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H.A.L.担当 川又利明

No.1175 2014年11月25日
 「H.A.L.'s One point impression-HIRO Acoustic Laboratory MODEL-CCS Vol.4」


     《更に進化し続けているスピーカーMODEL-CCSの最新状況とは!?》
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/1172.html この続編です!!

定番の課題曲、小澤征爾/ボストン交響楽団のマーラー交響曲第一番「巨人」を
今日は第四楽章まで通して聴き続けてしまいました。CD一枚をずっと聴き続ける
ということは滅多にありません。

それほど美しく素晴らしい音質に変貌したMODEL-CCSにいったい何があったのか?
再度この写真をご覧下さい。
https://www.dynamicaudio.jp/s/20141005-MODEL-CCS_05.jpg

MODEL-CCSはクロスオーバーネットワークと本体をつなぐスピーカーケーブルは
付属されていませんが、今までは廣中さんの推薦もあり写真にある紫色の
スピーカーケーブルを使用していました。そのケーブルの断面図がこれです。
https://www.dynamicaudio.jp/s/20141122-SP777.pdf

6N-OFC[0.32mmφ]を中心にして高純度-OFC[0.32mmφ]6本が周辺に配置されて
ひとつのバンドルを構成し、それを7本束ねてプラス・マイナスに各々1本を
使用するというスピーカーケーブルです。私はこのケーブルのメーカー担当者
に尋ねました。

「ケーブルは絶縁方法が重要ですが、このケーブルの芯線一本ずつは絶縁して
 いるのですか?」

答えはNOだという。そんな…、オーディオケーブルで表皮効果を無視したものが
今時あるのだろうか!? という思いが私の顔をよぎったものだから慌てて説明が
追加されました。それは想像外の絶縁方法を採用しているということ。

このケーブルの解説を私が代弁すると長くなってしまうので、これまで私が
MODEL-CCSの素晴らしさを語ってきた時に使用していたスピーカーケーブルとは
これです。このケーブルあっての私の評価だったわけです!!
http://www.nanotec-systems.jp/pdf/SP%23777GREAT_with%20tarminal.pdf

このカタログでは「金・銀の超微粒子を分散させたコロイド液を導体に塗布する」
と書かれていますが、実はその液体の主原料とはスクアラン (squalane) なのでした。

スクアランとは1906年に東京工業試験所の辻本満丸によってクロコザメの肝油
から発見されたスクアレンに水素添加を施した硬化油であり、これは電気的に
は絶縁体なのです。

オーディオ用接点にスクアランを主原料として製品がありますが、しっかりと
接触している導体にスクアランを滴下した場合には、両端子表面の酸化被膜の
影響を大きく改善する効果があるからです。

しかし、接点が1ミリでも離れていた場合にスクアランを滴下しても導通しません。
あくまでも導体同士の接触があり、その表面での酸化被膜に対する改善効果が
あるということであり、スクアランは絶縁体として有効であるというものです。

そして、スクアランにクラスターダイヤモンドを含有させることによって音質
貢献のある下記のような製品もあります。誤解なきように追記致しました。
http://www.kripton.jp/fs/kripton/ci-s100

不思議なことに絶縁体であるスクアランのコロイド液に金・銀の超微粒子を
含有することで、またその比率の調整で音質が変化するという研究成果を
商品化したものだという。

細い導体にメッキ処理を行って絶縁するのが一般的なのですが、ナノテック・
システムズのケーブルはこのような特殊な絶縁方法で設計されているのです。
これがMODEL-CCSと極めて素晴らしい相性を示したという事です。

さて、私はMODEL-CCSのネットワークと本体をつなぐスピーカーケーブルに
関しても重大な興味を持ち、他社のケーブルもテストしたのですが、どうも
納得出来る音質は得られませんでした。

それは正にMODEL-CCSの個性との相性とも言うべきものであり、他のスピーカー
では抜群の相性で高く評価したケーブルでも、残念ながら思うような成果が
上がらなかったものです。

そこに登場したのが下記の断面構造による新種のスピーカーケーブルなのです。
https://www.dynamicaudio.jp/s/20141122-308.pdf

オーディオケーブルは材質と構造、そして絶縁方法が重要な要素であり、
それを組み合わせる各社の独自理論が音質を決定するわけですが、何ともシンプル
な構成であり、独自の電気的フィルターや中空パイプやテフロンという他社が
良く用いる構成要素は何もありません。

しかし、これを見て直ぐに気が付かれるのが新素材PC-Triple Cでしょう。
PC-Triple Cとはこういう素材です →  http://goo.gl/0VO9w8

関連リンクとして下記も参考にして下さい。
http://www.phileweb.com/interview/article/201401/23/217.html

今回MODEL-CCS仕様として特注されたケーブルは上記断面図のように1本の導体
単位としてφ0.26mm×105本のPC-Triple Cケーブルを3本束ねて1本のケーブル
としています。

