発行元 株式会社ダイナミックオーディオ 〒101-0021 東京都千代田区外神田3-1-18 ダイナ5555 TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556 H.A.L.担当 川又利明 |
No.1139 2014年9月3日 「H.A.L.'s One point impression-TANNOY DC-10Ti !!」 ■8月23日からの新企画が公開されました!! http://www.dynamicaudio.jp/5555/MonthlyHi-Fi/201408/ この展示スケジュール表をご覧になって、おや!?と気が付いた事ありませんか? TANNOY DC-10Ti(WL)Speaker ¥1,080,000 8/22〜9/9 http://www.esoteric.jp/products/tannoy/definition/index.html そうです、私がなぜこのような価格のTANNOYスピーカーをH.A.L.に持ち込むのか? 意外に思われた方も多いのではないかと思いますが、↓こんな取り組みもありました。 ■MORDAUNT-SHORT Performance“8”とは何だ!?その魅力を語る!! http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/887.html この1ペア65万円というスピーカーに惚れ込んだ私は本気で鳴らし込みました。 そして、それを体験され導入された方も多数いらっしゃいます。 http://naspecaudio.com/discon/performance6/ 第二のPerformance 6になるかどうか! ◇ H.A.L.'s Sound Recipe / TANNOY DC-10Ti inspection system ◇ ……………………………………………………………………………… ESOTERIC G-01(税別¥1,350,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/g01/index.html and ESOTERIC 7N-PC9500MEXCEL(税別¥360,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/7npc9500/index.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1044.html and TRANSPARENT PI8+ESOTERIC 7N-PC9500MEXCEL(税別¥815,000.) http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER and finite element Pagode Master Reference Rack/HD02+CERABASE 4P(税込み¥870,000.) http://www.axiss.co.jp/fFE.html ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ ESOTERIC 7N-DA6100II BNC(Wordsync用)×3 (税別¥750,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/7nda6300_6100_2/index.html ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… ESOTERIC Grandioso P1 (税別¥2,500,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/p1d1/index.html and ESOTERIC 7N-PC9500MEXCEL(税別¥360,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/7npc9500/index.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1044.html and TRANSPARENT PI8+ESOTERIC 7N-PC9500MEXCEL(税別¥815,000.) http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER and finite element Pagode Master Reference Rack/HD02+CERABASE 4P(税込み¥870,000.) http://www.axiss.co.jp/fFE.html ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ JORMA DESIGN JORMA DIGITAL RCA/1.0m(税別¥108,000.) http://www.cs-field.co.jp/brand/jorma_index.html ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… Devialet 800(税別¥4,360,000.) http://stella-inc.com/002devialet/index.html http://fr.devialet.com/ and TRANSPARENT