0dB)は確かに迫力がある。ダイナミックな打撃音、ピアノの音は一粒ずつ 空間に散らばっていく雄大な空間表現、ギターの鮮烈なアタックと残響。 これらが一種の緊張感をもって聴き手に眼前の演奏に対する集中力を強制的に 高めてくれる興味深い一曲。 (ATT -6dB)に切り替えてプリアンプのボリュームを上げて音量を揃えて聴く。 おっ、という息詰まる一瞬があり頭の中では先ほどの冒頭部分の鋭いアタック を比較するなかで、ひとつのヒントが浮かび上がってくる。 非常に大きなダイナミックレンジを持つこの曲だが、無音の空間に弾ける音、 インパクトが強烈な打撃音が発せられた瞬間の二秒後の空間に答えがあった!! 立ち上がりが鋭い楽音が中空を伝わっていき、消滅するまでの時間軸は-6dBで ボリュームを上げた方が長いのである。ピアノの音階一つずつという単純な 音に集中して聴いていると、その余韻感がより空間に浸透して行くのが-6dBだ。 このSTUTE & HENGSTの未開拓な要素をHIRO Acoustic Laboratory MODEL-CCSが 見事に描き出していく。これは面白い!!よし、次はこの選曲で!! ■THE WEEKEND / EARNED IT(TRADUCIDA EN ESPANOL) http://www.universal-music.co.jp/p/UICU-1262 この曲に入っている低域をどのように聴かせるかはスピーカーによって本当に 大きく異なるものだが、MODEL-CCSはこの曲も裸にしていくのに興奮する!! このディスクの録音レベルは私でも驚くほどに大きい。単純に言えば他のCDと 同じボリュームで聴き始めるとぎょっとするくらい大きな音になる。それも、 このCDを購入する客層が使用している再生装置のグレードを意識してのマーケ ティングによる受けを狙ったものだろう。とにかく大きな音量だ。 昨日までは(ATT 0dB)で何度も聴いていたが、冒頭からの重厚で雄大に広がる 低音の伴奏に迫力の二文字を満喫していたものだった。しかし… -6dBで音量を揃えて聴き始めると違う低音が見えてくるのである!! 今までは「ズーン、ズーン」という繰り返しの低音は時間軸の進行に伴って 強力な低音の減衰はなだらかなスロープを描き消えていき繰り返していた。 ところが、-6dBで音量を揃えて聴くと「ズズーン、ズズーン」とMODEL-CCSの ウーファーを揺さぶる低音に脈動感があることに気がつかされたのである!! 前曲では中高域の輝くような楽音にHENGSTの出力レベルにおいて二種類の個性 があることを発見したが、何と今度は重厚かつ広大な音場感を描き出す重低音 においても二種類の個性があることを突きとめた!!そして、ここに選択がある。 オーケストラのような一つの空間で多数の楽音が展開する音楽では、楽音の集団 として聴き手の好みによる選択でも品質の違いは許容されるだろう。 しかし、一音ずつが克明に記録され、スタジオワークで音場感を付加された 録音に関しては(ATT -6dB)の方が情報量と分析力においては上回っている!! そして、この判定を下した後でオーケストラを聴き直してみると、おー!! グランカッサの打音の質感、コントラバスのピッチカートでは、などなどと テストの答え合わせをしているかのように解答が見つかって来るから不思議だ!! 今回のSTUTE & HENGSTの試聴では、電源アイソレーターもE.M.G-boardも使用 していなかったものだ。それでもこれだけの潜在能力の高さがあるのです!! STUTE & HENGSTは間違いなくH.A.L.クォリティーであることを宣言します!! このペアは下記のAct.3でお披露目します!!どうぞご期待下さい!! http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1194.html |
担当:川又利明 |
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