MODEL-CCS仕様とはウーファー用では断面図のそのまま1本、φ0.26mm×105本
のPC-Triple Cケーブル3本ずつをプラスとマイナスに使用し、片チャンネル
合計6本としました。

ミッドレンジでは同じ3本の芯線のうち1本をオープンとして使用せず、105本の
PC-Triple Cケーブル2本ずつをプラスとマイナスに使用します。
従って、見た目はウーファー用と同じくプラス・マイナスに各々1本を接続します。

そして、トゥイーター用としては上記断面図の外形1本のみを使用し、内部3本の
うちの2本をプラスとマイナスに使用します。残りの1本はオープンとして使用
しないので、見かけは1本のケーブルからリードワイヤー2本が端子に接続され
ているという外観になります。

以上の構成により、左右チャンネルでPC-Triple Cケーブルが合計24本使用され、
φ0.26mm×2520本のPC-Triple Cケーブルを同時使用するという事になります。

しかし、スピーカーにおけるケーブルの実態とは面白いものです。
スピーカーユニットのボイスコイルは単線です。ネットワークに使用する
コンデンサーやコイル、抵抗などの素子のケーブルも単線です。

スピーカーユニットとネットワーク素子、ネットワークと入力端子をつなぐ
スピーカーの内部配線はメーカーによって単線と撚り線の選択はありますが、
MODEL-CCSのようにネットワークを外部に設定するという方法では、それらの
接続に使用するスピーカーケーブルの選択でパフォーマンスは激変するのですから。

この特注仕様のケーブルの正体を今は明かすことは出来ませんが、試聴を重ね
MODEL-CCSとのセット販売という方向で私は商品化していきたいと考えています。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

特注仕様のケーブルで鳴らし始めてから四日間ほどが経ちました。毎晩のように
エンハンサーCD-ROMをリピートさせていますので、バーンインは十分でしょう。

今となっては廣中さんに続いて私がMODEL-CCSを最も知り、また聴いている時間
も廣中さんより多くなっているのではないでしょうか。そもそも廣中さんの
手元にあったMODEL-CCSをここに持って来てしまいましたから。

更に重要な事は、ここでの色々なトライアルは廣中さんの研究成果の延長線上
にあるもので、廣中さんの元で出ていなかった音がここで開発され、新発見の
音質がここで実現されているという事実なのです。

私はこれほど美しいオーケストラを聴いた事はありませんでした!!
弦楽器の解像度が素晴らしいのはもちろんですが、そこに私の美意識による
選択によって進行してきたMODEL-CCSの熟成ぶりがあまりにも物凄いのです!!

■UNCOMPRESSED WORLD VOL.4 - on the piano
http://accusticarts.de/audiophile/index_en.html
18.Kirk Montreux / ETERNAL DESERT(LA CALIMA EDIT)

このダイナミックな曲で冒頭のピアノの弦を弾いた硬質でインパクトのある音。
その響きの中に重厚な低音階のガツンとくる成分が含まれているのを発見しました!!

右手の高速な動きで演奏されるスピード感あふれるピアノが、これほど空間に
飛び散るような残響を振りまくようになったのはケーブルを変えてからのこと。

MODEL-CCS仕様のケーブルに変えてから起こったギターの質感の変化は凄い!!
一段と弦のテンションが引き締められ、弾かれた瞬間から放射される余韻感が
倍化して新たな音場感を構成するようになりました!!

左チャンネルから立ち上がるパルシブなパーカッションは更に切れ味が鋭くなり、
重低音の響きは以前のスピーカーケーブルを上回るスケールと重量感に進化!!

オーケストラにおける連続楽音の潤いと究極的とも言える滑らかさの提示と、
インパルス応答が格段に進化したスタジオ録音の分解能の素晴らしさ!!

HIRO Acoustic LaboratoryとH.A.L.、つまりHi-End Audio Laboratoryの
共通項は正にこのような音質追求姿勢にあるわけです。それを象徴する一言!!

「現在のMODEL-CCSは壮大な試作なんです…」

いいですね〜、それこそLaboratoryではありませんか!!
HIROとH.A.L.の共同開発によってMODEL-CCSには更に進化を続けているのです!!

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「第38回マラソン試聴会の企画内容が次第に見えてきました!!」
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/1167.html

毎年のマラソン試聴会では私がオオトリ、アンカーを務めるのですが、最も
大型で高価なシステムで、あのステージにふさわしい音量で演奏してきました。

ところが、今回のラストは幅24センチ、奥行き45センチ、高さは117センチと
いうコンパクトなスピーカーを皆様にお聴かせしようと思っています!!

ぜひぜひご来場下さい。皆様に新しい音、未体験の音を味わって頂きましょう!!

■マラソン試聴会でお聴かせする音はMODEL-CCS仕様ケーブルで検証した状態
 のものとなりますので、どうぞご期待下さい!!


担当:川又利明
TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556
kawamata@dynamicaudio.jp

お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!!


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