PLMM2X+PI8(税別¥695,000.) http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER and finite element Pagode Master Reference Rack/HD02+CERABASE 4P(税込み¥870,000.) http://www.axiss.co.jp/fFE.html ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ LABORATORIUM Yter Speaker Cable(3.0/税別¥220,000.) http://www.noahcorporation.com/laboratorium/index.html ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… TANNOY DC-10Ti(WL)(1Pair 税別¥1,080,000.) http://www.esoteric.jp/products/tannoy/definition/index.html ……………………………………………………………………………… ここ数日間というもの時間を見つけてはDC-10Tiを聴き続けています。 私が目指している方向性とは100%一致しないものの、とにかく心地良い音!! TANNOYブランドのスピーカーがここに展示されたということはH.A.L.創設後 もしかしたら初めてかもしれません。 展示した初日は今一つだったのですが、エンハンサーCD-ROMを一晩、二晩と リピートさせていくうちに見る見る視界が開けるように音場感が拡大します!! ■マーラー交響曲第一番「巨人」第二楽章 小澤征爾/ボストン交響楽団 先ず最初に定番のマーラーから。この曲で第一印象が好ましくないと次には 進めないという私が最も重要視するオーケストラから聴き始めました。すると… いやいや…、この弦楽器の美しさと滑らかさには驚かされました!! いくら名器と言われる楽器であっても演奏者が変われば奏でられる音質・音色 も千変万化するように、この価格のスピーカーからこれほど麗しい弦楽器を 聴く事が出来るなど(失礼!)誰が(私も!)全く予想していなかったものです。 これはただ事ではないと、私の課題曲としているオーケストラを連続して聴く 事にしました。 ■セミヨン・ビシュコフ指揮/パリ管弦楽団 ビゼー「アルルの女」「カル メン」の両組曲から1.前奏曲 8.ファランドール ■チャイコフスキー:バレエ音楽《くるみ割り人形》op.71 全曲 サンクトペテルブルク・キーロフ管弦楽団、合唱団 指揮: ワレリー・ゲルギエフ どれを聴いても他のスピーカーとは一味違う流麗な弦楽器がとても魅力的です。 そして、木管楽器の質感は程良くまろやかであり、金管楽器においては眩しさ はなく清々しく響き渡ります!!これはいいです!! そして、どの曲でも印象に残るのは低音楽器が実に軽快に、あるいは小音量の 低域における再現性と反応が極めて良いということでしょうか。 コントラバスのピッチカート、ビオラの低音階の旋律、グランカッサを弱く 叩く時のホールエコーの鮮明さ。とにかく鮮度の高い低域をす〜と響かせる 反応の良さに私は大変好感を持ちました!! 以前からオーケストラでは弦楽器はある程度の面積を持つ音像集団として 感じられると述べてきましたが、それが高音階から低音階まで弦楽五部の 全ての楽音で言い当てることが出来ます!!この表現性は実にいいです!! それではスタジオ録音ではどうなのかと課題曲を連続して聴きました。 ■MUSE 1.フィリッパ・ジョルダーノ/ハバネラ この曲での低い音階のドラムの二連打は重々しくも広がってくれるとホール 録音を思わせる心地良さになるのですが、これは抜群にいいです。 ■ちあきなおみ/ちあきなおみ全曲集「黄昏のビギン」 ■大貫妙子「四季」 ■石川さゆり「天城越え」 これら日本人歌手のヴォーカルの質感は絶妙です。しっとりとして空間に 溶けていくような余韻感を残し、バックの伴奏で低音階の楽音がゆったりと 広がる展開が音楽を聴く楽しさを知らず知らずのうちに語りかけてくるようです。 そして、これら全てにストリングスが含まれていますが、もう!文句なし!! しなやかであり瑞々しい潤いのある弦楽器が程良いリヴァーヴを含み歌手の 背景にさ〜と展開する快感は堪りません!!これはいい!! しかし、良い事だけでは納得してはいけないと、相性が悪いはずの選曲を。 ■“Basia”「 The Best Remixes 」CRUSING FOR BRUSING(EXTENDED MIX) この曲のイントロのドラムの音像は少しゆったり目の音像ですが、不思議な ことにだぶついたイメージがなく切れがいいので十分な許容範囲でした。 シンセサイザーを多用する伴奏にピアノとチェロのアコースティックな楽器が 交互に登場しますが、これがまた! ふくよかで気持ちいいのです。 リズム楽器はひたすら引き締まった低音でなければいけないというのはスタジオ モニター系スピーカーに対する期待感でもあるわけですが、DC-10Tiは空間を 伴う低音楽器を聴かせてくれるので、それが返って違和感なく魅力の一つと して聴く人を納得させてくれるでしょう。 リズム楽器にた対する欲求があったとしても、透き通ったヴォーカルが始まると 「そんなこと気にするなよ」と言わんばかりに魅力的な歌声が見事な定位感で 空間に浮かびます。これだったら文句の付けようがありません。いいです!! そして、私がDC-10Tiの個性を最も強く感じたのがこの曲です。 ■DIANA KRALL 「LOVE SCENES」11.My Love Is 全く対照的という音場感をヴォーカルとウッドベースで録音したこの曲。 今までに何度も使用してきた曲ですが、上記の空間表現を個々の楽音で逆の 音場感として捉えています。 Christian McBrideのウッドペースは爽快なピッチカートで弾け、開放弦で ぐっと重量感を伴い放ち沈み込んでいくベースが実に鮮明な輪郭を描きながら DC-10Tiのセンターにくっきりと浮かびます。 しかし、このペースの音像は他のスピーカーに比べると少し大きいのです。 DIANA KRALLの弾ける指先は実に切れ味良く、再生システムの個性として本来 はあってはいけない残響を付加することもなく、実にすがすがしいエコー感を 空間に残しながら引き締まったテンションを聴かせてくれます。 しかし、この指が弾ける音像も他のスピーカーに比較すると少し大きいのです。 「はは〜、なるほどね〜。そういうことなのですね!!」 複数の課題曲は今までの私の試聴体験で数えきれない程のスピーカーで聴いて 来たものですが、これでDC-10Tiの性格が見えてきました。 デュアルコンセントリックとはTANNOYの昔から得意とするコアキシャル同軸 構造のスピーカーです。ミッドレンジやウーファーの中心部にトゥイーターが 搭載されているというもので皆様も既にご存知のことでしょう。 しかし、私がこれまでに評価してきた多数のスピーカーでは、どちらかと言うと トゥイーター周辺のバッフル面積を極力小さくするようなデザインが多い。 一例を上げれば、AVALON、Wilson、B&W、最近ではRockPort Technologiesも。 つまりトゥイーター周辺のバッフル面積を小さくすることで放射する音波が 出来るだけ球面波に近い形で、スピーカーそのものの外形からの一次反射を 出来るだけ少なくすることで自然な音場感を再現しようというもの。 そのような原理を解りやすく説明しているのが下記の随筆です。 第55話「VIVID AUDIO K-1」 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto55.html さて、確かにTANNOYのデュアルコンセントリックは定位感はいいです!! しかし、上記のような音場型スピーカーが再生する高域の質感と音像とは 異なる趣があるということなのです。 簡単に言えば定位感はいいが音像はちょっと大きめの展開になります。 そして、そのような中・高域の表現性に合わせるように低域の質感も広がりを 持たせた質感であり、引き締まって凝縮した低音の音像作りは目指していません。 下記の画像でデュアルコンセントリックの構造が見られます。 http://www.esoteric.jp/products/tannoy/definition/img/photo03.jpg 確かに「点音源」ということは間違いなく、左右二つの点音源による音像の 定位感はしっかりと安定しています。しかし、トゥイーターからの放射による 高域の音波はご覧のようにホーン形状のミッドレンジの振動板による一次反射 を受けながら拡散していく事になります。 音波は風ではありませんから、このような形状のミッドレンジやウーファーの 振動板に沿って流れていくものではなく、振動板にカーブがかかっていても 一次反射音は発生しているのです。 ある意味では私達が口を両手で囲んでメガホンのようにして大声を遠くに伝え ようとする原理と同じことなのです。そして、その一次反射音は再生音量を 大きくすればするほど顕著になります。 ですから、TANNOYの同軸型スピーカーを至近距離で小音量で聴く分には、前述 のような振動板による一次反射音も無害化できるのですが、ここで私が求める 音量ではトゥイーターの放射音が一次反射してリスナーに伝わってしまうという 現象が起こっているものと推測されます。 それが好ましい演出効果としてオーケストラの弦楽器に程良い群像として美観 を高める効果をもたらし、スタジオ録音においてもヴォーカルやストリングス という連続する楽音にふくよかなイメージを追加することが妙手として成功 しているのではと考えました。 どういう意味の成功か!? それは音楽を楽しく美しく聴かせてくれるという 情緒感に対してTANNOYは実に巧妙な演出方法を持っており、音楽鑑賞用として リスナーにストレスを感じさせない点と面の二種類の音像表現を上手に再生音 として確立しているという事だと思います。 結果オーライというのは決して無責任な評価ではないと申し上げたい!! 私の方向性とは違っていても、音楽を楽しむという道具としての完成度を考えるに、 ハイファイ志向という目標に対してアプローチの方法は複数あって良いという おおらかな鑑賞法をDC-10Tiに教えられたような気がしています。 このDC-10Tiは9月9日までの期間限定展示です。ぜひご来店下さい。 そして、このプライスレンジのスピーカーも継続して試聴出来るようにして 欲しいという方があれば、私も検討してみますのでご要望をお送り下さい。 あっ、そして…、下記のようにDC-10Tiはお買い得品の一つとしてご提案出来ます。 100万円以下で私が推薦出来るスピーカーとして皆様にご提案致しますので、 よろしかったら皆様の部屋の常設としてご検討頂ければ幸いです。<m(__)m> 下記のようなお買い得情報、というのはハルズサークルにて掲載中です。 皆様もご入会頂ければ解ります。どうぞ、この機会にご入会下さい!! |
担当:川又利明 |
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